http://www.sankei.com/politics/news/171213/plt1712130019-n1.html
2017.12.13 14:32更新

東京都議会の経済・港湾委員会が12日開かれ、築地市場(東京都中央区)の一部エリアで行われたボーリング調査で環境基準の最大4・8倍のヒ素を検出したことをめぐり質疑が行われた。

 都民ファーストの会の栗下善行氏は、ヒ素が基準値の濃度の水を70年間、1日2リットル飲み続けても健康への有害な影響がないとする考え方を確認し、「最大4・8倍という数値はただちに築地の扱われ方に大きな影響を与えるレベルではない」との見解を表明。豊洲市場(江東区)への移転後の築地再開発に向け、基準値の考え方などの「正確な情報発信を」と注文した。

 一方、公明党の上野和彦氏は再開発前に跡地を東京五輪・パラリンピックの輸送拠点にすることを踏まえ、「(再開発に向けた跡地全体の)土壌調査は大会閉会後の平成32年度後半か、33年度以降となる」と指摘。都の5年以内に再開発着工を目指すとするスケジュールは「極めて厳しいと考える」と述べた。

 自民党の山崎一輝氏は「再開発のスケジュールは基準超えの土壌汚染を織り込んでおらず、前提は崩れた」と批判。埋蔵文化財調査にも時間がかかるとの認識を示し、「5年以内の着工は到底、無理なことだ」と断じた。

 都は築地市場内の過去の工事で環境関連の条例に基づき地歴を調べ、必要に応じて調査するという手続きを怠っていたため、今回の調査を実施。委員会ではほかの8市場での工事20件で同じ手続きを怠っていたことが報告された。