「加計審査で圧力」証言 座長に訴訟リスクあると言われた
2017年12月8日 07時02分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017120890070221.html

 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部の設置認可を巡り、審査した文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)の複数の委員が七日、本紙の取材に「主査の委員(設置審の座長)から訴訟リスクがあると告げられ、圧力を感じた」と証言した。国家戦略特区認定の四条件を満たしていないとの考えも明らかにし、一人は「設置審にかかったことで認可への道筋は付いていた」とも述べた。 (井上圭子、中沢誠、清水祐樹)
 本紙は主査に大学を通じて取材を申し込んだが、回答を得られなかった。文科省は「個別の委員の発言は明かせない」としている。「認可ありき」をうかがわせる証言が明るみに出たことで、認可判断の妥当性が揺らいでいる。
 加計学園の獣医学部は、四月から設置審で認可の是非を審査。八月に判断保留となり、十一月に設置を「可」とする答申をした。
 審査に関わった委員の一人によると、十一月五日の最終判断の会議で、主査が「もういろんな建物が建っている段階で(答申を)延ばし延ばしにしていると(学園側から)訴えられたら勝てない」と告げたという。この委員は「絶対に認可しろという圧力を感じた部分もあった」と打ち明けた。
 訴訟リスク発言について、別の委員も「委員の三分の一ぐらいは圧力と感じていた」との見解を述べた。
 答申後に文科省が公表した審査経過では、設置審は五月、学園の当初計画に対し、抜本的に改善しなければ新設を認めないとする「警告」まで出していた。特区認定の四条件の一つである獣医師の需要にも疑問を示していた。複数の委員によると、文科省側から会議の場で「この場は四条件を満たすかどうかを議論する場ではない」と繰り返し伝えられたという。