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 11月12日に投票が行なわれた東京都の葛飾区議選挙(定数40)で、在日朝鮮人に対するヘイトスピーチを繰り返している差別主義者団体の前代表が当選した。

 この人物は、右翼団体「維新政党新風」の鈴木信行前代表。選挙期間中は「外国人に生活保護1200億円ておかしくない?」などというキャッチフレーズを掲げ、36位で当選した。鈴木前代表は2012年6月、韓国・ソウルの日本軍「慰安婦」少女像に「竹島は日本固有の領土」などと書いた杭を縛り付け、同年9月には金沢市にある戦前の著名な朝鮮民族独立運動家の尹奉吉の「殉国記念碑」前に同じような杭を打ち込むなど、極端な反韓国感情による行動で知られている。

 またこれまで、東京都の大久保や川崎市など在日朝鮮人が多く生活している地域で、「朝鮮人殺せ」などと叫んでデモや宣伝活動をする「在日特権を許さない市民の会」(在特会)等の差別主義的団体の活動に加わっていた。今回の選挙では無所属で出馬したが、「在特会」のメンバーが大半の「日本第一党」の「推薦」を受けている。運動員も同「党」が中心で、選挙期間中は「在特会」を創立した桜井誠「党首」も応援に駆け付け、駅前などで「ゴミはゴミ箱へ 朝鮮人は朝鮮半島へ」などといったヘイトスピーチを繰り返していた。

「在特会」の動きに詳しいジャーナリストの安田浩一氏は、「差別主義者団体のメンバーが地方議員になった、全国で初めてのケースではないか。きわめて憂慮すべき事態だ」として、次のように語る。

「必ずしも差別的ではないが、社会で『生活保護バッシング』に共感するような層に、『1200億円』などというキャンペーンがヒットしたと考えられる。地域で税金を払って生活している外国人に対する無知につけ込んだ面もあるが、『選挙活動』という名目でヘイトをまき散らす行為が放置されている現状は問題だ」

(成澤宗男・編集部、11月24日号)