2017/11/25 11:00 フォーブス
https://forbesjapan.com/articles/detail/18575

ハリウッドをゆるがしたハーヴェイ・ワインスタイン氏の性暴力告発は各方面に飛び火し、収まる気配がない。

10月末にはフランス各地で反セクハラデモが展開され、アメリカでは著名アーティストを含む7000人が業界の権力者のセクハラを非難する公開書簡を発表。11月に入ってからは、ペルーでミス・ペルー審査会の出場者たちが壇上から女性への暴力に抗議し、欧州議会ではセクハラ、レイプ被害を受けたことのある30人以上の女性議員が「Me Too」のプラカードを掲げ、性暴力の撲滅を訴えた。

一方日本では、フリージャーナリストの伊藤詩織さんが、自らの受けた性暴力被害を訴える会見を開いてから半年が経った。知られているように、相手の元TBSワシントン支局長、山口敬之氏は、本庁の刑事部長命令で逮捕状の執行が突然取り下げられ、嫌疑不十分として不起訴処分となっている。伊藤さんは、10月に出版された手記及び外国特派員協会での会見で、一連の経緯から警察及び司法組織のあり方に疑問を投げかけ、性暴力被害者の救済制度の整備を訴えている。

レイプを受けたとする被害者が名前と顔を世間に晒して闘うのには、非常に高いハードルがある。勇気を振り絞って告発しても、「彼女にも落ち度はあったのでは?」「もしかして合意だったのでは?」といったセカンドレイプに遭うのが常である。