http://www.asahi.com/corporate/info/11207014

 小川榮太郎著・株式会社飛鳥新社発行の書籍「徹底検証『森友・加計事件』 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(本書という)は、弊社による「森友学園」「加計学園」に関する一連の報道を「戦後最大級の報道犯罪」「虚報」「捏造」などと決めつけています。
 本書は、弊社が取材で入手した文書について紙面で報じているにもかかわらず、「安倍の関与を想像させる部分以外は、文書内容をほとんど読者に紹介せず」「『総理の意向』でないことが分かってしまう部分を全て隠蔽して報道し続けた」としています。また、実際には紙面で報じている当事者の発言等を「殆ど取材せず、報道もしていない」としています。さらに「加計学園」報道に関して、弊社がNHK幹部と「密議」や「共謀」して「組織的な情報操作」を行ったと記載するなど、荒唐無稽な持論を展開しています。
 弊社の一連の報道は、森友学園に国有地が大幅に値引きされて売却された不透明性・不自然さを指摘するとともに、約50年ぶりとなる加計学園による獣医学部の新設をめぐり、公平で適正であるべき手続きに疑念を抱かせる複数の文書の存在を明らかにしたものです。国民が当然抱くであろう疑問に答えるのは報道機関の使命であり、そのために現場の記者たちは内部文書を掘り起こすとともに、さまざまな関係者の証言を集め、事実に基づいて報じています。
 それを弊社に一切の取材もないまま、根拠もなく、「虚報」「捏造」などと決めつけるのは、弊社の名誉・信用を著しく傷付ける不法行為であり、到底見過ごすことはできません。
 貴殿及び貴社に厳重に抗議するとともに、すみやかに弊社に謝罪し、事実に反する部分を訂正し、弊社が被った損害を賠償するよう強く求めます。
 以下に、事実に反する主な箇所を示します。
 本書面受領後2週間以内に、書面にて真摯にお答えください。
 なお、本書面は弊社コーポレートサイト(http://www.asahi.com/corporate/)で公表いたします。

【事実に反し名誉・信用を毀損する主な箇所】

@「朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(本書題名)及び「無双の情報ギャング 朝日新聞に敬意を込めて捧ぐ」(本書2頁)との記載。
 上記の記載は、事実に基づかない、弊社に対する著しい誹謗中傷であり、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

A「スクープ≠ヘこうしてねつ造された」(本書の帯)との記載。
 弊社の「森友学園」「加計学園」に関する一連の報道にねつ造はありません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

B「仕掛けた朝日新聞自身が、どちらも安倍の関与などないことを知りながらひたすら『安倍叩き』のみを目的として、疑惑を『創作』した」(5頁)との記載。
 上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

C「『安倍叩き』は今なお『朝日の社是』なのだ」(19頁)との記載。
 弊社は「安倍叩き」を社是としたことは一度もありません。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。

D「朝日の記者側から、何らかの訴訟を構成すれば記事にできるとの助言があった末でのこの記事だという」(22頁)との記載。
 豊中市議会議員の木村真氏に対し、弊社の記者が訴訟を促すような助言をしたことはありません。上記の記載は、事実に反し、弊社及び記者の名誉・信用を著しく毀損するものです。

E共産党や民進党の議員による国会質問や答弁について「初報をスクープした朝日新聞は、これらの質疑や会見内容を全く伝えていない」(26頁)との記載。
 弊紙はこれらの質疑や会見を少なくとも2回、紙面で報じています。上記の記載は、事実に反し、弊社の名誉・信用を著しく毀損するものです。なぜこのような間違いが生じたのか理由をお示し下さい。紙面で報じた2本の記事は以下の通りです。
 ●2017年2月14日付 朝刊社会面「学園『ごみ撤去1億円』」
 ●同月18日付 朝刊社会面「国有地売却巡り国会で答弁」

(略)