やまもといちろう 2017年11月16日 07:08
http://blogos.com/article/259334/

流石に触れないわけにもいかないので反応するのですが、維新の会の衆議院議員、足立康史さんが朝日新聞に対して「死ね」や「捏造報道」などと中傷を繰り返していた問題で、懲戒動議にまで発展してしまったようです。

維新 足立氏の発言で懲罰動議提出も検討 野党側筆頭理事 | NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171115/k10011224401000.html

維新議員「朝日新聞死ね」を説明 #BLOGOS
朝日新聞のねつ造報道は“万死に値する” − 私が朝日新聞を最も強い言葉で非難する理由 −
http://blogos.com/outline/258949/

 さらに、一部で騒ぎにすでになっている「報道特注」にて、足立さんのある種の暴走も見られます。

#16報道特注【朝日新聞また捏造SP】足立議員が天下の朝日にねつ造されたw これがその手口だ!!
https://youtu.be/nwux9GL3qQ4

 もちろん、報道機関として朝日新聞がかねてから問題視されるような報道姿勢を崩さないと指摘する向きはあるので、それは適切な形で批判をするのは必要なこととは言え、国会議員がさしたる根拠を示さず「捏造だ」と言い張るのはなかなか大変なことであります。

 そもそも足立康史さんは小選挙区で落選したら比例復活せず政界を引退すると大見得を切ったものの、大阪9区で惜しくも2位となって、重複立候補していた比例から復活当選をしたという経緯もあります。前回も小選挙区で敗れており、2期連続の比例復活です。まあ、人情としては分かるのですが、底まで言っておいてこれかよというツッコミは各方面から入るのも致し方ないところです。

『足立康史前議員が衆院選2017の小選挙区敗退なら政界引退』youtu.be/kVpLs4L_wDM
足立康史先生困った。比例復活も辞退か(笑) - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1163753

 いわば、足立康史さんは俗に言う「右翼商売」のスペシャリストであって、左派政治家や朝日新聞・毎日新聞のようなエスタブリッシュを痛烈に批判し、こき下ろすことでネットでの評判を得ようとするものの、言論の実態としては必ずしも証拠や証憑類の裏付けのない内容も多くあるため、誹謗中傷と受け取られて今回のような事態に陥ることもあるのでしょう。

 さすがにこれ一髪で議員辞職にまで追い込まれるという話には単発ではいかないかもしれませんが、他にも足立発言として森友学園問題や小池百合子東京都知事関連の話で微妙な内容も含まれ、今回の事件を奇貨として当事者から蒸し返されると一気に苦しくなります。ましてや、報道特注も出版して活字にしてしまいましたので、言い逃れはなかなかむつかしいのではないかとすら感じます。

 朝日新聞は捏造報道を行ったと繰り返し発言していた足立康史さんが、ネット番組であまり根拠のない微妙な発言を行っていたことをつつかれるとろくでもないことになります。小選挙区で負けたら引退とまで言っておいて比例復活した挙句、ネットで信者に囲まれて調子に乗ってしまったことは仕方がないと反省して、足立さんらしい見識と品格ある議論のできるよう、うまく乗り切っていただきたいと祈る次第です。