毎日新聞2017年11月15日 21時42分(最終更新 11月15日 22時05分)
https://mainichi.jp/articles/20171116/k00/00m/010/112000c

自民党の義家氏、日本維新の会の足立氏
 15日の衆院文部科学委員会の質疑は、質疑時間が従来より増えた自民党や、持ち時間が単純配分より多い少数政党の質問が注目された。自民党の義家弘介氏と日本維新の会の足立康史氏はメディア批判や野党批判を展開。立憲民主党の辻元清美国対委員長は党会合で「立法府が行政をチェックする問題(意義)が問われかねない」と批判した。

15日の質疑は「与党1、野党2」(与党80分、野党160分)で時間を配分。義家氏の持ち時間は立憲の委員に次いで多い30分間だった。質問では「恣意(しい)的な報道を繰り返したマスコミ、野党による結論ありきの追及にじくじたる思いを抱いてきた」などと不満をぶちまけた。


衆院文部科学委員会で学校法人「加計学園」による国家戦略特区での大学獣医学部新設についての野党の姿勢や新聞報道などについて批判する維新・足立康史氏=国会内で2017年11月15日午後0時12分、川田雅浩撮影
 8月まで副文科相だった義家氏は、加計学園を巡る圧力を示唆した前川喜平・前文科事務次官に言及。「次官が司会の閣僚らの懇談会で、前川氏から『事実がゆがめられた』などの発言はなく、加計問題も一回も取り上げていない」と述べ、辞任後に告発した前川氏を批判した。

 野党は「何のための時間増か」と反発。辻元氏は「おかしいと声を上げた人をさらにおとしめる質問。(このために)時間がほしかったのかと言わざるを得ない」と指摘した。

 維新の足立氏の持ち時間は20分間で、自民の主張通りの「5対5」で想定される10分弱や、従来通りの「2対8」で想定される約15分を上回った。質問では、希望の党の玉木雄一郎代表と立憲の福山哲郎幹事長が、獣医学部新設に懐疑的な獣医師会から献金をもらっているとして「仮に請託を受けて国会質問していれば、あっせん利得罪だ。犯罪者だ。首相を犯罪者たちが取り囲んで非難しているのが今の国会だ」と語った。希望幹部は「コメントに値しない」と不快感を示した。立憲、希望両党は、足立氏への懲罰動議案提出を検討する。【小山由宇】