◆ 冷血の経団連 国民に痛みを強いてでも消費増税実現を提言

■ 企業の内部留保は過去最高の406兆円

庶民の生活は苦しくなるばかりだ。
経団連の榊原定征会長は、安倍自民が大勝した衆院選の結果を受け、「安定的な政権基盤が維持、強化された」と評価。

「国民の痛みを伴う思い切った改革は、安定的な政権基盤がないとできない」とし、「消費税は増税しないと財政を再建できないので、勇気を持ってやってもらいたい」と言い放った。
国民に「痛み」を与えてでも消費税を上げよ、とはフザケた言い分だ。

何しろ、財務省の「法人企業統計」(2016年度)によると、企業の内部留保は前年度を28兆円上回る406兆円。
過去最高額を更新したばかりだ。

自民党の試算では、消費税を現状の8%から10%に上げると、税収が約5兆6000億円増加するという。
企業の内部留保と比べ、消費税増税による税収増は雀の涙のようなもの。

共産党の小池晃書記局長は、衆院選前に民放番組で「4年間で、従業員1人当たりにすると825万円も増えた。
その1〜2割でも(労働者に)回せば、月2万円の賃上げができる」と訴えていた。

生活苦にあえぐ庶民に消費税の「痛み」を、大金持ちの大企業が強いる――こんなことが許されていいのか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。

「日本の消費税は収入の低い人にとって負担が重く、高い人には軽い不平等なものです。
経団連は将来的に消費税を約20%にまで上げるべきと主張する一方、企業にかかる法人税を軽くせよと、政府に働きかけている。
『でないと海外の大企業と渡り合えない』というのが彼らの言い分ですが、負担増で苦しむのは低所得層です。
経団連は安倍自民と距離が近いですから、今回の選挙結果には大喜びしていることでしょう。
本来は、日用品や食品には消費税をかけず、高級品に高い税率を適用するといった対策が必要なのですが、経団連は安倍自民に働きかけ、真逆のことをやろうとしているのです」

大企業こそ、真っ先に「痛み」を受け入れるべきではないのか。

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