東京新聞 2017年10月23日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017102302000246.html

「大義なき解散」、そして森友・加計(かけ)学園問題を巡る「疑惑隠し」との批判を浴びながらも、午後八時の投票終了と同時に「勝利」「過半数確実」と報じられた自民党。党総裁の安倍晋三首相は午後九時半すぎに東京・永田町の党本部の開票センターに入り、当選確実となった候補者名に赤いバラを付けた。
 「今回の勝利に、謙虚に向き合わなければならない」。午後十時すぎからテレビ各局のインタビューに応じた安倍首相は終始、厳しい表情を崩さなかった。
 選挙戦では、北朝鮮の危機や幼児教育の無償化を前面に打ち出した。一方、首相が解散を表明した先月二十五日の記者会見で「国民から大きな不信を招いた」と認めた森友・加計問題に関しては、自ら説明する姿勢はなかった。
 インタビューでも森友・加計問題への質問が相次いだが、「これまで丁寧に説明してきた。今後も求められれば、誠意を持って丁寧に説明していきたい」と繰り返した。
 七月の東京都議選は「共謀罪」法の採決強行など、自民党による政治のあり方そのものが問われる形になり、歴史的惨敗を喫した。臨時国会の冒頭で衆院解散したことも、森友・加計問題に関する「疑惑隠し」と批判された。
 また、安倍首相は選挙公約で重点項目とした改憲に関して「スケジュールありきではない」と説明しつつも、「自衛隊に違憲論がある状態を一日も早くなくすべきだ」と言及した。 (山田祐一郎)