大久保貴裕、藤原慎一2017年10月17日15時30分

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大型商業施設の中に設けられた投票所に続々と有権者が訪れた=15日午後4時42分、秋田県男鹿市、大久保貴裕撮影


 国政選挙で期日前投票をする有権者が増えている。今回の衆院選では、公示翌日の11日から15日までの5日間で約410万人が投票し、衆院選で期日前投票が導入された2005年以降で最多。各政党も票固めの一環として力を入れるようになっている。ただ、肝心の投票率は50%台と低迷が続いている。


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 投開票日1週間前の15日夕。「なまはげ」で知られる秋田県男鹿市の商業施設に設けられた期日前投票所を有権者が次々に訪れた。建設業の佐沢政志さん(60)は「買い物のついでに気軽に投票できる。いつも必ず期日前です」。

 男鹿市は昨年の参院選(選挙区)で、投票者のうち期日前投票をした人の割合が69・36%で県内最多となった。

 1世帯あたり1・8台の車を所有し、車が主な移動手段。市はここに着目し、住民が車で頻繁に行き来する場所にある商業施設に期日前投票所を設置した。担当者は「住民の普段の動きを熟知することが肝心だ」と話す。

 さらに秋田県内の複数の自治体担当者は、別の理由を指摘する。「秋田は人間関係が濃密。投票日に知人と出くわして投票先を探られる状況は避けたいという心理とうまくマッチした」。投票日は近所の投票所を指定されるが、期日前投票所は遠くにあるため、知人と会う可能性は低くなるというわけだ。

 県全体でも直近4回の国政選挙(選挙区)で、期日前の割合は全国トップ。昨夏の参院選は47・93%で、全国平均の27・52%を大きく上回った。投票率(期日前を含む)は全国4位の60・87%だった。

 http://www.asahi.com/articles/ASKBJ5QP5KBJUTFK011.html?ref=tw_asahi