東京都の小池百合子知事は二十九日の記者会見で、都知事と国政政党「希望の党」代表の兼務の是非を問われ、安倍晋三首相も自民党総裁を兼ねているとして「問題はない」との見解を示した。ただ、法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)は「次元が違う話。都政を預かる知事と、国政政党の代表は方向性が違う」と指摘する。

小池氏は会見で、記者からの「弊害が出ていないのか」との質問に、「全然出ていない」と強調。「総理だって総裁を兼ねている。何ら問題はない」などと答えた。

首相は議院内閣制の下、国会議員の中から国会の議決で指名され、多くの場合は与党第一党の党首が就く。一方、知事は有権者の直接投票で選ばれ、議会との二元代表となる。

白鳥教授は「安倍氏は国政を預かるために自民党総裁をやり、首相に選ばれており、二足のわらじでも何でもない」と、小池氏が都知事と党代表を兼務することとの違いを指摘。「都知事の行政責任は重い。都民の負託を軽く考えているのではないか」と批判した。 (藤川大樹)

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