https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170929-00000113-jij-pol

 安倍政権内で、新党「希望の党」代表を務める小池百合子東京都知事が衆院選に出馬するとの見方が強まっている。実際に出てくれば選挙戦に与える影響は計り知れず、幹部らは戦々恐々だ。一方、希望や合流する民進党には待望論が広がっており、都議会が閉会する来月5日前後の小池氏の動向に関心が集まる。
 「私は出てくるのではないかと思っている」。菅義偉官房長官は29日の記者会見でこう予想してみせた。公明党幹部も「絶対出る」と言い切り、自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は「出た方が有権者にも分かりやすい」と語った。
 小池氏は、自身の衆院選出馬を再三否定している。にもかかわらず、政権側でこうした発言が相次ぐのは、危機感の裏返しからだ。
 小池氏が出馬に踏み切れば、「初の女性首相」候補として注目度がアップし、政権選択選挙の色彩はより濃くなる。希望の後藤祐一前衆院議員は神奈川県厚木市内の会合で「『小池首相』か安倍首相かを選ぶ選挙になる」と発言。同党の若狭勝前衆院議員もBSフジの番組で「出ていただいた方が有利になる」と語った。
 自民党の派閥領袖(りょうしゅう)の一人は「小池氏が立候補すれば希望の党は一気に全国的な政党になる。そうなれば全国の選挙区が危ない」と話す。
 自民、公明両党は小池氏が出馬に踏み切れば、「都政投げ出し」と徹底批判する構え。都知事選には約50億円の経費が必要とされており、小池氏が主張する「ワイズ・スペンディング(税金の有効活用)」とも矛盾すると攻撃していく考えだ。
 一方、民進党幹部の一人は「大歓迎だ。民進党の候補、カネ、連合の集票力に小池氏の人気が加われば、いい勝負ができる」と期待する。
 もっとも、出馬を見送った場合、大きく膨らんだ期待が一転して失望に変わる可能性もある。小池氏は世論の動向を注意深く見極めた上で、最終判断するとみられる。