<加計学園>「理事長なぜ出席せぬ」 野党からは疑問の声 
9/6(水) 22:03配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170906-00000136-mai-soci

 学校法人「加計(かけ)学園」が新設を計画している岡山理科大獣医学部を巡り、「総理のご意向」との疑念が出てから初めて、学園幹部が6日、地元の愛媛県今治市議会という公の場で説明に臨んだ。

 加計学園を巡る一連の問題を国会で追及してきた野党からは疑問の声が上がった。民進党の宮崎岳志衆院議員は「大学設置審が保留の判断をしたのに、開学時期を変えずに済む根拠を教えてほしい」と皮肉り、「建設費の水増しなどを否定するのなら、公の場で詳細な資料を公開して納得できる説明をすべきだ」と語った。

 「そもそも、学園の責任者である加計孝太郎理事長がなぜ出席しないのか」。同党の調査プロジェクトチーム座長を務める今井雅人衆院議員はこう疑問を呈し、今月下旬に召集予定の臨時国会で、安倍晋三首相と友人関係にある加計氏の参考人招致を引き続き求める考えを示した。

 元総務相の片山善博・早稲田大公共経営大学院教授(政治学)は「市から多額の補助金が投入される以上、市長や市議会は建設費が水増しされていないかきっちり吟味する必要がある」と指摘。「国民の疑念はまだ解消されておらず、うやむやにしてはならない」と述べ、政府に説明責任を果たすよう求めた。【杉本修作】

 ◇市民からは、不満の声も漏れる

 加計学園幹部が出席した6日の今治市議会国家戦略特区特別委員会を傍聴した市民からは、不満の声も漏れた。傍聴席があふれて入室できなかったり、学園の説明に納得できなかったりした市民らが閉会後、車に乗り込んだ幹部に「しっかり説明しろ」などと怒号を浴びせて詰め寄る場面もあった。

 約2時間の審議を傍聴した今治市の主婦、越智芳子さん(64)は「(学園の幹部は)開学したいがため、形式的に来たという印象を受けた。お金の話など、あやふやな点が多かった」と不信感を示した。

 特別委員会の傍聴席は普段は5人だが、この日は特別に15席が用意された。それでも38人が希望し、入れなかった人が議会事務局の職員に詰め寄った。今治市の教員の女性(69)は「なぜ控室を用意したり、場所を変えたりしないのか」と不満そうだった。