衆院選の「一票の格差」是正に向けて選挙区の区割りを見直す改正公職選挙法が16日に施行される。6県の選挙区定数を各1減するのが柱で、現職議員を多く抱える自民党は候補者調整を急いでいる。ただ、選挙区から外れる候補の比例代表での優遇を求める声が各県連から相次ぎ、調整難航は避けられない。

 次期衆院選から定数が1減となるのは青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島。うち全5選挙区に自民現職を抱える鹿児島は12日、現3区で出馬し、比例九州ブロックで復活当選した宮路拓馬氏を比例単独に回すことで決着した。

 県連は宮路氏を比例名簿の上位で優遇するよう求めており、古屋圭司選対委員長は記者団に「県連の意向を十分に聞きつつ対応していく」と語った。

 熊本では全5選挙区で自民現職の全員が勝利している。県連は現4区の園田博之氏を比例に回すことを念頭に調整している。ただ75歳の園田氏は党の内規で定める比例の「73歳定年制」に抵触するため、党本部に例外措置を求めている。

 全4選挙区に自民現職を抱える青森では、県連が選挙のたびに2人の候補者を選挙区と比例で入れ替える「コスタリカ方式」導入を党本部に要求している。県連内では新1区で、現1区の津島淳氏と現2区の江渡聡徳氏のコスタリカ案などが浮上している。

 三重では調整が難航していた新2区は川崎二郎氏を擁立、地盤が一部重なる島田佳和氏は新3区に回る方向で最終調整に入った。岩手は、新1区に高橋比奈子氏、新2区に鈴木俊一氏、新3区に藤原崇氏となる見通しだ。奈良は田野瀬太道(たいどう)氏が新3区となる見通しのほかは調整が進んでいない。

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