11日から欧州3カ国を歴訪中の衆院憲法審査会の議員団は、欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票に敗れて辞任したキャメロン前英首相らと相次ぎ会談した。

 森英介会長ら与野党の審査会メンバーは12日、キャメロン氏とロンドン市内で非公開で会談。出席者によると、昨年6月に行われた英国での国民投票が議題となり、キャメロン氏は離脱か残留かで国が真っ二つに割れたことを踏まえて、「最も大事なのは、公平・公正なプロセスで、賛否の両方を支援することだ」と語った。国民投票では不確かな情報に基づく対立が激化したためで、同氏は離脱という結果に悔しさをにじませていたという。

 議員団は英上院憲法委員長を務めた経験もあるフィリップ・ノートン上院議員とも12日に会談した。英国の国民投票では広告支出の上限が設定され、テレビCMの放送枠が残留・離脱の両派の代表に平等に無料で割り当てられたが、同氏は情報の質を問題視。「公平な立場での情報が少なかった」と振り返った。

 日本の国民投票法は運動規制が緩く、特にテレビCMは投票の2週間前まで自由に放送できるため、資金力が結果を左右しかねない。森氏は13日、記者団に「(国民投票の)実施の仕方は、相当研究しなければいけないと感じた」と語った。(ロンドン=藤原慎一)

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