誰もが知っているスキャンダル議員たちは次期総選挙で「落選運動」のシンボル的標的になる。「このハゲーーー!」発言で秘書パワハラの豊田真由子氏、不倫路チューの門博文氏と中川郁子氏の“白亜の熟年カップル”はじめ、自民党の「魔の2回生」には該当者や予備群がひしめいているが、この人達はあえて運動する必要もなく落選する可能性が高い“小者議員”。

 彼らの醜聞が話題をさらう中でそれ以上に批判されるべき“スキャンダルスター”が2人いる。甘利明・元経済再生担当相と“パンツ大臣”こと高木毅・元復興相だ。

「建設業者から口利きを頼まれて大臣室や事務所で現金50万円受け取っても無罪」という政界モラルハザードの前例を作ったのが甘利氏。本人と秘書が計650万円を受け取り、政治資金収支報告書には200万円しか記載していなかった。

 甘利氏は事件発覚後の昨年1月に「秘書のせいにしたくない」と大臣を辞任。説明するといいながら、「睡眠障害」を理由に同年の通常国会には1度も出なかった。現在の甘利氏は自民党税調副会長に抜擢され、増税を決める税制改正の責任者の1人となっている。

 7月2日には、安倍晋三・首相、麻生太郎・副総理、菅義偉・官房長官の政権トップ3の会談に同席し、「総理は次の内閣改造で甘利さんを閣僚に起用するつもり」(官邸筋)との見方まで流れている。検察が法的責任を問わない以上、有権者が“NO”を突きつけるしかない。

「さすがに“パンツ大臣”は落ちる」と思っている人も多いだろうが、日本の選挙の現実はそうはならない。

 高木氏の下着泥棒事件は地元では昔から知られていたが、2世議員で原発関連の地元業者が強力にバックアップしているため、これまでも余裕で当選してきた。

 今年1月、自民党福井県連が「高木氏が逮捕されていたのは事実」と発表したが、党本部は否定。背景には安倍首相の出身派閥・細田派のバックアップがある。

 高木氏を落とすには、全国的な落選運動リストに載せて批判を強め、地元有権者を動かすしかない。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170713-00000025-pseven-soci