閣外か残留か 岸田氏去就に注目
毎日新聞:2017年7月12日 22時13分
http://mainichi.jp/articles/20170713/k00/00m/010/116000c

http://cdn.mainichi.jp/vol1/2017/06/22/20170622mog00m010047000p/7.jpg

■当の岸田氏は明確な言質を与えず、周囲やきもき

 8月初旬の内閣改造・自民党役員人事に向け、岸田文雄外相の去就が注目を集めている。
自身が会長の岸田派は「ポスト安倍」をにらんで党の要職に転出するよう促す一方、首相官邸サイドは閣内残留を求める声が強まる。
岸田氏が閣外に去った場合、来年の党総裁選に出馬する可能性が高まるが、当の岸田氏は明確な言質を与えず、周囲をやきもきさせている。

「存在感を高める大きな効果がある。便乗したい」。
岸田氏は12日、外務省で面会したタレントのピコ太郎さんに強調した。
ピコ太郎さんは国連の「持続可能な開発目標」をPRするため、世界的な流行曲「ペンパイナッポーアッポーペン」の替え歌を公開中。
しきりに「存在感」と繰り返した岸田氏の姿は、今の政権内での立場とダブった。

 岸田氏は2012年12月の第2次安倍内閣の発足から一貫して外相を務め、在任期間は戦後歴代2位に達した。
一方、閣内不一致を懸念してリベラル色の強い持論を封印し続けたため、岸田派内では発信力や存在感の乏しさに不満が募っていた。

 しかし加計学園問題や東京都議選の惨敗などで「安倍1強」が揺らぐ中、岸田氏はこのところ、経済政策や憲法改正について独自の見解を相次いで発信。
4日の講演では「格差といった負の側面に対応するのが重要」などとアベノミクスの是正を訴えた。
首相が意欲を示す「自衛隊」明記の憲法改正でも、6月28日の講演で「9条改正は今は考えない」と一線を画した。

 岸田氏がいよいよポスト安倍を意識し始めた、と期待する岸田派からは、首相との連帯責任を強く問われる閣僚から外れ、
「党の要職に就いて総裁選出馬へ力を蓄えてほしい」と望む声が強まる。
岸田氏も「閣外に出たい」との意向を周囲に漏らしている。

 ただ、仮に閣僚続投を断れば、首相の報復として党の役職にも就けない可能性がある。
また同じ「ポスト安倍」の石破茂元幹事長が無役のまま存在感を高めつつあり、「二番せんじ」になりかねない岸田氏の立場は微妙だ。

 その岸田氏は、今も公の場では「人事は首相が行うものだ」と建前を繰り返すなど、態度は煮え切らない。
これまで打診されたポストを断っていないだけに、岸田派内には焦りも広がっている。

■首相官邸には岸田外相の続投論

 首相官邸では岸田文雄外相の続投を求める声が出始めている。
安倍晋三首相の求心力低下に歯止めがかからない中、岸田氏が閣外で「ポスト安倍」として距離を置く姿勢を強めれば政権へのダメージになりかねず、閣内にとどめて動きを封じたいという思惑もにじむ。

 首相は9日、「骨格をころころ代えるべきではない」と麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官の続投を明言。
これになぞらえ、ある官邸関係者は「外相も政権の骨格だ」と指摘し、岸田氏の留任が必要との考えを示した。
政府高官も「閣内にいさせるほうがいい」と語った。

 第2次安倍内閣発足以降、岸田氏は極力独自色を抑えて「安倍外交」を支え続けた。
2015年末の慰安婦問題に関する日韓合意を主導するなど実績も上げており、政権内では「忠実な実務者」(外交筋)と高く評価されている。



▼関連スレ
【外務省】ピコ太郎が岸田大臣とダンス? 世界の貧困撲滅に向けた国連の活動をPR
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/seijinewsplus/1499833742/

【内閣改造】岸田外相が退任意向、首相後継「ポスト安倍」候補として自民党三役就任を視野 8・3にも内閣大幅改造
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/seijinewsplus/1499806836/