航空自衛隊が29年度にも配備を予定している「F−35戦闘機」。米海兵隊仕様のF35Bが今年1月、米軍岩国基地(山口県岩国市)に到着した。米軍が誇る最新鋭戦闘機は、マスコミはもちろん、飛行機ファンや兵器マニアまで、さまざまな層に話題を提供、盛り上がりをみせる。 最新のステルス機能を搭載し、敵に探知されることなく、忍者のように姿を見せずに目標まで到達する、「F−35B」を写真で紹介する。(写真報道局 彦野公太朗)

日没時、岩国基地上空に忍者#来

 1月18日、日本に初飛来した2機のF−35Bが日没とほぼ同時刻に岩国基地上空にあらわれた。

 シャッターを押す指が緊張で少し汗ばむ。思ったよりコンパクトな機体を望遠レンズで追う。最新のステルス機もファインダーに捉えてしまば、オートフォーカスが、機体を“ロックオン”して、その正体を露わにする。

 上空の2機のうち、1機が右にブレイクし南方向からゆっくりと着陸した。もう一機も続けて着陸。巨大なジェットノズルが目を引く。見た目には兵器類は分かりにくく、シャープなフォルムが機能美にあふれている。

愛称は「ライトニングII」

 F−35はロッキード・マーティン社が中心に開発。空軍用のF−35A、VTOL型海兵隊用のF−35B、そして、空母艦載型海軍用のF−35Cの3機種がある。

 F35Bは全長15・6、翼幅が10・7メートル。武器搭載量は6・8トンに上る。プラット・アンド・ホイットニー社製のF135ーPWー600エンジンを搭載し、最高速度はマッハ1・6に達する。

 世界初の超音速巡航、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)が可能な第5世代機で、高いステルス性を有している。愛称は「ライトニングII」。大戦中に活躍したロッキードP−38の愛称「ライトニング」を引き継いだ。

▼【写真ずらり】これがF−35の勇姿(こちらをクリック)

 海兵隊によると「FA−18ホーネット戦闘攻撃機」や「AV−8Bハリアー2攻撃機」、「EA−6Bプラウラー電子戦機」のそれぞれの機能を1機で担う能力を持つという。

 岩国に到着したのは、第121海兵戦闘攻撃中隊に所属し、米国以外での初の駐留となった。

 今後、米海軍揚陸艦ボノムリシャールに変わって佐世保に配備される同型艦のワスプの搭載機となる見込みだ。
「全てのパートナー国の不測の事態に対応」ニコルソン中将

 到着式典では在沖縄米軍トップのニコルソン中将が「最も進化した機体で、全てのパートナー国の不測の事態に対応し、地元の皆さんの協力で日米同盟を強固にできる」と述べた。 

 またコクピットのタッチ式ディスプレイなどが再現されたシミュレーターも公開された。

 1月に10機が配備されたF−35B、8月にはさらに6機が追加される予定。

 戦闘機は写真的にももっとも絵になる兵器。次回も引き続きF−35の魅力を紹介する。

http://www.sankei.com/west/news/170711/wst1707110038-n3.html
http://www.sankei.com/west/news/170711/wst1707110038-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/170711/wst1707110038-n1.html