ふざけた動画投稿の「生主」

三浦市議は札幌市手稲区出身。19年春、帝京大法学部入学を機に、親類を頼って千葉市に移り住んだ。
学生時代をよく知るという男性によると、クラブに頻繁に出入りし、DJとして働いてもいた。なかなかの腕前で、盛岡市のクラブから依頼され出演したこともあるという。

この男性によると、三浦市議はクラブやインターネット上で、10代後半くらいの女の子のナンパに励んでいたという。「女性は10人や20人はくだらない」と男性は話す。
動画投稿サイト「ニコニコ動画」に生放送で動画を配信する「生主(なまぬし)」として、ふざけた動画を多く配信していた。

「ファイト一発」というタイトルの動画では、JRの電車で、閉まる寸前のドアを両手で無理やり開き、発車を遅らせた。
当時は、コンビニエンスストアの冷蔵庫に寝転んだ画像をブログにアップするなどの投稿が社会的に批判を浴びていた時期に重なる。三浦市議も、この種の衝動に駆られていたのだろうか。

知人によれば、23年の東日本大震災直後、携帯電話の着信音を緊急地震速報の警報音に設定し、電車内で鳴らしては乗客を怖がらせることもしていた。
また、都内の無人の交番に無断で立ち入り、デスクに座ってポーズを取ったこともある。JR千葉駅の改札を自転車で突破する動画も投稿した。

議会は報酬差し止め目指す

卒業後は中古車会社のアルバイトや携帯電話会社の契約社員として働くとともに、市川市に転居し、市議や県議の下で秘書などとして「政治修業」を積むようになった。
みんなの党で活動した後、維新の党の公認で当選。会派「維新の党・花の会」を経て、無所属になり自民党会派に在籍していた。逮捕後の今月6日に会派を離れた。

「ご迷惑お掛けしました」。釈放翌日の6月30日午前7時半ごろ、自民会派代表の中山幸紀市議に電話があった。中山氏は「議会の雰囲気はお前が考えているより100倍ひどい」と叱責。
議員辞職の意思があるか問いただしたが、「これから裁判を受けなくてはならないので、その後で判断させてください」と保留した。


この日、三浦市議は議会の一般質問で市内の保育施策や公園整備について質問する予定だったが、体調不良を理由に欠席。三浦市議が務める総務副委員長の職は、不信任決議が全会一致で可決され、解任が決まった。
今月2日には、中山氏が三浦市議と会い、再び辞職を促したが、三浦市議は「裁判の結果を見てから」と当面は辞職しない考えを示した。中山氏によると、三浦市議はマスク姿で人目を気にしている様子だったという。

市議会は議員辞職勧告について、犯罪行為が明白となった時点で決議するとしている。だが、決議されても、本人が辞意を示さない限り、職を解かれることはない。
市議会事務局によると、市議の報酬は毎月60万4千円。会社員のボーナスにあたる期末手当は150万3960円で、三浦容疑者にも6月14日に支給されている。辞職しない限り、議員報酬も毎月支払われる。

市議会は報酬差し止めに向け、条例改正に動き出した。