組織犯罪を計画段階で処罰可能にするため、従来の「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設した改正組織犯罪処罰法は11日午前0時、施行された。

 改正組織犯罪処罰法の施行を前に、金田勝年法相は毎日新聞のインタビューに応じ、「恣意(しい)的な運用はできない」との認識を強調した。主な一問一答は次の通り。

 −−成立時に委員会採決を省略する「中間報告」という形がとられ、審議は不十分との批判がある。

 ◆審議の進め方は国会の判断だが、ルールに基づいた対応だ。予算委員会などでも度重なる審議があった。

 −−野党側は法相の答弁が「不安定」と批判し、法務省刑事局長が代わって答えることに反発した。答弁は混乱を招いたのではないか。

 ◆1100回に上る答弁を通じて誠実かつ丁寧な説明に努めてきた。局長の出席は国会が国会法に基づき判断した。充実した審議のためには、捜査の実務に精通した局長による細目的、技術的事項の答弁が必要だ。

 −−捜査機関による乱用や監視社会化などへの懸念が根強い。

 ◆処罰範囲は明確かつ限定的で、裁判所による審査も機能している。恣意的な運用はできない。(通信傍受など)新たな捜査手法を導入するわけでもなく、監視社会を招くという意見も根拠がない。

 −−懸念を払拭(ふっしょく)するための対策は。

 ◆全国の地検などに刑事局長名で適切な運用を求める通達を出した。法務省のホームページも更新し概要を分かりやすく説明する。さまざまな機会をとらえて法の内容や趣旨を周知し、理解を求めていく。【聞き手・鈴木一生】

7/11(火) 6:45配信 毎日新聞
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