国家戦略特区での獣医学部新設をめぐって、参議院の閉会中審査が開かれました。
野党側は、行政がゆがめられたのではないかという疑惑が、さらに深まったとして、真相を解明するため、安倍総理大臣も出席して予算委員会でも閉会中審査を行うよう、引き続き求めていく方針です。
これに対し、自民党は、きょうの質疑で特区の手続きが適正に行われたなどの説明が十分に尽くされたとして、予算委員会での閉会中審査の開催には慎重な姿勢を示していて、与野党のせめぎ合いが続く見通しです。

自民 竹下国対委員長「前川氏の主張これまでと同じ」

自民党の竹下国会対策委員長は、国会内で記者団に対し、「与党側が招致した参考人の話は非常に分かりやすく、初めて本質論の話が、一定程度深まったという認識を持った。一方で、前川・前事務次官の主張も、野党側の質問も、これまでと全く同じで、何も新しいことがなく、これでは意味がない。あのレベルの議論を国会でやるべきではなく、別のところでやればいい。『予算委員会は必要なのか』と強く意識している。あす、民進党の山井国会対策委員長と話をしたうえで、最終的に判断したい」と述べました。

民進 山井国対委員長「自民に総理出席要求」

民進党の山井国会対策委員長は国会内で記者団に対し、「『加計ありき』という疑念は、ますます深まった。安倍総理大臣が、国会で国民に説明するのは当然で、この期に及んで、『国会に出たくない』というのであれば、総理大臣としての資格はない」と述べ、あす、自民党の竹下・国会対策委員長と会談し、安倍総理大臣が出席する予算委員会の閉会中審査の開催を求めたいという考えを示しました。

共産 小池書記局長「安倍総理抜きでは解明できず」

共産党の小池書記局長は記者会見で、「政府の答弁は、文部科学省の前川・前事務次官が述べたことについて、何の根拠も示さず、ひたすら否定するばかりだった。安倍総理大臣抜きの審議では、国民の疑問や真相解明に対する期待に全く応えることにならず、安倍総理大臣が出席する予算委員会の集中審議が必要だ。各種の世論調査でも、安倍内閣の支持率が急落しており、『森友・加計疑惑』で全く説明していないことが最大の要因だ」と述べました。

7月10日 19時08分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170710/k10011052841000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_005