自民「共産党が人事に圧力」 沖縄県、公安委員を異例の差し替え

7/5(水) 20:04配信

産経新聞

沖縄県の翁長雄志知事は5日、県公安委員の任期を迎える天方(あまかた)徹氏(45)を再任せず、
元沖縄弁護士会会長の阿波連(あはれん)光氏(52)を任命する人事案を県議会に提出した。
同県公安委員は3期9年務めるのが慣例で、本人の意向に反して1期で退任させるのは初めて。
県政野党の自民党は「政治的中立であるべき公安委員人事が県政与党の共産党の圧力で覆された」と批判、徹底追及の構えだ。

14日の本会議で人事案が承認されれば22日付で阿波連氏が公安委員に就任する。
天方氏は平成27年4月、翁長氏の推薦を受けて公安委員に就き、県側は当初、今月21日の任期満了で再任の方針を伝えていた。

天方氏は28年10月の県議会9月定例会で、米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設工事への抗議活動を警備する県警機動隊が
「不当弾圧」と指摘されていることに「県警の活動は違法行為などに対処するもの。
『弾圧』や『不当弾圧』は主観的、扇動的で、必ずしも正しい表現ではない」と答弁した。
これに反対派が弾圧されていると主張する与党側は強く反発していた。

この日の本会議で質問に立った山川典二氏(沖縄・自民党)は「人事案は6月上旬の与党調整会議で変更された。共産党などの政治介入があった。前代未聞の問題だ」と指摘した。照屋守之氏(同)も「本人の意向を聞かずに公安委員を再任させないことがあしき前例になる」と非難した。

退任させる理由について金城武・県総務部長は「天方氏が所属する事務所の弁護士が前副知事の裁判に関わっており、
(再任は)法的に問題ないが県民に疑念を抱かせると判断した」と説明したが、「疑念」の詳細を詰められると言葉に窮した。
翁長知事は3日の本会議で「与党の圧力はなく、私なりに総合的に判断した」と述べていた。
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