わたしの友人の話です。
友人はスクールアイドルをやっていたんですよ。
スクールアイドル、いいですよねぇ。
限りある時間で精一杯努力する少女たち、輝いてますよねぇ。
で、そのスクールアイドルの友人なんですがね。
その日は自主練に精が出て、帰りが遅くなっちゃったんですね。
夜の学校ってなぁんか雰囲気が嫌ですよねぇ。
昼間はあんなに人がいっぱいいて賑やかなのに夜は暗くて人もいない。
友人もね、やだなぁ、こわいなぁと思いながら帰り支度をしていたんです。
すると着替えている途中ゾワゾワゾワ、と背筋にいやーな感じがしたんですね。
他の部員はみんな帰っているわけだから振り向いても誰もいない。
妙な不安感を覚えつつ出入口のドアに手を伸ばした時、またゾワゾワゾワ──
いやーな感じがしたんですよねぇ。
やだなぁ、こわいなぁと思いつつも、出入口はここしかない、ここを開けないと帰れない、意を決して扉を開けたんですね。
するとそこには、あの──伊達さゆりがいた。
ぐっ…あともう少し…
もう少しで夢に手が届いたのに…