かすみ「買い物」
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かすみ「ふんふんふ〜ん。今日は天気も良いし、かすみんも一段と可愛いし、最高だな〜」
怪しい親父「お嬢ちゃん」
注、以下親父
かすみ「今日はクレープでも食べちゃおうかなぁ」
親父「お嬢ちゃん!」
かすみ「あっ!そうだ!服でも見に行こうと」
親父「可愛いお嬢ちゃん!」
かすみ「ん?可愛い?呼びました?」 親父「そうそう。お嬢ちゃんだよ」
かすみ「何ですか?って言うかこんな所で座り込んで何してるんですか?」
親父「お嬢ちゃん。恋人は居るかい?」
かすみ「……ナンパですか?かすみんが可愛いから仕方ないですけど、かすみん女子高生なんで犯罪ですよ」
親父「いやいや、そうじゃなくて。恋人は居るのかって聞いてるだけで…」 かすみ「居ませんけど…。かすみんアイドルなんで」
親父「へ〜そうなんだ。じゃあ、恋人の居ないそんなあなたに…これ!」
かすみ「何ですか?」
親父「これはモテ薬だよ」
かすみ「モテ薬?」
親父「そう。これを飲めばたちまち異性にモテまくるフェロモンが出るんだよ。かの有名なクレオパトラや楊貴妃が愛用してたシロモノなんだ」
かすみ「え?そうなんですか?」 親父「欲しい?」
かすみ「ん〜…でも、別にそんな物なくてもな〜これだけ可愛かったらモテるだろうし。そもそもスクールアイドルだからモテる必要もないし」
親父「でも、持ってて損はないよ」
かすみ「確かに」
親父「でしょう?今なら3000円でお嬢ちゃんに譲ってあげよう」 かすみ「お金取るんですか?」
親父「当たり前でしょ。逆に無料で渡されたら怖くない?こんな怪しい薬を」
かすみ「確かに。タダより怖いものはないって言うし。でもなぁ…クレープ食べる予定だし…」
親父「クレープはいつでも食べれるでしょう?」
かすみ「いつでもじゃないです。お小遣いに余裕がある時だけです」
親父「今余裕あるの?」
かすみ「まあ、多少は」
親父「じゃあ、買い時だよ。早くしないと売り切れちゃうよ」 かすみ「え〜…でもなぁ…」
栞子「ん?あれは…………かすみさん?」
かすみ「え?あっ、しお子」
栞子「何してるんですか?」
かすみ「何してる…なんて言えばいいんだろう?」
栞子「どう言う事ですか?」 かすみ「ん〜」
栞子「こちらは?」
かすみ「通りがかりのおじさん」
親父「通りがかったのはお嬢ちゃんの方だよ」
栞子「えっと…都条例に…」
親父「おじさんそんなに怪しい?」
栞子「いえ…そう言う訳では」 かすみ「このおじさんが薬を買わないかって言うんだけど」
栞子「なるほど。今、警察に連絡するので」
親父「違うよ。違法な奴じゃないよ。お嬢ちゃん変な言い方しちゃダメだよ」
栞子「どう言う事ですか?」
かすみ「なんか、飲むとモテる薬があるんだって。レオパレスとかも飲んでたって薬みたいで」
親父「クレオパトラね」 栞子「えっと…やっぱり警察呼びましょう」
親父「いやいや。本当に大丈夫な奴だから」
栞子「それは警察相手に説明して下さい」
親父「いや本当に…じゃあ、モテ薬はやめよう」
かすみ「他にも何かあるんですか?」
親父「これはどう必ず」
ガサゴソ
親父「ジャーン」 かすみ「……何ですか、それ?石?」
親父「トルマリン鉱石だよ」
かすみ「トルマリン鉱石?」
親父「そう。トルマリン鉱石。もう、超波動エネルギーを感じない?」
かすみ「超波動エネルギー…」
親父「そう。神経を集中させて」 かすみ「あっ、なんか…言われてみれば若干…」
親父「だろう?これを持ってるとあらゆる幸福が舞い込んで…」
栞子「そんな訳ないでしょう」
かすみ「しお子?」
栞子「トルマリン鉱石なんて詐欺の常套手段じゃないですか」
かすみ「そうなの?」
栞子「だいたい、幸福が舞い込んでくるシロモノをどうして人にあげるんですか」
かすみ「確かに…」 栞子「そうでしょう?普通、自分で持ってますよね?」
親父「それは…おじさんはもう十分幸せだから、他の人に幸せをお裾分けしたいんだよ。それとも、お嬢ちゃんは自分さえ幸せならそれでいいのかい?」
栞子「そんな事はないですが。だいたい、科学的根拠も何もないでしょ」 親父「確かに今の技術では証明出来ていないかもしれないね。その昔、地球は宇宙の中心にあって太陽や月は地球の周りを周っていると言われていたんだよ」
かすみ「そうなんですか?」
栞子「天動説ですよ、かすみさん。授業で習ったでしょ」
かすみ「え?そうだっけ?」
親父「でも、実際は地球が太陽の周りを周っていたんだよ」
かすみ「へ〜そうなんだ」
栞子「常識ですよ」 親父「当時の技術では証明出来なかったんだね」
かすみ「何が言いたいんですか?」
栞子「トルマリンの効果も今は科学的根拠がなくても将来的には証明される。だから、嘘じゃないと言いたいんですよ」
かすみ「よく分かるね」
栞子「普通分かりますよ」 親父「と言う事でお嬢ちゃん。トルマリン鉱石買わないかい?」
かすみ「いくらですか?」
親父「6000円でいいよ」
かすみ「6000円?」
親父「安いだろう?」
かすみ「ん〜…」
栞子「かすみさん!悩まないで下さい」 かすみ「まあ…今も十分幸せだからな〜」
親父「買っておかないと後悔するよ」
かすみ「ん〜…」
親父「よし分かった。じゃあ…これはどうかな?お嬢ちゃんアイドルって言ってたよね?」
かすみ「そうですよ」 親父「これ!どうだ!」
かすみ「……写真?何?」
親父「これはね、世界で一番最初にアイドルを名乗った人の写真だよ」
かすみ「え…世界で一番最初にアイドルを名乗った人?でも…これ…猿じゃないですか?」
親父「猿じゃないんだなぁ」 かすみ「猿ですよ」
親父「これはねネアンデルタール人なんだよ」
かすみ「ネアンデルタール人!!?」
栞子「そんな訳ないでしょう!!!なんで驚くんですか」
かすみ「いや…猿じゃないんだと思って」 栞子「ネアンデルタール人の写真なんかあったら歴史の教科書を書きかえなければいけなくなっちゃいます」
かすみ「そうだよね。その時代にカメラなんてないもんね」
栞子「そうですよ。だいたい、アイドルなんてここ最近の話でしょ」
かすみ「しお子」
栞子「な、何ですか?」
かすみ「アイドル、なんて、って言い方ダメだよ。なんてって言い方はダメ!」 栞子「いや…そう言う意味じゃなくて。もう…だいたい、どこからどう見てもニホンザルじゃないですか。よくこれで騙そうと思いましたね」
親父「騙そうとなんてしてないのに」
かすみ「まあ…仮に本物でもかすみんこの写真いらないですけど。自分以外の写真そんなにいらない」
親父「そうだったのか」 栞子「かすみさん、行きましょう」
かすみ「うん。そうだね」
親父「じ、じゃあ、これならどうだい?」
かすみ「まだあるんですか?なんですかこれ?」
親父「これはNASAが極秘で手に入れたと言う」
かすみ「NASA!!?」
親父「宇宙人の化石だよ!」
栞子「そんな訳ないでしょ!!!」 かすみ「わっ、ビックリした」
栞子「なんですか宇宙人の化石って。宇宙人だけでも怪しいのに…化石?化石になるのに少なくとも一万年は掛かるんですよ?」
親父「じゃあ、一万年に存在した宇宙人なんじゃないの?」
栞子「データもないのにどうやって判断するんですか?」
親父「それはNASAに聞いてみないと分からないよ」 栞子「じゃあ聞いてみてください」
親父「どうやって?」
栞子「ツテがあるのでしょう?そんなものを譲って貰うくらいなんだから」
親父「分かった、分かった。じゃあ、保証書も付けるよ」
栞子「保証書?」
親父「ほら」
栞子「…こんな落書きで子供だって騙されませんよ」
かすみ「しお子、今日饒舌だね」
栞子「好きで喋ってる訳じゃありません」 かすみ「そうなの?」
栞子「かすみさんが騙されないか心配だから」
かすみ「しお子…」
栞子「分かってくれました?」
かすみ「しお子、かすみんの事バカだと思ってる?」
栞子「え?」
かすみ「流石に騙されないよ。こんな怪しいのに」 栞子「そ、そうでしたか」
かすみ「うん。バカだと思ってたんだ」
栞子「い、いえ。そうではなくて」
かすみ「でも嬉しいよ」
栞子「バカだと思われて?」
かすみ「違うよ!しお子がかすみんの事を本気で心配してくれて」
栞子「そんなの……当たり前じゃないですか。かすみさんは私にとって大切な友達なんですから」
かすみ「ふふっ。ありがと、しお子」 パチパチパチパチ
親父「ブラボー」
かすみ「え?」
親父「良いものを見せて貰ったよ。お嬢ちゃん達は本当に欲しいものをちゃんと手に入れてるんだね」
栞子「な、なんですか?いきなり」 親父「友情か…どんなお宝よりも価値ある素晴らしい物だよ。おじさんも昔を思い出しちゃったよ」
栞子「居たんですか、友達?」
かすみ「しお子凄い酷い言い方するね」
親父「居たさ…。今はどこで何をやってるのか分からないけどね。もう最後に会ったのは20年前だ」
かすみ「疎遠なんですか?」
親父「喧嘩してそれっきりさ」 かすみ「そうなんだ」
親父「叶うなら…久しぶりに会いてぇな」
栞子「会えますよ。本当の友達なら生きていればいつか必ず会えます。だから、こんな所で変なもの売りつけてないで真面目に生きてください」
親父「そうだね。真面目に生きてみようかな」
栞子「はい。と言う事で……………もしもし?」
親父「ん?」
かすみ「え?誰に電話してるの?」 栞子「はい、はい。そうです。学校のすぐ近くです。はい、よろしくお願いします」
親父「お嬢ちゃん?」
栞子「と言う事で後10分もしたら来るそうです」
親父「誰が?」
栞子「警察です」
親父「え?この流れで?」
かすみ「しお子鬼だね」
栞子「それはそれです。前科もあるでしょうし、罪はちゃんと償って下さい」
親父「うっ…」
栞子「図らずともトルマリンの幸福パワーの効果実証になりましたね」 UPLIFT プレミアム・サービスのお知らせ
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