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1002コメント727KB
侑「その閉ざされた楽園で」
レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。
0001名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:25:16.69ID:Tzz1XYKu
夏も終盤ですが長編ssを
去年エタらせてしまったものです。せっかくなので書き溜めて最後まで投稿します。

虹ヶ咲×スーパースター

内容は蝿の王や無限のリヴァイアスみたいなもんです
0002名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:26:24.25ID:Tzz1XYKu
12月〇×日 6:45p.m.

侑「みんな、今日はお疲れ様! みんなの協力があって、無事に第3回スクールアイドルフェスティバルの成功を収めることができました。ちょっと早いけど、私から乾杯の音頭を取らせていただきます。フェスティバル成功を祝って、カンパーイ!」

「「「カンパーイ!!!」」」

 夕暮れの高速を走るバスの中で、私たち虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は打ち上げをはじめた。
 ジュースの入った紙コップを頭上に掲げ、音頭の後、それぞれ隣席の人と紙コップを軽く打ち合わせる。

歩夢「ふふ。侑ちゃん司会進行お疲れ様」

侑「ありがと。みんな今日もすごく輝いてたよ。お疲れっ」

 第1回、第2回と規模を拡大していき、栞子ちゃん、ミアちゃん、ランジュちゃんという3人の新メンバーを迎えて臨んだ第3回スクールアイドルフェスティバルは、冬の長期休暇を利用した1週間という期間で開催された。

 東京、神奈川、埼玉の3県の学校で行われた合同のスクールアイドルイベントで、それぞれの学校で披露されるライブを生中継し、視聴者によるリアルタイムの投票で順位を決めるというラブライブ!の大会形式に則ったものとなった。
0003名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/25(金) 21:27:48.28ID:acFUECVU
おぉマジで、最後まで見たかったからありがたい
でも書き溜めてってのはもう書き溜めてあるのかこれから書き溜めるのかどっち?
0005名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:28:30.29ID:Tzz1XYKu
歩夢「でも、まさか私たちが優勝できるなんて思わなかったな」

侑「どの学校もすごく輝いてて順位なんて決められないよね」

ランジュ「そう? このランジュがいるんだもの。優勝以外ありえないわ」フフン

 最終日、一番獲得票数の多かった私たち虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は、今回の合同企画を持ちかけた神奈川の学校で最後のライブを行ったのだった。
 私たちは今までにない充実感と達成感を胸に帰路に就いていた。

彼方「ふわぁ〜、彼方ちゃん疲れちゃったよぉ」ポテン

エマ「ふふ。よしよし」ナデナデ
 

果林「それなりに長旅だったものね。でも、楽しかったわ」

愛「愛さんまだ体火照ってるよー。どっかのホテルで一休みしたいくらい。火照るだけに!」

<プヒョッ ユウチャン!?
0007名無しで叶える物語(あら)
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2023/08/25(金) 21:29:01.83ID:iUi4LiZ2
なんかみたことあるタイトルだと思ったら
0008名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/25(金) 21:29:16.24ID:q26dYOUQ
当時読んでたからこれは嬉しい
滅茶苦茶期待
0010名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:30:38.18ID:Tzz1XYKu
>>3
最終章あたりまで書き溜めてあるので、あとは投稿しつつ完成させます。このままだとダラダラずっと終わらなそうだったので、発破の意味で投下しました
0011名無しで叶える物語(きりたんぽ)
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2023/08/25(金) 21:30:50.67ID:kvm//ryR
懐かしい!
見るで!
0012名無しで叶える物語(光)
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2023/08/25(金) 21:31:11.65ID:u74hD401
>>3
エタらせた物をわざわざ再投稿するんだから当然書き溜め済みでしょ
0013名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:32:41.78ID:Tzz1XYKu
ミア「少し静かにしてくれないか? 疲れてるんだ」っアイマスク

璃奈「ジュース、飲まない?」

ミア「……もらうよ」
 

しずく「かすみさん、そのクーラーボックスの中身って」

かすみ「これはねえ、かすみん特性スペシャルコッペパンの詰め合わせ!」

しずく「スペシャル? お昼に出してくれたのとは違うの?」コンナニタクサン

かすみ「にっひっひ。それは食べてからのお愉しみ♪ はいどーぞ」

しずく「あ、ありがとう」
 

栞子「想定以上の盛り上がりでしたね。神奈川まで出向いた甲斐がありました」

せつ菜「規模が規模なだけに心配していた部分もありましたけど、いろんな人が力を合わせてくれたおかげですね!」
0016名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/25(金) 21:35:27.99ID:5pnrHzev
2021年に出演したミュージックステーションで
『TONIGHT』を披露し

「愛想じゃなく めくりたいその本音」
「まるで磁石 もう離れられない」
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「俺らの時を巻き戻そう 流した言葉の意味を」
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「手に入れたいone thing 心の扉の鍵」
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と歌っていたのが、三代目J Soul Brothersの
今市隆二さん、登坂広臣さん、ELLYさん
(イケメン 美肌 LDH所属 眉毛サロン&ヘアカラー&クロムハーツを経験済)
0017名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/25(金) 21:35:35.09ID:5pnrHzev
2023年に参戦したラブライブ!のイベント現地で
『今夜こそは告白するっちゃあ❤』と意気込み

「営業じゃなく その本音を知りたいっちゃあ❤」
「まるで夫婦 もう離れられないっちゃあ❤」
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「僕らのお家を建てるっちゃあ❤」
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「手に入れたい声優しゃん❤心の支えですっちゃあ❤」
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tps://i.imgur.com/jzavO7W.jpg

と熱弁していたのが、初代Cheese Gyudon Brothersの
チギュフェさん、ギジレンさん
(ブサメン ニキビまみれなのでマスクを着用 無職なのでヘアカラー&眉毛サロン&クロムハーツを未経験)


んー・・・。逃げずに答えてほしいけど・・・・・。
お前らはどっちの方をリスペクトする!?笑。
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0018名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:35:40.99ID:Tzz1XYKu
栞子「はい。ライブ配信も過去一の同接数を記録したと聞いています。これがきっかけで、さらにスクールアイドルの輪が広がってくれれば喜ばしいのですが」

せつ菜「きっと伝わっていますよ。だって、あんなにもたくさんの人達が見ていてくれたんです。私たちの活動は決して無駄にはなりません」

栞子「そうですね。そう、願いたいものです」


かすみ「かすみんのかわいさが全国に広がるのも時間の問題ですねぇ」ニシシ

しずく「はいはい」フフ

かすみ「むう……あ、そういえば」

しずく「どうしたの?」

かすみ「かすみんたちの他にも東京から来てた学校あったよね」

しずく「えっと、それって確か原宿にある……」
0019名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/25(金) 21:35:43.91ID:5pnrHzev
2020年にSweet Therapyという曲のMVで
鍛え上げたシックスパックを見せつけ、多くの女性ファンを興奮させていたのが
今市隆二さん(三代目JSB クロムハーツ経験済)
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2023年も虹ヶ咲 Liella 蓮ノ空のLIVEで
声優さんとのシックスナインを目標に、眉毛ボサボサ無職こどおじ顔で興奮していたのが
チギュフェさん ギジレンさん(初代CGB クロムハーツ未経験)
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回答オナシャース!お前らはどっちに憧れる?笑。
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0020名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/25(金) 21:35:55.15ID:5pnrHzev
ソロ曲『Angel』と『ONE DAY』のMV撮影中に
少しでも時間があれば、自分の筋肉を美しく見せようとパンプアップするほど自分にストイックなのが

三代目J Soul Brothersの今市隆二さん
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ソロ参戦したラブライブ!イベントでの開場待機中に
腐るほど時間はあるのに、自分の見た目を良く見せようとする努力(スキンケア ヘアカラー 眉毛サロン)すらせずにニヤけていたのが

初代Cheese Gyudon Brothersのチギュフェさん、ギジレンさん
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えーっと・・・・、お前らはどっちの方が好き?笑。
0021名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/25(金) 21:37:07.65ID:emR8wCOM
続きができたのか期待
0022名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2023/08/25(金) 21:37:27.04ID:u74hD401
スレタイ見て懐かしくて思わず飛びついちまったぜ
最近一日で280レスして完結させた人も居たからね
この人にも期待
0023名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/25(金) 21:37:51.50ID:Tzz1XYKu
侑「結ヶ丘女子だね!」ヒョコ

歩夢「ゆ、侑ちゃん危ないよ」

ランジュ「ああ、あの子たち」

侑「ランジュちゃんはどう思った? 私すっごいときめいちゃった!」

ランジュ「確かにあのパフォーマンスは侮れなかったわ。まだ拙いながらも、光るものがたくさんあった。来年はちょっと凄いんじゃないかしら?」

かすみ「あのランジュ先輩にここまで言わしめるとはっ」グヌヌ

しずく「どうしてかすみさんが悔しそうなの」

果林「確かルエラって名前のグループだったわね」

愛「Liellaね、カリン」

侑「うんうん。本当に凄かったよね! なんでも先月行われたラブライブ!の東京大会で2位だったとか」

侑「しかも全員1年生!」
0024名無しで叶える物語(光)
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2023/08/25(金) 21:39:07.78ID:I+X36WuC
支援女学院
0025名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/25(金) 21:39:55.57ID:Tzz1XYKu
しずく「わたしたちと同い年だよかすみさん」

かすみ「かすみんだってあれくらいヨユーですけど!!」

ミア「……ボクにはそこまでのものには見えなかったけどな」フン

璃奈「私たちも負けてない」っ璃奈ちゃんボード『ムン』
 

栞子「結ヶ丘女子……あの5人組のグループですか。確か、まだ結成して間もないと聞きましたが、あのステージは見事なものでした」

せつ菜「そうですね。特にあのセンターの人、どこか普通ではないカリスマ性のようなものを感じました」

せつ菜「歌の上手さはもちろんですが、それだけでは説明のできない不思議な魅力がありましたね」

栞子「不思議な魅力……せつ菜さんのようなものですかね」クス

せつ菜「し、栞子さんっ」カラカワナイデクダサイ
0026名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/25(金) 21:41:26.47ID:YD0Yzgqh
スパスタ×虹ヶ咲はどんどん増えて欲しい
0027名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/25(金) 21:41:43.10ID:Tzz1XYKu
歩夢「あ、侑ちゃんそろそろトンネル入るからちゃんと座席に座って」

侑「はーい」

侑(あれ、行きにトンネルなんてあったっけ……?)

 確か、このバスは往路、復路で同じルートだったはず。交通状況や渋滞の問題で多少のルート変更があったとしても、この近辺の道路にトンネルがあるなどという記載はなかった。

侑(うーん、地図にも載ってない古いトンネルか、開通したばかりの新しいトンネルか。この辺の地理は全然詳しくないんだよなぁ)マ、イッカ

 特に深く考えることもなく、私は疲れた頭に糖分を補給しようとポケットに入れていた飴玉を口に放り込んだ。

 フロントガラスから覗くライトに照らされたトンネルの入り口が、まるで暗闇で獲物を待ち伏せる化け物の大口に見えるようで思わず肩をすくめる。

 バカバカしい。たかがトンネルだ。
 いくら長くとも5分もかからず通り抜けてしまうだろう。

 バスが速度を緩め、トンネル内に入っていく。

侑(……長いな)

 目線を先に向けてもトンネルの出口が見えない。思ったよりも長いトンネルのようだ。
0028名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:43:44.79ID:Tzz1XYKu
ゴゥー ゴゥー ガー ブロロ…

歩夢「ねえ、侑ちゃん」

侑「ん、なに歩夢?」

歩夢「今日は本当に楽しかったね。今までにないほど充実した1日だったと思う」

侑「うん、そうだね。ふふ、でも急にどうしたの」

歩夢「うーん、なんかね。もう12月も終わっちゃうでしょ。今日は彼方さんやエマさんたち3年生と一緒にできる最後のライブだったから」

歩夢「なんか、今になってしんみりしちゃって」

侑「分かるよ。勉強や進路のことで忙しい中、今日この日のために予定を合わせてくれたんだもん。このフェスティバルに参加してくれたみんなにも感謝してもしきれないよ」

ガゥーゴゥーゴゥー

歩夢「ううん。誰よりも、人一倍頑張ってくれたのは侑ちゃんだよ。私たちにとって侑ちゃんはかけがえのない大切な人」

歩夢「忘れてないよね。侑ちゃんが信じてくれたから、私は前に進めたんだよ。今度は私たちが侑ちゃんの背中を押す番」

 なんて、ちょっとくさかったかな? 歩夢はそう言ってはにかんだ。
0029名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:44:59.24ID:Tzz1XYKu
侑「歩夢……ありがとう。私もピアノもっともっと頑張る! だから、困った時はじゃんじゃん頼っちゃうからね」

 たとえ離れ離れになったとしても 心は繋がっている。
 背中を押して押されて、互いに引っ張り合げて。それが私と歩夢の真の関係性。

 だから、これからも――――

ブロロ…ブォーパラ…パラ

「なんだぁ? 雨……か?」

侑「?」

 運転手の呟きを耳が拾う。
 雨? そんなはずはない。今日の天気予報はずっと快晴。何よりもここはトンネル内だ。

ランジュ「ねえ、なんか揺れてない?」

歩夢「もう、ランジュちゃん。バスの揺れでしょ?」

ランジュ「不对。ええと、何ていうのかしら、体の芯から震えるような地響き……感じない?」

カチッカチ…パラ

「今度は照明か? どうなってんだこりゃあ」
0030名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:46:26.88ID:Tzz1XYKu
かすみ「わひ?! い、今一瞬明かり消えなかったっ?」

しずく「道路照明の点滅? 明かりが切れかかってるのかな」

ドン…ドンドン

歩夢「それって、太鼓の振動が体にビリビリ伝わる感じ?」

ランジュ「ああ、言われてみるとそんな感じね。歩夢もビリビリきてるでしょ?」

ドンドン…パラ…パラ…カチッカチッドン

果林「なんか、揺れるわね」

愛「あ、また消えた」

愛「ライトがないと暗いと! なんてっ」
 

せつ菜「あのっ、これじ、地震ではないですか!?」

栞子「落ち着いてください……っ、揺れはそこまで強くはn

ズズンッッ!!
0031名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:47:52.17ID:Tzz1XYKu
彼方「!! う、ぅえっぷ……っ」

エマ「彼方ちゃんっ、大丈夫?」サスサス

ドン…ドンドッドッドカチッーーーーバチッッ!

璃奈「み、ミアちゃん。起きてっ」ユサユサ

ミア「h…hmmm…」zzz

ドンッドンドンドン‼︎ガラガラ

ランジュ「きゃあ!? な、なにようこれぇ!」

パッ カチッ カチ パッドン ドン ドンドンドンドンドンドン!!!!

侑「あ、ちょっ 待ってこれやばいやt――――
 

――――――ドン"ッ!!!!
0032名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:50:01.44ID:Tzz1XYKu
第1章 始まり-tunnel-

――
――――
――――――

チャン ウチャンッ

侑「う、うぅん……」

「―――侑ちゃん!」

侑「っ、あ、あゆ……む?」

侑「っう゛ぅ!?」キーーーン

 頭が痛い。耳鳴りがひどい。
 ぼやける視界の中、私は歩夢の顔を見上げていた。

歩夢「よ゛がっだよぉおお! うわぁああん」ギュウ

侑(歩夢、泣いてる。いま、どういう状況なんだろう……)

 朦朧とする意識。なんとか頭を動かして辺りを確認する。

侑(バスの中……でも、変だ。止まってる?)

侑「ねえ、今、どういう状況? なんか、すっごく頭痛いんだけど……っいつつ」

歩夢「動かないでっ。あの、ね、落ち着いて聞いて欲しいのっ」アタフタ

侑(落ち着くのは歩夢の方じゃ……)
0033名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:51:39.31ID:Tzz1XYKu
栞子「侑さん、大丈夫ですか?」

侑「栞子ちゃん……」

栞子「状況を説明します。まず、ここはトンネルの中です」

 トンネル。ああ、そうだ。
 確かバスがトンネルに入って、それから……

侑「――――! そうだ! 揺れてっ、じ、地震は!?」ガバッ

侑「いつぅ!」ズキンッ

歩夢「侑ちゃん!」

栞子「こめかみが切れています。無理に頭を動かさないでください。吐き気はありませんか? 手足に痺れは?」

侑「う、ううん、大丈夫。ただ痛むだけ」

栞子「よかった」ホッ

栞子「少し待っていてください」

 栞子ちゃんはそう言うと、その場を離れた。
0034名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 21:52:48.68ID:Tzz1XYKu
歩夢「侑ちゃん、本当に平気? 何かあったらすぐに言って」グズ

侑「平気だよ。歩夢こそ怪我はない? 他のみんなは?」

 歩夢の太ももの感触に妙な安心感を覚えつつも、辺りの反応を探る。
 通路を挟んだ隣座席にはランジュちゃんがいた。見たこともないような焦燥を顔に滲ませている。

 後方からは、誰かの悲鳴にも似た金切り声。

侑(これって……)

 ぼうっとする頭で理解する。何か、どうしようもないほどの、致命的な事態に、私たちは陥ったのだ。

 見上げると、歩夢は啜り泣くだけでとても満足に話ができるような状況じゃない。
 そんな私の態度を察したのか、歩夢はポツリ、ポツリと絞り出すように言葉を落とし始めた。

歩夢「たぶん……地震だと思う。それもすごく、すごく大きな……っ。侑ちゃんの体、宙に浮いてそれでっ」

侑「おかしいな。ちゃんとシートベルトしてたのにね。すっぽ抜けちゃったのかな、なんて」エヘヘ
0035名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/08/25(金) 21:54:08.64ID:YD0Yzgqh
なんだか怖えな
0036名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/25(金) 21:54:27.83ID:Tzz1XYKu
 歩夢を少しでも安心させようと、冗談交じりの口調で返すが、

歩夢「わかんないよ。とにかくすごい衝撃だったから……気付いたら侑ちゃん通路に投げ出されてて、血流しててっ、私もうどうしていいかわがんなぐて……うっう"う」ボロボロ

 どうやら逆効果だったらしく、話の途中で再び泣き出してしまった。

栞子「お待たせしました……って、大丈夫ですか?」

侑「あはは、気にしないで。それは?」

栞子「救急箱です。持ってきておいて正解でした」

 栞子ちゃんはそう言うと、タオルで私のこめかみを強く抑えた。

侑「いっ」

栞子「すみません。少しだけ我慢して下さい」

 傷は思ったよりも浅かったようで、血を拭き取るとすぐに消毒液を染み込ませたガーゼを私の頭に巻く。

侑「手際いいんだね」

栞子「これぐらいは普通です。とにかく、無事でよかった」ハァ

 栞子ちゃんは大きく息を吐いた。心配させちゃったみたい。
0038名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/25(金) 21:57:53.35ID:Tzz1XYKu
侑「ありがとう。栞子ちゃんは命の恩人だよ」ニコ

栞子「……大袈裟ですよ。私は他の人を診てきます」

 くれぐれも無茶はしないように。そう言い残し、栞子ちゃんはその場を後にした。
 

侑「――――さて」ガバ

歩夢「侑ちゃんっ」

歩夢「まだ横になってなきゃだめだよ!」

侑「平気平気! こめかみが少し切れただけだって。軽傷だよ」

歩夢「でも、頭打ったんだよ? 暫くは動かないほうが」

侑「ううん。今は少しでも情報が欲しい」

 ただ不安のままでいるより、自分の眼と足で確かめたかった。

歩夢「それは」

侑「歩夢」ジー

歩夢「うぅ……もぉ。何か違和感覚えたらすぐに言うこと」

歩夢「それなら、許します」フイ

侑「ふふ。分かってるって」

 この時の私は、いや、私たちはまだ心のどこかでこの現状について楽観視していたのかもしれない。大丈夫だと。きっと平気だと。数年後には笑い話にすらなってしまうと。

 そう、思っていた。
0039名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/25(金) 21:59:12.66ID:Tzz1XYKu
>>37
浪人には入ってませんけど、なぜか投稿できてますね
0040名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/25(金) 22:01:06.75ID:Tzz1XYKu
侑「これは、酷いね」

歩夢「うん……」

 バスのフロントガラスには無数のひび割れが入り、指先で押すだけで粉々に割れてしまいそうだ。

 あの時の揺れで、運転手は咄嗟の判断でハンドルを切り、トンネルの壁に車体を押しつけて止めようとしたのだろうか。
 もしくは揺れで手元が狂い、壁にぶつからざるを得なかったのか。
 単にブレーキをかける余裕すらなかったのかも知れない。

歩夢「運転手さん、いないね」

侑「きっと助けを呼びにいったんだよ」

 壁に押し当てられたであろう運転席側の座席はひしゃげていて、ドアは大きく凹んでいた。

侑(まさか、押しつぶされ……いやそんなはずない)

 運転手は絶対無事だ。五体満足でここを抜け出したに違いな。
 だから、きっと違う。

侑(この赤いナニカは絶対に違う)
0041名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/25(金) 22:03:39.70ID:Tzz1XYKu
 運転席のあちこちに塗りたくられた赤。
 道に吐き捨てられたガムのようにべっとりと付着した黒の混じった赤。

歩夢「……」

 歩夢は何も言わない。見えているのに、口に出さなければ真実じゃないと、その表情は物語っている。

ランジュ「血でしょ、ソレ」

 そんな私たちの暗黙を破ったのはランジュちゃんだった。

侑「何を、言って」

ランジュ「アタシ見てたのよ。右足とお腹だったかしら、運転手が血塗れでそこのドアから出ていくの」

 ランジュちゃんが指差した先には半開きの乗車口。
 そこに続く通路には引き摺ったような赤いナニカの跡。

ランジュ「アタシたちを置いて先に逃げたってことじゃない」

侑「冷静、なんだね」

ランジュ「冷静? 别小看我! 冷静だったなら運転手をそのまま見過ごすわけないっ」
0042名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:04:56.44ID:Tzz1XYKu
侑「っ、ごめん」

歩夢「……侑ちゃん、私怖い」キュ

 歩夢が私の裾を掴む。その瞳には涙を浮かべていた。
 そうだ。不安なのはみんな同じだ。

侑(私だって怖い。足だって震えてる。あのランジュちゃんでさえ、どうしていいか分からないんだ)

侑(どうしよう。まず何をすればいい? 運転手を追いかける? それで私たちも歩いてトンネルから抜ける?)

侑(だめだ。ランジュちゃんの話だと、運転手は重症。途中で力尽きて倒れていたら? バスに連れ戻すべき? そのまま担いでトンネルを出る?)

侑「――――あ、そうだよ! まずは電話! 警察、110番? いや、救急車? えぇっと」ゴソゴソ

侑「うわ、画面にヒビ入ってる……え、うそ」

歩夢「どうしたの?」

侑「圏外になってる。なんで? どうして!?」

歩夢「そんな……」

ランジュ「ランジュのもダメだった。多分、他の人も同じなんじゃない?」

侑「そう、なんだ……」
0043名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:09:18.44ID:Tzz1XYKu
侑(どうしよう。電波が繋がる場所まで行くべき? それならトンネルから出た方がいいんじゃ)

栞子「侑さん、まだ安静にしているよう言ったはずですが」

侑「あ、栞子ちゃん」

ランジュ「栞子」

栞子「……」ハァ

栞子「お二人とも、言いたいことは分かります。一先ず、一度みんなで話し合いましょう」

ーーーー
ーーーーーーーー

栞子「手当てが必要だったのは侑さん、璃奈さんの2人。できるのなら、早急にしかるべき医療機関へ運ぶべきなのですが」

栞子「他に怪我人がいなかったのは不幸中の幸い……ですね」

せつ菜「あれだけの衝撃だったんです。むしろ運が良かったのだと考えましょう」
0044名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:10:52.50ID:Tzz1XYKu
果林「ええ、私たちは何ともないわ」

エマ「……うん。でも、璃奈ちゃんが」

璃奈「私は大丈夫。みんな、心配しないで」っ璃奈ちゃんボード『キリッ』

 左腕の打撲。
 あの時の衝撃で、小柄な璃奈ちゃんは私同様に席から投げ飛ばされてしまったらしい。
 その際に、左腕を前の座席に強打したとミアちゃんが私たちに教えてくれた。

ミア「ああ、クソっ……ボクのせいだ。ボクが呑気に寝ていたから、璃奈が。damn it!」ガンッ

璃奈「ミアちゃんはすぐに私を助けてくれた。だから、そんなに自分を責めないで。お願い」

ミア「璃奈……」

 璃奈ちゃん、痛いはずなのに。私なんかよりずっと辛いはずなのに。額に決して少なくない汗を浮かべながらも、弱音を吐くようなことはしなかった。
0045名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:13:25.67ID:Tzz1XYKu
愛「りなりー」ウルウル

璃奈「愛さん、泣かないで。痛いのは平気。みんなが悲しんでる方が辛いから」

愛「り"な"り"ぃいい!!」ブワ

栞子「本当はしっかりと固定させた方がいいのですが、如何せん包帯もなければガーゼも足りず、応急処置が手一杯なのが歯痒いですね」

せつ菜「そんなことありませんよ! 栞子さんがいなければどうなっていたか。その救急箱だって栞子さんの持ち物ですし」

侑「うん。本当に、栞子ちゃんがいてくれてよかった」

栞子「まさかこんな形で活躍することになるとは、お役に立てて幸いです」

 栞子ちゃんは腕に抱く救急箱を愛おしそうに撫でた。

彼方「あの〜」

 そんな折、恐る恐るといった感じで手を挙げたのは彼方さんだ。
0046名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:15:45.77ID:Tzz1XYKu
彼方「あのね、彼方ちゃんたちはこれからどうすればいいのかなぁ、って」

彼方「運転手さんいなくなっちゃったみたいだし、携帯も使えないし……探しに行った方が」

果林「ねえ、本当に誰も気が付かなかったの?」

しずく「あの衝撃では誰も満足に動けなかったみたいですし、無理はないかと」

かすみ「それより、どうしてスマホが使えないんですか! いくらトンネル内でもおかしくないですかっ?」

璃奈「電波が悪いのは仕方ないけど、全員圏外なのはちょっとおかしい、かも」

エマ「どういうこと? ここってそんな山の中ってわけじゃないよね?」

栞子「このような閉鎖的な空間内では電波を通すための回線か、発信するための基地局が内外にあるはずです」

栞子「圏外ということは、内部にある回線かアンテナが地震の影響で破損し、機能しなくなっている場合。いえ、それよりも最悪なのは……」

 栞子ちゃんは途中で顔を伏せた。
 そして、俯いたまま押しこもった声で続ける。
0047名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:18:07.11ID:Tzz1XYKu
栞子「そもそも、物理的に電波が届かない状況にあるということ……です」

彼方「え? それって、と、トンネルが塞がれてるって、こと?」

ミア「what? 今そういうジョークは面白くないぞ栞子」

栞子「いえ、冗談なんかでは……すみません。憶測でものを言い過ぎました」

かすみ「そ、それなら早くバスから出ようよ! 出口に近付けば電波も入るかもしれないし。しず子もそう思うよね!?」

しずく「う、うん」

侑「待って。ここで待つのは確かに辛いかもしれないけど、暫く待てば私たちの親が連絡を入れてくれるはずだよ」

かすみ「そ、そうかもですけどぉ。それって早くても2、3時間はここで待たないといけなくなるじゃないですか!」

侑「……うん。私たちの帰りが遅くなるのは向こうも知ってるから、時間はかかるかも知れない。でもわざわざ危険を冒す必要はないよ」
0048名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:21:59.41ID:Tzz1XYKu
ミア「danger? 何を怖がっているんだ?」

侑「それは、上手く言えないけど、こういう災害時って無闇に動くのは得策じゃないと思うんだ」

せつ菜「それは時と場合によると思います。しかも、今は頼りになる大人がいない状況です。ここは危険を承知でも行動するべき時ではないでしょうか」

エマ「でも、危ないよ。見て、この先の道。遠くに行くほど暗くなってる。奥の方なんてもう真っ暗だよ」

ランジュ「だから急いだ方がいいのよ」

エマ「え?」

ランジュ「もしさっきと同じかそれ以上の揺れがまた起こったら? 今度こそ天井が崩落するかも知れない。照明だっていつまでも点いてる保証はないわ」

ランジュ「それに、先にここを出た運転手が途中で倒れていたら? そのまま見殺しにする気? かすみも言っていたけど、外に近付けばそれだけ電波が届く確率も上がる。少なくとも、栞子の話が真実かどうか分からない今、ここで待つメリットなんて何一つないのよ!」

「……」

 誰も答えない。
 ランジュちゃんの言葉を頭の中で反芻しているのか、幾人かの表情には迷いが見て取れた。
0049名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:26:13.19ID:Tzz1XYKu
ランジュ「……運転手を引き止めなかったのはアタシの責任よ。言い訳はしないわ。それで、どうするの?」

侑「で、でもっ」

愛「いや、行こう。アタシもランジュの意見に賛成だよ」ゴシゴシ

歩夢「愛ちゃん……?」

愛「助けを待つにしても、スマホが使えないんじゃどうしようもない。確かに、時間が経てば心配になった親御さんが警察に連絡を入れてくれるかも知れない」

愛「でも、それじゃ遅いんだ。余震の危険もあるし、早くりなりーとゆうゆを病院に連れて行かないと」

侑「っ、それは……」

ランジュ「決まりね。荷物をまとめて早く行きましょう」

愛「待って。何も全員で行く必要はないと思う。愛さんとランジュ、それとあと1人欲しいかな」

果林「なら、私が行くわ。体力には自信があるし」

侑「このトンネル、相当長いよ。私たちが今いるこの場所って感覚的に中間地点辺りだと思う。確証はないけど、戻るより進んだ方が早く着くはず」
0050名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:32:14.82ID:Tzz1XYKu
愛「ん、愛さんもそんな気してた」

璃奈「愛さん、気を付けて。急がなくてもいいから、無茶だけはしないで」

愛「だーいじょうぶだって! 愛さんの走りは誰にも止めランない!」ワシワシ

愛「出口がどうなってるか確認したらすぐ戻ってくるから」

 多分だけど、ここからでもトンネルの出口までは相当な距離があるはずだ。
 本当なら私も一緒に行きたかったけど、頭の怪我もあるし体力的にも足を引っ張ってしまうだろう。

エマ「果林ちゃん、迷わないでね」

果林「一本道でどうやって迷うのよ」モウ

ランジュ「う"、臭うわね。栞子、マスクか何か持ってない?」

栞子「それなら、こちらに」スッ

ランジュ「謝謝。あと、まさか懐中電灯とかあったりする?」

栞子「えっと、流石にありませんね」
0051名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:34:11.59ID:Tzz1XYKu
ランジュ「そう。まあスマホがあれば十分ね。じゃ、行ってくるわ」

侑「愛ちゃん、ランジュちゃん、果林さん……気を付けてね」

ランジュ「ええ、任せて。いい報告を期待してなさい」

 いつものランジュちゃんらしい勝気な笑みを浮かべ、3人はバスから降りていく。
 残された私たちは一抹の不安を覚えながらも、ただ待つことしかできなかった。

――――
――――――――

エマ「けほ、けほッ。ねえ、なんか空気悪くない? あ、場の雰囲気がって意味じゃなくてね?」

彼方「トンネルは排気ガスとか良くない空気が充満してるからね〜。換気もできないから閉め切るしかないけど……」

 ランジュちゃんたちがバスを降りて10分が経った。圏外だと電波を受信できないから、このスマホの時計も徐々にずれていくんだろうか。
 私は時刻を確認すると、窓を開けて顔を覗かせる。

 途端に、もわっとした生暖かい空気が顔にまとわりついた。まるでサウナの中にいるみたいだ。
 鼻を摘みたくなるほどの強烈なガスと埃の臭いに顔をしかめながら、周囲を見渡す。
 思った以上に頼りない照明の光。50メートル先の景色すら満足に見通すことができない。
0052名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:37:49.53ID:Tzz1XYKu
歩夢「侑ちゃん? 何してるの」

侑「ああ、ごめんね。ちょっと気になることがあって」

侑(……静かだ)

 不気味なほどに。微かに低いラッパ音のようなものが聞こえるくらいで、試しに指先を舐めて掲げるも、前からも後ろからも風を感じなかった。
 たらりと、冷たい汗が背中を伝う。

 私たちは本当にトンネルの中にいるの?
 何か巨大な怪物の腹の中にいるんじゃないか?

侑「私たちだけなのかなって。このトンネルにいるの」

 そんな馬鹿げた妄想を振り払うように、歩夢に疑問を振った。

歩夢「え? うーん、そう言えば他に走ってる車全然見かけなかったね」

侑「あんまり気にしてなかったけどさ、ちょっとおかしいよね……?」

 場合によっては一番交通量の多い時間帯にも関わらず、道中全くと言っていいほど他の車を見なかった気がする。
0054名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:40:51.16ID:Tzz1XYKu
歩夢「偶然だよ」

歩夢「今は助かることだけを考えようよ、侑ちゃん」

歩夢「余計なこと、しなくていいよ」ギュウ

侑「……ごめん」

 歩夢はこれ以上、何も考えたくないんだ。
 私はそっと、窓を閉めた。

侑(私たちだけなんて、そんなことないと思うんだけどな)

 バスのエンジンは止まっているけど、室内灯は点いている。他に同じような状況に陥った人たちがいるなら、この光が目印になるはずだ。

栞子「? 何でしょうかあの光」ガラ

かすみ「どしたのしお子。え、愛先輩たち帰ってきた!?」ガタ

しずく「本当?」

栞子「いえ、方向は真逆で……入り口の方から」

ミア「誰か来たのか?」

栞子「ごほっ、ごほ……はい、こちらに向かってきています」

侑(誰か来てる? やっぱり他にもいたんだ!)ガラッ
0055名無しで叶える物語(調整中)
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2023/08/25(金) 22:42:42.33ID:u74hD401
加筆修正とかしてるのかなしてないなら前回読んだ場所までは読み飛ばすんだけど
0056名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:43:04.07ID:Tzz1XYKu
「ねえ! ほら見てよ。よかったぁ! 私たち以外にもいたんだっ」

「だから言ったじゃない。私たちだけなんて、ありえないったらありえないのよ」

「うう……こわ"がっだよぉお"お"」

「おー、よしよし」

「这很有帮助ァ! ミナサン一先ず安心デスね!」

「そうですね。本当、一時はどうなることかと……」

 複数の声と共に近付いてくる複数の光。それがスマホのライトだというのはすぐ分かった。

コンコン

「あのー、す、すすすみましぇん!」

侑(噛んだ……)

 半開きの乗車口をわざわざノックして、顔を覗かせたのは女の子だ。
 5人の女の子。私たちと同じ高校生に見える。

侑(あれ? どこかで見たような)
0057名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:45:47.99ID:Tzz1XYKu
栞子「すみませんが、あなた方はもしかして……」

「あ、えって、とかのんです!」

かすみ「とかのん?」

かのん「かのんです! し、し澁谷かのんと申します!」

侑「かのん……? あっ」

 どうしてすぐに思い出せなかったのか。
 彼女たちの姿はまだ記憶に新しいではないか。

侑「スクール、アイドルの……」

かのん「え? あ、はい! スクールアイドルグループ『Liella』って言ったら伝わりますかっ?」

 煤汚れた顔。所々にほつれや赤黒い汚れを滲ませた制服。
 背中に背負うリュックやキャリーケースをパンパンに膨らませ、疲労を顔に浮かべながらも彼女は笑った。

かのん「あ、皆さんのことはも、勿論っ知ってます! こ、こんな状況ですけど、嬉しいです! 会えて!」ニコ

 こうして、私たちは出会った。
 この出会いは運命? それとも奇跡?

 多分違う。

 神様のいたずらは こんなにも不条理で残酷なのだと
 この時の私は まだ 知る由もなかったのだ

侑「……うん! 私も、会えて嬉しい」

ブゥゥーン…

 どこからか、蝿の羽音が聞こえた気がした。
0058名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:50:30.12ID:Tzz1XYKu
第2章 秩序-society-
 

12月〇×日 6:45p.m.

ブロロロ

かのん「みんな、今日はお疲れさま! 私たちいいライブができたと思う」

千砂都 「そうだね。結果は悔いが残るものだったけど、反省点も見つけられたし、次に活かせるいい経験ができたんじゃないかな」

すみれ「そうねー。4位ってのはちょっとばかし納得できないったらできないけども」

可可「グソクムシはほっといてシュクハイをあげまショウ!」

すみれ「おいこら」

恋「ま、まあまあ」

サヤ「皆さん、一応レンタカーですので祝杯は程々にお願いしますね」フフ

かのん(いやぁ、でもまさか私たちがあんなすごいイベントに呼ばれるなんて……)ニヘラ

 自然と頬が緩んでしまう。
 ラブライブ!の東京大会を終え、新たな目標を定めた矢先に訪れた、スクールアイドルフェスティバルというイベントへの誘い。
0059名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:53:54.49ID:Tzz1XYKu
かのん(これって私たちの名前が他の県にも知れ渡ってたってことだよね? うわぁ、どうしよどうしよ! まあ、伊達に2位だったわけじゃないけどお?)クネクネ

かのん(でも、すごかったな。1位の学校……)

 ラブライブには出場していないソロ主体のグループで、虹なんとか同好会って言ってたっけ。

千砂都 「かのんちゃん嬉しそうだね」

かのん「うん。私、今すごくワクワクしてるんだ。サニーパッションだけじゃない。私たちの身近にもとんでもない人たちがいるんだって」

かのん「そう考えたらさ、なんだか燃えてきちゃって」

千砂都 「うんうん。なら、帰ったら反省会だね!」

かのん「え"っ!?」
0060名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:56:32.16ID:Tzz1XYKu
ブロロロ

サヤ「お嬢様? どうかされました?」

恋「あ、いえ。この辺りは交通量が少ないのでしょうか」

恋「結構離れていますが、前を走るバス以外には他の車両を見かけませんので、気になってしまって」

すみれ「走りやすくていいじゃない」

可可「この道は人気がないのデスカー?」

サヤ「ふふ、それはどうでしょうか。何分、私も初めて通る道ですから」

ブロロロ…

恋「サヤさん、トンネルが見えましたよ」

サヤ「おかしいですね。ナビにはこの道が最短ルートで設定されていましたが、トンネルの表記などは……」ピッピ

サヤ「型落ちのレンタカーですから、ナビも古いのでしょうか」ウーン

かのん(トンネルかぁ。前に通ったのいつだっけ)
0061名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 22:59:57.25ID:Tzz1XYKu
 その深い深い大きな穴は、まるで私たちを飲み込まんとじっと獲物を待ち伏せる深海の狩人のようである。

かのん(なーんて。これ次の曲で使えないかな)

 そんなことを考えているうちに、サヤさんの運転するミニバンはゆっくりとトンネルの中に入って行った。

 今時珍しくなったオレンジ色の照明が視界を一気に変化させる。

かのん「豆電球ってこんな感じの色だったよね」

千砂都 「あはは、懐かしいね。小さい頃はずっと付けっぱで寝てたっけ」

かのん「ちぃちゃん、豆電球好きだったよねぇ」

千砂都 「だって、響きがまんまる〜って感じしない?」キラキラ

かのん「そ、そうかな」

パラ、パラ…カチ

可可「あ! 見マシタか!? 一瞬ライトが消えマシタ!」
0062名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 23:03:56.41ID:Tzz1XYKu
すみれ「え? ごめん、見てなかった」っアイマスク

可可「ブフッ。なんですかソレ。グソクムシにはお似合いのマスクデスね」

すみれ「……うっさいわねぇ」

ズズ…カチ、カチ パラパラ

可可「また消えマシタ! ニッポンのトンネルの照明は付いたり消えたりするモノなんデスね〜」グイグイ

すみれ「ちょっ、もう! 大人しく寝かせなさいよ!」

ドッ…ド…ドッ ズズ

サヤ「お嬢様、皆さん…‥シートベルトはちゃんとしていますか」

恋「? はい」

千砂都 「……揺れた」

かのん「え? なにもーちぃちゃんたら。私そんな揺れるほどある? あっちゃう?」

千砂都 「かのんちゃん、シッ」

かのん「もがっ?」
0063名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 23:06:04.29ID:Tzz1XYKu
すみれ「どうしたのよ? 千砂都 」

ズン、ズン…ガタッン!

可可「今ナニカ踏みましたか!?」

千砂都 「っ、サヤさん! 一度停車させて下さい!」

すみれ「ちょっと何言ってるの!? トンネル内での停車は違反ったら違反よ!」

サヤ「私も嫌な予感はしておりましたっ。ですが!」

ドンドンドンツ…ドンッ!

サヤ「つぅ、!?」ガッ!

キキィイイイ!!

恋「きゃあぁああ!?」

千砂都 「かのんちゃん!」

かのん「〜〜〜っ!?!?」
0064名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/25(金) 23:10:44.78ID:Tzz1XYKu
 なに! なに? なんなの!?
 地震!!?

 急ブレーキがかかる。車体がつんのめり、急な衝撃が私たちを襲った。
 体重を支えられず、シートベルトに体が強く引っ掛かる。胸を締め付けられ、呼吸が一瞬止まったかと思うほどだ。

かのん「がはっ! げほっ、」

千砂都 「はぁ、はぁ。かのんちゃん、身を低くして頭を押さえて!」

千砂都 「みんなも! 早く!!」

すみれ「いっつぅ……な、なんなのよこれ」

可可「一体全体ナニゴトデスカ!?」

恋「あ、ぁあ、さ、サヤさ――――

――――ドッッン!!!!

――――

――――――――
0065名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/25(金) 23:19:13.50ID:YD0Yzgqh
サヤさん死んじゃったりしないだろうな
0066名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:17:11.09ID:BZ2Vhtdy
ユサユサ

かのん(う、うぅ……ん。な、に?)

パチン、ペチン

かのん(ちょ、誰? 頬叩いてるの……もう、ゆっくり寝かせてよ)

千砂都 「かのんちゃん! 起きろ!」

かのん「――――えっ、ち、ちぃちゃん?」パチッ

千砂都 「っ」ガバッ

かのん「わっ?!」

 この匂い、感触。ちぃちゃんだ。
 私、どうしてちぃちゃんに抱きつかれてるの?

千砂都 「よかった」ギュウ

 耳元で囁かれた噛み締めるようなその一言で私は理解した。
 ここはトンネルの中だ。そして、車は止まっていた。
0067名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:22:45.08ID:BZ2Vhtdy
かのん「っあ!!? じ、じじ地震!! すごいっ、ゆれって、あの! わた、私、気絶s

千砂都 「かのんちゃん、深く息を吸って」ムギュ

かのん「ふぁ、ふぁい」

かのん(鼻摘まれた……)

千砂都 「はい。吐いてー吸ってー、もう一度……うん、おっけー。落ち着いた?」

かのん「ふぅー。う、うん、ごめんね。取り乱しちゃった」

 気を失ったのはこれで何回目だろう。
 また嬉しくない記録が更新されてしまった。

かのん(ああ、私ってほんと……情けないなぁ)

千砂都 「あのね、かのんちゃん」

恋「サヤさん! サヤさん!! しっかりして下さい!!」

 助手席に座る恋ちゃんの悲鳴が鼓膜を突く。

 恋、ちゃん……?
0068名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:24:49.68ID:BZ2Vhtdy
千砂都 「怖がらないで聞いて欲しいんだ」

 ちぃちゃんが私の手を握る。

 何を言って、今は恋ちゃんが

かのん「ね、ねえ……恋ちゃん? どうしたの?」

千砂都 「かのんちゃん」

かのん「サヤさんは? どうして動かないの? ねえ、寝てるの? 教えて」

千砂都 「かのんちゃん!」

かのん「なんでサヤさんは起きないの!?」

 気付けば、可可ちゃんとすみれちゃんが心配そうな目で私を見ていた。
0069名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:26:49.42ID:BZ2Vhtdy
可可「クゥクゥは無力デス。なにも、なにも出来ませんデシタ」グス

すみれ「……私たちに何が出来たって言うのよ」フイ

かのん「サヤさんに何が起きたの? 教えて、恋ちゃん」

 私は静止するちぃちゃんの手を振り払うと、ゆっくりと前部座席の方へ体を動かした。
 車内のルームランプで淡く照らされたサヤさんの姿がはっきりとその目に映る。

かのん「……あ、え?」

 ハンドルにはべっとり赤黒いモノが付着し、サヤさんはぐったりとその上に体重を預けていた。
 見れば、フロントガラスにはヒビが入っており、それはちょうどサヤさんの頭が――――

かのん「ひ、ひぃいいいい!?」ガタガタッ
0070名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:28:39.79ID:BZ2Vhtdy
すみれ「っ、このバカ!」

かのん「あ、はっ、ひ、ひっひ」ゼェゼェ

可可「かのん!! しっかりするデス!」

 ああ、ダメだ私。さっきちぃちゃんに言われたばっかなのに。
 怖くて、足がすくんで、体が震えて仕方ない。

かのん(こ、呼吸が……でき、なっ)ハッハッ

恋「かのんさん!?」

かのん「ち、ちひちゃっ、たすけ

――――パン!

かのん「っ、!?」

すみれ「ちょ、千砂都、あんたなにしてっ?」
0071名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:30:54.29ID:BZ2Vhtdy
千砂都 「落ち着いて――――いい? 今かのんちゃんが泣き喚いたって何にもならないんだよ。イタズラにみんなを怖がらせるだけ」

かのん「っ、っ」コク、コク

千砂都 「大丈夫。かのんちゃんはやればできる子なんだから」ニコ

可可「千砂都 ……?」

千砂都 「恋ちゃん、サヤさんを起こせる?」

恋「! は、はい! やってみます!」

千砂都 「すみれちゃんも手伝ってあげて。起こしたら座席を倒して、なるべく水平に……うん、ありがとう」

かのん「……」ヒリヒリ

 ちぃちゃんに叩かれた頬がジンジンと熱を発する。
 気付けば呼吸もすっかり落ち着いていた。
0072名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:36:09.68ID:BZ2Vhtdy
 テキパキと指示を出すちぃちゃん。
 その姿はあんまりにも眩し過ぎて、

可可「かのん、大丈夫デスカ? 千砂都はやりすぎデス」

千砂都 「可可ちゃん。タオル持ってないかな?」

可可「も、持ってマス!」

恋「ああ、サヤさん、こんなに血がっ」

かのん「……」

 ――――私にも何か手伝えることはある?

 そんな言葉すら出てこなかった。

ーーーー
ーーーーーーーー

可可「あのぅ、サヤさんは無事なのデスカ?」

すみれ「……多分。頭をガラスに強くぶつけたんだと思うけど、この出血の量だと何とも」

千砂都 「わからないけど、やれるだけのことはやったよ。早く病院に連れて行かないと」

恋「駄目です。け、携帯が繋がりません!!」
0073名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:38:21.29ID:BZ2Vhtdy
すみれ「へ? 何言って……嘘でしょ。なんで、なんで圏外なのよ!?」

千砂都 「本当だ。かのんちゃんのもだめ?」

 そう言われて、慌てて自分のスマホを探す。
 あの時の衝撃で座席の下に落ちてしまったみたいだ。

かのん(私、今酷い顔してる)

 スマホの画面に反射して映るその顔は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。

かのん(圏外だ……)

 私は首を横に振った。

千砂都 「そっか。可可ちゃんのもだめみたいだし、困ったね」

すみれ「……どうするの? いっそ誰かが運転してトンネル抜ける?」

可可「何言ってるんデスカ!? クゥクゥたち運転免許持ってないデスよ!!」

すみれ「真面目か! いい? サヤさんは危険な状態なの。悠長になんかしてられないのよ」
0074名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 00:41:38.52ID:BZ2Vhtdy
千砂都 「うん。いいアイデアだと思う」

可可「千砂都 !?」

恋「待って下さい。ここはまだ入り口からさほど離れていないはずです。一旦、歩いてトンネルの外に出るべきです」

恋「外に出れば電波も届くはず」

すみれ「まあ、それが一番確実よね。この道を通る車に助けを求めることもできるし」

かのん「で、でもすごく暗いよ。危ないんじゃ」

 私は窓の外を指さした。
 元々、等間隔で設置されていた照明の光はただでさえ見通しも悪く、光量も弱く感じられた。
 きっと相当古いトンネル。それが、今では地震の影響か付近の照明はほとんど機能していなかった。

すみれ「スマホのライトでなんとかなるわ。完全に真っ暗って訳じゃないし」

かのん「で、でもぉ」

すみれ「ああもう。私が行くからそんな心配そうな顔しないでったら。仮にもリーダーなんだからシャキッとしなさいよ」

かのん「……ご、ごめん」
0075名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 06:04:19.16ID:BZ2Vhtdy
恋「私も言い出しっぺですから。お供させていただきます」

可可「クゥクゥにも行かせてクダサイ! すみれとレンレンだけでは心配デス!」

すみれ「それはこっちのセリフ。あと恋はサヤさんの傍にいてあげなさい。起きた時に親しんだ人の姿が見えないと悲しむわ」

 すみれちゃん、すごいな。そんなかっこいいこと、すらすら言えるんだもん。
 私なんて肩書だけのへっぽこリーダーだ。

千砂都 「そうだね。恋ちゃんはここにいて。私が行くから」

かのん「え? なんで? ちぃちゃんはここにいてくれるんじゃないの!?」ガシ

千砂都 「かのんちゃん、痛い」

すみれ「ちょっと。こんな時にまた揉め事? 一刻を争う事態なのよ」
0076名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 06:07:01.33ID:BZ2Vhtdy
かのん「ねえ、ねえっ。ここにいよう? 恋ちゃんと一緒にサヤさんの看護しようよ!」

千砂都 「かのんちゃん……私の知ってるかのんちゃんはそんなこと言わない」

かのん「へ?」

千砂都 「あの時のかのんちゃんはいつだって私のヒーローだった。私の心を震えさせてくれた」

千砂都 「今のかのんちゃんはただの泣き虫だよ。昔のかのんちゃんなら、私が行くって言ったら代わりに行ってくれるぐらいはしてくれたはずだよ」

かのん「何、言ってるの……ちぃちゃん?」

千砂都 「かのんちゃんはLiellaのリーダーで、ヒーローで、強い子なんだ。だから決めて」

かのん「決めてって……」
 

 かのんちゃん、どうするーーーー?
0077名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 06:09:04.36ID:BZ2Vhtdy
続きはお昼か夜にまた投稿します
0078名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/26(土) 06:15:56.94ID:cQ9z6PMT

楽しみ
0079名無しで叶える物語(光)
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2023/08/26(土) 06:56:54.33ID:FMArsdsc
65みたいな初見さんも居るのね
0081名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/26(土) 09:25:06.37ID:FqrGLrFw
ラ板に入り始めたの今年の7月頃からだから初見、なので楽しみ
0084名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:29:31.76ID:BZ2Vhtdy
――――
――――――――

ザリ、ザリ

すみれ「アンタおっちょこちょいなんだから、足元気をつけなさいよ」

可可「グソクムシこそ転ばないようにしっかりクゥクゥの後ろをついてくるのデスよ! かのんはクゥクゥと手を繋ぎまショウネっ」

 薄暗いトンネルの中を、3つの光がゆっくりとした速度で移動する。
 遠目に見れば、暗闇の中に浮かぶホタルの光のように映ったであろう。

かのん「うぅ、なんで私がぁ……」グズグズ

 あの時って何? いつのこと?
 わけ分かんない。ちぃちゃんは私に何を期待してたの? 何を求めてるの?
 ちぃちゃんの言葉が、時々分からなくなる。
0085名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:31:03.83ID:BZ2Vhtdy
 結局、あの後彼女のえも言われぬ迫力に圧された私は、逃げるようにその場を後にしたのだった。
 これは昔からの悪いクセ。やりたくないのに、前に出たくないのに。誰かの期待が、誰かへの脅迫に変わるのだ。

可可「ヨシヨシ。千砂都はかのんに強くあって欲しいのデスよ」

すみれ「でも、確かに変よねぇ。千砂都ってかのんのこと絶対的に盲信してるって感じだし。そんな突き放すようなこと」

可可「すみれには人の機微が分からないのデスカ」

すみれ「? どういう意味よ」

可可「解釈違いデス。千砂都は鬼の子デス。クゥクゥの国にこんなことわざがありマス」

かのん「ちょっと、2人とも。そんな教育方針の違いみたいなこと言わないでよ……」

可可「百尺竿头、更进一歩。優れた成果をあげていても、それに満足せずひきつづあぃえ!?」ガツンッ

かのん「可可ちゃん!? 大丈夫!?」
0086名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:32:46.48ID:BZ2Vhtdy
可可「ナニカにツマズキました……这很危险!」

すみれ「ちょっと、こんな所で怪我でもしたらシャレにならないわよ」

 地面にライトを向ける。

かのん(なんで、こんなに荒れてるの……!?)

 可視化された塵や埃の量もさることながら、周囲には大小様々な岩石が散乱していた。
 それは先に進むにつれ、より酷くなっていくようだ。

すみれ「……慎重に進みましょう」

かのん「う、うん。私と可可ちゃんで地面照らすから、すみれちゃんは前をお願い」

ガラ …ジャリ ジャリ

 整備された道路の上を歩いていたはずなのに、いつからか砂利道を歩いているような感触。
 時々、何か硬いものを蹴り上げる。
0087名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:34:47.40ID:BZ2Vhtdy
可可「けほっ、けほ」

かのん「可可ちゃん、口元何かで覆った方がいいよ」

 空気も悪い。そして暗い。暗過ぎる。
 入り口に近づくほど周囲がより黒く染まっていくようだ。

すみれ「……2人とも、最悪の事態を想定しといた方がいいわよ」

かのん「……え?」

すみれ「おかしいのよ。外に近付いているのなら、こんなに真っ暗ってことはないでしょ。そろそろ外の明かりが見えてきてもいい頃じゃない」

かのん「そ、そうかな。だって、時計を見てよ。もう7時だよ。外は暗くなってるから……」

すみれ「だとしてもよ。こんなに暗いのは変。どんどん暗闇の中に飲み込まれていってる気さえするわ」

可可「風も全くありまセン。暑い……苦しいデス」ハアハア

 粘りつくような湿気と熱。空気もまともに吸えないほど悪くなっていく。
0088名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 17:37:50.14ID:BZ2Vhtdy
かのん「……」フゥ、フゥ

 この辺りやばい。

 ひび割れ、砕けたアスファルト。迫り上がった道路は至る所に段差を作り、未舗装の山道を想起させた。

かのん(こんなの、まともに歩けない……!)

 そこまで大きな地震だったのなら、どうして自分たちは五体満足で歩けているんだろう。
 一生分の運をここで使い切ってしまったと言われても納得できてしまう。

すみれ「げほっ、ごほっごほ……っ、これ以上は流石にやばいったらやばいわね」

かのん(空気が薄く感じる……多分、無意識に汚れた空気を吸わないようにしているってのもあるんだろうけど)

 土埃とガスで痛む目を擦りながら、私たちは何かに取り憑かれたかのように歩みを進める。

 200メートルは歩いただろうか?
 実際にはたいした距離も進んでいなかったのかも知れない。
0089名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:40:06.12ID:BZ2Vhtdy
可可「……あ」

 少し先を歩いていた可可ちゃんが足を止める。

可可「あ、え? どうして、ここに壁があるのデスカ……?」

 ついに私たちは辿り着いた。

かのん「ああ、そんな」

 見上げるほどに積み上げられた石の壁。
 それは完全にトンネルの入り口を塞いでいた。

すみれ「ウソでしょ? まさか、本当に……ぁあああ!!」ダンダンッ!

 すみれちゃんの嗚咽と悲鳴を含んだ絶叫が周囲に木霊する。
 悔しそうに地団駄を踏む彼女の姿を、私は黙って見ることしかできなかった。

かのん「可可ちゃん、どこかに隙間がないか探そう? 大丈夫だよ、きっと出られるよ」

 声も、視界も、震えていた。
 すぐに、隙間の向こうにも同じ景色が広がっているのが分かった。

 この瓦礫の山はどれほどの厚みがあるのか。想像もつかなかった。
0090名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:42:02.20ID:BZ2Vhtdy
かのん「はあ、はあ、っ、ふう、ふぅ」

 何かに縋るように、闇雲に光を走らせる。

 トンネルの壁には無数の亀裂。半分崩落した天井を支えているのは皮肉にも、積み上げられた瓦礫の山。

 新たな情報が目に入るたびに、絶望が私たちを侵食していく。

かのん(こんなの、いつ崩落してもおかしくないっ)

可可「――――ゲホッ! ゴホっ、っ、ごほ」

かのん「可可ちゃん!」

 突然、可可ちゃんが喉を押さえて蹲る。

可可「我…不再想要、它了。我想…回家! 我想、回家‼︎」ゴホッゴホッ

かのん「げほっ、げほ、っなに? 聞き取れない!」

すみれ「ふざっけ、るな! 開けなさい! 開けなさいよ!!」ダンダンッ

かのん「すみれちゃんっ! そんなことしても無駄だよ!」

 だめだ。2人ともパニックになってる。
 ここで私まで取り乱してしまったら、今度こそ終わりだ。
0091名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:44:28.39ID:BZ2Vhtdy
千砂都 『あの時のかのんちゃんはいつだって私のヒーローだった』
 

かのん(ちぃちゃん……そうだ。私はリーダーなんだ。この、Liellaの、みんなの!)

 なるんだ。
 みんなの理想のリーダーに。

ブゥウウーン

かのん「? 蝿の、音……?」

 こんなトンネルの中でも、虫は湧くのだろう。
 しかし、今はそんなことに気を掛けている場合ではなかった。

かのん「2人とも! 一旦みんなのところに戻ろう!?」

すみれ「どこかに隙間、隙間……何かあるはずよ」ブツブツ

可可「こんなガレキ、クゥクゥが全部取っ払って……っ、ふぬぐぅうう!」プルプル
0092名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:47:37.24ID:BZ2Vhtdy
かのん「〜っ」

かのん「ねえ、聞いてよ!!」

かのん「おーい!!」

すみれ「っ、な、何よ!?」

可可「か、かのん?」

かのん「……」ムゥ

すみれ「っ、……悪かったわよ。ちょっと頭に血が上っちゃって」

かのん「この、分からず屋どもー!!」

――――ゴチンッゴチンッ

すみれ「ぎゃら!?」

可可「アイヨ!?」
0093名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:49:33.67ID:BZ2Vhtdy
かのん「……いたい」グス

すみれ「……」

可可「……」

すみれ「待って、私たちなんで頭突きされたの。今の話聞く流れだったわよね」

かのん「だって、そういう場面だったじゃん」

可可「かのん、オデコ大丈夫デスカ?」サスサス

すみれ「あなたが1番ダメージ受けてるじゃない……」

かのん(頭突きってする方はそんなに痛くないのかと思ってた……)

 リーダーっぽいことしなきゃって考えた結果、何故か頭突きという選択肢が浮かんでしまった。先週見たヤンキー映画の影響だろうか。

すみれ「……はあ、まあいいわ。おかげでちょっと頭冷えた。ありがと」

可可「……クゥクゥもです」シュン
0094名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:51:35.57ID:BZ2Vhtdy
かのん「こんな所にずっといたら倒れちゃうよ。スマホのバッテリーだって長くは持たないし」

すみれ「確かに、そうね。一度千砂都たちの所に戻りましょう」

 よかった。2人とも冷静になってくれたみたい。
 
かのん(少しはリーダーらしいところ、見せられたかな)

ーーーー
ーーーーーーーー

カランカラン…ジャリ、ジャリ

すみれ「2人とも、ちょっといい?」

かのん「ん、?」

可可「なんデスカ?」

すみれ「ちょっと今の状況をまとめてみたんだけど……2人にも確認しておこうと思って」

 さっきからライト照らさずにスマホ弄ってたのは、そういうことだったんだ。
 すみれちゃんらしいマメさというか何というか。
0095名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 17:53:52.00ID:BZ2Vhtdy
すみれ「結論から言うと、入り口から出るのはハッキリ言ってムリ」

かのん「っ」

 突きつけられたその言葉に、足元がふらつくような感覚を覚える。

可可「そ、そんなコトはっ」

すみれ「アンタも見たでしょ? 人の手であの瓦礫を退かすのは不可能よ。無理に動かせば落石の危険もある」

すみれ「ただ、あんだけ積み重なってるおかげでトンネル自体の崩落が防げているのも事実だと思うの」

かのん「でもそんな都合のいいことがあるのかな。出口だけ塞がれてるって、あんな量の瓦礫はどこからきたの?」

すみれ「そりゃあ山腹に造られてるんだから、土砂やら何やらが斜面崩壊ってやつじゃない?」

 そう言うと、すみれちゃんはスマホの画面を私たちに見せる。そこに開かれていたメモ帳アプリには、すみれちゃんが気になったこと、発見したものなどが箇条書きで事細かに記されていた。
0096名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 17:57:22.89ID:BZ2Vhtdy
すみれ「入り口に近づくほど、排気ガスや土埃、熱気がひどく濃くなっていく。目も開けられないほどにね」

可可「あとスゴク息苦しかったデス」

すみれ「ええ。まともに息を吸える場所じゃないわ。ただでさえトンネル内は空気が悪いってのに」

かのん「入り口付近は照明も落ちてるから真っ暗だし、足場も悪いから、行動するには明かりが必要不可欠だよ」

かのん(このスマホは命綱だ。もしバッテリーがなくなったら……)ゾッ

かのん「……」スッ

可可「かのん? なぜ、明かりを消したのデスカ?」

かのん「……え? あ、ご、ごめんっ」

 無意識だった。
 ライトを消したことに、疑問も抵抗も全く感じなかった。
0099名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 22:52:57.94ID:4nEq8PTY
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0100名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/26(土) 23:03:12.94ID:YRiT4IxT
あげ
0101名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 23:35:34.35ID:BZ2Vhtdy
かのん(何やってるんだ私。大丈夫、まだバッテリーは持つ……それに、私のが使えなくなってもちぃちゃんたちのがある)フゥ

 ああ、苦しい。自らの寿命を削っている気分だった。

すみれ「……圏外のままか。外に近づいてもだめだったってことは、相当大規模な地震だったのかしら。電波塔か回線がイカれたってこと?」ウーン

可可「これからどうするのデスカ……?」

すみれ「ん、一先ずは車に戻ってから千砂都たちの意見を聞くわ。サヤさんの容態次第では早急に手を打つ必要もある」

すみれ「まあ、入り口があんな惨状だった以上、出口に向かう他道はないんだけど。問題は距離よね」

可可「クゥクゥたちの車がある場所から、入り口まで200mはあったと思いマス」

すみれ「そんなあった? せいぜい100mちょっとじゃない?」

可可「かのんはどう思いマスカ?」

かのん「え? ああ、可可ちゃんと同じくらいかな……あ、すみれちゃんの意見も間違ってないと思う」アハハ
0103名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 23:39:43.17ID:BZ2Vhtdy
すみれ「なによそれ。どっちつかずね。暗いから感覚もおかしくなってるのかしら」

可可「――――あ、車が見えマシタ!」

すみれ「ここら辺も暗いったら暗いけど、まだ生きてる照明がある分恵まれてるわね」

かのん(よかった。無事に戻ってこれたんだ……)

 ただ、突きつけなければならない。
 残酷な真実を。

ーーーー
ーーーーーーーー

千砂都「お帰り! かのんちゃんよく頑張ったね」

かのん「う"ぅ、ちぃちゃあん!」

すみれ「はじめてのおつかいかっ。もう、サヤさんの容態は?」
0104名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 23:41:29.12ID:BZ2Vhtdy
千砂都「それが」

恋「はい、大丈夫です。今は眠っているだけですから」ニコ

千砂都「恋ちゃん……」

可可「……」

可可「あの、レンレン」

すみれ「……」ツネリ

可可「痛!? な、なにするんデスカ!?」

すみれ「いいから。ちょっと口閉じてなさい」シッ

恋「それで、どうでしたか」

すみれ「っ、ああ、そのことなんだけど……」
0105名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 23:43:03.84ID:BZ2Vhtdy
 すみれちゃんがメモ帳を見せながら、事情を簡潔に説明する。
 2人ともある程度は覚悟していたのか、特別取り乱すようなことはなかった。
 ちぃちゃんはともかく、恋ちゃんまでどこか涼しいような顔をしているのは気のせいだろうか?

千砂都「どうしても無理そうだった?」

すみれ「ええ。見てくれば分かると思うけど、人の手であの瓦礫をどうこうするのはスーパーヒーローでもない限り無理ったら無理ね」

可可「すみれの言う通りデス。それに、クゥクゥはあそこにはもう近寄りたくありません」

恋「話を聞く限り、あまり長居できるような環境ではなさそうですね」

かのん「うん。だから、出口に行ってみようと思う」

千砂都「そっちに賭けるしかないってことだね」

すみれ「そう。で、流石にここから歩いて向かうのはしんどいってことで」
0106名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 23:46:09.88ID:BZ2Vhtdy
すみれ「サヤさんのこともあるし、車が動くなら私たちの誰かが運転して出口まで行こうって。少し前に話したでしょ」

千砂都「それなんだけどね……」チラ

 ちぃちゃんが目を向けた方には、横たわるサヤさんの姿。
 車を運転するには、彼女を動かさなければならない。

 でも、誰もがあえて彼女から目を逸らしてした。見て見ぬ振りをしていた。
 恋ちゃんのどこか異様な雰囲気に気圧されていたのかも知れない。

千砂都「恋ちゃん、サヤさんなんだけど。ちょっと場所を変えてもいいかな?」

恋「どうしてですか?」

千砂都「あ、いや。あのね、車が動くか確認したいんだ。サヤさんは後部座席に寝かせてあげた方がいいと思うよ。ゆとりもあるし」

恋「ああ、それは確かに。ですが、サヤさんを起こしてしまうのも悪いですし……」

恋「それに、この狭い車内でどう移動させるのですか?」
0107名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 23:47:24.28ID:BZ2Vhtdy
すみれ「そ、それは座席をこう倒して、ね? 可可と私でサヤさんを抱えて」

かのん(なんだろう、この嫌な感じ)

 誰もが慎重に言葉を選んでいる節があった。
 恋ちゃんの言動に感じる違和感は、サヤさんの顔全体を覆うようにかけられたタオルが物語っていたからだ。

可可「……レンレン、どうしてサヤさんの顔にタオルをかけているのデスカ。それではサヤさんが苦しそうデス」

かのん(あ、可可ちゃん。言っちゃった)

すみれ「ちょっと、可可!」

可可「何故誰も何も言わないのデスカ? レンレンさっきからおかしいデス! アレが怪我人にすることなんデスカ!?」ビシッ

恋「どこか、変でしょうか?」

可可「どこかって、ち、千砂都!」

千砂都「えーっと、うん。今その話は置いておこっか」

可可「千砂都!?」
0108名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 23:49:10.10ID:BZ2Vhtdy
すみれ「……打ち覆いって言うのよ、それ。縁起でもない話だけど、もし冗談でやってるんだったら笑えないわよ。理由があるのなら説明して」

千砂都「すみれちゃん、ちょっと」

恋「他ならぬサヤさんの頼みですが、それがどうかしましたか?」

すみれ「――――は?」

かのん「え、サヤさん目覚ましたの?」

千砂都「それは、えっと、あのね」

すみれ「本当に眠ってるだけ? 見た目よりも軽傷だったってこと?」

可可「レンレン! どうなんデスカ!」

恋「どうと言われましても、言葉通りですが」
0109名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 23:50:17.44ID:BZ2Vhtdy
すみれ「ああ、もうっ。なにこの噛み合ってない感じ……」

可可「字面上地! ? “我的话不够!”」

すみれ「アンタもアンタでややこしくするな!」

ギャイギャイ

千砂都『かのんちゃん』クチパク

かのん(ちぃちゃん?)

千砂都「――――ごめん! 私ちょっとお花摘み行ってくる」パン!

すみれ「こんなときに!? っても、ここトイレなんて……あー、そう。行ってらっしゃい」

千砂都「あはは、そういうことです」

すみれ「……これ、必要だったら」ボソっポケットティッシュ

千砂都「あ、ありがとう」
0110名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 23:51:40.20ID:BZ2Vhtdy
かのん(なんだ、ちぃちゃんトイレ行きたかったのか。わざわざ私に目配せなんて可愛ところあるじゃん)

千砂都「じゃ、かのんちゃん行こっか」

かのん「うんうん……え?」

ーーーー
ーーーーーーーー

かのん「ちょ、ちょっとちょっと突然どうしたの? 私別に催してないんだけど?!」ボソボソ

かのん「すみれちゃんに生暖かい目で見られちゃったじゃん!」

千砂都「私もだよっ! 恋ちゃんのことでちょっと話したいことがあったから」

かのん「何か知ってるの?」

千砂都「……ここら辺ならいっか」

 ミニバンから数メートル離れた場所まで移動した私たちは、脇にある段差に腰を下ろした。
 空気も変わらず悪く、照明もほとんど機能していないため隣に座るちいちゃんの顔ですら朧気だ。
0111名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 23:54:48.49ID:BZ2Vhtdy
千砂都「知ってるっていうか、かのんちゃんたちが出ていった後、しばらくは普通だったんだ」

千砂都「でも、途中からどこか会話が噛み合わない気がしてね。私と話が終わった後も恋ちゃんずっと喋り続けてて」

かのん「どういうこと?」

千砂都「……サヤさんとね、ずっと何か話してるみたいなんだ」

かのん「え」ゾク

千砂都「最初は独り言かと思った。でも、違った」

千砂都「ニコニコしながらサヤさんの顔にタオルをかけて、お休みなさいって。それを止めようとするとすごく怒るの」

 スマホのライトで照らされたちぃちゃんの顔は、今まで見たこともないような戸惑いと恐怖に彩られていた。
 流石のちぃちゃんも相当参っているみたいで、心なしかやつれているようにも見える。

 私もすでに体中を鳥肌が駆け巡っていた。
0112名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/26(土) 23:55:57.95ID:FqrGLrFw
ヒェッ……
0113名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/26(土) 23:56:13.75ID:BZ2Vhtdy
かのん「で、でもさ。それを私に言われてもどうすればいいのかなぁ、って……」

千砂都「ごめんね。かのんちゃんなら何とかしてくれるんじゃないかって思って。すみれちゃんも不審に思ってるし、何か起こる前に対策を打たないと」

かのん「っ」

 またそれだ。私ってそんなにすごい人? ちぃちゃんは澁谷かのんを過大評価しすぎなんじゃない?

かのん「……とりあえずさ、あの2人にもそれとなく伝えてしばらくは様子見でいいんじゃないかな」

千砂都「だね。私たちも今それどころじゃないし」

かのん「うん……そろそろ戻ろっか。あんまり遅いと変な勘違いされちゃうし」

千砂都「えー、なにそれ。変なかのんちゃん」クス

<ア、チョットサキイッテテ
<エ"、チィチャンマサカ
0114名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 23:57:27.53ID:BZ2Vhtdy
千砂都「ただいまー」ガチャ

すみれ「遅かったわね。どんだけ遠くまで行ってたのよ。それとも」

かのん「わあ!? 違うから! そっちじゃないから!」

すみれ「はいはい」

千砂都「恋ちゃんの様子は?」コソコソ

可可「はい。サヤさんに近付かなければ……レンレンは一体どうしたのデショウ。クゥクゥ少し怖いデス」コソコソ

千砂都「かのんちゃん」

 ああ、そんな目で見ないでよ。

かのん「ね、ねえ、恋ちゃん」

恋「なんでしょうか?」

かのん「車動かす動かさないの話ってどうなったの、かな?」
0115名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/26(土) 23:58:56.05ID:BZ2Vhtdy
恋「そのことですが、サヤさんが起きるまで車内で待機ということで落ち着きました」

かのん「え、そうなの……?」

すみれ「……」フイ

 すみれちゃんはまだ納得していない様子だったけど、下手に動くといつ恋ちゃんの逆鱗に触れるかわかったものではない。
 触らぬ神に祟りなし。

 彼女もそう判断したのだろう。

かのん「あ、ならさ、車のキーは抜いておいた方がいいと思うな。インロックの危険もあるし」

かのん「万が一ってことでね?」

 そう言い、車のキーを抜こうと私は身を乗り出した。
 真下には横たわるサヤさん。少し体を動かせば、触れてしまう距離。

 誰かの息を呑む音が聞こえた気がした。
0116名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/27(日) 00:00:04.89ID:m8zw9NVS
恋「触らないでください!!!」
 

かのん「!? あっ」グラ

 思わず耳を塞ぎたくなるほどの大声。それが恋ちゃんから発せられたものだと気付いたのは、彼女に襟首を掴まれ無理やり方向転換させられた後だった。

かのん(恋ちゃん!!? どこにこんな力がっ)

恋「ふぅ、ふぅぅっ……」ギュウ

 恋ちゃんの手は真っ赤だった。こびり付いた血はまだ完全に乾ききってはいないのか、車内の明かりを反射しててらてらと光る。
 服が血で汚れたとか、顔が近いとかそんなどうでもいい情報(こと)が頭の片隅に浮かんでは消えていく。

すみれ「恋!! アンタなにやってんの!?」

可可「レンレン!!」
0117名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/27(日) 00:07:31.85ID:m8zw9NVS
かのん「れ、恋ちゃん、痛いよ。ちょ、っと離してっ――――っ?!」

 闇雲に首を振った視界の行方は、とある一点で固定された。
 衝撃で捲れたタオルの下から覗いたその顔は、げっそりと頬こけ、土気色に変色し、今にも腐り落ちてしまいそうな泥人形のようで――――

かのん「――――っつ、おぇ」ガバッ

 サヤさんは、もう

恋「お願い、します。何も……言わないで……」

 恋ちゃんの手の力が弱まる。
 俯いて表情は見えないが、苦しそうに、蚊の鳴くような声で、一言一言を絞り出すように……そう呟いた。

かのん「恋、ちゃん……」

 恋ちゃんはサヤさんの顔を隠したんだ。見たくないものに蓋をして、都合のいい夢を見ようとした。
 それが今となっては無意識だったのか、意図的にだったのかは誰にも分からない。
0118名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/27(日) 00:09:11.98ID:m8zw9NVS
千砂都「ねえ、なにしてるの? その手、離しなよ」ガシ

恋「いたっ」

千砂都「恋ちゃん、今自分が何したかわかってる?」グググ

かのん「ちぃちゃん! やめて!!」

千砂都「なんで? だめだよかのんちゃん。こういう時はしっかり言わないと」

すみれ「そうよ。理由はどうあれ、今の態度は見過ごせないわ」

可可「手を出したらダメデスよ! レンレン!」

かのん「もう! いいからみんな黙って!!」

かのん「恋ちゃんの気持ちも考えてあげてよ!」

恋「かのんさん……すみません。わたし、ほんとうに、ぐす、ぅ、えぐ」ポロポロ

かのん「いいの。私の方こそ、ごめんね。つらいよね、苦しいよね」ナデナデ
0119名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 00:10:35.42ID:m8zw9NVS
かのん「ちぃちゃん。タオル、かけなおしてあげて。ずれちゃってるから」

千砂都「……」

千砂都「うん」

 サヤさんの顔が再び完全に覆われた。
 こうして顔を隠せば、確かに彼女は安らかに眠っているようにも見える。

恋「ひっ、ぇぐ、う、ふえぇええん……っ」

 私の胸に顔を預け、肩を震わせ恋ちゃんは泣いた。
 誰も口を開こうとはしなかった。ただ、黙って事の成り行きを見守った。

かのん「……」ナデナデ

 痛ましい彼女の嗚咽は、いつまでも車内に響いていた。
0122名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/27(日) 10:06:08.33ID:4srb9xgg
サヤさん……!
0123名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 12:51:39.89ID:m8zw9NVS
ーーーー
ーーーーーーーー

かのん「みんな、準備できた?」

すみれ「ええ。水と、少ないけど食料も入れてっと。替えの服は……まあ、少し汗臭いけど贅沢は言えないわね」

千砂都「思ったより荷物多くなっちゃったね」

かのん「うん。でも、ここから出口まで歩いて向かうなら用心するに越したことはないよ。本当はもっと軽装が良かったんだけど」

すみれ「日頃鍛えているからこのぐらいは余裕ったら余裕よ。むしろ、良い運動になると思って乗り切りましょう」

可可「サヤさんを、置いていくのデスカ?」

恋「……はい。サヤさんも、行ってこいって……そう言ってくれましたから」

かのん「恋ちゃん、無理しないでね」

すみれ「つらくなったら周りを見なさい。私たちが絶対に傍にいる。恋、あなたをもう1人にはしないわ」

恋「皆さん……うう、ぐすっ」

 サヤさんがどうなったのか、可可ちゃんとすみれちゃんは直接、彼女の顔を見たわけではない。
 でも、2人ももうわかっているんだと思う。
0124名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 12:53:04.51ID:m8zw9NVS
可可「すみれがレンレン泣かせマシタ」

すみれ「いやなんでよ」

 この異常な空間の中では、人の死すらも日常の一部として取り込まれてしまうような気がした。

かのん(……いや、それは外の世界でも同じ)

 ニュースで流れる人の死は、驚くほど何気なく簡潔に伝えられ、自分とは関係のない世界の出来事として処理されてしまう。
 今私たちがこんな状況に陥っているこの瞬間にも、外の世界ではゆっくりと変わらない速度で時が進んでいるのだ。

かのん(何も考えるな。サヤさんのことも、外のことも。今は目の前の問題だけに集中するんだ!)

 心を保つには、嫌なことから目を瞑ればいい。
 そうだ。いつだって私は、そうしてきたんじゃないか。

すみれ「……そろそろ行きましょう」ガチャ

かのん(こんなところで死にたくない。私は絶対に生きて帰ってやる)グッ

恋「サヤさん……必ず、迎えに戻ります」ボソ
0125名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 12:55:24.14ID:m8zw9NVS
ジャリ、ジャリ…

かのん「本当によかったのかな。車使わなくて」

すみれ「いいのよ。よくよく考えれば、道路に瓦礫が散らばってたりでまともに走れる保証もないし。歩いて何時間もかかるような距離じゃないでしょ」

すみれ「無理に動かそうとして、二次災害でも起こしたら目も当てられないわ」

かのん「それもそうだね…….」

かのん(運転とか絶対ムリ)
 

千砂都「みんな、スマホの電波はどう?」

すみれ「……だめね」

可可「クゥクゥのも繋がりマセン」

かのん(私のも同じか。バッテリーの残量は残り61%……っ)
0126名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 12:57:22.67ID:m8zw9NVS
千砂都「どうせ圏外なら、スマホは低電力モードにするか、いっそ電源を切っておいてもいいと思う。今はバッテリーを節約しないと」

すみれ「私、モバイルバッテリー持ってきてるわよ。いざとなったら貸してあげるから」

かのん「本当!? 流石すみれちゃん! 頼りになるっ」

千砂都「あー、その手があったか。私も持ってくればよかったな」

可可「クゥクゥも持ってます! 外出する時は予備のバッテリーの一つや二つ、持っていくのが基本デスよ」ドヤァ

恋「だからと言って、無闇にバッテリーを消耗させるようなことがあってはいけません。もしもの備えとして頭に入れておきましょう」

すみれ「ええ。そんな容量もあるわけじゃないし、安物だしね。まあ、その場凌ぎの奥の手ってことで」

かのん(う、そうだよね。それがあるから絶対に安心ってわけじゃないよね……電源切っとこう)スッ
0127名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 12:59:30.87ID:m8zw9NVS
ジャリ、ジャリ…カツン

かのん「ねえ、私たち以外にも誰かいると思う?」

千砂都「これだけ長いトンネルだし、私たちだけしかいない方が不自然だよ」

恋「距離はありましたが、前を走っていたバスが1台いたはずです。トンネルを抜けきっていなければ、その内会えるかと」

すみれ「ええ。そろそろ照明以外の光が一つや二つ見えてきてもいい頃だわ」

かのん「さっきよりは明るくなったけど、まだ見通し悪いね」

千砂都「オレンジの光ってのも影響あるんだと思うよ。こうしてまばらに点いてる分、余計に薄暗い印象を与えてるんじゃないかな」

すみれ「……可可、ちょっとそこの壁ライトで照らしてみて」

可可「一体どうしたんデスカ? 何か虫でも見つけました? グソクムシは山にはいないデスよ」

すみれ「もう、そう言うのはいいからそこ照らして」

可可「壁なんて見ても何かあるとは思えま……ヒェ!?」
0128名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 13:02:25.10ID:m8zw9NVS
かのん「どうしたの?」

かのん「え、……なに、これ」

 壁には何かを強く押しつけて引き摺ったような跡が続いていた。その跡を追うようにして進んだ先には……

可可「――――あ! か、かのん、アレ! 見てっ、あそこデス! 很轻! 车! “大车!” !」

かのん「え、な、なに? あそこって……あ!!」

かのん「ち、ちぃちゃんっ」グイグイ

千砂都「う、うん、見えてるよ」

すみれ「変だと思ったのよ。ここまで歩いてきた感じ、中央付近の環境は比較的安全に思えた。でも、ここら辺の道路は妙に荒れてるっていうか」

すみれ「タイヤの跡?みたいなのが地面に付着しているの。これって急ブレーキしたり、強い力が働かないと付かないでしょ?」
0129名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 13:05:00.62ID:m8zw9NVS
かのん「全然気付かなかった……」

 こんな時でも、すみれちゃんは周りを冷静に観察していた。

かのん「夢じゃないよね? 幻とか、蜃気楼とか」

すみれ「素直に喜んじゃいけない場面なんだろうけどね。バスってことは結構な人数が乗ってるんじゃないかしら」

 トンネルの壁面を削るような跡の終着点。
 それは数十メートル先にある、白色の光をぼんやりと灯す巨大な車体まで続いていた。

 藁にも縋る思いで、私たちは誰ともなく駆け出した。
 地獄に垂らされた1本の蜘蛛の糸を、必死に手繰り寄せようと。バスがそう至るまでの経緯をあえて無視して。
 

かのん「ねえ! ほら見てよ。よかったぁ! 私たち以外にもいたんだっ」

 見える。私たち以外の人の姿が、窓ガラスの向こうに!

すみれ「だから言ったじゃない。私たちだけなんて、ありえないったらありえないのよ」

かのん「うう……こわ"がっだよぉお"お"」

 人が増えた安心感からか、熱いものが込み上げてくる感覚。これほどまでに心揺さぶられる瞬間が今までにあっただろうか。
0130名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 13:08:15.07ID:m8zw9NVS
千砂都「おー、よしよし」

可可「这很有帮助ァ! ミナサン一先ず安心デスね!」

恋「そうですね。本当、一時はどうなることかと……」

 これで一先ず安心。助かるかも知れない。
 いや、私たちはもう助かった気でいたんだと思う。

コンコン

かのん「あのー、す、すすすみましぇん!」

 か、噛んじゃった。恥ずかしいっ。

「すみませんが、あなた方はもしかして……」

かのん(あれ、この人たちってもしかして……)

 私たちを出迎えたのは同じ高校生と思われる少女たち。
 知っている。私たちは彼女たちを知っている。

かのん「あ、えって、とかのんです!」

「とかのん?」

 違う違う! なに言ってるんだ私はっ。口が上手く回らない。
0131名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 13:11:42.19ID:m8zw9NVS
かのん「かのんです! し、し澁谷かのんと申します!」

「かのん……? あっ」

 一目見てすぐに分かった。
 だって、彼女たちは今日あんなにも輝いていたのだから。

「スクール、アイドルの……」

 そのバスに乗っていたのは、合同ライブ主催校の1つで、見事優勝に輝いたグループ。

かのん「え? あ、はい! スクールアイドルグループ『Liella』って言ったら伝わりますかっ?」

 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会。

かのん「あ、皆さんのことはも、勿論っ知ってます! こ、こんな状況ですけど、嬉しいです! 会えて!」ニコ

 こうして、私たちは出会った。
 この出会いは運命? それとも奇跡?

 多分違う。

 神様のいたずらは こんなにも不条理で残酷なのだと
 この時の私は まだ 知る由もなかったのだ

「……うん! 私も、会えて嬉しい」

ブゥゥーン…

 どこからか、蝿の羽音が聞こえた気がした。
0132名無しで叶える物語(SB-Android)
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2023/08/27(日) 13:19:11.16ID:F7aawoCn
ついに会った
0133名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 13:21:31.57ID:m8zw9NVS
全5章を予定しています。
文字数的には2、3章が一番長いです
0134名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/27(日) 17:45:52.13ID:zwUBSoD0

楽しみ
0135名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/08/27(日) 18:51:28.47ID:TQAoR0/G
 スクールアイドルグループ『Liella!』と、私たち虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会は運命的な邂逅を果たした。
 それが皮肉にも、私たちをさらなる絶望へと突き落とすことになるとは誰が予想できただろう?

侑「いやぁ、まさかこんな偶然があるとはね……」

歩夢「う、うん。驚いちゃった」

彼方「本当にLiellaのみんなだ〜。よろしくねえ」フリフリ

ミア「It's just unbelievable! あまり嬉しくない偶然だよ」

エマ「汗すごいよ。顔も汚れてる、これで拭いて。のど渇いてない? お水あるよ」ハイ

可可「ありがとうござぃマス!! んく、んぐ」

栞子「あなたも。その手、これで拭いて下さい」っウェットティッシュ

恋「っ」サッ
0136名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/08/27(日) 18:52:51.75ID:TQAoR0/G
侑「えっと、平安名すみれちゃん……すみれちゃんて呼んでもいい?」

すみれ「……別に構いません」

侑「あ、私のことは侑って呼んで。先輩とか後輩とか気にしなくていいからね」

すみれ「いえ。侑先輩と呼ばせていただきます」

侑(うーん、結構礼儀正しいと言うか堅い子なのかな。ライブで見た時と大分印象違うなぁ)

可可「グソクムシがネコ被ってマス」ププ

すみれ「可可ぁ!!」

侑「あ、あはは。……ねえ、何があったのか聞いてもいい? 入り口じゃなくてここまで歩いてきたのはどうして?」

 簡単な自己紹介を終え、和やかな空気もつかの間、車内には一転して陰鬱な空気が漂った。
0137名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 18:55:37.51ID:m8zw9NVS
かのん「それは、その……」

 彼女たちの反応を見れば、とても素直に喜べるような状況ではないのは明白だ。

かすみ「運転手さんとか大人の人は一緒じゃないんですか?」

千砂都「そちらこそ、運転手はいないんですか? 同好会の皆さんも何人か足りないように見えます」

かのん「ち、ちぃちゃんっ」

侑「ここにいない3人には出口がどうなっているか見に行ってもらってるんだ。運転手さんも、そこにいると思う」

千砂都「同行してるってことですか?」

侑「えっと、それは違くて。すごい衝撃があったでしょ? それでバスはこの有り様。運転手は気が付いたらどこにもいなくなっててね」

可可「どこに行ったのデスカ?」
0138名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 18:56:44.99ID:m8zw9NVS
侑「……わからない。でも、多分トンネルを抜けようとしてると思うから。この道の先に必ずいる。いるはずだよ」

すみれ「そう。なるほど、ね。大体分かったわ」

かのん「え、すみれちゃん分かったの?」

すみれ「ここもあまり良い状況じゃないってこと。ですよね?」

 すみれちゃんの言う通りだ。察しのいい子なのか、運転席の惨状と血痕を見てピンときたのかも知れない。

侑「ごめんね。助けを求めて来たんだろうけど、それはこっちも同じなんだ」

歩夢「で、でもこうして出会えたんだし、みんなで協力すればきっと何とかなるよ」

せつ菜「はい! 人が増えるのは純粋に喜ばしいですし、全く知らない仲ではないということがどれだけ心強いことか」

彼方「そうだねぇ。このままお喋りしてたら案外すぐに救助が来るかも〜、なんて」
0139名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:03:51.88ID:m8zw9NVS
栞子「いえ。水を差すようで悪いですが、そう喜んでばかりはいられません」

璃奈「……」ハァ、ハァ

しずく「璃奈さん、大丈夫? 汗ひどいよ」フキフキ

かすみ「やっぱり相当痛いんじゃ……」

璃奈「へい、き。気にしないで」

ミア「……チッ、おい栞子。本当にその巻き方で合ってるのか? 璃奈が苦しんでるじゃないか!」

栞子「ですから、私のやり方では応急処置が手一杯なんです。痛み止めもありませんし、力不足なのわかっていますっ」

彼方「栞子ちゃんを責めるのはちょっと違うなって思うよ。ただ見てることしかできないことがどれだけ辛いか、私たちだって十分に痛感してるから」

エマ「心配する気持ちも分かるけど、こんな時こそ仲良くしなきゃだよ」
0140名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:06:44.73ID:m8zw9NVS
ミア「そんなのボクだって理解してるつもりさ。……不甲斐ない自分にイラついているんだ」プイ

かのん「あの、だ、大丈夫なんですか? 高咲さ、侑さんも頭に包帯巻いてますけど」

侑「私は大したことないよ。それより」

歩夢「大したことあるよ。侑ちゃんも本当なら横になってて欲しいもん」

侑「歩夢っ。本当に平気なんだって。ちょっと切っちゃっただけ」

 ああ、もう。ここでも言い争ってたらLiellaのみんなにどんな目で見られるか。先輩の私たちがしっかりしないといけないのに。

かのん「……私たち、ここにいてもいいんですかね」

侑「え、どうして? 座席も空いてるし、ここにいてもいいんだよ。やっぱり不安にさせちゃったかな……ごめんね」
0141名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:10:53.69ID:m8zw9NVS
歩夢「うう、ごめんなさい。私、侑ちゃんが本当に心配で心配で」

千砂都「その気持ち分かります。大切な人なんですよね」

歩夢「ふぇ!? あ、いやその、侑ちゃんは幼馴染でずっと一緒で、って、ど、どうして?!」カァア

千砂都「見ればわかりますって。ね、かのんちゃん」

かのん「え? う、うん。そうだね!」

侑「2人も幼馴染なんだね。うん。じゃ、話を戻すけどいいかな。かのんちゃんたちのこと、教えて欲しい」

侑「あ、幼馴染のエピソードはここを出てからゆっくり聞かせて」ニコ

千砂都「うぃっす」ビシ

かのん「ちぃちゃん!?」
0142名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:13:05.59ID:m8zw9NVS
栞子「幼馴染のなんたらはそこまでにして下さい」ハァ

栞子「あなたたちがここに来るまでの経緯には大体察しがついていますので、先に言わせて下さい」
 

栞子「その服の汚れは、血ですか?」
 

 それは、かのんちゃんの胸元に付着していた赤黒い汚れを指しての言葉だった。

かのん「……これは」ギュ

 ただの汚れ。
 ここではそんな誤魔化しが効かないことくらい、彼女も理解しているのだろう。
 その目は縋るように千砂都ちゃんに向けられ、

千砂都「……」フルフル

 千砂都ちゃんはただ何も言わず首を振った。
 栞子ちゃんは尚も続ける。
0143名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:20:30.10ID:m8zw9NVS
栞子「葉月恋さんでしたか。あなたの手も同様に赤い何かで汚れていましたね」

恋「……」

栞子「包み隠さず話してくれませんか? 私たちと一緒に行動するのでしたら、お互いの境遇はハッキリさせておくべきです」

栞子「こんな状況で、隣に座る仲間でさえ信じられなくなったらどうなりますか。きっと、私たちは大切な何かを失います」

栞子「お願いします。隠し事はなしにしましょう」

かのん「……っ」

 栞子ちゃんの言葉に、かのんちゃんは無言でかぶりを振った。明らかに逡巡している様子だった。

せつ菜「どなたか負傷しているのなら教えて下さい。私たちが力になります!」

歩夢「うん。私たちにできることなら何でもするよ」 
0145名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:25:40.63ID:m8zw9NVS
恋「……」

栞子「何故、あなたたちは5人だけでここに来たのですか? 少なくとも、1人は大人がいるはず。車内で待機を?」

すみれ「恋、話すべきよ。隠し事は良くないわ……辛いなら私から」

恋「1人、います。サヤさんという、わたくしの家で身の周りの世話をしてくれている人です」

かすみ「家政婦さん、ですか?」

恋「ふふ。間違ってはいませんが、もっと……そう。家族のような方だと思っています」

 恋ちゃんは自身の両手を見つめる。
 その赤く染まった手を見て、一体何を思うのだろう。

侑「そうなんだ。恋ちゃんはお嬢様なんだね。上品で気品があって、見た通りだったみたい」ニコ

恋「……ありがとうございます」フッ

 その笑みはどこまでも儚げで、表情からは感情が消え失せているようにも見えた。
 彼女は続ける。
0146名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:27:26.18ID:m8zw9NVS
恋「わたくしたちの乗っていたバンに、サヤさんはいます。ここにいないのは、満足に動ける状態ではないからです」

歩夢「その血と、関係あるの……?」

恋「……」

恋「そうだと言ったら、どうしますか」

かのん「っ、恋ちゃん」

恋「かのんさんの服の血も、わたくしのこの手の血も、この5人のものではありません。これで満足ですか?」

 これ以上余計な詮索はするな。その目はそう訴えていた。

侑「……そっか。うん、わかったよ」

 サヤさんが今ここにいない理由は、その大量の荷物がそのまま答えなんだ。

侑(恋ちゃんたちは前に進むことを選んだ……)
0147名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:30:01.86ID:m8zw9NVS
かすみ「それってヤバいんじゃないですか!? 怪我してるなら助けに戻るbもぐぁっ

しずく「かすみさん、しっ」ガバ

しずく「空気読んで」

かすみ「――――ぷはっ。え? え?」

エマ「ねえ、栞子ちゃん。サヤさんて人は……」

栞子「残念ですが、おそらく、もう」

歩夢「……」ギュウ

侑「歩夢」

 ここに大人はいない。頼れるのは、まだ幼い自分たちだけ。

侑(……まいったなぁ、)

 じわじわと、しかし確実に私たちを蝕む不安と恐怖。心の奥底に巣食うナニカに、近い未来、いつかどこかで誰かが押し潰されてしまう気がした。

 それは時間の問題だと。そんな確信があった。
0148名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:38:29.42ID:m8zw9NVS
 割れた窓から侵入するガスと埃の臭いに、蒸し蒸しとした不快な熱気が車内を支配する。

 口を開くのも億劫で、いっそ沈黙の方が心地良いとすら感じてしまいそうだ。

ミア「それで? 話はまだ終わっていないぞ。当然入り口は見て来たんだろ」

 苛立だしげな口調で、ミアちゃんが目線を向けた先はかのんちゃんだ。
 彼女は体を縮こませ、視線をあちこちに彷徨わせながらも辿々しく話し始めた。

かのん「えっと、あの。み、見てきましたっ。だけど、でも……だめでした。瓦礫で、完全に塞がれてて……」

侑「え、瓦礫……?」

 ヒュッと、風の金切り音のような短く鋭い悲鳴がどこからか聞こえた。
 かのんちゃんの口から語られたのは、誰もが恐れていた最悪の事態そのものだったから。
0149名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:41:10.19ID:m8zw9NVS
侑(わざわざこんな量の荷物を持ってここまで来たんだ。そんなの、予測できたじゃないか……)

かのん「退かそうとはしたんです。なんとか、こうして……っ、でもあんなに、山みたいになってたら」

ミア「オイオイ。冗談だろう? 塞がれていたって、そんなバカな話が……」

彼方「か、彼方ちゃんたちで何とかならないかな? みんなで、こ、こう力を合わせればっ。ねっ? ね?」

エマ「ぇ、あぅ。う、うん。そうだよ、きっと大丈夫だよ」

かのん「退かすのは無理、絶対。入り口からは出られない……あっちはだめ、だめ」ブルブル

可可「かのん、大丈夫デスよ。怖くない、怖くない」ヨシヨシ

歩夢「私たち閉じ込められたの? ねえ、どうしよう。侑ちゃん、私」

侑「ううん。そんなことない。歩夢、深呼吸」
0150名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:44:13.76ID:m8zw9NVS
 こんな時どうする? 出口はだめ、本当?
 実際にこの目で見ないと判断できない……いや、かのんちゃんたちのこの反応は――――

侑(待て、落ち着くのは私もだ)フー

かすみ「ど、どうするの!? かすみんたちで瓦礫を退かすのはっ?」

しずく「私たちで瓦礫をどうこうできると思う? 下手に動かして落石にでも巻き込まれたらどうするの」

かすみ「わかんないよそんなの! この目で見ないと無理だって言えないじゃん!!」

しずく「それは、かのんさんたちもああ言って」

ミア「かすみの言う通りだ。そんなの実際に見なきゃわかんないだろう! それともなんだ、彼女たちの言葉を黙って聞き入れろとでも言うつもりか?」ビシッ!

千砂都「じゃあ行ってくればいいじゃないですか。結構な距離ありますよ? 行けますか、1人で」
0151名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:48:20.25ID:m8zw9NVS
ミア「なんだとっ、you piss m」

彼方「わぁ! す、ストップストップ!!」

エマ「ケンカはだめだよ2人とも!」

璃奈「ミアちゃん、だめ」ギュ

ミア「ハァ、ハァ……っ」

千砂都「私も、実際にこの目で見てきたわけじゃありません。入り口を見に行ったのはかのんちゃん、可可ちゃん、すみれちゃんの3人ですから」

ミア「ハァ?」

侑「みんな落ち着いてよ! 多分、人手が足りてもどうにかなるようなものじゃないんだと思う。そうでしょ?」

かのん「……」コクリ

すみれ「あの瓦礫の山は動かせない。だから、私たちは出口まで歩こうって決めたのよ」

恋「一刻も早く助けを呼ばなければ、ここまできた意味がありません。救助を待つ時間は、わたくしにはありませんから」
0152名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 19:50:54.00ID:m8zw9NVS
栞子「気持ちは分かりますが、もう少しだけここで待っていてください。そろそろ、ランジュたちが戻ってくるはずです……」フゥ

 栞子ちゃんは目頭を抑え、座席に深く座り込んだ。
 それが不毛な話し合いの終わりとでも言うように、誰もが口を閉ざす。
 

「……」

 しばらく、無言の時間が続いた。

 聞こえてくるのは誰かの荒い息遣い。カリカリと何かを引っ掻くような音。通路を蹴る足音。
 
 ただ無力に過ごすだけの時間が、どうしてこれほどまでに心をざわつかせる。
 獄中で判決を待つ罪人は、日夜こんな気持ちで過ごしているのだろうか。

侑「…………あ」

 不意に、トンネルの前方でぼんやりと小さな明かりがチラついた。

侑「戻ってきた」

 その光はトンネルの照明と混じり合い、やがて3人の姿をハッキリと映し出す。
 私たちは誰ともなく立ち上がると、バスの乗車口を開け3人を迎え入れた。
0153名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/27(日) 20:01:43.34ID:XJ3rRJ9Q
侑の体操着純正濃紺色ブルマ黒ニーソックス姿で生ハメ
0154名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:03:56.08ID:m8zw9NVS
――――ガタン

ランジュ「……」フゥフゥ

愛「……」ハァハァ

果林「……」ゼェゼェ

 煤汚れた顔に、見て分かるほど大量の汗を額に滲ませ、肩で荒く息をする。
 普段の3人からは想像もつかないほどの苦悩の色をその顔に浮かべていた。

侑「一体、どうしたの。何かあった……?」

 そんなの、わかりきっている。それでも知らないふりをして間抜けな質問をした。

愛「……うん。ダメだった!」

侑「だめ、え?」

かすみ「だ、だめってなんですか? 何がだめなんですか?」

エマ「果林ちゃん……?」
0155名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:06:29.72ID:m8zw9NVS
果林「出口からは出られない。そう言うことよ」

せつ菜「冗談で言っているわけではないですよね? すみません。あまりにもあっけらかんとした言い方だったものですから」

愛「ごめんね、せっつー。もう向こうで散々喚き散らしちゃったんだよね。なんで、どうしてって」

愛「みんなにはさ、あんなアタシ見られたくないから」

 そう言ってぎこちなく笑う愛ちゃんの目元は、煤ではない擦った様な化粧汚れが見られ、普段の快活な印象は見る影もない。

栞子「そう、ですか。これは不味い事態になりましたね」

ランジュ「……無問題ラ」ガタ

ミア「おい、どこ行くんだ?」

ランジュ「我不能退缩。今すぐ入り口に向かうわ」

侑「ちょ、ちょっと待っt

かのん「あの! 待ってください!!」
0156名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:08:03.22ID:m8zw9NVS
 私の言葉を遮って、ランジュちゃんを止めたのはかのんちゃんだった。

果林「……誰?」

愛「あ、『Liella!』の子たちじゃん! え、一体どういうこと?」

侑「えっと、それはね――――」

 3人にこれまでの経緯を簡潔に伝える。
 

愛「……そっか。アタシたちの後ろを走ってたんだ。すっごい偶然だね」

愛「こんな状況じゃなければ、素直に喜べたんだけど」

ランジュ「ふーん。で、あなたたちがここにいるのは何故?」

かのん「あ、あのっ。私たち入り口の方から来ました、それで「もういいわ」――――へ?」

ランジュ「ああ、そういうことね……」ハァ
0157名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:17:00.53ID:m8zw9NVS
 ランジュちゃんは何かを悟ったのか、かのんちゃんの話を途中で切ると天を仰いだ。

果林「ねえ、教えて。入り口はどうだったの?」

かのん「入り口も塞がれていました」

かのん「瓦礫が山みたいに積み重なっていて、人の手じゃどうしようもない有り様で」

歩夢「出口も……そんな感じなの?」

ランジュ「言葉が足りなかったわね。多分、その子たちが見てきたのと同じような状態だと思うわ」

 ランジュちゃんはひらひらと手を振る。
 彼女も自ら瓦礫をどうにかしようとしたのだろう。その手は爪の先まで土や泥で汚れていた。

彼方「運転手さんは? 一緒じゃないみたいだけどぉ……」
0158名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:18:33.96ID:m8zw9NVS
果林「……見つけられなかったわ」

エマ「え? どういうこと?」

愛「わからない。愛さんたちも探したんだけど、奥の方はもう真っ暗だったし、呼び掛けにも反応はなかったんだ」

しずく「あの、一本道ですよね? 出口の方に向かったのならどこかで鉢合わせるはずですが」

 運転手がいない?
 ランジュちゃんは、バスから運転手が降りるのを見たと言っていた。仮に、来た道を戻っていたとしても、かのんちゃんたちが見つけているはずだ。

 それじゃあ、一体どこに?

ランジュ「ごめんなさい。アタシたちも隅々まで探したわけじゃないの。横に広いから、どこかで見落としたのかも知れない」

歩夢「見落としたって、そんな……」
0159名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:20:20.20ID:m8zw9NVS
せつ菜「ランジュさんの話ですと、運転手さんは重症なんですよね? どこかで動けなくなって寝たきりなんてことは」

かすみ「な、ならもう一度探しに行くべきなんじゃないですか? かすみんはあまり力になれないと思いますけど……」

愛「いや。それは……止めた方がいい、かな」

璃奈「どうして? 愛さんらしくない」

愛「違うよ、りなりー。一旦アタシたちの現状を整理しようってこと。出口は塞がれていて、奥に行くほど真っ暗で明かりは必須。そんな状況下でまともに人を探すのは危険」

愛「空気も悪いし、あの中を大の大人1人担いで行くのはリスクが大きすぎる。先にアタシたちがダウンしちゃう可能性もあるし」

彼方「それどういう意味? それってさ、見殺しにするって言ってるのと同じじゃないの……?」

果林「違うわ! 後はもう救助隊に任せるの。私たちは無理にここから動く必要はないのよ」
0160名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:37:32.49ID:m8zw9NVS
エマ「果林ちゃんたち、言ってることめちゃくちゃだよ」

果林「エマ、あなたも行って見てきたら? そうしたら分かるk

ランジュ「果林!」

果林「っ、なんでもないわ。ごめんなさい」

侑(果林さん……?)

 ここに戻ってきてからの3人はどこかおかしかった。
 何かを隠しているのは明白だったけど、そんな邪推を誰もに抱かせるほど分かりやすい態度。
 
 一体何があったの? 何を見たの?

愛「あ、そうだ! Liellaの子たちさ、名前教えてよ。自己紹介しよ!」

かすみ「このタイミングでですかぁ!? 自己紹介ならさっきやっちゃいましたよ」

せつ菜「あの、それよりまだ聞きたいことが」

愛「いいじゃんいいじゃん。こんな時だからこそ、助けが来るまでどれだけ仲良くなれるかだよかすかす!」
0161名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:39:17.61ID:m8zw9NVS
愛「それじゃあ、キミから!」

かのん「え? あ、はい。澁谷です……澁谷かのん」

愛「アタシは宮下愛! 愛さんでも愛ちゃんでもアイアイでも何でもこい! てなわけでよろしくね!」

可可「なんですかこのヒト。グイグイくるデス」ヒキ

すみれ「……アンタも人のこと言えないけどね」

愛「さーて、次は――――」

 かのんちゃんたちが若干引き気味になるほどの異様なテンションの高さ。
 普段の愛ちゃんならともかく、今この状況下での正しい振る舞い方とは到底思えなかった。

愛「ふむふむ……よし、決めた! レンレン! ちさっち! すみすみ! クウちゃん! そしてかのっちだ!」ビシッ
0162名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:55:00.23ID:m8zw9NVS
かのん「かのっち、かのっちかぁ」ケッコウイイカモ

千砂都「ちさっち……」

恋「レンレン……」

可可「フフン。残念ですが、レンレンの名付け親はクゥクゥデス!」

すみれ「そこ張り合ってどーすんのよ」

愛「あはは。被っちゃったみたい」
 

彼方「……」

彼方「あのさ、愛ちゃん」

愛「ん? どったのカナちゃん」

彼方「ちょっとおかしくないかな〜……それとも、彼方ちゃんたちが間違ってる? ランジュちゃんも果林ちゃんも、まともに会話しようとしてないよねぇ」ジト
0163名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 20:56:31.01ID:m8zw9NVS
ランジュ「彼方、それはね」

しずく「わたしも同意見です。とても楽観視できる状況じゃないのは誰だって理解しているはず。なのに、どうしてそこまで明るく振る舞えるんですか?」

しずく「わたしは怖いです。手だってほら、こんなに震えて……情けないですよね」プルプル

かすみ「しず子!」ギュウ

かすみ「かすみんだって、私だって怖いよぉ! 早くお家に帰りたい……!」

愛「……っ」

愛「別に愛さんだってそこまでお気楽でも楽観主義者でもないよ。こう言うこと、あまり口に出すもんじゃないけどさ」

愛「アタシたちは閉じ込められた。出入り口は瓦礫で塞がれていて、少なくとも内側から人の手でどうこうできるものじゃない」

愛「……て、それはもういいか。それより、今ここでアタシたちにできることをしようよ」

エマ「できること?」
0164名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 21:01:04.27ID:m8zw9NVS
愛「ほら、スマホは圏外で使えなくてもさ、今の状況、被害の規模詳細をメモアプリやカメラに記録しておけば後で役に立つかもでしょ?」

ランジュ「对。ただ助けを待つだけの時間をもっと有効に使うべきよ」

歩夢「……ランジュちゃん言ってたよね。いつまた次の揺れが起こるかわからない、運転手をみ、見殺しにできないって」

ランジュ「ええ、言った。でもね、歩夢……アタシたちはまだ子供。一介の学生に過ぎない。身の丈に合わない行動は己を滅ぼすわ」

愛「トンネルが崩落するほどの大きな揺れだったんだし、今まさに外で救助活動が行われている可能性だってゼロじゃないって!」

栞子「本当にそう言えますか?」

栞子「外の被害状況によっては、直ぐに助けが来れないかも知れない。スマホの使えない私たちにそれを確認する方法は
ありません」

侑(確かに、そうだ。外がどうなっているか、今の私たちに確認する術はないんだ。もしかしたら、都市部ではもっと……)

 いや、やめよう。自分で自分を追い込んでどうする。
0165名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 21:04:18.06ID:m8zw9NVS
果林「トンネルの崩落事故なんて、それこそ最優先でどうにかすべきレベルでしょう」

栞子「いえ、一概にそうとは言えません。例えば」

ランジュ「何? 栞子、あなたさっきから何が言いたいの? イタズラに人を怖がらせているだけじゃない」

栞子「すみません。ただ、私は事実を」

ランジュ「今、それは、口に出してまで言うこと?」

 誰もが怯えと恐怖を顔に浮かべていた。そんなやり場のない感情の矛先は、栞子ちゃんを真っ直ぐと射抜く。

栞子「ぁ……」

侑「……」フイ

 縋るような彼女の視線から逃げるように顔を逸らす。
 何も言えなかった。必ずしも、正しい情報を伝えることが正解ではないというのは分かっていたから。

栞子「すみません、そんなつもりでは……っ、すみません、本当に」

ランジュ「いいのよ。別に栞子を責めたいわけじゃないの。――――みんなも! 言いたいことはあるでしょうけど、今はアタシたちの言うことを聞いて欲しい」
0166名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 21:29:15.03ID:m8zw9NVS
ミア「ハァ? なんなんだよ一体……」ブツブツ

侑「あのー、ランジュちゃん」

ランジュ「何?」

侑「流石に色々と端折り過ぎてるんじゃないかな。ランジュちゃんたちが何を見てきたのか。今何を考えているのか……みんな知りたいはずだよ」

ランジュ「侑、言い争いはしたくないの。分かって?」

侑「いや、だからさ。言い争いって、」

歩夢「侑ちゃんっ」ギュウ

侑「歩夢?」

歩夢「今はだめ。大人しくしてよう……嫌な予感がするの」ボソボソ

 歩夢の感じ取った違和感は、他の何人かも気付いていたようで、見渡せば誰もが分かりやすく、私を目で牽制していた。

 みんな、不用意に発言するのを恐れているようだった。
0167名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 21:30:23.36ID:m8zw9NVS
かのん「でも、不思議」ポツリ

ランジュ「不思議って?」

かのん「あ、いえ、こんなに長いトンネルなのに私たち以外の車両が走っていないなんてなぁ……って」

愛「確かに、それは思ったけどねー。流石に偶然だよ」

愛「偶々、あの時間帯にアタシたちだけがあの道路付近を走行していた。それだけの話」

かのん「で、ですよねー」エヘヘ

すみれ「私たちのような遭難者が他にいなくてよかった。そう考えましょう」

千砂都「そうだね。見方を変えれば、人が多ければ多いほどもっとパニックになっていたと思う」

恋「もし、小さい子どもや赤ん坊がこの場にいたらと思うと……ゾッとしますね」

可可「これだけのメンバーが集まっているんデス。きっとなんとかなります!」
0168名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 21:34:15.30ID:m8zw9NVS
ランジュ「だといいわね。そんな甘くはないでしょうけど」

可可「アァ!?」

可可「ずっと気になっていましたけど、あなた中国の人デスネ」

ランジュ「……」ピク

可可「出身はどこデスカ! クゥクゥは――――」

かのん「可可ちゃんっ!」ストップ

エマ「ランジュちゃんもだめだよ! そんな突っかかるようなことしちゃ」

ランジュ「別に。ただ「同郷」のよしみで教えてあげただけよ。現実は甘くないって」

可可「他突然模仿的霸道态度让我不由得恼火……真是个让气氛变得更糟的天才!」

かのん「なに?! よくわかんないけどすっごく悪いこと言ってそう!」ヒィイ
0169名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 21:39:04.70ID:m8zw9NVS
ランジュ「わお。ミア聞いた? あの子すごく口悪いわ」

ミア「ハァ、こんなところで仲間割れなんてごめんだぞ」

ランジュ「まさか。ランジュはもっと仲良くしたいと思ってるの。アナタもそうでしょ? 很高兴认识你」

可可「……我也很高兴」プイ
 

歩夢「大丈夫かな?」コソコソ

侑「うん。突然喧嘩腰になるもんだから何かあるのかと思ったけど、この様子なら大丈夫なんじゃない?」コソコソ
 

愛「そろそろ話を進めよっか」

愛「みんな、スマホのバッテリー残量はどう?」

彼方「バッテリー?」

愛「そ。今は圏外でほとんどの機能が使えないけど、これが命綱だってことに変わりはないし。無駄遣いしないように低電力モードにしておくか、いっそ電源を落としちゃってもいいと思う」
0170名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 21:42:12.36ID:m8zw9NVS
 愛ちゃんの言葉を皮切りに、みんな一斉に自分のスマホを取り出した。
 画面を見つめ、不安そうに眉を顰める人もいれば、安堵のため息をつく人もいた。

 悲しきことに私は前者である。

侑(まあ、頻繁に連絡を取り合っていたらそうなるよね)

 SIFでは右に左に上に下に、スマホを片手に大忙しだったのだ。既にバッテリーの残量は30を切っていた。

歩夢「侑ちゃん、いざとなったら私のがあるから。心配しないで」

侑「ありがとう。でも、いつ電波が戻るか分からないから、電源は付けたままにしとく」

 電源を切ると、本当に文明社会から隔絶されてしまうようでどうにも踏み切ることができなかった。

かすみ「うわぁああん! かすみんもう真っ赤です!」

しずく「もう。散々自撮りしてるからだよ」
0171名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/08/27(日) 21:44:44.89ID:JaK5LhoK
??
0173名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:10:27.86ID:m8zw9NVS
璃奈「予備のバッテリー持ってるから、貸してあげる」

かすみ「りな子ー!!」

ミア「長旅なんだ。それぐらい用意しておくべきだろ」

かすみ「ふ、ふんっ。ミア子のは使ってあげないんだから!」

ミア「Huh? なんでボクが貸してあげたいみたいになるんだよ」

果林「Liellaの子たちは?」

かのん「あ、はい。ここに来る前にちぃちゃんが言ってくれたので、電源は切っています」

すみれ「私もモバイルバッテリー持ってますから、ある程度は」

可可「クゥクゥもデス」

恋「私は大丈夫です」
0174名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:13:40.47ID:m8zw9NVS
千砂都「私も平気だYOー」

ランジュ「……」

 ランジュちゃんは何かを思案するように眉を寄せ、暫し逡巡した後、

ランジュ「それじゃみんな、バッテリー出して?」

 そう告げたのだった。

――――
――――――――

ランジュ「ヤー、イー、サー……意外とあるものね」フムフム

 通路に乱雑に置かれたモバイルバッテリーを見下ろしながら、ランジュちゃんは満足気に顎を撫でた。
0175名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:16:11.91ID:m8zw9NVS
可可「……」プクゥ

璃奈「……」

 どこか息苦しい沈黙が流れる。それは、決してここが閉鎖されたトンネル内というだけの理由ではなかった。
 ランジュちゃんの放つ威圧感に、半ば強制的に受け渡すを得ない状況だったのだ。

歩夢「ちょっと横暴だよね……」ボソ

 歩夢の呟きに内心で同調する。

愛「納得いかない人もいると思うけど、これもみんなのためなんだ。共有できるものは共有する。これ以上の混乱を防ぐためにも、今のアタシたちは規則に則って行動していかなきゃ」

彼方「規則?」

愛「ここでいつ来るかも分からない救助を待つにしても、集団で生活していくにはルールが必要ってことだよ。カナちゃん」

かすみ「あのぉ、規則でもルールでもいいんですけど、具体的には何をどうするんですか?」
0176名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:18:12.82ID:m8zw9NVS
愛「そうだね。例えばこのバッテリー。これはみんなで使う共有財産として管理しようかなって」

 勝手に他人の物を共有財産にするという発言には、誰もいい顔をしなかったけど、

侑(でも、愛ちゃんも、ランジュちゃんも自分のバッテリーを出しているから……私たちは何も言えない)

ランジュ「バッテリー残量が少ない人から優先で充電するわ。あまり長時間は無理だけれど、少しは足しになるはずよ」

 ただで使わせてもらう身としては、多少のばつの悪さを感じながらもスマホを手渡す。

愛「りなりー、ごめんね。でも3つも持ってるなんてありがたいよ」

璃奈「これくらいでしかみんなの役に立てないから、大丈夫。どんどん使って」
0177名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:20:46.71ID:m8zw9NVS
果林「無理しなくていいのよ。ほら、ここに横になって」ポンポン

璃奈「う、ん……ごめん」フラ

愛「……っ」

 さっきの愛ちゃんの発言が、一体どれだけここにいることを見越してのことだったのか。
 彼女自身も痛いほど理解しているはずだろう。

 ――――ズキッ

侑(っう)

 再発したこめかみの痛みに眉を顰める。

歩夢「けほっ、けほ」

 空気も悪い。いくら車内にいようと換気設備はとうに機能しておらず、トンネル内の汚染された空気が充満するのもそう遠くないだろう。

 私たちにあまり時間が残されていないのは明らかだ。

侑(だからと言って、現状を打破できるような策があるかというと……)
0178名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:22:13.38ID:m8zw9NVS
愛「寝床は後方の座席を回転させて倒せば十分な広さになるね。汗吸っちゃってるけど、タオルを毛布代わりにもできるし」

せつ菜「休む分には自分の座席で十分そうです。そちらは璃奈さんや侑さん、体調の優れない人が優先して使うようにしましょう」

栞子「割れた窓は日除けを下ろしておいてください。必要ならテープでひびを補強することも忘れずに」

 今の愛ちゃんたちの行動が最善手なのだろう。

しずく「あの、話の腰を折るようで悪いんですけど。このような集団の中でルールという物を設定するのなら、どうしてもリーダーという存在が不可欠ではないでしょうか」

しずく「こんな時に不躾ですみません。ただ、誰かまとめる人が必要ではないかと」

エマ「なら、そのままランジュちゃんとか愛ちゃんがやればいいんじゃないかなあ」

愛「もちろん、言い出しっぺの愛さんたちがやるのもいいけど、なんならリーダーは別で決めてもいいって思ってる」

愛「最年長の3年生でもいいし、この際、部長のかすかすでも!」
0179名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:24:22.69ID:m8zw9NVS
かすみ「うえ!? か、かすみんにはちょっと荷が重いです……あと、かすかすじゃなくてかすみんです」

歩夢「うーん、リーダーなら侑ちゃんがなればいいんじゃない?」

侑「歩夢?」

せつ菜「いいですね! 侑さんなら大賛成です」

かすみ「かすみんも侑先輩がいいです」

侑「せつ菜ちゃん? かすみちゃん?」

果林「まあ、異論はないわね この同好会はこれまで侑を中心に回ってきたようなものだもの」

彼方「でもでも、侑ちゃん頭怪我してるし……あんまり気を張らせない方がいいよ」

愛「当然ゆうゆ1人に全てを任せるつもりはないよ。重要なのはリーダーっていう存在そのもの。しずくの言う通り、集団をまとめるのには必要不可欠な役割だからね」

ミア「ベイビーちゃんが? ランジュか栞子にやらせればいいだろ」
0180名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:26:47.84ID:m8zw9NVS
栞子「いえ、確かに侑さん以上の適任は他に見当たりません」

ランジュ「ランジュもいいわ。誰も名乗り出なかったらやるつもりだったし、みんなが侑を推すのなら反対する理由もないもの」

 ランジュちゃんや栞子ちゃんにまでそう言われたら、嬉しい反面断りづらいな。

歩夢「ごめんね。頭の怪我もあるし、断りたかったら断っていいんだよ。ただ、私は侑ちゃんがいい」

歩夢「侑ちゃんとなら、どんな未来だって……」ボソ

侑「歩夢……」

愛「Liellaの子たちも異論はない?」

恋「はい。わたくしたちはまだ1年生ですし、そんな誰かをまとめるなんてまだ……」

すみれ「突然押しかけたようなものだしね。従うったら従うわ」
0181名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:32:38.63ID:m8zw9NVS
可可「かのんがいます!!」

かのん「ん、え"っ?」ビクッ

可可「かのんならきっとみんなをひとつにまとめて、ここから無事にセイカンさせマス!」

かのん「根拠は? ねえ根拠を教えて具体的に」

可可「スバラシイコエノヒトデス!」

かのん「はぁぁあ!?」

千砂都「かのんちゃんは私たちのリーダーだからね」

すみれ「まあ、私たちの中でって言ったらかのんでしょうけど」

かのん「生徒会長の恋ちゃんがいるじゃん!」

愛「あはは。じゃ、投票でもする?」
 

 どうしてこうなったのか、私とかのんちゃんが候補に挙がり、
0182名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:35:26.92ID:m8zw9NVS
侑「よ、よろしくお願いします……?」

かのん「やめて……頼むからやめて、目立たせないでぇ……」ウツムキ

 投票が行われた。

 結果は13:2で私、高咲侑がリーダーとして選出され、投票の間、生まれたての小鹿のように膝を震わすかのんちゃんが不憫だったのは言うまでもない。

 ちなみに、かのんちゃんに票を入れていたのは可可ちゃんと千砂都ちゃんだった。

愛「私たちのリーダーはゆうゆに決定。かのっちたちも意見があったら遠慮なく言っちゃっていいからね」

かのん「は、はい」ホッ

可可「どーしてかのんじゃないんデスカ!」

すみれ「逆にどうしてそこまでこだわるのよ。リーダーだからって好き放題できるわけじゃないっての」
0183名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:42:04.03ID:m8zw9NVS
ランジュ「さて。みんな、ここからが本題よ」パンッ

 ランジュちゃんが手を叩き、再び注目を集める。
 成り行きでリーダーになったとはいえ、話を進めるのは強い発言権を有しているランジュちゃんたちだ。

ランジュ「問題点は山積み。それらを解決するために、まずは規則を作るの。助けが来るまで、この狭いコミュニティの中で正しい秩序の中生活するために必要な規則(ルール)を」

 生活する。それは決して大袈裟に言っているのではなく、最悪を見越した上での発言。

 救助が来るのは数時間後か、数日後か。今まさに瓦礫の撤去活動中なのか。
 なら、どれくらいかかる。下手したらトンネルが崩れるかも知れない。きっと慎重にならざるを得ない。1日では終わらないだろう。

侑(ここが私たちの世界(くに)になる)

 大人はいない
 生きるために、知恵を、力を、振るわなければ

歩夢「……」ギュウ

侑「生き残ろう。みんなで」

 こうして、私たちの長い長い戦いが始まった。
 

ピ…ピ6:45p.m. ―7:20p.m――8:0000??玲律縲?6??5p.m. ――――ピピピピ…カチ
――――――――ブゥーン、ゥゥン
0184名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/27(日) 22:57:45.76ID:m8zw9NVS
3章は明日の夕方から投稿します
0186名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/27(日) 23:47:46.05ID:SHTJZiGO
毎日の癒やし
0189名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 19:19:42.88ID:kaERX8dO
第3章 社会-order-
 

侑「うーん」

 膝の上に広げたノートを睨みながら、首を捻る。

・室内灯
 バスのエンジンが切れている以上、いつか電力の供給は途絶える。トンネルの照明もいつまで保つか、見当も付かない

・車内の空気
 十分な換気はできていない。窓の開放による排気ガスの影響はどれくらいか。また、閉め切ることによる酸素不足、二酸化炭素過多にも注意したい

・気温
 幸い車内は人が大勢いることもあって暖かいが、エンジンがかけられず暖房機能が使えないため、徐々に冷え込んでいくだろう

 空調が機能していない前提で語るならば、数時間後には巨大な冷蔵庫に早変わりだ

 ※また、飲食物に関してはどんなに切り詰めても3日も持たないことを記しておく
 

――――パタン

侑「はぁ〜」グテ

 ノートを閉じ、座席に深くもたれかかる。
 こうして改めて書き記せば、自分たちがどれだけ絶望的な状況にいるのかが浮き彫りになるようで眩暈を覚える。
0190名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 19:22:05.04ID:kaERX8dO
>>185
そこらへんは割といい加減というか、大目に見てやってください
0191名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 19:27:01.74ID:kaERX8dO
歩夢「侑ちゃんそんなもたれかかったら腰に悪いよ。頭は痛まない? 喉乾いてない?」

侑「あはは……平気だよ。それに飲み水は貴重なんだから大事にしないと」

 リーダーを決めた後、私たちはそれぞれが定位置に戻り、思い思いの時を過ごしていた。

侑「……」
 

彼方『侑ちゃん、侑ちゃん」チョイチョイ

彼方『彼方ちゃん怒ってるんだよ〜。侑ちゃんならもっと突っ込んでくれると思ったんだけど』

彼方『私、ランジュちゃんたちのこと疑ってるから』
 

 みんなが席に戻る最中、彼方さんから言われた言葉が頭の中で反芻される。
0192名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 19:28:29.21ID:kaERX8dO
 私だって有耶無耶にしたいわけじゃない。運転手を探しに行きたい。トンネルの出口と入り口がどう塞がれているのかこの目で確認したい。

 彼方さんがランジュちゃんたちに感じている不信感は、説明、情報の伝達不足からくるものだろう。
 実際に、惨状を目の当たりにして来たランジュちゃんたちと私たちとでは、危機感に対する温度差が違うのは当然だ。

ランジュ「侑、ちょっといい?」

侑「!?」ビクッ

歩夢「侑ちゃん!? 頭痛むの!?」

 件の本人の登場に腰が浮く。
 ランジュちゃんは不思議そうに首を傾げると、何事もなかったかのように話を進めた。その後ろには栞子ちゃんもいる。

ランジュ「さっき栞子と話し合ったんだけどね、侑にも共有しておこうと思って」

 そう言い、スマホをこちらに向ける。
0193名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 19:32:45.84ID:kaERX8dO
侑「え、なに……これ地図?」

栞子「そう大層なものではありません。このトンネル内での私たちの現在地、そこから出口入り口までの順路を簡潔かつ大雑把に記したものです」

出口(封鎖)←―――(0.8)――――バス(現在地)――(0.4)―→ミニバン――(0.2)―→入り口(封鎖)

栞子「粗末なものですが、大まかな距離感を把握してもらえればと」

侑「この数字って、0.8は800メートルってこと?」

ランジュ「ええ。正確ではないけれど、実際に歩いて戻ってきた体感としてはそのくらいってことよ」

歩夢「これ本当なら、気軽に行って戻れる距離じゃないね……」

ランジュ「そういうこと。ただ勘違いして欲しくないのは、この数字はあくまで瓦礫で進めないところまでの仮数値。どのくらい深く崩れているかは見当もつかないわ」

侑「そっ、か」
0194名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 19:34:59.31ID:kaERX8dO
栞子「トンネルの全長は1.4kmから大幅に見積もって1.9kmまでの長さがあると考えていいでしょう」

 1.4km、やっぱり結構長いトンネルなんだ。

栞子「それとは別に確認しておきたいことも。侑さん、少し外に出ませんか」

侑「うん? いいけど……」

かすみ「侑先輩? どこ行くんですか」

侑「ちょっと外に、ね。すぐ戻るから」

彼方「……」ジト

 歩夢を連れて、彼方さんの視線から逃げるようにバスから出る。
 

侑「……」ガタン

 トンネル内で道路に足をつけるのは変な感じだ。
 こんなことがなければ一生体験することはなかっただろう。
0195名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/08/28(月) 19:36:51.01ID:77nqwYdV
侑「うっ、えっぅ」

歩夢「げほっ、ごほ」

 開放感を感じたのも束の間、強烈な臭気に咳き込む。

ランジュ「マスク……って、遅かったわね」

侑「だ、大丈夫。このぐらいなら我慢できるレベル」

歩夢「ん、あれ、ランジュちゃんそのサングラス……」

ランジュ「ええ。さっき思い出してね」クイ

 そう言い、得意気にサングラスを指で押し上げる。

栞子「これは、思ったより強烈ですね」コホ

 最後に降りて来た栞子ちゃんは、苦虫を噛み潰したような顔で周囲を一瞥する。

ランジュ「あら、この辺りはまだ全然マシよ。少し歩けばもっと酷くなる」

 顔を顰め、ランジュちゃんはトンネルの奥を指差した。
0196名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/08/28(月) 19:38:38.72ID:77nqwYdV
ランジュ「呼吸はしづらいし、真っ暗。ガスで目も開けられない」

 このサングラスで目を守れるかと思ったけど、暗いところじゃ役に立たないわね。そう続けて、彼女は自嘲気味に笑む。

侑「それで、どうして外に?」

 あんまり長居したくないんだけど……

栞子「見てわかる通り、私たちのいる中央付近の照明はまだ生きています」 

 スマホに目を通しながら、栞子ちゃんは続ける。

栞子「ですが、消えかかっているものもあれば元から点いていなかったものもあるでしょう」

歩夢「そうだね。揺れでだめになっちゃったものも含めたらこの薄暗さも納得かな」

 電球色を彷彿とさせるオレンジの光は目に優しいと言えば聞こえはいいが、今の状況では只々薄暗く気が滅入る。

 ただ、それだけなら車内で散々話した内容だ。
0197名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/08/28(月) 19:40:48.26ID:77nqwYdV
侑「照明の寿命を心配しろってこと……?」

 バスとトンネルの明かりが全て消えたらと思うと、背筋が凍る。

栞子「揺れの影響がどこまで被害をもたらすのかはわかりません。しかし、トンネルの照明に関しては、今点灯しているものは当面大丈夫だろうと言うのが私とランジュの見解です」

ランジュ「聞きたいのはそこじゃないわよね。侑、来て」

侑「ここから離れていいの?」

ランジュ「少し歩くだけ」

ランジュ「あ、歩夢と栞子はそこで待ってて」ヒラヒラ

歩夢「え、だめっ」

 着いて行こうとする歩夢をどうにか説得した後、ランジュちゃんは私の手を取るとトンネルの奥は歩き出した。
0198名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 19:43:46.81ID:kaERX8dO
ランジュ「……」スタスタ

侑「けほっ、あの? ら、ランジュちゃん? もう随分歩いたと思うけど」

 暗い。数十メートル、いや数百メートル先は暗闇で前が見えないかと思えば、オレンジの頼りない光が照らす空間もある。

ランジュ「この辺りはまだ光がある。昼と夜が交互に訪れてるみたいでしょ。不思議よね」

 まるで外の世界みたいじゃない?

 顔は見えないけど、ランジュちゃんは笑っている気がした。
 

ランジュ「着いたわ」

 バスから200メートルは歩いただろうか。
 ランジュちゃんが足を止めた場所は、ちょうど照明の光が当たらない暗闇地点。
 ライトを使わないと細部まで見通せないが、何か特筆すべき点があると言うわけでもない。
0199名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 19:45:00.87ID:kaERX8dO
ランジュ「見て。ほら、あれ」

 そう言って、ランジュちゃんはスマホのライトを天井に向けた。
 私もつられてその光を追う。

侑「あれ?」

 そこにあったのは天井から吊るされた大きな筒のようなもの。光量の関係ではっきりとした全容は窺えないが、空気清浄機かなにかだろうか?

ランジュ「出口を見に行った時にね、見つけたの。愛が言うには送風機(ジェットファン)だって」

侑「これ、稼働してるの?」

ランジュ「どうかしら。音はしてるみたいだけど」

 耳をすませば、ゴォオオ……と微かな振動のような音が聞こえてくる。
0200名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 20:03:44.74ID:kaERX8dO
侑「こんなに静かなものなのかな。ここまで近付かないと聞こえないって……」

 トンネル内の空気の循環を目的としたこの機械も、これでは精々微弱な風を起こすだけでこの広く長いトンネルを喚起しきれるとは思えない。

ランジュ「古いモデルなんじゃない? それか普段からロクな整備もされていなかったとか」

 あの「揺れ」で機械に不具合が生じたと言われたらそれまでだけど、ランジュちゃんの説もあながち間違ってはいないのかも知れない。

 どちらにせよ、これでは空気の問題を解決――――

侑「……あ、ちょっと待って。この手のファンてさ、1台だけじゃなくて等間隔で設置されてるもんじゃない?」

 愛ちゃんがいたら「もんじゃだけに!」なんてお決まりの台詞を語尾に付けていただろうな。

 そんなどうでもいいことを思いながら、ランジュちゃんの返答を待つ。
0201名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 20:06:43.85ID:kaERX8dO
ランジュ「そうだとしても、出入り口が塞がれているんだから新鮮な空気なんて入ってこないわ」

侑「あ、そうか。そうだよね……」

ランジュ「それに、ここからさらに200メートルほど先で同じ物を見つけているの。それも動いてはいたけど」

侑「それは、素直に喜んでいいのかな」

ランジュ「どうかしら。瓦礫に僅かな隙間でもあれば少しは違うんでしょうけど、これじゃ汚れた空気を循環してくれる有難迷惑な機械ってことになるわね」

ランジュ「まあ、何もないよりはマシなんじゃない」

 新鮮な空気は入ってこない。
 限られた資源をただ消費することしかできないのだ。

侑「……」ゴク

 死神の鎌がゆっくりと喉元に迫って来るような気がして、首元を隠すように手で覆った。
 カラカラになった喉を潤そうと生唾を飲む。
0202名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/28(月) 20:08:34.62ID:kaERX8dO
ランジュ「それと、バスから大体400メートルかしら。そこから先はもうずっと暗闇が続いていて、ライトで照らさないと何も見えなくて」

ランジュ「そこで大きな機械の残骸を見つけたの」

侑「それってこのファン?」

ランジュ「そう。揺れで落下したやつ。入り口の方はどうかわからないけど、こっちでまともに動いているのは2台だけ」

ランジュ「それを踏まえて、あえて問題提起をするのならば『密閉空間で起こる酸素不足』これをどう回避するか」

 救助が来るよりも排気ガス等で身体を壊し、酸欠で息絶える方が早い。
 ランジュちゃんはそう考えているのだろうか。

ランジュ「それを侑、あなたからみんなに提起するのよ」

侑「え?」

ランジュ「えって……仮にもリーダーでしょう?」

 リーダーとしての責務を果たせ。暗にそう言われている気がした。
0204名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/28(月) 20:32:39.90ID:ephcNluC
侑に伝えさせてから提案することで意見を通しやすくするんじゃないか
0205名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/28(月) 22:07:25.50ID:Yeq6vf3H
傀儡政権かな?
0207名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:23:57.88ID:/+oaPB/9
侑「そうだけど、でも……それを言いたかったからここまで来たの?」

 わざわざ2人きりになってまで。

ランジュ「別にそんなつもりはないわ。このファンを見せたかったのは事実だし、侑にはもっと知ってもらわないと」

ランジュ「これからアタシの言いたいことは侑に言ってもらおうと思ってるから」

侑「は? え、私に? な、なんで」

ランジュ「だって、ほら。アタシ、あんまりよく思われてないみたいだし……特に彼方には」

 ランジュちゃんはバツが悪そうにぼやいた。

侑「……知ってたんだ」

ランジュ「そりゃ気付くわよ。あんなに睨まれちゃ」

ランジュ「彼方ったら分かりやすいわ。ランジュのこと親の仇のような目で見るんだもの」

 思い当たる節はある。何かを隠してるような態度に物言い。ランジュちゃんも自覚はしているらしい。
0208名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:26:10.80ID:/+oaPB/9
ランジュ「だから、ね。お願い。みんなあなたの頼みなら素直に聞くでしょ?」

侑「買い被りすぎだよ、私はそんなすごくない」

ランジュ「自分を安く見すぎよ」

侑「傀儡政権でもするつもり?」

ランジュ「ふふ。面白いこと言うのね。アタシがリーダーの座を譲ったのは、自分が裏から組織を動かすためだったって?」

侑「……ごめん。冗談」

 空気がピリつくのを感じ、私は咄嗟に矛を収めた。
 らしくもない。ランジュちゃんと今更言い合ったってなんの意味もないのに。無駄な時間だ。

ランジュ「……」フゥ

ランジュ「そろそろ戻りましょう。あんまり遅いと心配されちゃうわ」

侑「うん、そうだね」

 来た道を戻るランジュちゃんの背中に、私は例えて言いようのない不安を感じていた。
0209名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:27:53.93ID:/+oaPB/9
――――
――――――――

バス車内

侑「――――と言うわけなんだけど。入り口の方はどうかな。かのんちゃんたち、何か情報はない?」

かのん「あ、えーと……送風機でしたっけ。上気にする余裕もなかったから何とも。あったっけ?」

千砂都「等間隔で設置されているはずだから、出口の方にあったのならこっちにもあるはずだよ」

恋「微かにですが、振動のような音が響いていたような」

すみれ「環境音だと思っていたけど、そう思うと確かにそれっぽいわね」

可可「地面にはそれらしきモノは落ちていなかったデスよ」

ランジュ「そうなると、入り口方面のものは正常に作動しているのかしら……」

愛「だとしても、元々が大した整備もされてない粗悪品くさいしねー」
0210名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:29:35.30ID:/+oaPB/9
歩夢「どうしてわかるの?」

愛「んー、まず音が弱い。本来トンネルに設置されてる送風機ってもっとバカでかい音がするはずなんだよね。すぐ真下まで近付かないと聞こえないっておかしいでしょ」

彼方「低騒音のタイプなんじゃないの?」

愛「いやぁ、愛さんそれはないと思うな。低騒音だとしてもあれはないって。絶対どっか故障してる」

栞子「電力の供給が途絶えて、十分な動力が確保できていない可能性も考えられます」

愛「それだ!」ビシ

侑(うーん)

 微風ながらも人工的な空気の流れがあるのは確かだろう。
 しかし、一介の女子高生である私たちに酸素不足の問題なんてどうにかできるものでもなく。

ミア「なあ、そもそも本当にあるのか? こんな広いトンネルで酸素不足なんて」
0211名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:30:54.45ID:/+oaPB/9
せつ菜「出入り口が塞がれているんです。時間の問題だと思いますよ」

ミア「それは何日、何週間後って話だろう」

エマ「どこかに隙間くらいはあるんじゃないかな」

果林「隙間なんてあるようには見えなかったわ。全体をくまなく調べたわけではないけど……」

愛「スモッグが特に酷かったからね。ライトで照らすとすっごいよ。ライブ会場のスポットライトみたいでキラキラと粒子が舞っててさ」

愛「あ、そんな綺麗なもんじゃなかったけどね。もんじゃだけに。あそこにはいれて3分かな。いや、もっと短いかも」

恋「? なぜ突然もんじゃなどと……?」

彼方「スルーしていいんだぜ〜、恋ちゃん」
0212名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:40:25.41ID:/+oaPB/9
可可「クゥクゥたちは割と平気でしたよね?」

かのん「え、そうかな? 結構苦しかったと思うけど」

すみれ「しばらく立ち止まって話す余裕はあったわ。視界を覆うようなスモッグもなかったし」

ランジュ「へえ。ランジュたちの方とは大分環境に差があるみたいね」

すみれ「ええ、まあ。それとこっちは指を入れられるくらいの隙間なら何箇所もあったけど、その向こうも瓦礫で塞がれていてお手上げって状況ですね」

栞子「なるほど。しかし、出口と入り口でこれほど環境に差が出るとは。磁場の影響か、空気の流れが強制的に止められたことによる気象現象、揺れで地下地盤が浮き上がり天然ガスが……」ブツブツ

恋「ファンの故障が影響して、汚れた空気が奥の方で溜まってしまっているのではないでしょうか?」
0213名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:44:06.87ID:/+oaPB/9
愛「あー、風の向きが入り口から出口にかけて流れるようになっているなら当然か。考えてみたらそりゃそうだ」

せつ菜「封鎖され空気の逃げ道がないせいで、時間が経てば経つほど酷くなる一方ってわけですか」

栞子「……」

ミア「考えすぎたな」

侑「……」

 状況は悪くなるばかり。そんな中で私に何ができる?
 仮にもリーダーになった身でありながら、目の前で繰り広げられる討議に耳を傾けることしかできていない。

 話を主導するような発言力も、妙案を出すような発想力もランジュちゃんに劣っている。

侑「ふ、う」ズキ、ズキ

 ふと思い出したかのように熱と痛みを発するこめかみを軽く抑える。

歩夢「まだ、痛むんだね」スッ

侑「うん、少し」

 歩夢の手が私の頬を包むように触れる。
0214名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:52:47.67ID:/+oaPB/9
歩夢「心配だよ。私ずっと、心がはち切れそうなくらい……痛い」

歩夢「ここに閉じ込められている状況より、侑ちゃんを失うことの方がずっと、ずっと」

 こわい

 そう歩夢は呟いた。

侑「ごめん。でも、今は話を聞かないと」

 歩夢の気持ちは痛いほど理解できる。
 私だってもし歩夢に何かあったらと思うと、気が気ではない。

 自分で良かった。
 きっと歩夢は反対のことを考えているんだろう。

侑「……」

 歩夢から視線を外し、私は他の面々の声に耳を傾けた。
 結局、酸素の問題は気にするだけ無駄。その時が来るまでには救助されているだろうと、みんなが口を揃えた。
0215名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 12:57:31.23ID:/+oaPB/9
かすみ「げほ、ごほっ。しず子ぉ、窓開いてないよね?」

しずく「開いてないよ。閉め切るわけにもいかないけどね。この狭い車内で、これだけ人が密集している状況も本当は良くないと思うし」

エマ「そう言われると、確かに……ちょっと息苦しいかも」

かすみ「うう、怖いこと言うのやめてください……すぅー、はぁ、はぁ。ぜ、全然平気ですよぉ」

果林「こーら。あまりかすみちゃんを怖がらせちゃだめじゃない。ただの思い込みよ」

璃奈「対策を講じるなら、口を閉じるのが1番……だけど」

璃奈「それは身も蓋もない」

しずく「璃奈さん、汗すごい」フキフキ

璃奈「ん、ありがとう」

かすみ「やっぱり痛いよね。顔も赤いし、喉乾いてない? かすみんにできることあったら何でも言って」

璃奈「うん、頼りにしてる」ニコ

璃奈「……っ」ズキン、ズキン
0216名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 13:00:39.52ID:/+oaPB/9
かのん「やっぱりさ、もう一度入り口まで戻ってみない? あの時は冷静じゃなかったけど、今なら外に続く隙間見つけられるかも」

すみれ「悪くないけど、今は無理よ」

かのん「え、なんで?」

すみれ「いい? この車両は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が貸し切っている。招かれたとはいえ、私たちは余所者。ここで勝手な行動をしたら同好会の皆さんに迷惑をかけるわ」

恋「先ほど決めたリーダーに意見を通したら良いのでは?」

かのん「そ、そっかぁ。だよね」チラ

侑「?」

 かのんちゃんと目が合う。逸らされる。

かのん「ふ、ふへへ」

すみれ「どういう反応よ」キモチワルイワネ…
0217名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 13:02:27.34ID:/+oaPB/9
去年はここらへんでエタってしまったので、次から実質初投稿です
0218名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/29(火) 13:02:41.51ID:JhDTejb4
0219名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/29(火) 13:02:58.28ID:JhDTejb4

楽しみ
0220名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/29(火) 13:04:25.14ID:8dDL7U04
ここからが始まりか
楽しみと不安が入り混じって怖えな
0221名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:37:01.15ID:/+oaPB/9
侑(仕方ないとはいえ、遠慮しちゃってるな。Liellaの子たちにはもっと積極的に前に出て欲しいんだけど)

侑「……」クゥ

侑(お腹、空いたなぁ)

 ここに閉じ込められてから何時間経ったんだろう。
 四方から流れてくる会話の内容をぼんやりと咀嚼しつつも、小さく鳴ったお腹の音に意識を割かれる。

 最後に確認できた時刻は19時半だったか。

歩夢「お腹空いたね。本当だったら今頃晩ご飯食べてたのかなぁ」

侑「……聞こえてた?」

歩夢「かわいい音だったよ」フフ

侑「もう」

 結局、具体的な解決案が出ることもなく話は平行線を辿ったまま進んでいった。
0222名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:38:41.65ID:/+oaPB/9
ランジュ「ーーーーこれでわかったでしょう。アタシたちのいる中央付近がどれだけ恵まれているのか」

エマ「うん、そうだね」

せつ菜「はい……」

すみれ「私たちのいた所より明るいし、ここしかないったらないわねぇ」

可可「デスネー」グイー

かのん「可可ちゃん、座席倒し過ぎないで……」セ、セマイ

 空腹と疲れからか、次第に口数も減っていく。一言二言の応酬が増えていった。

<グゥウウ

愛「ん、誰ー?」

歩夢「侑ちゃん、じゃないね」

侑「隣にいるんだからわかるでしょ」
0223名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:39:41.93ID:/+oaPB/9
しずく「かすみさん?」

かすみ「かすみんのお腹の音はもっとかわいいもんっ」 

ランジュ「そういえば、もうとっくに夕食の時間かしら」クス

栞子「す、すみません……お恥ずかしい限りで」

 おずおずと、頬を真っ赤に染めた栞子ちゃんがゆっくりと立ち上がった。律儀にも手を上げて。

かすみ「なぁんだ、しお子だったんだ。かわいいとこあるじゃん」ニヒヒ

しずく「こら。わたしもお腹の音鳴らないように必死だったんだよ?」

エマ「今って何時なんだろう?」

愛「時計は20時過ぎてるね」
0224名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:42:22.29ID:/+oaPB/9
かのん「お母さん心配してるよね、ありあもお父さんも。今頃大騒ぎになってるはず……お願い早く助けてっ」

千砂都「救助活動が行われるとしたら明日かな。機材を運んでから瓦礫の撤去を始めるとしても、日が昇ってからになるだろうし」

恋「少なくとも、今夜はこの車内で夜を明かすことになりそうですね」

可可「救助、来てくれマスカ……?」

すみれ「来るわよ。来ないなんてありえない、許さない。絶対に」

せつ菜「半日程度ならまだ気力は持ちそうですが……今はただ信じて待つしかありませんね」

ミア「神頼みなんて役に立つもんか。ボクは自分の力で足掻いてやる」

果林「色々と思うところはあるけれど、今はとにかくお腹が空いたわ。流石に限界」

 困ったようにお腹を押さえて笑う果林さん。
 それを皮切りに、次々に空腹を訴える声が上がった。
0225名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:44:45.96ID:/+oaPB/9
侑「えっと、じゃあご飯にしようか」

 そこからの行動はみんな早かった。
 それぞれが手荷物の中から何かないか探し始め、昼食の残りや携帯食などを膝下に広げていく。

 当然、何もなく悲痛な面持ちでそれを見つめる者もいた。

侑(カロリーメイトが2箱、コンビニで買ったスティックパンの残りが少し……あと小腹が空いた時用に買っておいたスナック菓子)

 歩夢も大体同じくらいの量だ。
 決して多くはないが、1日程度なら十分持つだろう。

ランジュ「ねえ、みんなどれくらい残ってる? そこに並べてみましょう」

 通路にタオルを何枚か並べ、ランジュちゃんは自らの飲食物を並べ始めた。

かのん「す、少なくてごめんなさい」ソオ…

すみれ「私の手持ちもこれだけ」トサ
0226名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:46:10.12ID:/+oaPB/9
エマ「わたし、何も残ってなくてっ、全部食べちゃったの……お水なら残ってるけど」

愛「気にしなくていいって。助け合っていこ!」

 個々の数は少ないが、流石に十数人が持ち寄っただけあってそれなりの量になった。中でも、かすみちゃんの持っていたコッペパンにはみんなが目を輝かせた。

侑「誰が何をとか、どれだけ出したとかそういうのは無しにしなくちゃ」

 間違いなく、一番貢献しているかすみちゃんの様子を窺いながら慎重に言葉を発する。

ランジュ「ええ。これは言うなればアタシたちの共有財産。この限られた飲食物が文字通りの命綱になる。大事に消費していきましょう」

かすみ「……っ」

 かすみちゃんの縋るような視線を感じながら、ランジュちゃんと私で食料を分配していく。
 苦しい。誰も悪くない。それでも、罪悪感で胸がいっぱいだった。
0227名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:47:41.29ID:/+oaPB/9
 全員に行き渡るころには、あれだけ多くあった食料も半分以下まで減ってしまった。

ミア「……これだけ?」

果林「文句言わないの。何があるかわからないんだから、無闇に消費はできないでしょう」

かすみ「……なんかそっちの方が多くないですか」

しずく「かすみさん」ツネリ

かすみ「いっつ? や、やだな〜。かわいいかすみんジョークですよぉ」ア、アハハ

しずく「そういうこと、冗談でも言わない方がいいよ」

かすみ「で、でもこのコッペパンはかすみんの……ごめん」

愛「りなりー食欲ある? 愛さんの分も食べて元気になるんだぞ」アーン

かすみ「……」ギリ
0228名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:50:02.00ID:/+oaPB/9
歩夢「この後はどうするの?」

侑「うーん、ランジュちゃんと話してみるよ」

 栄養食でパサパサになった口内に水を流し込む。
 飲み水は特に少ない。冬の寒い時期に加え、用意していた市販の飲料水はSIFでそのほとんどを空にしてしまったからだ。

 ある意味、食料より貴重な水分を無闇に消費することはできない……けど、

侑(下手な我慢は身を滅ぼすしね)

 ボトルの中で無邪気に揺れる水を見つめる。この中身が無くなるころには、この狭い世界から解放されていることを願うばかりだ。

――――
――――――――

 ランジュちゃん、栞子ちゃんと話し合った結果、今日はこれ以上の無駄な体力の消費を抑えるために休むことになった。

侑「歩夢、眠れそう?」

歩夢「ううん……全然寝付けない」

侑「だよね。早く明日になっちゃえばいいのに」
0229名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:52:00.93ID:/+oaPB/9
 もし目を閉じている間にでもサイレンの音が聞こえてくれれば、こんな不安な夜を過ごすこともないはずだ。

 だけど、聞こえてくるのは耳を圧迫するような沈黙に紛れた微かなファンの送風音。ジージーと時計の秒針を回すような虫か何かの鳴き声。不安と恐れを含んだ誰かの息遣い。

歩夢「侑ちゃん」ギュウ

侑「歩夢……大丈夫だよ。きっと明日はトンネルの壁を壊す音で目が覚めるって」

侑「それに、トンネルの中で一夜を明かしたなんてそうそう出来る経験じゃないし。帰ったらみんなに自慢しちゃおうよ」ニコ

 一生話のネタになる……なんて、いくらなんでもそれは不謹慎か。

歩夢「もう、自慢するようことじゃ――――あ、侑ちゃん覚えてる? 小学生の頃似たような経験したこと」

侑「え、あー……あー! あの家族で行った遊園地の時?」
0230名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:53:19.26ID:/+oaPB/9
歩夢「そうそう。私たちの乗ってた観覧車が途中で止まっちゃって大騒ぎだったよね」クス

侑「機械の不備で5分くらい止まってたんだっけ。風も強かったからグラグラ揺れて大変だったなぁ」

 高所で閉じ込められて、短い時間だったけどすごく怖かったのを覚えている。

歩夢「その間、侑ちゃんはずっと私を慰めてくれた。今みたいに」

歩夢「侑ちゃんだって怖かったはずだよ」

侑「平気だよ。いつだって、歩夢はそばに居てくれるから」

歩夢「もう。恥ずかしいこと平気で言う」

侑、歩夢「「ふふ」」
0231名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:54:44.74ID:/+oaPB/9
かのん「うーん」パチン

千砂都「……かのんちゃん?」

かのん「あ、ごめん。なんか羽音が……気のせいかな」

千砂都「バスの明かりに虫が集まってるのかもね。気になる?」

かのん「ちぃちゃんは聞こえない?」

千砂都「うーん、わかんない」

かのん「えー、ほんと?」

千砂都「いいから早く寝ちゃおう。明日に備えないと」

かのん「……うん」
0232名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:56:34.43ID:/+oaPB/9
ランジュ「栞子ぉ」ユサユサ

栞子「うぅん、なんです――――え、虫がいる? 割れた窓の隙間から入ってきたんじゃ」フワァ

ランジュ「そうなのかしら」

栞子「それか環境音と聞き間違えたのでは」ゴロ

ランジュ「……眠れないわ」

栞子「今度は何ですか。そんな顔して……貴女らしくもない」

ランジュ「栞子は怖くないの?」

栞子「怖くない人なんてこの場にはいませんよ。珍しいですね、そんな弱気な姿」

ランジュ「あら、アタシを完璧超人かなんかだと思ってる?」 

栞子「いえ、安心しただけです。絶対にここから出ましょうね。おやすみなさい」

ランジュ「……ええ。おやすみ」
0233名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 20:59:04.81ID:/+oaPB/9
「2日目」

ピピピピピ…

侑(ん、目覚まし?)

歩夢「あ、侑ちゃん。おはよう」

侑「歩夢、もう朝なの?」クシクシ

歩夢「うん、多分。寝る前にスマホの目覚ましを設定しておいたんだけど、ちゃんと作動してくれたみたい」

 そう言って歩夢が見せてくれた画面には、5時20分と表示されていた。

歩夢「何十分か何時間か。どれくらいズレてるかわからないけど、外はもう明るくなってるはずだよ」

侑「そっか」

 どうやら、私たちは無事に朝を迎えられたようだ。
 他にも、歩夢のアラームにつられて何人かが体を起こす。
0234名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:02:02.01ID:/+oaPB/9
侑「みんな、おはよう」

かすみ「……おはようございます」

しずく「……」ボー

彼方「さすがの彼方ちゃんも寝不足なんだぜぇ……」

エマ「ミアちゃん、まさかずっと起きてたの?」

ミア「ハァ……寝ている間に揺れでもしてみろ。こんなスリリングな睡眠があってたまるか」ゲッソリ

愛「あはは。徹夜慣れしてるミアチでもやっぱ堪えちゃう?」

ミア「こんな状況だし呑気に寝ていられる方が怖いね。そういう愛こそクマがひどいぞ」

愛「それはみんなもね。半日でずいぶんやつれちゃった」

果林「そうね。こんな顔、ファンの子たちの前では絶対に見せられないわ」
0235名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:04:20.28ID:/+oaPB/9
侑「かのんちゃんたちもおはよう。よく眠れては……ないみたいだね」アハハ

かのん「おはようございます……ぜんっぜん眠れなかった」ギンギン

すみれ「あー、節々が痛むわね。慣れない体勢で寝たせいかしら」コキコキ

可可「クゥクゥ、シャワー浴びたいデス」

かのん「わかるー」フワァ

可可「サイアク、顔だけでもこの水で……」ゴク

千砂都「可可ちゃん?」ガシ

可可「ヒェ。じょ、ジョーダンデスよ! だから手離してクダサイ!」

かのん「あはは、もう朝だよね?」
0236名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:08:11.73ID:/+oaPB/9
すみれ「そうね。早朝のランニングに起きる時間くらいかしら」

千砂都「確かに。もうそれぐらいの時間には勝手に目覚めちゃうよね」

せつ菜「その感覚わかります!」

ランジュ「早起きして、まだ静かな街道を走るのは気持ちいいわよね」

 ある程度和やかな空気が漂ったところで、私たちは朝食を取ることにした。とは言っても、今後のことを考えてスティックパン一本だけだ。

 ただ、あんまりお腹は空いていなかった。それよりも気になるのは、

侑「ねえ、ちょっと寒くない?」

歩夢「うん。昨日は暑いくらいだったのに」
0237名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:14:08.40ID:/+oaPB/9
侑「空調が機能してないから、これからどんどん冷え込んでいくかもね」

 私たちは寒さとも戦わなければいけなくなる。
 ジャージを羽織り、ランジュちゃんたちの席に移動する。彼女たちの意見を聞きたかった。

栞子「侑さんたちも感じましたか。今はまだ肌寒い程度ですが、真冬の、しかも都市部から離れた場所にあるトンネルです。この先、気温はどんどん下がり続けるでしょう」

栞子「救助が長引くようであれば、低体温症にも気を付けなければ……いいですね、ランジュ」

ランジュ「なによぉ。言われなくてもわかってるわよ。無駄に体力を消耗するなって言いたいんでしょ」

栞子「救助が来るまで、無闇にバスから出ないでください」

ランジュ「……ハイハイ。わかったわ」

歩夢「ねえ、侑ちゃん。バスのトランクにまだ私たちの荷物入ってるよね。座席に持ち寄れなかった大きいの」

侑「あ、そういえばあったね。毛布とか小物類とか役に立ちそうなものあるんじゃ」
0238名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:16:47.36ID:/+oaPB/9
栞子「トランクの荷物、すっかり失念していました。歩夢さん、よく思い出しましたね」

歩夢「ううん、私が言わなくてもそのうち誰かが気付いたと思う」

ランジュ「見に行きましょう。防寒具はもちろん、防災セットが備え付けられているかも知れないわ」

侑「決まりだね。とりあえず、私たちだけで行こう」

 席を立つ。みんなの表情に昨夜ほどの絶望が見られないのは、今日救助が来ることを確信しているからだ。いや、最早願望と言ってもいい。

 来ないとおかしい。ありえない。そう言い聞かせているのだ。

エマ「ねえねえ、果林ちゃんみてみて」ハァー

果林「あら、白い息」
0239名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:18:01.20ID:/+oaPB/9
ミア「早く窓を閉めてくれ。寒い」

愛「昨日の蒸し暑さはどこへやらって感じだね。換気もできてないだろうし、車の出す熱もないから冷え込むぞこりゃ」

しずく「トンネルって冬でも暖かいものだと思っていました。この長さと広さなら保温効果も相まって、昨日のような暑さが続くものだと」

愛「そっちのがよかったまであるよ。精神的にも肉体的にも、寒さってほんと怖いもんだから」

せつ菜「そう考えると、私たちの置かれている今の状況は雪山での遭難事故と似ていますね。あの有名な話です」

愛「あー、確か猛吹雪に襲われて避難した山小屋で、救助が来るまで寝ないで体を動かして温めるんだよね」

彼方「それってホラーなやつだっけ」
0240名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:19:30.74ID:/+oaPB/9
愛「そうそう。4人がそれぞれ部屋の四隅に散ってぐるぐる回り続けるやつ。真っ暗闇の中、最初の1人が壁沿いに歩いて隅にいる人にタッチする。で、タッチされた人は同じことを次の人にする。それを朝まで繰り返して助かるって話」

千砂都「あ、それっていつの間にか1人増えてたってオチですよね。ネットではスクエアって言われてる都市伝説」

愛「お、ちさっちよく知ってるね」

かのん「へぇ、いい話。でもどこがホラー……?」

千砂都「かのんちゃんはもう少し考えよっか」

せつ菜「最初は5人いたんです。でも不慮の事故で4人になってしまった。このゲームは4人だと成立しないんですよ」

エマ「あ! 4人だと最初の1人がいた場所に誰もいなくなっちゃうからタッチできない?」

果林「……え、ホントじゃない。ちょっと、やめてよ」ブル
0241名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:21:09.25ID:/+oaPB/9
しずく「結局、幽霊の正体は亡くなった5人目だったのか、別のナニカだったのか気になるところではありますね」

可可「でも助けてくれたってことは、きっといい幽霊さんだったんデス!」

かすみ「こ、怖い話はやめてください! 今そんな話する必要ありますか!?」バンッ

かのん「っ?!」ビクゥ

せつ菜「す、すみません。ちょっとした雑談のつもりだったんです」

果林「か、かすみちゃん?」

すみれ「……無理もないわね」

可可「恋バナの方がよかったデスカ?」

すみれ「そういう問題じゃないでしょ」ビシ

かすみ「はぁ、はぁ」フーフー

彼方「ありゃ。かすみちゃん、ちょっと神経質になっちゃってるね。こっちおいで」
0242名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:22:45.09ID:/+oaPB/9
かすみ「な、なんですkもがっ」

彼方「ほーら。怖くない、怖くない……」ギュウ

彼方「小さい頃は、遥ちゃんにもよくこうやって落ち着かせてたんだ」

可可「はるかちゃん?」

エマ「彼方ちゃんの妹さんだよ。とってもかわいいの」

かのん「私にも妹いるんですけど、ちょっと反抗的で困っちゃうんです。でも、今はとにかく早く顔を見たい」

エマ「うんうん。わたしも、会いたいなぁ」

すみれ「……」

彼方「よしよし」ナデナデ

かすみ「ち、ちがうんですっ。かすみん不安で、こわくて、こわくて……っ、コッペパンだってかすみんがっぅう、うえぇえん!」グズグズ

しずく「かすみさん……」ギュウ
0243名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:24:55.74ID:/+oaPB/9
恋「わたくしたちの中にも、いるんです」ボソ

可可「レンレン?」

恋「あの時、かのんさんに対して、わたくしは酷いことを。どす黒い悪意が、沸々と湧き上がってきて止められなかった」ブツブツ

すみれ「恋。サヤさんのことで、その、無責任な言い方だけどまだ気にしているのなら……無理に会話に混ざらなくてもいいのよ。休んでても」

恋「忘れないでください。わたくしたちの中にいるもう1人を。いつか、ソレは、牙をむいて襲ってきます」ガシッ

すみれ「痛っ、」

恋「すみません。少し、横になります」フラフラ

すみれ「恋、なんなのよ…‥もう」

可可「レンレンは、サヤさんがああなってからずっと変デス。クゥクゥ、怖い」

かのん「大丈夫だよ。ここを出たらいつもの恋ちゃんに戻るよ。きっと……」
0244名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:29:38.63ID:/+oaPB/9
侑「かすみちゃん大丈夫かな」

歩夢「彼方さんがついてるから心配ないと思うけど、あんなかすみちゃん見たの初めてだからどうだろう」

ランジュ「……」

ランジュ「かすみ、あそこまで追い詰められてたんだ。ねえ、栞子。アタシのやってることって……間違ってる?」

栞子「誰も間違っていませんし、正しいとも言えません。ですが、私はランジュを信じています。何があってもあなたの味方です。それだけは変わりません」

ランジュ「……ありがと、栞子」

 ひんやりとした冷たい空気。変わらないのはガスと埃の臭い。吐く息が白く昇っていく。

 私たちはバスの外にいた。

侑「うーん、どこにもないね」

歩夢「バスの下は?」
0245名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:30:43.79ID:/+oaPB/9
栞子「見当たりません」

ランジュ「見落としてない? 鍵っていったら結構小さいわよ」

 こうも薄暗いと、小さな鍵を見つけるのは困難を極めた。

侑「困ったなー。鍵がないとトランクを開けられないなんて」

栞子「考えてみれば当たり前のことでしたね」

歩夢「運転席にもなかったし、やっぱり運転手さんが持ってるんじゃ」

侑「……それしか考えられないか」

 トンネルの奥に目を向ける。先の見えない真っ暗闇がひたすら続いていた。

栞子「バスに戻りましょう。そこまでの危険を冒す価値はまだないはずです」

ランジュ「ええ、そうね。きっと……そうよ」

侑「……」

 ランジュちゃんは知っている。運転手がどうなったのかを。そして、この道の先にいることも。
0246名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:31:28.92ID:/+oaPB/9
歩夢「救助が今日来るなら、バスの中にいればいいもんね。寒さだってまだ全然耐えられるし。そうだよね、ねっ?」

侑「え、あ、うん。大丈夫、大丈夫……」

 本当に、そうだろうか?

――――
――――――――

愛「りなりー、ちょっと汗臭いかもだけど我慢してね」ファサ

璃奈「愛さん、ありがとう……あったかい」

ミア「どうだった?」

侑「だめ。見つけられなかったよ」

しずく「でも、トランクにある荷物ってそう大した物じゃなかったですよね」

彼方「ライブで使った衣装とかメイク道具があるねぇ。寒さを凌げる物はわりかしありそう?」

侑「うん。後、バスに備え付けられてる防災セットとかがあるなら、トランクかなって」
0247名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/29(火) 21:33:23.42ID:/+oaPB/9
愛「ここら辺にないってことは、鍵は運転手が持ってるってことかな。……じゃ、しょうがないね」

果林「え、ええ。無理に探す必要はないわね」

彼方「……少しは隠す努力しなよ」ボソ

かすみ「彼方先輩?」

彼方「なんでもないよ〜。少しは落ち着いた?」フフ

かすみ「……はい。もう少しだけ、このままでもいいですか?」

彼方「もちろん。好きなだけいてもいいんだぜ」ナデナデ

エマ「あ、侑ちゃん侑ちゃん」チョイチョイ

侑「ん? どうしたのエマさん」

エマ「あのね、おトイレに行きたいの……」コソコソ

侑「トイレ?」

エマ「わたし以外にも我慢してる子いるみたいだし。ど、どうすればいいかな?」

 そうだった。その手の問題もあったっけ。
0248名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/30(水) 04:17:55.41ID:9svncsup
状況的にはかすみんみたいになるのが普通だよね
0249名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 19:12:21.45ID:tUoG+Hk5
侑「ちょっと待ってて。なんとかするよ。もう少し我慢できる?」

エマ「う、うん」カァアア

侑(トイレ、トイレか。うーん、ぶっちゃけ恥も外見も捨てちゃえばどこでだってできそうなんだけど)

 私自身も、催していないと言ったら実は嘘になる。

侑(生理現象だし、ずっと我慢できるものでもない……栞子ちゃんに相談してみよう)
 

栞子「トイレですか。流石にそこらでしてこいとは言えませんね」

侑「うん、どうしよう。ペットボトルにするってのはやっぱりいろいろ問題あるよね」

栞子「まあ、非常時にそんなこと言ってはいられないとは思いますが、気持ちはわかります」
0250名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 19:15:25.95ID:tUoG+Hk5
侑「そうだよねー。難しいし」

栞子「こほん。侑さん……あなたはもう少し恥じらいというものを」

千砂都「簡易トイレならすぐ作れると思いますよ」

侑「あ、千砂都ちゃん。それ本当?」

千砂都「はい。ビニール袋といらない布か紙なんかがあれば」

栞子「袋なら用意できますね」

歩夢「布なら窓に付いてるカーテンなんかいいんじゃないかな」

侑「そうだね。使っちゃっても誰も文句言わないだろうし」

 必要なものはすぐに揃った。それらを持って外に出る。

侑「こんな感じ?」

千砂都「そんなんで大丈夫です」

歩夢「こ、ここにするの……?」
0251名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 19:21:37.84ID:tUoG+Hk5
千砂都「流石に排水はできませんけど、小さいほうなら十分かと」

 そこら中に落ちている瓦礫を楕円型に組み合わせ、ビニール袋をその上に覆い被せるようにセットする。その中に布を詰め込んだら完成だ。

千砂都「終わったらビニールを抜き取って縛っちゃえば処理も楽ちんです」

侑「布が水分を吸収してくれるから、周りを汚さないで済むね」

栞子「ティッシュもあるので、そばに置いておきましょう」

 バスから20メートルほど離れた場所に一つ。そこからさらに数十メートル離れた場所に二つ目の簡易トイレを設置した。

 トイレができたことをバスにいるみんなに伝える。

エマ「ご、ごめんねっ」タッタ

 駆け足でバスから降りていくエマさん。よっぽど我慢していたんだろう。その後ろを気恥ずかしそうについていくかのんちゃん。
0252名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 19:29:17.04ID:tUoG+Hk5
千砂都「あ、一回だともったいないから数回使ったらビニールは捨ててねー」

かのん「え、ええ?!」

 その後、間隔を空けてトイレに立つ子が何人も続いた。私もその一人で、妙な開放感を感じたのは内緒だ。
 

歩夢「…‥寒いね」

侑「……うん」

 何時間経った?
 時計は朝の9:20から止まってしまった。

 最早、寒さは誤魔化すことができないところまできていた。口数はめっきりと減り、互いに身を寄せ合い体を温める。
0253名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 19:30:22.31ID:tUoG+Hk5
 冬とはいえ、昨日の時点では車内は暖房が効いていたため、薄着の人が多かった。上着を羽織っていても、やはりトランクにある荷物を開けなければ寒さは凌げないだろう。

侑(お腹空いたな。起きてからスティックパン一本しか食べてないし……そろそろお昼かな)

 寒いと余計にお腹が減る。それがさらなるストレスとなって、私たちの不安を煽る。

しずく「……」ガチャ

かすみ「しず子……? 寒いよ」

しずく「ごめんね。ちょっと空気を入れ替えようと思って。あと、聞こえないかなって」

かすみ「そんなの、意味ないよ。何か聞こえるの?」

しずく「サイレンの音とかしないかな? ほら、今この瞬間にも向かって来てるかも知れないでしょ」
0254名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 19:31:30.44ID:tUoG+Hk5
かすみ「こんなに静かなんだよ。来てないことぐらいかすみんにだってわかる。早く閉めて」

しずく「……ごめん。閉めるね」カチャ
 

エマ「……」カタカタカタ

愛「エマっち、ちょーっとそれやめてもらえない? りなりー今やっと眠れたから」

エマ「え、あ、ご、ごめんねっ。お腹空いちゃうとどうしても我慢できなくて」

愛「あはは、いいよいいよ。気持ちはわかるし。エマっちにもそういう一面あったんだね」

エマ「……うん。ほんと、ごめんね」
0255名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 19:33:34.54ID:tUoG+Hk5
可可「寒いデスー。すみれそれ寄越すデス」グイ

すみれ「ちょっと、袖を引っ張らないでよ。自分のあるんだからそれで我慢して」

可可「いーやーデス。ソッチのが暖かそうだから交換!」ググ

すみれ「くっ、この、いい加減やめてって!」パチン

可可「あぃえ!? は、叩かれた! か、かのん、すみれがクゥクゥのこと叩いたデス!」

かのん「いや、今のは可可ちゃんが悪いと思う……」

可可「いつものジョーダンじゃないデスカ。クゥクゥは場を和ませようと」

すみれ「……っはぁ、ちょい待って。今、あんたの冗談に、付き合っていられないの」フゥー

可可「すみれ……?」
0256名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/30(水) 19:54:25.37ID:5kkyefYs
6cƠᴗƠ∂
0257名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 20:09:18.90ID:tUoG+Hk5
すみれ「そんな余裕ないって言ってるのよ。怒りたくないから、お願いだから黙って」

可可「な、なに言ってるデスカっ。クゥクゥは」

すみれ「千砂都、席交換してくれない?」

可可「――――はぇ?」

すみれ「いろいろと限界なの。しばらく距離置かせて」ガタ

可可「ぁ、」

すみれ「……可可、あんたのその余裕が今は羨ましいわ」
 

歩夢「みんなイライラしてる……」

 寒さ、空腹、寝不足、不安
 車内にギスギスとした空気が漂い始める。気付けば、あちこちで小さな言い争いが起こっていた。

歩夢「ねえ、どうしてこうなったのかな。私たち何か悪いことした? ライブだって大成功して、みんな笑顔で楽しかった。それなのに、こんな仕打ち……理不尽だよ」ボソ
0259名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 20:19:10.04ID:tUoG+Hk5
侑「それは」

ランジュ「しょうがないわよ。だって、世の中そんなモノでしょ?」

歩夢「どういうこと」

ランジュ「転んで怪我するのも、宝くじに当たるのも同じことってやつよ。その日はたまたま運が悪かった。私たちの誰かなのか、全員なのか知らないけど」

ランジュ「そういう運命だったのかもね。今度はアタシたちに順番が回ってきた。それだけ」ギシ

歩夢「そんなの、納得できない。侑ちゃんが怪我したのも、璃奈ちゃんがああなったのも……全部運が悪かったから。それで片付けていいの?」

侑「歩夢、もういいよ。ランジュちゃんの言いたいこともわかるし、そう思わないとやってられないじゃん」

彼方「んー、でもさ」ヒョイ

 彼方さんが後部座席から身を乗り出し、会話に割って入る。
0260名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 20:33:55.23ID:tUoG+Hk5
彼方「昨日最終ステージの後、アンコールに応えないで終わっていればもっと早く帰れた。サイン会を開いてバスの出発を遅らせなければ、今頃ここにはいなかった。言い出しっぺは全部ランジュちゃんだ」

彼方「そう考えると、本当に運が悪かっただけって言えるのかな?」

ランジュ「こうなったのはアタシの所為だって言いたいわけ?」

彼方「そうは言ってないけど。ただ、そんな言い訳して欲しくないなって」

ランジュ「彼方……ずっと感じ悪いわ。アタシ何かした?」

彼方「別に、ランジュちゃんは良かれと思ってやってるんだろうけどさ。みんながみんなランジュちゃんみたいに強くないんだよ」

ランジュ「どういうことよ。ずっと睨むように見てきて、いい加減気分悪いの。言いたいことあるならハッキリ言って」

彼方「みんな怯えてる。ランジュちゃんのこと怖がってる」

ランジュ「啊? どういうこと? ランジュのことが怖い?」
0261名無しで叶える物語(らっきょう)
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2023/08/30(水) 20:47:27.62ID:CHRnu0Ft
ギスギスですな
0262名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 20:53:30.84ID:tUoG+Hk5
彼方「ランジュちゃんたちが事態を把握していても、それって何も知らない私たちからすればすっごく不安なことなのさ」

ランジュ「バカ正直に全部話していたらきっとパニックになっていた。まともに話し合いすらできなかったわ」

彼方「そうやって先入観で決めつけるから、みんなバラバラになっちゃったんだよ」

ランジュ「バラバラ? 言ってる意味がわからない……」

彼方「ほら、周りのことなーんも見てない。自分たちだけで完結してるからだ」

ランジュ「じゃあどうすればよかったのっ? さっきから意味わからないこと言って! 誰かが率先して動かないといけなかったじゃない!」ガタッ

彼方「最初から全部素直に話してくれればよかったの! 必要だったのは独断的な進行じゃなくて、もっとみんなの声に耳を傾けることだよ。それって彼方ちゃんたちのこと信頼してないってことじゃんっ!」

彼方「侑ちゃんを隠れ蓑にコソコソやろうとしてることだって知ってる。なんで正直に言ってくれないの? 私たちそんな頼りない!?」
0263名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/30(水) 21:10:36.97ID:YRKmjAwy
思ってたこと言ってくれた
0264名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 21:17:56.57ID:tUoG+Hk5
ランジュ「っ、何もわかってない……だからそんなことが言えるのよ」

栞子「……今は言い争いをしている場合ではないでしょう。それよりもまず考えるべき問題があるはずです」

侑「そ、そうだよ。救助が来る前に凍えちゃったら洒落にならないって。ね、歩夢?」

歩夢「うんうん。そうだ! おしくらまんじゅうとかやってみる? あ、でもこの人数でやったらおしくらだいふくだね。な、なんちゃってっ」
 

かのん「うわぁ、あの先輩ああいうこと言うタイプには見えなかったけど……なんで大福?」

千砂都「さあ。上手いこと言おうとしたんだろうけど、スルーされちゃったね」ナム
 

ランジュ「――――ハア、もういいわ。鍵が必要なんでしょ」

栞子「は? ランジュ、なにを」

ランジュ「取ってくる」
0265名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 21:36:25.61ID:tUoG+Hk5
侑「ちょっ、どこ行くのランジュちゃん!」

 慌ててランジュちゃんの背を追う。彼女は振り返ることなく早足でバスから降りてしまった。

彼方「行かせてあげなよ。やっぱり知ってたんじゃん」

栞子「彼方さん! さっきのは流石に言い過ぎです。今のあなたは、何かと理由を付けて誰かを攻撃したいだけに見えます」キッ

彼方「そう見える? でも、ランジュちゃんたちが隠し事してるのは事実だよ。彼方ちゃんはそれを問いただしただけ」

栞子「明らかに悪意がありました。何もあそこまで責めるようなことは」

かすみ「しお子にはわかんないよ。ランジュ先輩の言いなりだもんね」ベェ

栞子「かすみさん……?」

かすみ「愛先輩も果林先輩もみんな敵。きっと自分たちだけ助かろうとしてるんだ。かすみんにはわかる、ごはんも独り占めするき……」ガジガジ

彼方「かすみちゃん、そんなに爪噛んだら血が出ちゃうよ」
0266名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 21:46:03.25ID:tUoG+Hk5
かすみ「彼方先輩っ、かすみんは彼方先輩の味方ですからね!? 一緒に戦いましょう!」

栞子「戦うって、いったい何を言って……。敵なんていません。さっきからどうしたんですか」

愛「ちょーっと、かすかすぅ? 敵ってだr

かすみ「かすかすって言うな!!!」

愛「っ、おっと」ビク

愛「あ、アハハ、らしくないじゃんそんなに怒鳴って。ね、カリン」

果林「……わ、私は関係ないから、放っておいて」フイ

かすみ「侑先輩が戻ってきたらビシッと言ってやりましょうっ。ランジュ先輩をキツく叱ってやるんですって! みんなで責めれば大人しくなりますよ!」

せつ菜「かすみさん! そこまでするのなら、私が許しませんよ。今のあなたの言動は目に余ります!」

かすみ「せつ菜先輩はこっち側じゃないんですか? ランジュ先輩に味方するんですね」
0267名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 21:51:12.12ID:tUoG+Hk5
せつ菜「いや、敵とか味方とかそういう話をしているのでは」

かすみ「なら黙っていてください。今、彼方先輩とお話ししているんですから」

彼方「ごめんねぇ、せつ菜ちゃん。多分、今のかすみちゃんには何を言っても無駄だと思うよ」

せつ菜「へ?」

彼方「目がね、合わないんだ。こうして向き合っても……ほら、どこ見てるんだろう」

かすみ「? どうしたんですか??」

彼方「んー、なんでもないよ」
 

ミア「かすみのやつ、急に取り乱してどうしたんだ。イカれたのか……?」

璃奈「かすみちゃんはずっと怯えてた。ここにきて、ついに爆発しちゃったんだと思う……」ムクリ

ミア「璃奈! 横になってなきゃダメだろう」
0268名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/30(水) 21:51:27.09ID:2bBao1Rb
こういう雰囲気割と好き
0269名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/30(水) 22:05:29.02ID:JFlmS9dg
部長が真っ先に壊れてどうすんだ……
0270名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/30(水) 22:09:09.31ID:tUoG+Hk5
璃奈「いいの。これ以上、足手纏いにはなりたくない」ハァハァ

愛「りなりー、無理しないで……っ」

璃奈「私にも、できることあるから」フラ、フラ
 

彼方「! 璃奈ちゃん、ごめんよ。うるさかったよね、起こしちゃったかな」

璃奈「ううん。それより、みんなの顔、すっごく怖い」

彼方「え……ほんとだ。ひどい顔。眉間に皺よっちゃって、ブサイクだよ。こんなんじゃ、遥ちゃんに会わせる顔ないや」

璃奈「かすみちゃんも、笑って。そんな顔、かわいくないよ」

璃奈「璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

かすみ「……うるさい」
0271名無しで叶える物語(SB-Android)
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2023/08/31(木) 00:19:15.54ID:sNI+T664
これ系の話だと頼りになりそうな果林が何も出来なくなってたりせつ菜が空気化してるのに厭なリアリティを感じると同時にゾクゾクする
所詮現実はこんなものなんだ
0272名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 01:13:09.78ID:btddMxmu
侑ちゃんリーダーとしてなんとかしてくれないかな…今のところは方針も決めずに流されたようにみえるけど…まぁ無理もないか
0275名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:15:10.51ID:fV3Q9uEH
璃奈「え」

かすみ「りな子……みんなの気引こうとしてるんでしょ。自分だけいい子ちゃんぶって、弱ってるふりして……かすみん騙されないからっ」

歩夢「かすみちゃん! いい加減怒るよ!」

かすみ「うるさい、うるさいうるさいうるさい!!」

璃奈「……」

ミア「ボクが相手してやる……!」ガタン

愛「ミアち、やめな」ガシ

ミア「離せっ、止めるな!」

愛「言うだけ無駄だよ。カナちゃんの言うとおり、今のかすみは殴ってでも大人しくさせなきゃ止まらない……」グググ

ミア「っ」ゾク
0277名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:17:32.75ID:fV3Q9uEH
かすみ「ぅ”うう”ぅう……っ」ガリガリ
 

愛「でも、放っとこう。関わってアタシたちまでああなったらおしまいだよ。カナちゃんに任せとけばいい」ギリ…

栞子「彼方さん」

彼方「……なに? かすみちゃんなら大丈夫だよ。ん、いや大丈夫じゃないかぁ。あはは」

栞子「大切な人に会えなくて、苦しむ気持ちはよくわかります。でも、辛いのはあなたひとりだけではないんです」

栞子「こんな極限状態で、ランジュがいかに頑張ってくれているか、聡明なあなたならわかるはずですよ」

彼方「……うん、知ってる」

栞子「それだけ、言いたかったんです。失礼します」

彼方「……」

彼方「戻ってきたら、謝らないとなぁ」
0278名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:19:22.61ID:fV3Q9uEH
恋「……」

恋「たいせつ、な ひと」ポツリ

すみれ「……恋?」

――――
――――――――

侑「まって、待ってよランジュちゃん! 彼方さんのことで責任感じてるなら」

ランジュ「……」スタスタ…ピタ

ランジュ「侑、これを」ヒョイ

侑「わ、なに笛?」ット

ランジュ「練習で使ったホイッスルよ。何かあったらコレを吹いて。すぐに戻るから」

 確かに、この閉鎖空間ならどこにいたって笛の音は反響して届くだろう。

ランジュ「アタシも持ってるから、こっちでも何かあったら吹くわ。そしたらすぐ駆けつけてね」
0279名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:20:58.90ID:fV3Q9uEH
侑「……私も一緒に行く」

ランジュ「だめよ。リーダーのアナタがいなくなったらどうするの。彼方とかすみをお願い。他にも、危うい子が何人かいるわ」

侑「でも、」

ランジュ「どうも、アタシのやり方だとダメみたい。敵を作りすぎちゃった」

侑「違うよっ。ランジュちゃんがいるから、私たちはここまでパニックにならずに済んだ。ランジュちゃんは必要な存在だよ」

ランジュ「そんな無理に擁護しなくてもいいわよ。気持ちだけで十分。でも、そうね……鍵を見つけたら、全部包み隠さず話して、彼方やかすみと仲直りしないと」フフ

侑「無茶しないでよ。少しでも遅いって思ったらすぐ吹くからね」

ランジュ「無問題ラ。行ってくる」クル

ランジュ「――――あ」
0280名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:23:45.56ID:fV3Q9uEH
侑「?」

ランジュ「ねえ、侑。アナタ、なにか聞こえてたりする?」

侑「え、なにかって? 特に変なものは聞こえないけど……」

ランジュ「……ソ。なら、いいの。アナタは大丈夫。みんなを任せたわよ」

侑「あ、ランジュちゃん――――気をつけてねー!」

 ランジュちゃんは歩き出した。今度は止まることも振り返ることもなく、やがてトンネルの奥に姿を消した。

 照明の届かない闇の中。不安と絶望、恐怖で塗り固めた、飲み込まれたら二度と戻って来れないような井戸の底だ。

侑「う、早く戻ろ」ブル

 どんどん冷え込んでいる。ランジュちゃんはそんなに厚着はしていなかった。
 大丈夫だろうか。この調子ではトランクの荷物が一刻も早く必要になる。

侑(ランジュちゃん、頼んだよ)

 脳裏にこびり付く微かな不安に目を瞑り、私はバスに戻った。
 首にかけたホイッスルを強く握りしめながら。
0281名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 12:26:58.61ID:YETSAgYa
死亡フラグてんこ盛りすぎる
0282名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:34:56.72ID:fV3Q9uEH
――――
――――――――

侑「かすみちゃん、どうしたの?」

 戻った私を待っていたのは、異常な光景だった。

歩夢「侑ちゃんがバスから降りた後、色々あったの。かすみちゃん精神的に限界だったみたいで、少し前からあんな調子で誰の話も聞かなくて……」

 かすみちゃんは体を震わせ、髪を掻きむしり、獣のような声で低く唸り続けていた。

かすみ「ゔゔぅ、ぅゔうゔ」ガリガリ

 アレは、本当にかすみちゃんなんだろうか。
 隣に座っている彼方さんは、ただぼうっと正面を見つめていた。時折り、思い出したかのようにかすみちゃんの頭を機械的に撫でる。

彼方「あ、侑ちゃん。おかえり」

侑「あの、彼方さん。かすみちゃんは……」
0283名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:36:05.83ID:fV3Q9uEH
彼方「わかんない。なんかね、聞こえるんだって」

侑「聞こえる?」ピク

彼方「ずっとずっと、うるさくてたまんないみたい」

彼方「耳を塞いでも、だめ」

彼方「ソレは頭の中にいて、蠢いている」

侑「何を、言ってるの……?」
 

ランジュ『ねえ、侑。アナタ、なにか聞こえてたりする?』
 

 ランジュちゃんの言葉が頭をよぎる。
0284名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:37:59.25ID:fV3Q9uEH
彼方「なんかね、かすみちゃんそればっかり呟くんだ。うるさい、うるさい、黙ってって」

侑「彼方さんが何を言ってるかわかんないよ。どうしちゃったの」

彼方「ごめんねぇ。ちょっと、彼方ちゃん疲れちゃった。ランジュちゃんにはちゃんと謝るから、うん。あやまる、から」

 そのまま、彼方さんは黙ってしまった。
 かすみちゃんに話しかけても反応はなく、私の声は届いていないようだ。

侑「愛ちゃん」

愛「ごめんね、ゆうゆ。何もできなかった、許して。アタシは、りなりーを守るのでもう手一杯なんだ」

侑「果林さん?」

果林「っ やめて、もう、誰とも関わりたくないの。ひとりにして……」ブルブル
0285名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:39:17.75ID:fV3Q9uEH
侑「……しずくちゃん」

しずく「かすみさん、かすみさん……どうして。わたしが悪い? もっとしっかりしないと、だめ、いまのわたしだとだめ、もっと、もっと」ブツブツ

 みんな、おかしくなっていく
 少しずつ、変わっていく

せつ菜「侑さん、大丈夫ですか? こちらへ」

侑「……せつ菜、ちゃん」
 

侑「ランジュちゃん言ってた。危うい子が何人かいるって。こういうことだったんだ」

せつ菜「かすみさんを発端に、押さえていた感情の堰が切れたんでしょう。無理もありません」

侑「せつ菜ちゃんは大丈夫なの?」
0286名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/31(木) 12:40:11.56ID:K6Pss+Wm
😨
0287名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/31(木) 12:41:28.21ID:oBVDAjxX
🪰?
0288名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:42:19.99ID:fV3Q9uEH
せつ菜「大丈夫と言ったら嘘になりますが、誰彼構わず自暴自棄になっては元も子もありませんから。せめて、私たちだけでも気を強く持っていこうと、そう栞子さんと決めました」

侑「……そっか。やっぱり強いね、せつ菜ちゃんは」

せつ菜「無責任とは言わないでください。もし、かすみさんや他の方が凶行に及ぼうものなら命を賭しても止めてみせます」

侑「絶対に無茶はしないで。いざとなったら私も、歩夢もいる。一人で抱え込んじゃだめだよ」

せつ菜「……もちろんです!」ニコ

ーーーー
ーーーーーーーー

侑「寒いね、少し寄ってもいい?」

歩夢「いいよ。ふふ」

侑「どしたの」

歩夢「なんでもない。あったかいね」

侑「……うん」
0289名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:44:40.96ID:fV3Q9uEH
 肩を寄せ合い、タオルを膝に掛ける。安心する。歩夢の隣が、一番心が安らぐ。

歩夢「それでね、あの時お母さんが――――」

侑「……ん、ぅ」コク、コク

歩夢「侑ちゃん? 眠いの? 昨日あんまり眠れてなかったよね。ずっと気を張ってて、少し休もうか」

 意識が微睡む。だめだ、ランジュちゃんを待たないと……
 でも、眠いな すごく、眠いや

 そうだ このまま、瞼を閉じてしまえ 嫌なこと見たくないもの全部から逃げて、今はただ眠ろう

ズズ…ゴ、ゴゴ

 視界が揺れる 歩夢の顔がぶれる ぶれる ぶれる?
0290名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:46:28.15ID:fV3Q9uEH
ミア「――――Huh?」ガタガタ

栞子「なに、が」グラァ

エマ「え、なに、なに?」パラパラ
 

――――ズズン!!!
 

かのん「ひぇあぉあ!??」

千砂都「ま、また地震!?」

歩夢「侑ちゃん――――!!」ガバッ

パリン!! ガシャンッ ゴンゴンッゴン!!

侑「あ、歩夢っ! なにっ、っが、ぁ起きて!?」グラングラン

――――ドゴン!!!

 爆発音。バスを前後左右から巨大な金槌で殴りつけているかのように容赦のない強い揺れは、数十秒は続いた。
0291名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:48:34.08ID:fV3Q9uEH
侑「止ま……った?」パラ、パラ

 遠くで一際大きく響いた落石音を最後に、潮が引くように静けさが戻ってくる。痛みを伴う耳鳴りは徐々に鳴りを潜め、嵐が過ぎ去ったことを伝えた。

 残ったのは息を吸うのも憚られる土煙り。騒音は車内を冷たい空気が侵入する。

侑「はぁ、はぁ」

 恐る恐る歩夢の腕の隙間から様子を窺う。揺れの直後、歩夢は私を押さえつけるようにして覆い被さっていた。

歩夢「ふぅ、ふぅ……んぐ、っ」

侑「歩夢? ねえ、どうしたの?」

歩夢「なんでも、ないよ? 侑ちゃん、け、怪我はない?」

侑「私は平気だよ。ねえ、歩夢、なにが」
0292名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:50:18.75ID:fV3Q9uEH
 初めて見る表情。額には玉のような汗を浮かべ、力なく笑む。唇は真っ白になるほど強く噛み締められ、鼻呼吸をしきりに繰り返していた。

 私を見るその瞳はふるふると揺れ動き、視線が合わない。

歩夢「ふ、ふっ……ぅぐ。けっこう、痛い、かも」ハァハァ

侑「あゆ、む?」

 ゆっくりと、背中に手を回す。びくりと歩夢の体が大きく跳ねた。

歩夢「つう……!」ギュウ

侑(湿って……濡れてる?)

妙にザラザラとした感触。固いものに指が触れた。

栞子「――――む、さん!! じ、とっ」

せつ菜「ほ、の――――ですか!? す、にんを!」

 栞子ちゃんとせつ菜ちゃんの声がどこか遠く聞こえてくる。わからない。何が起こったのか。理解できない。
0293名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 12:53:02.67ID:fV3Q9uEH
夜に3章残りを全部投稿します
ここから割と閲覧注意です
0297名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/31(木) 13:20:24.47ID:K6Pss+Wm

侑もおかしくなりそう…
0298名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 13:31:05.46ID:YETSAgYa
ランジュは……まさか……
0300名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 14:56:59.93ID:RauFoJdn
殺し合いになりそう
0301名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 19:26:32.51ID:RauFoJdn
もうすぐ始まる
0302名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 20:29:06.44ID:w4UvvM7d
まだー?
0303名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/31(木) 20:36:55.40ID:/zlweILE
こわい
0304名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 20:43:39.90ID:fV3Q9uEH
 口の中が苦い。息をするのも忘れて茫然としているうちに、歩夢が私の上から引き離された。

侑「――――あ」

栞子「大丈夫です! そんなに深く刺さってはいませんっ。誰かタオルを! 早く、水で濡らして」

せつ菜「ぬ、抜いていいんですかっ? やりますよ!?」

栞子「見た目ほど傷は深くありません! 感染症にさえ気をつければ助かります!」

千砂都「除菌シート使いますか? かのんちゃん! 荷物!」

ミア「オイ! 状況は!? 誰かケガしてるのか? 璃
奈!?」

愛「りなりーは大丈夫! 最初の揺れよりは強くないよ、落ち着いて!!」
 

侑「歩夢……背中、怪我してる?」

 歩夢の衣服は、細かなガラスの破片でところどころほつれ、裂かれていた。そして、大きな破片が数カ所、背中に食い込み赤い染みを作っている。
0305名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 20:58:33.07ID:fV3Q9uEH
栞子「フロントガラスが衝撃で割れたんです。最前列付近のガラスはどこもヒビが入っていましたから。歩夢さんは、あなたを守って破片を受けたんです」

侑「そんな、どうして!? なんで!? えっ? わかんない、どうして、血がっせなか、あゆむ! あゆむ!!」ユサユサ

せつ菜「動かさないでください!! だめです、離れてっ。侑さん、落ちっ」

 ああ、だめだ。歩夢だけはだめだ。他の人の痛みなら、まだ耐えられる。他人事だと、どこかで思ってすらいた。でも、この痛みは耐えられない。

 ざわざわとした感情の波がミキサーのように頭を掻き回す。ぐちゃぐちゃになりそうだ。もし、歩夢が、死んじゃったら――――

歩夢「ゆー、ちゃん」キュ

侑「――――歩夢?」

歩夢「そんな顔、しないで ほら、あゅぴ、ょんだよ」ニ、コ

侑「は、え、?」ポカン
0306名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 20:59:24.13ID:fV3Q9uEH
歩夢「ちょっと、けがしちゃったけど大丈夫。このくらいならへっちゃら。だから」

歩夢「侑ちゃんには、まだやること、あるでしょ……?」

侑「やる、こと? なにそれ。いやだ、絶対にここから動かない!」ギュウ

歩夢「けほっ、だ、だめだよ。ランジュちゃんが、まだ外にいるよ」

栞子「……あ、ランジュ、ランジュが外に! 1人で、ああ、大丈夫でしょうかっ、こんなことなら私もついて」アタフタ

栞子「あの、すみませんっ。侑さん、なにか聞いていませんか!?」

侑「ぁ、そうだ。何かあったらこの笛、吹いてって……すぐ戻るって、言ってた」

栞子「っ」パシッ

 栞子ちゃんは私からホイッスルを奪い取ると、脇目も振らず外に飛び出した。
0307名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 21:07:13.40ID:fV3Q9uEH
せつ菜「栞子さん! まだ外に出てはっ」

歩夢「侑ちゃん!」

侑「な、なに?」

歩夢「一緒に、行ってあげて。いまの栞子ちゃん、さっき、までの侑ちゃんにそっくり……だから。ぃつつ」

せつ菜「侑さん。歩夢さんは私が責任を持って看ておきます。だから、行ってください。まだ絶望するには早いですよ」ニッ

侑「歩夢、せつ菜ちゃん……わかった。待ってて、ランジュちゃん連れてすぐ戻るから」

 2人の言葉に半ば無理やり押されるように、私は後を追った。
 ふわふわとして、足に力が入っていないのがわかる。柔らかな地面の上を歩いている感覚だった。

ーーーー
ーーーーーーーー

侑「う、、げほっ、ごほ」

 すごい煙だ。巻き上げられた砂埃が数メートル先の視界を遮る。さらに、ひんやりと冷たい空気が体中を舐め回すようにまとわりつく。
0308名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 21:20:51.64ID:fV3Q9uEH
栞子「はあ、はあ。ランジュ、ランジュっ」

栞子「っ、」ピィイイイイ!!

 つんざくような笛の音が耳を突く。それは栞子ちゃん自身の悲鳴のようにも聞こえた。

栞子「ふ、ふっふ、つ」ピイイィイイイ!!

侑「し、栞子ちゃん、それぐらいでいいよ。十分聞こえてるって」

栞子「で、ですがもし意識を失っていたら、ランジュは1人なんですよ!」

侑「でも、あのランジュちゃんだよ。きっと大丈夫」

栞子「あのってなんですか!? 絶対に無事なんていう保証はどこにあるんですか!?」ガシッ

侑「うわっ、」

栞子「そうです、ランジュはそんな強くない。私たちが期待させ過ぎてしまった……全部を押し付けて、無茶なことを」
0310名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 21:22:08.07ID:fV3Q9uEH
ピィ…イィ…

侑「! ストップ、栞子ちゃん。静かにっ」

ヒュー…ヒュィイ

侑「聞こえる。笛の音……」

 掠れた弱々しい音が、答えるように返ってくる。

栞子「ランジュ!!」ダッ

侑「あ! ちょ、え、っとライト、ライト――――待って!」

 あそこまで焦っている栞子ちゃんを見るのは初めてだ。闇の中に消えた栞子ちゃんを急いで追う。

 かえって冷静になっていく自分がいる。そうだ。栞子ちゃんにとってランジュちゃんは、私にとっての歩夢と同じなんだ。

侑「く、栞子ちゃんっ、速い」

 さっきよりも暗くなっているのは、生きている照明の数が減ったから。
 足元に細心の注意を払いつつ、その背中を捉える。
0311名無しで叶える物語(茸)
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2023/08/31(木) 21:28:04.37ID:BXZMylqL
ランジュ…😭
0312名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 21:31:51.57ID:fV3Q9uEH
ヒュウゥ…ヒュ、ゥ

侑(また聞こえた、でも、音が弱い。ランジュちゃんに何かあったの――――?)

 それは今にも消え入りそうで、力尽きる寸前の呼吸のようだ。
 大分奥まで進んだ。栞子ちゃんは立ち止まっている。

侑「はあ、はあ。栞子ちゃん、どうし……あ」

 栞子ちゃんが向いている方向にスマホを向ける。そこには壁に背中を預け、両足をだらりと投げ出している人影があった。  
 顔は下を向き、力無く垂れ表情は窺えない。ランジュちゃんじゃない。男の人だ。

 生唾を飲み、ゆっくりと近づく。

侑「……う"!?」

 いた、見つけた。
 そこにいたのは初日、姿を消した運転手だった。
0313名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 21:36:35.96ID:ATLHkQLv
ゾンビにでもなってんのか……
0314名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 21:44:20.96ID:fV3Q9uEH
侑「っ、ごめん……お"ぇ、ぅ」

 猛烈な吐き気を覚え、うずくまる。
 排気ガスとは一線を画す、強烈な臭気。それは魚やチーズをこれでもかと腐らせたような、二度と忘れることはできないニオイ。

侑(これ、死んでっ、?)

 側頭部にはカンナで粗く削り取ったかのような痕があり、乾いた血が皮膚にこびりついている。
 腕や足は不自然な方向に折れ曲がり、お腹にはぱっくりと裂かれたような深い傷が一本、血溜まりを作っていた。

 傷口には蛆虫が這い、その周囲を蝿が集っている。

侑(こんな状態で、ここまで歩いて……)

 恐ろしいまでの生への執念。この人は、どんな思いで最期を迎えたんだろうか。ランジュちゃんたちが口を割らなかったのも納得だ。

 ブーン、ブーン…ブブブ

侑「……っ」

 不快な臭い、不快な音。
 じっくりと観察している余裕はない。鍵を探すチャンスだけど、死体を漁る気には到底なれなかった。
0316名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 21:52:19.60ID:ATLHkQLv
せめてメンバーだけでも全員で生き延びてくれ……
0317名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 21:53:39.44ID:fV3Q9uEH
侑(それよりもまずランジュちゃんだ。運転手がいるってことは、この近くに……音は?)

 込み上げる吐き気と戦いながらも、栞子ちゃんの姿を探す。
 少し先の方に彼女はいた。

侑(なんだろう……なにか大きなものがある)ザリ、ザリ

 正面には巨大な影が鎮座していた。黒い塊だ。
 地面には瓦礫や何かの機械の残骸が散らばり、足の踏み場がない。

「ぅ……あ、ぅ」

 声が、聞こえる
 影の下に 誰かいる

侑「はぁ、はぁ」

 怖い ライトを向けるのが 怖い

 可視化された砂塵の量は中央付近とは比較にならない。
 目が痛い。指先が震え、スマホを落としそうになる。
0318名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 21:55:04.49ID:fV3Q9uEH
侑「そこに、いるの?」

 下から上に向けて、ゆっくり、ゆっくりと光を動かす。

 ぴちゃりと、足場の感触が硬いコンクリートから不愉快なものに変わる。妙に足にへばりつく、粘度の高いどろりとした感触。

 どす黒く濁った水溜まりだ。光を受け、ぬらぬらと妖しく波打つ。そこら中に飛び散った赤、赤、赤。むせ返るような鉄臭さと腐臭が鼻腔を侵す。

 その先にいたのは

ブブブ、ブブ

侑「ランジュ、ちゃん?」

 生きようと 必死にもがいて 希望を信じて
 これまで 薄氷の上に成り立っていた社会

 私たちが築いた秩序の崩壊は 実に 実に

栞子「……」

栞子「…………」

栞子「らんじゅ?」

 あっけないものだった

ブーンブーン ブゥーーーーン…
0319名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/08/31(木) 21:55:53.80ID:ATLHkQLv
うそだろ
0320名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 22:04:25.56ID:RauFoJdn
栞子「おえええ」
0322名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/08/31(木) 22:19:18.59ID:K6Pss+Wm
気になって寝れない
0323名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/31(木) 22:55:27.10ID:fV3Q9uEH
第4章 崩壊-genocide-
 

侑「ランジュちゃん、そんな」

 光の先に彼女はいた。血溜まりの中でうつ伏せになっている。
 巨大な黒い塊の下にいるようだ。ちょうど、重なる位置に。

ランジュ「…………ぁ、ゆ、う、しぉ こ」

 光に気づいたのか、ゆっくりと顔だけをこちらに向ける。
 正気のない、濁った瞳。血の気の引いた真っ白な肌。口元だけが不自然なほど真っ赤に染まり、だらだらと地面に赤い糸を垂らす。

ランジュ「しだ、のほっの 感覚が、ね ないの。寒い さむぃ いい、けほっごぼ」

 ああ、私は幻覚でも見ているのか。目を覆いたくなるほどの惨状。

ランジュ「いきで、きなぃ はぁ はぁ ぐる"じいの だす、げでっ」ヒュー、ヒュー

 どこか穴でも開いているのか、空気の抜けるような音が混じる。

 ランジュちゃんは、落下した送風機の下敷きになっていた。
 下半身の肉は押し潰され、機械が地面と密着している。
0324名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/08/31(木) 23:10:22.23ID:fV3Q9uEH
 彼女を中心に、高い位置から水風船を落としたかのように飛び散った鮮血。そこから抜け出そうと、芋虫のようにもがく。

 これほどまでに悍ましく、醜い光景があっただろうか。
 不条理で非道、醒めがたい悪夢。

侑「…………」

 思考が止まる。視覚からの情報を脳が拒否している。

ランジュ「ぇう"、つう……ごぼっだ、すけて」

 のろのろと伸ばされた手が私の足先に触れた。血と土で汚れた指。必死に地面を掻いたのだろう。爪は割れ、剥がれているものもあった。

侑「――――ひっっ」

ランジュ「ぅう"ゥ"ぅウっ、じに"っだぐなぃ。こ、わぃ こッがっ、」ゴボゴボ

侑「ひ、ぁっ、う……あ」
0326名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/08/31(木) 23:14:09.29ID:RauFoJdn
侑「おえええ」
0327名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/08/31(木) 23:16:29.90ID:fV3Q9uEH
 ランジュちゃんの吐き出した血が靴を汚す。黒く濁り、泡立つ液体。最早首を持ち上げる力もないのか、ごぼごぼと音を立てながら自らの血溜まりに顔を埋め動かない。

栞子「っ、ランジュ!!」

 放心していた栞子ちゃんが、突如弾かれるようにランジュちゃんの元に駆け寄った。私を突き飛ばし、頭を引き上げる。

栞子「だめです、なんで、どうしてこんな……血が、たくさん、なにか拭くものどこかに」

ランジュ「カ……っ、……がっ」ブク、ブク

栞子「あぁああ。ランジュ、はやく吐き出してっ、窒息してしまいます!」

 泥とも血ともつかないものが、泡となってランジュちゃんの口から溢れる。
 栞子ちゃんはその中に躊躇なく指を突っ込み、一心不乱に掻き出す。掻き出す。掻き出す。
0331名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/01(金) 06:02:45.72ID:ShnBnQxu
つらすぎる
0334名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/01(金) 20:52:59.94ID:Doo5nBLP
栞子「侑さん! 手を貸してくださいっ、血が止まらないんです。上に乗ってるものを退かさないと」

侑「退かすって、そんなの私たちだけじゃ。それに……」

 こんなの、もう助かりっこない

栞子「ランジュ、ランジュっ、うぅ」

ランジュ「ゴホっ、お、とが ね……ずっと、ず、ど きこて たの……こわ、く て ぁぐっっ、わ、くて……」

栞子「あああ……あ、あ。ランジュ、ランジュぅ」
 
ランジュ「ご、め……ね、ぉ、 りこ 。た、の顔 見れ よかっ、拜、ばぃ」

ランジュ「――――――――」

 光が消える。栞子ちゃんの腕の中で、ランジュちゃんは静かに動かなくなった。もう、二度と目覚めることはない。声を聞くことも、伝えたい言葉を届けることもできない。

 笑った顔、怒った顔、悲しむ顔
 浮かんでは、消えていく。
0335名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/01(金) 20:54:55.85ID:Doo5nBLP
侑(こんな別れって、ないよ……)

 パネル一枚を隔てた向こうの世界の出来事だと思っていた、人の死や別れ。それは、こんなにも身近に存在していた。日常のすぐ裏に潜んでいた。

栞子「いや いや」

栞子「いやぁあああああ!!!」

 ランジュちゃんの短い人生は、この薄暗いトンネルの中で幕を閉じたのだ。
 

侑「…………はは」

 乾いた笑みが漏れる。自分でも、どうして笑ったのかわからない。だって、こんなのありえないことだから。

 ランジュちゃんが、あのランジュちゃんが……潰されて、死んだ。

 圧倒的な脱力感と虚無感が体を支配する。

 栞子ちゃんの慟哭が響く中、遅らせながら気づく。
 私たちは、ランジュちゃんという精神的支柱を失ったのだ。

ブウーン ブウーン

 崩壊の音が 聞こえた
0337名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/01(金) 21:04:05.44ID:Doo5nBLP
――――
――――――――

かのん「まだ戻ってこないね。大丈夫かな……」

 散乱したガラスの破片を取り除き、なんとか落ち着きを取り戻す。2年の先輩-歩夢さん以外に怪我をした人はいなかったけど、新たな問題も起きた。

エマ「ど、どうしよう!? お、お水がっ」

 貴重な飲み水の半分が通路にばら撒かれ、その中身を散らしていたのだ。

せつ菜「なんてことを……蓋をちゃんと閉めてなかったんですか!?」

愛「蓋じゃないよ! 衝撃で穴が空いたんだよ。通路にはガラス片も散らばってるし」

ミア「そもそもあんな風に雑に置いておくからだ! 誰だ?」 

しずく「バッグには入れておいたんですが、何本か外に出しっぱになっていたみたいですっ」

果林「…‥誰なの。こんなことして、責任とれるの?」
0338名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/01(金) 21:07:06.43ID:Doo5nBLP
 みんな、杜撰な管理の責任を誰かに負わせようと躍起になっていた。糾弾する相手を探していた。

かのん(私たちに飛び火するのも時間の問題だ……)

可可「……ぁ」

可可「クゥクゥデス、クゥクゥが最後お水飲みマシタ……」ガクガク

かのん「っ、?! だ、大丈夫だよ。バレてない、わかりっこないよ」

すみれ「あんた、力弱いものね。蓋もちゃんと閉めれてなかったんじゃない?」

可可「びあ、!? す、すみ」

かのん「すみれちゃん!」

恋「……すみません。少し、お手洗いに」カタ
0339名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/01(金) 21:12:40.27ID:Doo5nBLP
かのん「へ? あ、ちょっと。こんな状況で?? 恋ちゃん!」

 もう! みんな勝手だ!

ミア「そうだ、ボクは見たぞ! ソイツが最後に水を飲んでた!」

可可「違いマス! クゥクゥ悪くない!! アレはクゥクゥたちの持ち物デス!!」

しずく「だから、なにしても関係ないと?」

可可「そんなんじゃ、クゥクゥそんなつもりは……うう」

せつ菜「……もうやめましょう。誰かを責めたって、なにも解決しません。過ぎたことをいつまでも考えるのは時間の無駄です」

可可「ぅ、えぐ、ひぐ、」グスグス

 不安と恐怖が伝播していく。このままだと、助けが来る前に自滅してしまう。

ブブブブ

かのん「……」ペチン

 ああ、うるさいなぁ
0340名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/01(金) 21:15:06.11ID:Doo5nBLP
――――
――――――――

歩夢「侑ちゃん、おかえり」

 バスに戻った私を、歩夢が出迎える。

 ランジュちゃんの亡き骸を抱き抱えたまま、泣き喚いていた栞子ちゃんを無理やり引き離し、腕を取って逃げるようにその場を後にした。
 
 道中のことはよく覚えていない。自分の感情さえもわからなかった。

侑「歩夢……怪我の具合は?」

歩夢「まだ、痛いけど……っ、なんとか、耐えられるよ。ランジュちゃん、は?」

侑「っ」

せつ菜「栞子さん、血だらけじゃないですか!? ど、どこか怪我でもしたんですかっ?」

栞子「……」ボー

せつ菜「栞子、さん? あの、侑さん、一体なにが……」
0341名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/01(金) 21:19:57.36ID:Doo5nBLP
ミア「戻ったか。keyは見つかったのか? ランジュはどうした」

侑「え、あ、ああ……うん」

歩夢「侑ちゃん?」

せつ菜「どうしたんですか、栞子さんっ。あの、栞子さん??」ユサユサ

栞子「あ、はは。なんででしょう。なにも、気力が湧かないんです……からだが 思うようにうごいてくれません」

栞子「ただ ひたすらに 寂しい。心に、穴が空いたみたいで……もう、むりです」

 静かに涙を流し、彼女は立ち尽くした。

ミア「おい、オイ! ふざけるなよ。ランジュはどうした? なんで一緒じゃないっ」

ミア「Don't be silent, say something!!」

歩夢「ランジュちゃん、どこ? 侑ちゃん、おね、がい。話して」

彼方「……え? どういう、こと。ランジュちゃん、そこにいないの?」
0342名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/01(金) 21:21:59.42ID:Doo5nBLP
侑「あー、」
 

侑「ランジュちゃん、死んじゃった」
 

 一瞬、時が止まった。

ミア「…………ハ?」

せつ菜「へ?」

かすみ「あ、あははははは! ひぃ、っひ! 侑先輩も面白い冗談言うんですね」

かすみ「あのランジュ先輩が死ぬわけないじゃないですか!! 逃げたんですよねっ? かすみんたちを置いてひとりで!」

侑「そうだったら、よかったね」

せつ菜「そんな、じゃあ、あの血は、全部……」フラ

侑「さっきの揺れでね、送風機が落下して、ランジュちゃん潰されちゃった」

 私は、今どんな顔をしているんだろう。どうしようもなくやるせない思いが、重く心にのしかかっている。

 それでも、ベラベラと舌が回った。
0343名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/01(金) 21:24:51.12ID:Doo5nBLP
侑「血がたくさん、たくさん溢れ出て、そこだけ池みたいになってて、その真ん中で、ランジュちゃん苦しそうにもがいてた」

せつ菜「もう、やめてください」

侑「運転手もいた。頭が半分削られて、お腹に大きな切り傷があった。蝿が、いっぱい、飛んでた。ブーン、ブーンて」

せつ菜「――――やめて!!」パチンッ!

侑「つ!?」

 火花が散る。せつ菜ちゃんの平手打ちがもろに入り、私は目を回した。頬が焼けるように熱い。

歩夢「侑ちゃん!」ギュウ

歩夢「もういい、もう、いいよっ」

歩夢「つらいよね、苦しい、よね。ショックで、ちょっと気が、っ、動転してるんだよね」

侑「うん、うん……ランジュ、ちゃん、っう うぅうふぐっ」

 ぼろぼろと、生温かいものが頬を伝った。

侑「うぁあああん」グズグズ
0344名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2023/09/01(金) 21:36:15.56ID:Up54AyuQ
😭
0347名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/01(金) 22:15:50.61ID:Doo5nBLP
次は明日か、明後日投稿します
0348名無しで叶える物語(らっかせい)
垢版 |
2023/09/01(金) 22:17:08.55ID:kQrwYBZ0
1人で出て行かざるを得ない状況になってああいう最期とかランジュの親御さんブチ切れだろうな
隠し通さないと
0349名無しで叶える物語(SB-Android)
垢版 |
2023/09/01(金) 22:31:14.65ID:tmjdn9tv
つらすぎる、救いはないのか
0352名無しで叶える物語(たこやき)
垢版 |
2023/09/02(土) 18:47:11.30ID:YTgF3Yrp
今冷静なのは愛殿ですぞ…
0353名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2023/09/02(土) 19:55:49.22ID:KbrKWPQR
待ち遠しいわ
最終章まで書き溜めてあるなら焦らさずどんどんくれよ〜
0354名無しで叶える物語(しうまい)
垢版 |
2023/09/02(土) 20:58:28.63ID:y6q9pSIZ
再開してたんか今から読むわ
0355名無しで叶える物語(しうまい)
垢版 |
2023/09/03(日) 00:13:05.46ID:JBRu7hSD
書き溜めあるのに更新しないのな
0357名無しで叶える物語(SB-Android)
垢版 |
2023/09/03(日) 13:25:04.81ID:tRRy0A0R
まあラブライブのキャラでやる必要あるか疑問なssだしエタってもいいよ
0359名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/03(日) 17:17:50.40ID:aiyz0ue8
前も過去分貼り終わって割とすぐエタったよな
長々と過去分貼るのに何日もかけた後チョロっと続き書くけどすぐエタ、立て直しを何度も繰り返してて正直滑稽だわ
0360名無しで叶える物語(しうまい)
垢版 |
2023/09/03(日) 17:28:49.24ID:JBRu7hSD
確かに過去文貼るのに時間かかりすぎだし続きの文が少ない
書き溜めあるなら投稿早く出来るでしょ
0361名無しで叶える物語(茸)
垢版 |
2023/09/03(日) 18:25:57.83ID:LEvXYT92
金曜日時点で明日か明後日って言ってるんだから今日更新あるんじゃない?
仕事とか家庭の事情で投稿できないなんて割とある
0362名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2023/09/03(日) 19:16:32.61ID:298H6769
最後まで投稿すると決意しスレ立てた時点で書き溜めた分を一気に投下できたよねって話
0364名無しで叶える物語(茸)
垢版 |
2023/09/03(日) 19:21:29.62ID:1OuV+ZYi
そこは作者の都合だからなぁ
まあssは更新が来たら読む程度に留めておくのが丁度いい
0365名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2023/09/03(日) 19:36:21.54ID:298H6769
今第4章か
>>10で最終章あたりまで書き溜めてあると言ってるが全部で第何章まであるんだろ
0366名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/03(日) 19:53:59.81ID:s8l/DPhm
5分間隔で機械みたいに投稿しても10レスで50分使うから割とまとまった時間いるんだよ
投稿直前に気になるところ見つけたらもっとかかるし
0367名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/03(日) 20:25:06.05ID:aJtifYzs
ミア「ウソだろう……? ランジュは、アイツはこんなところで死んでいいヤツじゃない」

愛「はは。愛さん、ランジュと話したいこと、まだまだたくさんあったのに……なんで、こうなっちゃったんだろう」

かのん「え、死んだ?って、あの人が……? は? 意味わかんない」

すみれ「嘘だって、信じたいけど……サヤさんだってそう」

すみれ「人って、案外簡単に逝っちゃうのよね」ギシ

侑「ごめっ、ね、かぎも見づげられっなかっだ」グスン、ズビ

歩夢「いいの、いいんだよ」ナデナデ

せつ菜「歩夢さん、あなたもひどい怪我を負っているんです。安静に。これ以上、仲間を失うわけにはいきません」

しずく「不思議ですね。ついさっきまで隣にいて、言葉を交わしていたというのに。やっぱり、信じられません。創作と現実がこれほど違うんだって、こんなにも悲しくて怖いものなんだって……」グス
0368名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 20:27:15.79ID:aJtifYzs
彼方「……」

彼方「…………ぁ」

彼方「あああぁあぁああ!!!」

ガン!ガンガンガン!!

せつ菜「彼方さん!!?」

果林「彼方、ばか!! なにやってるの!?」

 前の座席に、何度も何度も強く頭を打ちつける彼方さん。

彼方「はな"じてぇええ! うわぁああ!」ジタバタ

愛「かなちゃん! っ、やめ、暴れないで!」ガシ

 彼方さんの突発的な行動に、誰もが呆気に取られ動きを止めた。近くにいた愛ちゃんと果林さんが暴れる彼女をなんとか取り押さえる。
0369名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/03(日) 20:28:48.00ID:aJtifYzs
侑「かな、たさん?」ズビ

彼方「わた、し、ランジュちゃんを殺しちゃった……わたしの所為で、死んじゃった!」

彼方「謝れてないっ、まだ、仲直りしてない!!」

愛「みんな同じだよ! つらい、悲しい、ランジュを追い込んだのはアタシたちみんなだ!! カナちゃんだけの所為じゃない!」

果林「血が出てるじゃない! どうしてそこまで」

彼方「あ、ああ。うあっ、ランジュちゃん……」

せつ菜「大丈夫ですか? おでこ、手当します」

彼方「触らないで!!」パシン

せつ菜「っ、……彼方さん。あなたのそんな姿、ランジュさんが見たかったと思いますか。きっと、悲しむだけです」

彼方「そんなの、わかりっこない。ランジュちゃんはもういないんだよ!? いい加減なこと言わないで!」
0370名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 20:33:47.86ID:aJtifYzs
せつ菜「だからってずっとそうしているつもりですか?」

彼方「は……」

愛「残酷なこと言うようだけど、ランジュのことを悲しむのはここを出てから。今は自分のこと一番に考えよ?」

果林「彼方……」

彼方「ごめんなさい……ごめん、なさい」ギュウ

 座席の上にうずくまり、顔を埋め耳を塞いでしまった。2人の言葉が届いたのかわからない。

侑(もう冷静な人はいないのかも。私も、どこかおかしくなってる? こわい……な)

 ランジュちゃんの死がもたらしたものは、さらなる崩壊。決して拭えない呪いを私たちにかけたのかも知れない。
 

しずく「かすみさん」

かすみ「ランジュ先輩……ほんとに、死んじゃった?」
0371名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 20:36:39.33ID:aJtifYzs
しずく「そう、だね」

かすみ「は、ひっ、ひひ」ガジガジ

しずく「かすみさん、手見せて」

かすみ「……なんで?」

しずく「いいから」グイ

しずく「……キズだらけだね。深爪してる。女の子なのに、かわいくないよ、こんなの」

かすみ「しず子には関係ないよ。もう、どうでもいい」

しずく「そんなこと言わない。ねえ、ちゃんとこっち見て」

かすみ「は? 見てんじゃん」

しずく「わたしの目を見て」

かすみ「だから見てるって!!」
0372名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 20:40:38.12ID:aJtifYzs
しずく「わたしもね、あんなことが立て続けに起きて、かすみさんがおかしくなって、今の自分じゃ何もできないって思った」

しずく「でも、やっぱり……変えられなかったよ。もうちょっとだけ、頑張ってみることにした」

かすみ「は? なに!? ウザいよしず子」

しずく「いいの。ここを出たら、また仲良くしてね」

かすみ「……」
 

すみれ「ねえ、かのん。恋がまだ戻って来ないのよ」

かのん「お手洗い行ってたよね。確かに遅いや……大きいほう?」

すみれ「……だとしてもよ。恋、ちょっと様子おかしかったし。まさかバンに戻ったんじゃ」

かのん「……サヤさん?」
0373名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 20:47:12.92ID:aJtifYzs
すみれ「ええ。正直、今の恋からはなにしでかすかわからない危うさを感じるの」

すみれ「……あの人たちと同じ。もう、誰がいつ発狂してもおかしくない」

かのん「すみれちゃんは大丈夫だよね。ちぃちゃんも、可可ちゃんも。私たちはまだ」

すみれ「……そうね。まだ」

かのん「それで、恋ちゃんのことみんなに言う?」

すみれ「言わなくていいわ。遅かれ早かれどうせ気づくし。もう少し待ってみるけど、最悪引っ叩いてでも連れ戻す」

かのん「うん。私も手伝う」

ーーーー
ーーーーーーーー

侑「……これだけ、なんだ」

せつ菜「はい。飲み水は先ほどの件でかなり減ってしまいました。可可さんを責めるつもりはありませんが、今日1日持つかどうか……」
0374名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 21:00:38.20ID:aJtifYzs
 明らかに減っている。

侑「でも、もっとあったはず。みんな本当にちょっとずつ食べてたんだよ。なんで、こんなに減ってるの?」

せつ菜「実は……誰かが勝手に持ち出しているみたいなんです」コソ

侑「え?」

せつ菜「別に金庫に入れて保管しているわけでもありません。隙を見てくすねることぐらい、これまでの状況を考えればいくらでも可能です」

侑「私たちの中にそんなことする人が……? せっかく協力して生きようって、みんなで頑張ろうって。こんなに大変な時なのに」

せつ菜「こんな状況だからこそかも知れません。すでに私たちはかなり追い詰められています。肉体的にも精神的にも……誰も責められませんよ」

侑「だからって」

せつ菜「要は救助が来るまでの間だけでいいんです。人間飲まず食わずでも3日は生きられます。寒さの問題はありますが、流石に今日明日中には何か動きがあると思いますよ」

侑「……」
0375名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 21:01:32.05ID:aJtifYzs
 本当に? 歩夢は背中、璃奈ちゃんは腕を。彼方さんやかすみちゃんだってとても正常とは言えない。

せつ菜「侑さん、これを」

侑「……え? これせつ菜ちゃんの分だよ。だめだよ、ちゃんと食べなきゃ」

せつ菜「私は平気です。怪我をしている人たちは、なるべく食べて体力を維持して欲しいんです。お水は困りますけど、食べ物でしたら1日2日抜いてもへっちゃらです!」ニコ

せつ菜「歩夢さんの分も持っていってください」

侑「で、でも」

せつ菜「侑さん、最後まで希望を捨てちゃだめですよ。私たちの無事を祈ってくれている人達のためにも、抗うんです。屈してはいけません。負けてはなりません」グッ

侑「ふふ。せつ菜ちゃん、なんかアニメの主人公みたい」

せつ菜「ふぇ!? あ、う、すみませんっ。思わず口に……変でしたか?」

侑「ううん。かっこよかった。ありがとう、少し勇気出た」
0376名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 21:14:58.81ID:aJtifYzs
ーーーー
ーーーーーーーー

愛「りなりー、口開けて」アーン

璃奈「んむ、……ゲホッ!」ビチャ

愛「大丈夫!? お、お水。ほら飲んで」

璃奈「けほ、こほっ、愛さん、ごめんね」

璃奈「 おなか、すかないの」

愛「りな、り……」

璃奈「さむい、のに。体の奥がずっと、熱くて……なにも、かんがえられ、ない。ずっと、気持ち、悪い」ゼェゼェ

愛「……うそ、すごく熱い。りなりー、熱あるよ」ピト

愛「いつから? なんで黙ってたの」

璃奈「しんぱい、かけたく……ないから」

愛「バカ! それで我慢してたのっ? そんなの、余計心配するに決まってる!」
0377名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 21:26:48.40ID:aJtifYzs
璃奈「ご めん なさい。わた、し ずっと、役立たず。もう、死にたい……」グス

愛「〜〜〜っ、あぁあ!!」ガシガシ

愛「なんでそうなるの!? 誰も役立たずなんて思ってない! 自分を卑下するのもうやめな!!」
 

侑「愛、ちゃん? どうしたの……?」

愛「はあ、はあ……ゆうゆ」

愛「ん、なんでもない。そっちこそどしたの?」

侑「あ、これ璃奈ちゃんの分のご飯。少し多めにしといたから」

愛「ありがとう。でも、ムリかも。さっきアタシのあげたんだけど、吐き出しちゃった」

侑「え? 璃奈ちゃん大丈夫なの?」
0378名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 21:27:51.31ID:aJtifYzs
愛「熱がすごくて。ちょっと、まずいかも。解熱剤とかって誰か持ってる?」

侑「あ、えっと……確か栞子ちゃんが救急箱持ってた。ちょっと待ってて」
 

栞子「……」ボー

 栞子ちゃんはただ座っていた。気怠げな表情で窓の外、トンネルの壁を見つめている。なにも考えていないような、魂が抜けてしまったのか、抜け殻のような状態。

侑「栞子ちゃん、救急箱借りてもいいかな……?」

 返事はない。こちらを見ることもない。 

栞子「どうぞ……」

 しばらくして、ぽつりと蚊の鳴くような声が発せられた。

侑「……ありがとう」

 私はこれ以上のかける言葉を見つけられず、その場を後にした。
0379名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/03(日) 21:33:47.39ID:aJtifYzs
侑「解熱剤、解熱剤……あった。これかな」ハイ

愛「りなりー、これ飲んで。……うん、そう、ゴクンして」

璃奈「……ん、ぐ。はぁ、はぁ」

侑「腕の具合は?」

璃奈「すご、く、痛い」

愛「ちょっと緩んでるね。りなりー、一回解くよ」

 巻かれた布を丁重に解いていく。その途中、ふと愛ちゃんの手が止まる。

愛「……」

 璃奈ちゃんの華奢な左腕は、関節の辺りで大きく膨らみ、青白く変色していた。異常なほど腫れ上がった打撲箇所、いちじくを潰したかのような内出血は肘関節全体にまばらに広がっている。

侑「ひどい……っ」
0380名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/03(日) 22:44:53.57ID:OsjxtpHz
なんてこった
0383名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/09/05(火) 01:52:08.55ID:1XKKQZX0
こういう話は最終的に特定のキャラやカプだけ色々失ってもお互い支え合って幸せになんてことになったらものすごいモヤモヤしそう
0384名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/05(火) 14:18:50.58ID:bcVRpzuZ
>>368
彼方「あああぁあぁああ!!!」

ガン!ガンガンガン!!

ここ、ワロタ
0386名無しで叶える物語(光)
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2023/09/05(火) 14:41:16.89ID:AQK1OFKG
24時間書き込まれなかったら落ちるんだっけ?
0388名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:05:09.69ID:OXzmyGUb
愛「りなりー、よく我慢できたね。ホントすごい。尊敬する……強いよ」

璃奈「あ"あ、いだい、い"たいいだい!」ポロポロ

愛「大丈夫、大丈夫。ゆっくりやるから。深呼吸して、落ち着いて」

 璃奈ちゃんの悲痛な声が響く中、愛ちゃんは言い聞かせるように慎重に手を動かした。

愛「――――ふぅ。しおってぃーのようにはいかないけど、さっきよりはガチガチに固めといた」

璃奈「……っ、」ブルブル

愛「これ羽織って、体冷やさないようにして。薬が効いてきたら、少しはマシになるはずだから……うん、よく頑張った」ナデナデ
0389名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:06:58.67ID:OXzmyGUb
侑「……」

愛「ゆうゆ、りなりーさ……骨折してるかも」

侑「……え、骨折? 打撲じゃ」

愛「ねえ、どうしようゆうゆ。アタシ、もう耐えられない」ガシ

愛「りなりー、多分もうそんな長く持たない。どんどん弱ってる。ランジュだけじゃなく、りなりーまでいなくなったら……」

侑「愛ちゃん、だめだよ。そんな弱気になっちゃ。璃奈ちゃん今すごく頑張ってる。なのに、愛ちゃんまでそんなになったら悲しむよ」

愛「それでも、傷ついていくみんなの姿見るのつらいんだ」

侑「愛ちゃん……」

愛「ゆうゆ、気づいてる?」

侑「え?」

愛「まだ、2日。たったの2日だよ。カナちゃんやかすかすだって、昨日までは普通だった。笑ってた。でもこのトンネルに閉じ込められてから、何かがおかしくなってる」
0391名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:08:58.23ID:OXzmyGUb
愛「コンパスの針が狂うみたいに、自分を見失っていく……」

侑「なに言って……愛ちゃんまで変になっちゃったの?」

愛「アタシはまだ正常のつもり。だけど、もし3日目を迎えるようなことになったら、一体何人がまだ人でいられると思う?」

 ぞっとするような冷たい瞳。体が震える。それは、決して寒さの所為だけじゃない。

愛「怖い? 顔色悪いよ。もういいから、歩夢のとこ行ってあげな」

 話は終わりとでも言うように、愛ちゃんは璃奈ちゃんへと向き直る。

侑「……」

 『正常のつもりでも』
 その言葉が胸にしこりを残す。私も、側から見れば既におかしくなっているのかも知れない。
 

侑「歩夢、背中見せて……あ、血が滲んできてる。痛いよね」

歩夢「うん。背中、付けられないし……腕上げると痛い」

侑「跡残っちゃうと嫌だよ。歩夢の肌きれいだから」

歩夢「もう、こんな時に何言ってるの」プクゥ
0392名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:13:06.15ID:OXzmyGUb
侑「ふふ」

 大丈夫だ。私にはまだ歩夢がいる。歩夢がいるから、耐えられる。

歩夢「……侑ちゃんはさ、もし傷が残っても」
 

すみれ「あの、ちょっといいですか?」

侑「あ、すみれちゃん? どうしたの……あれ、歩夢なにか言った?」

歩夢「……ううん。なんでもない」ニコ

すみれ「あの、恋がお手洗いに行ったきり戻って来ないんです。ちょっと、探しに出てもいいですか?」

侑「恋ちゃんが? そういえばいないね。大きい方だったりしない……?」

すみれ「そう思って待ってたんですけど、流石に遅すぎて」

侑「一緒に行こうか?」
0393名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:19:26.63ID:OXzmyGUb
 本当は歩夢の側を離れたくない。でも、ランジュちゃんの代わりはいない。だから、リーダーとして私にできることをするんだ。

すみれ「大丈夫です。かのんと行きます」

侑「……いいの?」

すみれ「あなたも、少し休んだほうがいいです。顔色、ずっと悪くて、見てると心配になるわ……」

侑「え、そう、かな」

 歩夢を見る。彼女はぎこちなさそうに頷いた。

侑「……じゃあ頼んだよ。もしなにかあっても、まずは戻ってきて。あと、外すっごく冷えるから、なるべく着込んでってね」

 2人を見送る。
 ランジュちゃんの件もあり、最悪の事態を想定してしまう。恋ちゃんは、初日にサヤさんという大事な人を失っていた。
 彼女も危険だ。1人にしてはいけない。
0394名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:22:31.83ID:OXzmyGUb
侑「サヤさんて、どんな人だったんだろう。家族って、言ってたね」

歩夢「うん。きっと、すごく素敵な人だよ」

侑「もし、その人がここにいてくれたら、私たちここまでボロボロにならなかったのかな」ポツリ

侑「私やランジュちゃんの代わりに、みんなをまとめてくれたんじゃないかって。いいアイデアを出して、被害を最小限に抑えてくれたかもって考えちゃうんだ」

 それこそ、歩夢や璃奈ちゃんの怪我にだって適切に対処してくれたかも。

侑「……なんて、たらればのこと考えても意味ないよね」

歩夢「ううん。侑ちゃんよくやってるよ。私も、もっと力になれたらいいんだけど」

侑「歩夢は隣にいてくれるだけで、十分力になってるよ。私を守ってくれたし。こんな怪我しちゃったけど、あの時の歩夢かっこよかった」
0395名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:24:29.93ID:OXzmyGUb
歩夢「咄嗟に体が動いたの。侑ちゃんになにかあったら、きっと私もだめになっちゃうから」

 これって普通? 少しだけ歪なのかも。でも、この狂った世界で確実に信頼できる相手がいるってすごいありがたいことなんだ。

侑(歩夢さえ、いれば……ほかに)

 あれ、私、なに考えてるんだろう まあ いいか
 

 しばらくして、すみれちゃんたちが戻ってきた。隣には恋ちゃんもいる。

すみれ「恋、外でうずくまってた。バンに戻ろうとしたのかわからないけど、それで凍死なんてしたらシャレにならないわ」ハァ

かのん「恋ちゃん、手真っ赤だよ。しもやけになっちゃう」

恋「すみません。サヤさんが呼んでいる気がして……」

すみれ「ちょっと、恋あんた」
0396名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:26:24.22ID:TNL2Ngx1
どっちの生徒会長もボロボロだ……
0397名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:26:27.18ID:OXzmyGUb
恋「声が聞こえるんです。助けて、ここにいるよ、置いてかないでって」フルフル

かのん「……気のせいだよ。しっかりして恋ちゃん。気を強く持って」

恋「ああ、きっと震えてます。寒い、寒い、寒い。あんな軽装のままで、冷たくなって」

すみれ「っ、もういいわ。上着貸してあげるから、それ被って横になってなさい」

侑「恋ちゃん、また急にあんな……」

可可「……あの」オズオズ

侑「ん、可可ちゃん? どうしたの?」

可可「今日、助け来てくれマスカ? クゥクゥ、すみれとケンカしたままはいやデス。ここを出て、ちゃんと謝って……またスクールアイドルしたい」
0398名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:29:38.78ID:OXzmyGUb
せつ菜「大丈夫ですよ。きっと来ます。その時に備えて、体力を温存しておくんです」

可可「……はい。まだ、死にタクナイ。やりたいこと、たくさんあるデス」

侑「うん、うん。私も……ピアノ弾きたいなぁ」

歩夢「侑ちゃんのピアノ、聴きたいな。あとお料理したり、アクセサリーとか、作りたい。欲しい服もたくさんあるの」

侑「買いに行こうよ。奮発して、全部買っちゃおう」

せつ菜「いいですね。私も、ご一緒してもいいですか?」

侑「もちろん。Liellaのみんなも、一緒に行こうよ」

かのん「い、いいんですか? わあ、嬉しいな」

可可「クゥクゥ行きたいところあるデス! オダイバ!」

歩夢「ふふ、案内してあげるね。いいところ、たくさんあるんだよ。美味しいクレープ屋さん、連れて行ってあげる」
0399名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:30:32.45ID:TNL2Ngx1
未来のことを話せば気は楽になるよな
……よな?
0400名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:32:50.68ID:OXzmyGUb
侑「また食べたいね。全種類頼んじゃおうよ」

歩夢「お腹壊しちゃうよ、侑ちゃん」

可可「クゥクゥたちもいますカラ。山盛りしちゃいまショウ!」

かのん「うへえ、胸焼けしそう」

侑「あはは」

 こんな普通の会話したの、久しぶりに感じる。楽しい。

侑「あー、なんだろう。みんなの顔、まわってる」

歩夢「ええ? 侑ちゃん? どうしたの」

せつ菜「え? 大丈夫ですか? 侑さん?」

 息が上手く吸えない気がする。頭がぼうっとして、視界がぼやける。宙に浮いている感覚。
0401名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:34:16.77ID:OXzmyGUb
侑「ごめん、ちょっと、横になるね」

 寝不足かな。ずっと神経張ってたから、急に気が抜けて一気に疲れがきたのかも。

せつ菜「侑さん、ゆっくり息吸ってください。酸素不足かも知れません。息苦しくないですか?」

歩夢「侑ちゃん? 侑ちゃんっ」

侑「うん、へーき。も、すこし、このままで、いさせて」

 ああ、しんどいな。寒い、お腹空いた、喉が渇いた。
 そろそろ限界? まだいける? どうだろう

 自問自答を繰り返し、歩夢やせつ菜ちゃんたちに見守られながら、私はゆっくりと意識を手放した。

――――
――――――――

かのん「大丈夫かな。あのまま目覚めないなんてことないよね」

千砂都「かのんちゃんたちとお話して、気が抜けちゃったんじゃないかな。多分、思ってる以上に余裕なかったはずだよ」
0402名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:35:27.27ID:OXzmyGUb
千砂都「ランジュさんて人がいなくなって、みんながあの人に負荷をかけすぎた。背負わせすぎて、潰れる寸前だった」

かのん「……リーダーだから? もし、私があの時選ばれてたら、私もああなってた?」

千砂都「うーんとね、かのんちゃん。トロッコ問題って知ってる?」

かのん「え、なに急に。トロッコ?」

千砂都「簡単に言えば、1人の命と複数の命、どっちかしか救えない状況で、自分だったらどっちを助ける? って問題」

千砂都「例えばその1人が自分の大切な人、家族や恋人で、複数人の方は名前も知らない他人。命の重さはその数に比例するのか、かのんちゃんは選べる?

かのん「なにそれ。そんなの、選べるわけないよ」

千砂都「そうだね。人の倫理観が問われるから、正解のない問題だって言われてる。でもね、私は答え出せるよ」
0403名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:36:52.58ID:OXzmyGUb
かのん「え?」

千砂都「ここでは、命の価値は平等じゃない。助かる命、捨てる命……それを選別する時がきっと来る」

かのん「どういうこと。ちいちゃん、自分がなに言ってるかわかってる?」

千砂都「私は他の人全員の命より、かのんちゃん1人の命の方が大事なんだ。もし、その時が来たら」

千砂都「――――躊躇わず引くよ」

――――
――――――――

「3日目」

 救助は来なかった

 私が目を覚ました時、日を跨いで3日目を迎えたのだと、なぜかそう直感した。

 そして、この日が最後になることを、どこか肌で感じていた。
0404名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:43:05.50ID:OXzmyGUb
 救助が来ない絶望感に打ちひしがれ、どこか退廃的な空気が漂う。頭痛と吐き気を訴える声が次々に上がる。寒さで手足の感覚はほとんどなかった。

愛「誰か水を! りなりーが! あぁああ、やばいやばい、りなりー死んじゃうっ」

 愛ちゃんの切羽詰まった金切り声。

 粘土のような生気のない肌。唇はカサカサにひび割れ、出血している。最初は璃奈ちゃんだった。

エマ「……だめ。もう、お水ほとんど残ってないの。璃奈ちゃんにあげたら、私たちの分なくなっちゃう」

愛「だめ、って? りなりーを見殺しにしろってこと? は? 意味わかんないよ、アタシたち友だちでしょ、仲間でしょ?」

エマ「でも璃奈ちゃんお水飲まないじゃん!! あげても全部吐き出しちゃった! わたしたちだって我慢してたっ、璃奈ちゃんのために」

愛「なにそれ。だからって放っとけるの? アタシ知ってるんだよ、エマっちがこっそり食料盗ってるの。水だってこっそり隠し持ってるんでしょ!」ガタン
0405名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/05(火) 21:44:58.57ID:TNL2Ngx1
やっぱり体が小さい子と大きすぎる人はこういう時ヤバいな……
0406名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/05(火) 21:45:41.69ID:OXzmyGUb
エマ「知らない! 勝手なこと言わないで!!」

 興奮気味の愛ちゃんがエマちゃんに掴みかかった。激しい取っ組み合い。狭い通路で、2人はあちこちに体をぶつけながらも髪を引っ張り、服を引きちぎり、憎しみをぶつけあった。

ミア「ストップ!! オイ、こんなところでケンカしてる場合か!? 璃奈のことを考えろ!」

 2人は耳を傾けない。

せつ菜「やめてください!! 2人とも、お願いですっ、やめ――――ッあ!?」

 割って入ったせつ菜ちゃんの顔に、愛ちゃんの肘が入る。

せつ菜「っ、つ うが、ぐ」ボタボタ

侑「せつ菜ちゃん!!」

 決して少なくない量の血を鼻から流し、せつ菜ちゃんは座席に倒れ込んだ。

愛「このっ、ぐ、うぁあああ!」グググ

エマ「カッ、ゲホっ! ――――か、果林ちゃん!! 助けて!」
0407名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/05(火) 21:48:43.65ID:TNL2Ngx1
人の精神的支柱になることの多い二人がこうなりだすのはホントにマズい
0408名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 21:49:31.56ID:OXzmyGUb
果林「え、」

愛「カリン! 早くエマっちの荷物取って! 水入ってると思うから!! 早くりなりーに!」

エマ「果林ちゃん!! おねがいっ、早く来て!」

果林「なんで、エマ、愛っ、どうして私なの……」

愛「カリン!!!」

エマ「果林ちゃん! わたしたち親友だよね!? 私の夢を一緒に応援してくれるって、約束してくれたよね!!?」

果林「え……ま」

エマ「ずっと、ずっと、ずっとずっと!! 早く! 果林ちゃん!」

果林「……ごめん、なさい。ごめ、っ、なさい」ガシ

愛「っ、?! なんで、カリン」

エマ「ハァ、ハァ――――っ、」フラ
0409名無しで叶える物語(茸)
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2023/09/05(火) 21:54:51.72ID:JAXVt7Pw
ここらへんでそろそろ誰かが新興宗教的な行動を始めそう… 

なんで誰も助けに来ないんじゃない
0410名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/05(火) 22:21:33.84ID:OXzmyGUb
 果林さんが愛ちゃんを羽交い締めにし、エマさんから引き離す。拘束から抜けたエマさんは、側にあったクーラーボックスを手に取り、

――――ガン!

 勢いよく愛ちゃんの頭に振り下ろした。ボーリングの玉を床に落としたような鈍く重い音が鳴る。

愛「……信じ、ってたのに……カリン、おなじ、ゆにっ とで」ガク

 力無く倒れる。頭部から流れる血が、通路に広がっていく。

ミア「エ、マ、おま、え……自分がなにしたか、わかってるのか?」

エマ「ああ、違うの。わたし、そんなつも、じゃ、っ ねえ、きいて、侑ちゃん、果林ちゃん。事故なの。こんなっ、どうして」

侑「え、エマさん。落ち着いて、お願い。それ、下ろして」

エマ「わたし、わるくないよね? いいこと、したよね?」

しずく「愛さん! そんな、血が。ひどい、これじゃ」

愛「っ、っ、」ピク、ピク

果林「あああ、愛、愛っ!」ユサユサ
0412名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/05(火) 22:30:39.82ID:TNL2Ngx1
果林さん、加担しちまったな
0413名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2023/09/05(火) 22:36:14.92ID:8cLBZs1v
璃奈優先して他メンバー蔑ろにしてるんだから処理しといて正解だろ
0417名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/05(火) 23:34:55.47ID:OXzmyGUb
ボーリング× ボウリング⚪︎
0418名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/09/05(火) 23:45:37.44ID:H13valB1
スクスタやアニメでは精神的に脆い部類だったせつ菜がここでは正気な方なのが面白いね
そして千砂都や歩夢は相変わらずなのがフラグ過ぎて怖い
0421名無しで叶える物語(ますのすし)
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2023/09/07(木) 04:12:41.57ID:83gmhsx0
虹5thの試聴聴きながら読むんじゃなかった
0422名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/07(木) 12:23:25.24ID:qGr6Z1rK
>>1
今年もエタる
0424名無しで叶える物語(光)
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2023/09/07(木) 15:26:46.65ID:WtvLIz1y
昔4回程立て直して結局エタったssあったなあ
0426名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/07(木) 19:40:58.91ID:hBAQgYmD
書いたこと無い人にはわからないだろうけど、書き溜めをコピペして投稿するだけでもある程度気力と時間が要るんだよなあ
0427名無しで叶える物語(SB-Android)
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2023/09/07(木) 19:42:20.68ID:UJKqQcWL
もう書き溜めないんじゃないの?最終章辺りまでしか書き溜めないと言ってるし
0429名無しで叶える物語(光)
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2023/09/07(木) 20:16:56.34ID:nd/FJJ1W
時間は分かるが気力は理解できない
0431名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:09:01.93ID:0KgVv1rK
すみれ「動かしちゃダメ! 傷口押さえて!!」

すみれ「やばい、やばいやばい……痙攣してる、こんなのどうすればいいのよ!」

果林「わ、わたっしの、せ、で あいが」

ミア「栞子!! なんとかできないか!? オイ! 聞いてるのか!?」

栞子「……?」

ミア「こっちを見ろ! 栞子ッ、しっかりしろ!! お前が頼りなんだ!」

歩夢「せつ菜ちゃん、鼻押さえて! 上向いちゃだめだよっ」

せつ菜「ぅう、鼻が熱いです。ん、っ……愛さんは?」ポタ、ポタ

歩夢「わからないけど……かなり危険だと思う」
0432名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/07(木) 21:10:49.83ID:7P1igadt
来たか
恐ろしい
0433名無しで叶える物語(光)
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2023/09/07(木) 21:12:45.73ID:nd/FJJ1W
もし過去作あるなら教えてくださいな
そっち読みながら完結待ちます
0434名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:13:28.56ID:0KgVv1rK
本当に申し訳ないです。もう最終章付近なので、二日に一回くらいのペースで投稿していきます
0435名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:15:03.78ID:0KgVv1rK
侑「エマさん、早く、それを捨てて。深呼吸して……うん、大丈夫だから。愛ちゃん絶対助かるから」

エマ「侑、ちゃん。あれ、なんで わたし、こんなの持って。血、付いてる……」ゴト

エマ「愛ちゃん、どうして寝てるの……? だめだよ、そんなところで。はやくおきなきゃ」

すみれ「近づかないでください! 誰か、この人遠ざけて! 何するかわからないわ」

エマ「なんで、そんなこと言うの」

エマ「愛ちゃんが先にわたしを襲ったんだ。抵抗しなかったら、わたしがああなってた! ちょっと大人しくさせようとしただけなのに、どうしてそんなひどいこと言われなきゃいけないの!!」

すみれ「どんな馬鹿力よ……っ。殺す気だったくせに」キッ

エマ「なに!? あなたには関係ないよねっ? そうやって、みんなわたしを悪者にするんだ。ずるい、ずるいよ!!」ダンダン

かのん「ひっ、す、すみれちゃん。なんでそんな怒らせるようなこと」
0436名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:20:05.92ID:0KgVv1rK
すみれ「もういい。この際ハッキリ言わせてもらうわ」

すみれ「……みんな狂ってる。おかしくなってる! だから平気でこんなことができるの。友達を疑って憎んで、傷つけ合って! それで最後はどうなるの!?」

 すみれちゃんの悲壮な訴えに、みんなばつが悪そうに顔を伏せた。

すみれ「私も一時の感情に流されて友達を傷つけた。でも、もうやめにしない? この人だって、今日救助が来れば、きっと助かる」ギュ

可可「すみれ……」

彼方「そう言って、結局昨日も来なかった。今日来る保証なんてあるの……? もしかしたら、忘れられてるかもね」

 不意に、彼方さんが言葉を発した。おでこの血はすっかり乾いて、不気味な模様を作っている。

すみれ「そんなのわからないじゃないですか。だからって見捨てていい理由にはならないわ」

彼方「……そっか」コツン、コツン

 彼方さんは座席に頭を軽く打ちつける。それを延々と繰り返す。

すみれ「懺悔のつもり……? 頭おかしいんじゃないの」ボソ
0437名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/07(木) 21:21:09.61ID:7P1igadt
何人かがメンタルが強くて正気保ってるだけに余計に周りを狂わせていく負のスパイラルが生まれてる……
0439名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:23:52.30ID:0KgVv1rK
侑(彼方さん……)

 ぶつぶつぶつと、うわ言のように謝罪の言葉を呟く彼方さんには誰も近づこうとしなかった。
 

エマ「あ、ああ……わたし、どうなるの? ここでたら捕まっちゃう? こわいよ、果林ちゃん」

果林「っ、大丈夫よ。愛はまだ生きてるわ。こんなので捕まるわけない」

ミア「こんなのって、ふざけるなよ。愛を殺しかけておいて、自分の心配か? こんなの立派な殺人だぞ!! エマも、果林も!!」

果林「じゃあ、エマが殺されてもよかったって言うの!? 首絞められてた、苦しそうだった、助けを求めてた。あんなの黙って見ていられるわけないじゃない」

ミア「今の愛を見ろ! その結果がコレだ! 最後のは明らかにやり過ぎだったじゃないか!」

果林「そう言うあなたはどうなのよ!? 口ばっかりで、偉そうにして! 自分じゃなにもしないくせに!」

ミア「なっ!? そんなこと、ボクはッ」

侑「もうやめてよ、2人とも。また同じこと繰り返すつもり?」

すみれ「侑さん、構わなくていいです。それより手伝ってください。かのんも来て!」
0441名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:28:14.94ID:0KgVv1rK
かのん「え!? な、なにするの?」

すみれ「そっちの腕持って。侑さんは背中支えててください」

 3人で愛ちゃんを引きずるようして移動させる。

侑「はぁ、はぁ。愛ちゃん、目覚さない」

かのん「息はしてるみたい……だけど。どんどん顔白くなってる」

すみれ「当たりどころが悪かったんだわ。今はこの人の生命力に賭けるしかない」

侑「うん。ありがとう、すみれちゃん。助かったよ」

すみれ「いいの。それよりも、あの2人」

 エマさんと果林さんを警戒するように見た。

すみれ「状況が状況とはいえ、あの人たちは明確な敵意を持って人を攻撃した」

 そう言い、指で宙に横線を引いた。
0442名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:31:36.41ID:0KgVv1rK
すみれ「もう3日目。食べ物や水も底をつきかけてる。全員には満足に行き渡らない。そんな中で、解決のために言葉じゃなくて暴力に訴えるようになったらどうなりますか」

 他人を傷つけてはいけない。それは持ってて当然の価値観。でも、

すみれ「人が無意識に引いていた最後のラインを、あの人たちは超えた」

 前例を作ってしまった。
 
すみれ「もしまたあんなことが起こったら、止められる人いますか?」

侑「起こらないよ。もう、絶対に」

 ランジュちゃんはいない。歩夢も満足に動けない。彼方さんや栞子ちゃん、かすみちゃんは自分のことで一杯一杯だ。

しずく「侑さん、隣にいてもいいですか……?」

侑「しずくちゃん……もちろん。おいで」

 不安そうに眉を下げ、今にも泣きそうな顔でしずくちゃんが隣に座る。

侑(しずくちゃんには酷だよ。無理だ……ミアちゃんも)

 せつ菜ちゃんにだって、これ以上無理をして欲しくない。
0443名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:33:31.85ID:0KgVv1rK
侑「エマさんも、今は混乱してるだけ。すぐにいつもの優しくておっとりしたエマさんに戻るよ」

 みんな、自分が生き残るためなら、誰かを犠牲にしてもいいなんて思ってないよね。ここまで来たんだよ。いつ助けが来てもおかしくないんだ。だから、

 もうちょっとだけ、頑張ろうよ
 

エマ「ねえねえ、こういうのって正当防衛ってのになるんだよね?」

果林「え、わからないわ。でも、緊急避難って言葉なら聞いたことある。それなら罪には問われないんじゃないかしら」

エマ「そっか。愛ちゃん無事だといいな。あー、なんだかお腹すいてきちゃった」ガサゴソ

果林「あの、エマ……なんでそんなに」

エマ「ん? あ、違うよ? ずっと残しておいたの。果林ちゃんもわたしが盗ったって思う?」

果林「そ、そんなこと……思ってないわ」

果林「……っ」グウウ

エマ「えへへ。ありがとう。わたし、果林ちゃんのこと好きだよ。これあげるね」ハイ
0444名無しで叶える物語(光)
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2023/09/07(木) 21:36:22.33ID:nd/FJJ1W
>>438
ありがとうございます
懐かしい!これ好きでもう10回以上読みました
0445名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/07(木) 21:37:48.13ID:7P1igadt
パワー系が暴力解禁した時はマジで独裁政治出来ちゃうんだなぁ……
加えて同じくらいパワー出せる愛さんとランジュがいない状況だと、エマさんがキングになるわけか
……エマさん暗殺し出す奴とか現れないよな?
0446名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:37:48.69ID:0KgVv1rK
果林「! ありがとう、エマ」

エマ「またなにかあったら助けてね。あ、でもお水どうしよっか……」ウーン

エマ「あーあ。誰かがお水を外に放り置いてなかったら、愛ちゃんとケンカにならなかったのになぁ」

果林「そうよ。エマは悪くない。いつまでも名乗り出ない卑怯な子がいるのよ」

エマ「まさか、すみれちゃん? 愛ちゃんが倒れた時すぐに助けにきたよね。それって自分のせいだって思ってたからじゃないかな」

すみれ「……」

エマ「あ、でもミアちゃん言ってたね。確か、くう」

すみれ「――――!」

すみれ「私よ! 私がやったの!!」
0447名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/07(木) 21:42:47.13ID:7P1igadt
唯一ダメージなしで運動能力もある果林さんまで味方に引き込んどるし、唯一の反乱分子化しそうでスペックも高いすみれ狙い撃ちに来た……
フィジカルモンスターのくせに策士だなぁ、エマさん……
0448名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:44:13.46ID:0KgVv1rK
侑「すみれちゃん!」

かのん「ちょっ!?」

可可「……え」

エマ「なんだ、やっぱりすみれちゃんなんだ……悪い子」

すみれ「そうよ。私が最後に飲んだ。キャップも緩くして外に置いといたの。謝るわ」ペコリ

エマ「すみれちゃんのせいで、愛ちゃんがああなっちゃったんだよ。いまさら謝られても困るよ。責任とれないよね」

すみれ「ごめん、なさい……っ」ギュウ

果林「あんなこと言っておいて、あなたの方がよっぽどおかしいじゃない。自覚ないって怖いわ」

エマ「そうだ! 罰として今日はごはん抜きにしよう」

すみれ「!」

果林「ええ。本当なら厳しく叱らないといけないけど、あなただって痛いのは嫌でしょう?」ニコ

すみれ「は、はい」ブル
0449名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:46:32.31ID:0KgVv1rK
エマ「お水も我慢してね。大丈夫だよ。1日くらいならへいきへいき」

エマ「でも示しがつかないから、ちょっとだけお仕置き必要かなぁ。悪いことしたらちゃんと叱らなきゃね」

果林「エマがそう言うなら……」

すみれ「え、な、なんでよ。どうして」

エマ「うーん、なにがいいかな。弟が悪いことしたときは、よくプロレスごっこしてたっけ。えっとね、こうやって腕組んで、ちょっとだけ力込めて倒したら……」

エマ「めっ、て怒るんだ。もちろん軽くだよ。あんまり痛い思いさせたくないし。かわいい、かわいい弟だから」フフ

すみれ「ひっ、」

エマ「いまはあんまり手加減できないかもだけど、しょうがないよね」スッ

侑「エマさん、やめて!」
0451名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/07(木) 21:51:12.70ID:0KgVv1rK
 まずい。エマさんを刺激させ過ぎた。このままだとすみれちゃんが、
 

可可「――――停下来!!」
 

エマ「なに?」ピタ

可可「クゥクゥです、やったの。もう、やめてクダサイ。これ以上、すみれを責めないで……」グス

すみれ「可可、この……ばか」

果林「え、あなたなの? なんなの……私たちをからかってるの?」

エマ「ふーん。別にどっちでもいいよ」ガシッ

すみれ「いっ」

 エマさんは可可ちゃんを無視して、すみれちゃんの腕を取ると一気に捻り上げた。

すみれ「がっ、あぁああ!?」

可可「すみれ!!」
0452名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/07(木) 21:53:27.31ID:0KgVv1rK
すみれ「ぎぃぃっい、い"だいいだ"ぃい!!」バタバタ

エマ「我慢してっ、ヘタに動くと折れちゃうよ」

すみれ「ひっひ、、びぃ、ぃいい」

可可「すみれを離せ!!」ドン

エマ「いたっ、果林ちゃん!!」

果林「邪魔しないの! お仕置きなんだから終わるまで大人しくしてて!」グッ

可可「あ、ああ! すみれぇ! すみれ!」

ミア「っ」

かすみ「あひっ、ひひ、あははは!」

せつ菜「は、離してください! あんなの、見過ごせません!」

歩夢「だめ! 今のせつ菜ちゃんがいっても、また怪我しちゃう! うぐっ!?」ズキン

 誰も止めに入れない。割って入れば、次は自分が痛い目に遭う。
0453名無しで叶える物語(光)
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2023/09/07(木) 21:59:31.61ID:nd/FJJ1W
ちさとが背後から殺りそう
0454名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/07(木) 22:05:02.78ID:0KgVv1rK
侑「しずくちゃん、お願い。一緒に」

しずく「いやです! ごめんなさい……でも、こわいんです。もういや」ガタガタ

侑「そんな、」

かのん「ちぃちゃん! すみれちゃんが、すみれちゃんが死んじゃうよ!! どうしよう、みんなで止めに」

千砂都「だめ、そんなことしたらかのんちゃん守れない」

かのん「はぁ!?」

千砂都「殺すわけないよ。すみれちゃんにはちょっとだけ痛い思いしてもらう。それが一番平穏に事が済むんだ」

かのん「どこが平穏!? すみれちゃんがなにされてるか見えてないの?? ちぃちゃん!!」

可可「は、なっせぇ、ぐぅ、この」ガブッ

果林「痛い!? か、噛んだわね、」グイ

 果林さんは可可ちゃんを引き剥がすと、彼女の体を持ち上げ、座席に叩きつけた。
0458名無しで叶える物語(光)
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2023/09/07(木) 22:33:43.32ID:nd/FJJ1W
そうだった千砂都がかのん以外を助けるわけ無かったな
0459名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/07(木) 22:35:21.64ID:LwcLcU/w
ただのクズに改変しすぎだしわざわざ複数グループ集めて争わせて自滅させるだけのヘイトSSになってない?
0461名無しで叶える物語(茸)
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2023/09/07(木) 22:38:52.14ID:U8syhjzn
あ〜この瞬間誰か屁をこいたらとんでもないことになりそう
0462名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/07(木) 22:41:07.18ID:7P1igadt
この人初SSの時でも割と歪みとか書いてたし(リンク張ってあんの読んだ)
そういうのが趣味なんじゃねえかな
理性を保つ優しい人たちが、自分の本能を優先した結果人間関係がグチャグチャになるのが癖な感じなんだと思う
0465名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/09/08(金) 00:28:10.45ID:YoEmpMyt
ミアちゃん最年少だから本来なら庇護される対象なのにね
追い詰められるとそうも言ってられないか
0468名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/09/08(金) 19:59:33.33ID:EACEz9M4
>>457
最終章はまだじゃない?全5章構成って言ってるし
4章の終わりなんだと思う
0469名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/09/08(金) 20:00:29.22ID:EACEz9M4
>>438
懐かしい
0475名無しで叶える物語(八つ橋)
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2023/09/09(土) 20:52:08.89ID:xB9NHHOF
またエタるのか?
0477名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/09(土) 23:49:19.90ID:1KucrxEU
すみません、明日の昼頃に投稿します
0479名無しで叶える物語(八つ橋)
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2023/09/10(日) 00:55:36.13ID:6oGMWr/D
がんばれ
0480名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:22:22.31ID:EzuKdF1w
可可「――――がはっ!?」

 そのままマウントを取ると、何度も何度も拳を振り下ろす。

可可「ぎゃふっ っか!? やべで、っくだざい!! いだ、っ」

果林「フゥっ、フゥ、ふ、ふふ」

すみれ「くう、ぐうっ、……!」

エマ「もう、余計なことするからだよ。これに懲りたr

――――ガンッ!

恋「……」ハーハー

かのん「恋ちゃん……!?」

すみれ「れ、恋……あんた」ゼェゼェ
0481名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:25:04.55ID:EzuKdF1w
 エマさんの背後には、片手サイズの瓦礫を持った恋ちゃんが立っていた。それでエマさんを殴りつけたのだ。

恋「わかりません、どうして、こんなこと」ゴトン

すみれ「あの時から、隠し持ってたのね……まっ、たく」
 

エマ「……いったぁい。血、でてる」

すみれ「っ!!」ドンッ!

エマ「うわっ!?」

 エマさんの拘束が緩んだ一瞬の隙を、すみれちゃんは見逃さなかった。腕を振り解き、彼女に体当たりをかます。

すみれ「可可!! 逃げるわよ!」

 その勢いのまま、状況を飲み込めず固まっていた果林さんを押し退け、可可ちゃんの手を取った。

すみれ「恋! あんたも来なさい!!」
0482名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:26:35.03ID:EzuKdF1w
恋「……え、」

すみれ「ここにいたら、なにされるかわかんないわよ!?」

かのん「すみれちゃん、どこ行くの!? 外出たって凍えちゃう、まさか」

すみれ「追ってこなくていい! あとは私たちでなんとかするから!! 心配するな!」

 そう言い切り、すみれちゃんたちはバスから転がるように飛び出した。

かのん「すみれちゃんたち、バンに戻る気だ。なにも持たずに、あのままじゃ危険だよ!」

千砂都「落ち着いて。多分、まだエンジンは動くと思うから、ここよりはあったかいよ」

かのん「そうかも知れないけど! 可可ちゃん怪我してる、すみれちゃんだって! それに、あそこにはサヤさんが……」

千砂都「かのんちゃん、今はすみれちゃんたちより自分のたちの心配したほうがいいかな。私たち、一番危ないかも」ジリ
0483名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:28:19.33ID:EzuKdF1w
果林「待ちなさい! エマにあんなことしてただで済むと思ってあ!?」グラ

せつ菜「っ!」ガシッ

歩夢「せつ菜ちゃん!」

果林「せつ菜!! 離して! ちょっ、やめ」グイグイ

せつ菜「ぐ、ぅ、だめです! 冷静になってください! 果林さん!」

歩夢「果林さん、もうやめて……っ、自分の手を見て!」

果林「は?」

せつ菜「その、血は、っ……誰のものか、わかりますか?」ハァハァ

果林「血って、なにを……ひっ!?」

歩夢「自分がなにをしたか、気づいた? あんな顔した果林さん、もう見たくないよ」
0484名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:33:04.72ID:EzuKdF1w
果林「私、あの子をそんなに……無我夢中で、悪気はなかったのよ。頭に血が上っちゃって、カーってなって気づいたら……」

ミア「笑ってた」

果林「……え?」

ミア「人を殴ってるとき、心底楽しそうだった。果林、それがオマエの本性なのか?」

果林「変なこと言わないで! そんなわけない、わ、私は……エマのために」

ミア「そう言えばなんでも許されるって?」

果林「さっきからなんなの? あなたも痛い目にあいたい?!」

ミア「好きにしろよ。殴りたかったら殴れ。ボクはもう疲れた……役立たずは大人しくしてるさ」

果林「は、? なによ、それ……もうわけわかんない。どうしたらいいの」ガリガリ
0485名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:33:57.01ID:EzuKdF1w
 乱暴に髪を掻きむしる果林さんの姿は、どこか怯えている様にも見えた。恐れ、怒り、悲しみ、狂気、そんな感情が渦巻きぐちゃぐちゃに濁った瞳が私を捉える。

果林「侑、私どうしたらいい? 自分がもうわからないの」

侑「果林さん、大丈夫だよ。落ち着いて。まだやり直せるから」

 そんなの、私にだってわからないよ。こんな時、なんて言葉をかければいいの?

エマ「いいんだよ、果林ちゃん。あんなことしたから、びっくりしちゃって混乱してるんだよね」

 私が言い淀んでいると、エマさんが後ろから果林さんを抱き寄せた。果林さんの耳元で諭すように言葉を吐く。

果林「あ、エマ……頭の傷は大丈夫なの?」

エマ「平気だよ。果林ちゃん、こわいよね。お腹もすくし、喉もかわく。寒いからよけいにイライラしちゃう」
0486名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:36:01.58ID:EzuKdF1w
エマ「だけど、それがふつうなの。果林ちゃんはなにも間違ってない。いま苦しんでるのも、みんなのために動いた結果だから」

果林「でも、私笑ってたわ。あの時、ほんとは少しだけ気持ちが楽になった。なにもかもから解放されてる感じがして」

果林「もう元の私には戻れないって考えたら……すごく怖い」

エマ「悪いことした子を叱っただけだよ。みんなが生きるために、正しいことをしたんだ。それなのに責められなきゃいけないのは、りふじんだよね」

果林「ええ、ええそうよ。私、正しいことしたんだわ。だから、気持ちよかったのね。いいことしたから」

エマ「うん。可可ちゃんはうそついてた。すみれちゃんもそれを庇ったから、ぜーんぶ自分たちで蒔いた種。それを刈り取ったんだから、もっと褒められなきゃ」

 頭部の出血をものともせず、聖母のように果林さんが求める言葉を投げかける。
 でも、その口調はどこまでも冷たく平坦だった。
0487名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:38:14.38ID:EzuKdF1w
果林「それで、あの子たちはどうするの? 追いかける?」

エマ「すみれちゃんたちは自分の意思でここを抜けたんだから、ほうっといていいよ。じごーじとくって言うんだよね」

果林「じゃあ、このあとどうするの……?」

エマ「ちょっと休もっか。つかれたよ。頭いたいし」

果林「手当てするわ。侑、救急箱まだ持ってたわよね」

侑「う、うん」

しずく「……っ」ギュウ

 しずくちゃんが身を寄せてくる。彼女は果林さんに恐怖を感じていた。
 私も怖い。心なしか果林さんの体が大きく見えるのは、私が勝手に威圧感を感じているからかも知れない。

果林「ありがとう。私、頑張るわ。エマのために、みんなのために。やれること全部やる」

 言葉の端に不穏な影を残し、果林さんはエマさんのところに戻った。
0488名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:40:43.25ID:EzuKdF1w
かのん「あの人、ちょっとやばくない? 本当になにするかわかんないよ。私たちここにいて大丈夫?」

千砂都「うん、下手に刺激しなきゃね。すみれちゃんは目立ち過ぎちゃったから……私たちはしばらく大人しくしてよう」

かのん「ああ、すみれちゃんたち、無事に着いてるといいけど」

 かのんちゃんは祈るように目を瞑った。
 薄くぼんやりとした明かりがまばらに照らす、トンネル内は既に大部分を暗闇が占めている。

侑「……」

 極限状態が、人の中にある暴力性や残虐性を表面化していく。この閉鎖された暗闇の世界から、なんとしても抜け出さなければ。

しずく「早く、元の生活に戻れたらいいのに」

侑「そう、だね」

 本当に 戻れるの ?

 その言葉に、私は喉の奥に引っかかるなにかに強い嫌悪感を抱きながらも、頷くことしかできなかった。
0489名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:44:35.42ID:EzuKdF1w
――――
――――――――

可可「うげぁ」ドテッ

すみれ「可可! しっかりして、立つのよ!」

可可「あぐ、痛いっ。げほっ、すみ、れ、目がよく、見えマセン。いま、ど、こデスカ……」ヒュウヒュウ

すみれ「あんた、目……ひどい、こんなに腫れて」

可可「ごめんなさい、すみれ。クゥクゥのせいで……」

すみれ「謝らなくていいっ。ここまで来たのよ! 最後まで諦めるな!! 生き残るのっ、一緒に!」

恋「はぁ、はっ、は」ブルブル

すみれ「っ、まるで冷蔵庫の中にいるみたい。こんなに冷え込むなんて……」

可可「さきに、いてクダサイ。ちょ、っと休んでから、クゥクゥも行きマス」ゼェゼェ

すみれ「バカ! 凍死する気? ……ほら、背中おぶさって」スク
0490名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:46:57.84ID:EzuKdF1w
可可「へ?」

すみれ「そんな怪我でよくここまで来たわね。目も満足に見えてないってのに。アンタすごいわ」

可可「違いマス。すごいのは、す、みれの……ゲホッ」

すみれ「可可!」

可可「手がビリビリしま、す。足も、はっは、う、さむ、い」

すみれ「早く腕回して! そう、しっかり捕まっててよ」

可可「は、は、……あったかい」ギュウウ

すみれ「恋は自分で歩けるわね……よし、行くわよ。あともう少しのはず」ジャリ、ジャリ

恋「サヤさん……」

すみれ「絶対に生きて帰ってやる……っ、負けるもんか」ギリ

ヒュオオオー ブ、ブブ

――――
――――――――
0491名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:49:21.24ID:EzuKdF1w
侑「え、外に出たい?」

かのん「はい。すみれちゃんたちも気になるし、一度バンに戻ってみようと思うんです」

侑「待ってよ、なんでそんな急に。千砂都ちゃん?」

千砂都「ここに残るつもりだったんですけど、かのんちゃん助けに行くって聞かなくて」

しずく「どうして、ですか? わざわざ危険な方に行くなんて」

かのん「友だちだから」

しずく「とも、だち?」

かのん「うん。友だちが苦しんでるのに、私たちだけ安全なところにいるなんて、やっぱり我慢できないよ。あ、ここも安全とは言いづらいかなー、なんて。あはは」

しずく「……」

侑「本当に行くの?」

千砂都「かのんちゃん、自分が許せないみたいです。Liellaのリーダーだからかな。ううん、違う。かのんちゃんはやっぱりヒーローなんだ。あの時のまま、変わってない……嬉しい」

 千砂都ちゃんの目はどこか遠くを見つめていた。キラキラと、場違いなほどうっとりとした表情。
0492名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:51:46.73ID:EzuKdF1w
かのん「それに、ほら。今あの人たち寝てるし」

 エマさんと果林さんは肩を寄せ合い眠っていた。
 こんな状況だけど、和やかで安らかな表情だった。

しずく「……もしかしたら」

侑「どうしたの、しずくちゃん?」

しずく「昨日の揺れで、出入り口を塞いでいる瓦礫が崩れやすくなっているかもって思って」

侑「あ、確かに。初日ほどじゃないけど、結構強い揺れだったもんね。今頃、外はどうなってるんだろう」

かのん「最初に見た時はあんなにギチギチだったけど、なにか変わってるかも。私たちで瓦礫退かせられるかな?」

千砂都「危ないと思うけど、一回確認する価値はあるね」

 浮上した僅かな希望に、浮き足立つ。

せつ菜「――――どういうことですか?」

侑「せつ菜ちゃん、鼻大丈夫?」
0493名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:54:10.33ID:EzuKdF1w
せつ菜「はい。血は止まりました……まだ痛みますけど。それより、私たちここから出られるんですか?」

侑「ううん。そうじゃないけど、可能性の話」

歩夢「でも、少しでも望みがあるなら、賭けてみたい」ヨロ

侑「歩夢、うん。そうだよね……やれるだけのことはやろう」

かのん「私、すみれちゃん助けに行って、そのまま入り口の方に行きます。瓦礫退かせそうならやってみる!」

千砂都「私たちだけだと厳しいかも。それに、軽装じゃ行けないかな」

侑「どうしよう。わ、私が

歩夢「私は、まだ満足に動けないけど、エマさんを見張ることぐらいできるよ」

 歩夢が被せるように言葉を発する。私を見て微笑む。心配しなくてもいい、そんな力強い瞳。

せつ菜「はい。もしもの時は私が足止めします。今度は必ず」
0494名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/10(日) 12:56:56.92ID:EzuKdF1w
 ここを離れても、いいんだろうか。みんなを置いて。

しずく「かすみさんと彼方さんは、わたしが……なんとかしてみせます」ギュ

歩夢「私たちの中で、十分に動けるのは侑ちゃんだけ。だから、お願い」

侑「私が、みんなのリーダーだから?」

歩夢「違う、侑ちゃんだから。私たちのこと、ずっと側で支えて、見てきた……そんな侑ちゃんだから、任せるの」

せつ菜「良い報告、期待していますよ」

 多分、これが最後だ。私たちに残された時間を考えても、ここで行動を起こさなければ後はなにもできなくなる。

 服を厚く着込む。

侑「あ、食べ物と水、持ってってあげなきゃ」

かのん「あの、でも」

 かのんちゃんが恐る恐る指差す。残った水と食料を入れたバッグは、エマさんの足元にあった。
0495名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/10(日) 12:59:45.82ID:smfVqxgH
りなりーと愛さんが心配でならん
0499名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:31:46.32ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん(え…?あの客いま私のこと笑わなかったか…?)

邪神ちゃん(いや、気のせいだろう。なにも変なこと言ってないし…)

客(チー牛)1号「チー牛…wwwチー牛…www」ヒソヒソ

客(チー牛)2号「ちゃんと温玉付きで…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「!?」

チー牛1号「陰キャじゃなくて…ギャルだし…www」ヒソヒソ

チー牛2号「でも…顔に覇気がないのは元ネタ通りなのがまた…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「???」
0500名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:32:21.88ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん「……と、いう事がありましたの」ショボン

ゆりね「いや、それって…」

邪神ちゃん「いったいあれは何だったんだろうか…」

ゆりね(ネットのネタだって教えてあげてもいいけど、面白いから黙っていよう…)

邪神ちゃん「人が食べてるとこ見て笑うとか失礼にも程があるだろ!親からどういう教育受けてるんだっ!」

ゆりね「…そうね。おそらくだけど、邪神ちゃんの注文の仕方がだらしなかったせいじゃないかしら」

邪神ちゃん「注文の仕方……?はっ!?確かに!」

邪神ちゃん「いくらファストフード店とはいえ、あまりにダラけすぎていましたの…」

ゆりね「ダメよ。そんなんじゃ店員さんにも失礼じゃない」

邪神ちゃん「なぁ〜んだそうだったのか。安心しましたの。明日もう一回食べてこよ〜♪」

ゆりね「プークスw」
0501名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:33:11.51ID:7y1NAQOI
翌日


店員「いらっしゃいませー」

邪神ちゃん「はーい。いらっしゃいましたのー♪」

チー牛1号「ぶほっ…www」

チー牛2号「昨日の…www」

邪神ちゃん(うっ…こいつら今日も来てたのか…)

邪神ちゃん(くくく…だがしかし、今日の私に隙は無いのだ)ピンポーン
0502名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:36:01.24ID:7y1NAQOI
店員「ご注文お決まりでしょうかー」

邪神ちゃん「すいません。三色チーズ牛丼の特盛に温玉付きをお願いします」キリッ

チー牛1号&2号「!?」

邪神ちゃん(ふっふっふ。我ながらカンペキで淑女な注文でしたの…)

チー牛1号「台詞も…完コピ…www」ヒソヒソ

チー牛2号「なんで仕上げてきてんだよ…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん(んなっ…なにいいいいいぃぃぃぃぃ!?)
0503名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:36:28.93ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん(バカな…!注文の仕方の問題じゃないだと…!?)

チー牛1号&2号「…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん(ちくしょう…私が何したっていうんだ…!)

邪神ちゃん(だ、ダメだ…奴らの視線に耐えられない…)

邪神ちゃん(無意味にメニューでも見て心を落ち着かせよう…)パラパラ

邪神ちゃん「──はっ!?」

邪神ちゃん「わ、私は今までとんでもない思い違いをしていた……!」ワナワナ

邪神ちゃん(そうか。そうだったのか…!あいつらはこれを笑っていたんだ!)

邪神ちゃん(フハハハハ!これで解決ですの!)
0504名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:37:11.41ID:7y1NAQOI
翌日


邪神ちゃん「うぃーす」

チー牛1号「来た…wwwまた来た…www」ヒソヒソ

チー牛2号「チー牛今日も来た…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん(くっそぉ〜!チー牛って私のあだ名かよ…!)

邪神ちゃん(だが見ていろ…私は自分の過ちに気付いたんだ。今日こそ吠え面かかせてやる…!)
0505名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:37:33.23ID:7y1NAQOI
店員「ご注文お決まりでしょうかー」

邪神ちゃん(来た…!)

邪神ちゃん「おほん。『三種の』チーズ牛丼──」

チー牛1号&2号「!?」

邪神ちゃん(どうだ!今までてっきり『三色』チーズ牛丼と勘違いしていた…これでもう文句はあるまい…!)

邪神ちゃん(ただ、ひとつ気掛かりがあるとすれば……)チラッ

チー牛1号「三色じゃなくなってるし…www」ヒソヒソ

チー牛2号「効いてる効いてる…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「!」

邪神ちゃん「て、店員さん!ストップ!もう一回注文しなおしますのっ!」
0506名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:38:21.15ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん「え、ええっと…そのぉ……」モジモジ

店員「?」

邪神ちゃん(い、言うのか…?本当に言わなきゃダメか…?『アレ』も…)

チー牛1号&2号「…www」ニヤニヤ

邪神ちゃん(だが、奴らにつまらん揚げ足を取られない為には持てる全てを出し切らなきゃなりませんの…!)

邪神ちゃん(よ、よし…言うぞ……!)

邪神ちゃん「と…///とろぉ〜り三種のチーズ牛丼の特盛にぃ…///」テレッ

チー牛1号「ととと、とろぉ〜りぃぃぃ…www」ヒソヒソ

チー牛2号「正式名称は草…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「ぬぬぬぬ…///ぬわあああああああああああああああっ//////」

邪神ちゃん(ここまでやってもダメなのかああああああああああああああっ!!)
0507名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:39:06.12ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん「ゆりねぇ…あいつらヒドいんですのぉ…」ゲッソリ

ゆりね「なんで毎日牛丼食べに行ってる奴が日増しにやつれていくのよ」

邪神ちゃん「理由もわからず陰でヒソヒソ笑いものにされるのがこんなに辛いと思いませんでしたの…」

邪神ちゃん「もうイヤだぁ…あいつらのニヤけ面思い出すだけで胃が痛くなる…」キリキリ

ゆりね「そんなにイヤならお店に行かなきゃいいでしょうが」

邪神ちゃん「ダメだ…!それじゃあいつらに負けを認めたことになる!」

ゆりね「そんなしょーもない事で胃痛に悩まされてる時点ですでに負けてると思うけど…」

邪神ちゃん「そんな事はない…!私はまだ戦える…!」

ゆりね(本当のこと教えてあげなかったばかりに妙なこと言い出した…)
0508名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:39:38.76ID:7y1NAQOI
ゆりね「どうしてそこまでしてチーズ牛丼が食べたいのよ?」

邪神ちゃん「よくぞ聞いてくれた。チーズ牛丼にはなぁ、エレガンスの香りが漂っているんですの!」

ゆりね「チーズの匂いしかしないわよ」

邪神ちゃん「牛丼という庶民的メニューの中にあってもキラリと光る『チーズ』のシャレオツな響き…」

邪神ちゃん「更に温玉をのせ、かき混ぜる事によりあたかもカルボナーラの如き豊かな風味を醸し出す…」

邪神ちゃん「隣の客が意識低い牛丼食ってる横で、優雅に女子力高くいただくチーズ牛丼は優越感の味がしますの♪」

ゆりね「あんたのやってる事も大概じゃないの…」

邪神ちゃん「そんな私の至福のひと時を…あんな奴らに邪魔されてたまるか!」
0509名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:40:43.87ID:7y1NAQOI
ゆりね「それならそれで、他にも方法あるでしょう」

ゆりね「その人達と会わないように行く時間をズラすとか、誰かと行ってその人に注文取って貰うとか」

ゆりね「そもそも、アプリであらかじめ申し込んでおけば喋る必要すらないじゃない」

邪神ちゃん「だから!それじゃあ負けた事になるだろぉ!?」

ゆりね「あんたの一生なんて負け続きなんだから別に構わないじゃない」

邪神ちゃん「そ、そんな事ねーし!」

邪神ちゃん「そこまで言うならゆりね!今夜いっしょに牛丼食べに行きますの!」

ゆりね「行かない」

邪神ちゃん「ど、どうしてですの?」

ゆりね「いまダイエット中だからカロリー高いものお断り」

邪神ちゃん「そんなぁ〜!いっしょに来てくれゆりねぇ〜!」ユッサユッサ

ゆりね「行かない」
0510名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:41:23.97ID:7y1NAQOI
その夜


ミノス「ふわぁ…そろそろ寝るか…」

邪神ちゃん「ミ〜ノ〜ス〜…」ウルウル

ミノス「うわっ!?邪神ちゃん、うちで何してんだよ!?」

邪神ちゃん「ミノスぅ〜…今から私といっしょに牛丼食べに行って欲しいんですのぉ〜!」ポロポロ

ミノス「はぁ?牛丼?急に来てなに言ってんだ。てか、なんで泣いてんのさ?」

ミノス「悪いけど、あたし配達で朝早いからもう寝たいんだけど…」

邪神ちゃん「そんなこと言わずにぃ〜…奢るからぁ〜…」ポロポロ

ミノス「はぁ…なんだか知らねーけどわかったよ。そんじゃあちゃちゃっと食べてこようぜ」
0511名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:41:54.24ID:7y1NAQOI
ペルちゃん「二人ともご飯食べに行くの?ズルい!私も行きたい!」

邪神ちゃん「ダメだ!子供に見せるもんじゃねーんだよっ!」

ミノス「何するつもりなんだよ…」

邪神ちゃん「お子様はとっくに寝る時間ですの!」

ミノス「悪ぃペルちゃん。ゆりねちゃんに来て貰うからちょっと留守番しててくれ」

ミノス「その代わり、持ち帰りでカレー買って来てあげるからさ」

ペルちゃん「う、ううん…大丈夫。いらない…」フルフル

邪神ちゃん「あそこのカレー不味いもんな〜」
0512名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:42:58.69ID:7y1NAQOI
店員「いらっしゃいませー。二名様カウンターにどうぞー」

邪神ちゃん「げっ!」

チー牛1号「チ、チー牛さん…www脅威のエンカウント率…www」ヒソヒソ

チー牛2号「チー牛のくせに…巨乳連れてる…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん(ま、まぁいい…何となく時間帯ズラしても出くわす予感はしていた…)

ミノス「うっし!邪神ちゃんの奢りだしガッツリ食うか!」

邪神ちゃん(その為にこの巨乳を連れて来たんですの!)
0513名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:43:37.80ID:7y1NAQOI
ミノス「ここも久々だなぁ。なに食おう…」

邪神ちゃん「ミノス。その…私ちょっとお手洗い行ってくるから一緒に注文しておいて欲しいですの」

ミノス「ん。わかった」

ミノス「おろしポン酢かぁ…高菜明太もアリだな…」

邪神ちゃん「チーズ牛丼の特盛に温玉付きな」ボソボソ

ミノス「ん。チーズと温玉な」

ミノス「期間限定メニューも美味そうだけど…ちょっと冒険だよなぁ…」

邪神ちゃん「それじゃ、頼んだぞ!」ソソクサ
0514名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:44:31.03ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん(さぁて。そろそろ注文も終わった頃だろ…)

ミノス「…でさぁ、今あたし肉料理を食べ歩くマンガやってるんだけど、今度この店紹介しちゃダメかなぁ」

店員「えー?それは嬉しいけど、ここ単なるチェーン店ですよ?」

ミノス「別に美味けりゃなんでもいいんじゃね?いや、これがまた肉料理限定ってなると中々ネタがなくてさぁ」

邪神ちゃん「た、ただいまぁ」

ミノス「よっ。頼んでたの来てるぜ」

邪神ちゃん「ごくろう。ふふふ…うまく行きましたの……」

邪神ちゃん「って!?なんだよコレぇ!?」

ミノス「?」

ミノス「なにってチーズカレーと温玉カレーだろ?邪神ちゃんに頼まれた…」
0515名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:45:05.86ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん「お前!耳腐ってんのか!」

邪神ちゃん「つーか出かける時ここのカレー不味いって言ってただろ!頼むわけあるかっ!」

ミノス「おいおい、店員さんの前でそういうこと言うなよ…」

店員「あはは。申し訳ありませーん」

邪神ちゃん「いいか!よく聞け!私はなぁ!チーズ牛丼の特盛に!温玉付きを!お願いしたんだよぉ!!」

チー牛1号「ぶおっほ…www」

チー牛2号「チー牛の魂の叫び…www」

邪神ちゃん「くっふうううぅぅぅ…///なんでこうなるんですのおおおぉぉぉ…///」プルプル
0516名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:45:47.86ID:7y1NAQOI
チー牛1号「お、おい…のえるちゃんのライブ告知…来てる…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「…!」

チー牛2号「マジか滾る…wwwのえるたんガチ天使…チー牛と同じ生物と思えない…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん(あいつら…のえるさんのファンだったのか…!)

邪神ちゃん(なんだよ。あいつのファン、民度低すぎるだろ…)

邪神ちゃん(……そうだなぁ。無礼なファンの責任は、躾がなってないアイドル様に取って貰うとするか)ニヤリ
0517名無しで叶える物語(茸)
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2023/09/10(日) 15:45:50.56ID:kYg3z6A+
雑魚荒らしバトロワの方で負けたから逃げて来たんか?
別人だとしてもまぁカス雑魚だが
0518名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:46:21.75ID:7y1NAQOI
ぽぽろん「ふぅ。今日のレッスンきつかったな…」

ぽぽろん「でも、応援してくれてるファンの為にも手抜きはできないもんね」

邪神ちゃん「よぉ〜、のえるさんよぉ〜」ヌルリ

ぽぽろん「ひゃんっ!?」ビクッ

邪神ちゃん「ちぃ〜と顔貸してくれやぁ〜」

ぽぽろん「な、なんだよ肉じゃが…!こっちはあんたに用なんかないっての!」

邪神ちゃん「肉じゃが…だと……?」ピク

ぽぽろん「ふ、ふん!なにさ怒ったの?急に出てきて驚かせるあんたが悪いんだかんね!」

邪神ちゃん「肉じゃがと…呼んでくれるのか…?こんな…私を……!」ポロポロ

ぽぽろん「へ?」

邪神ちゃん「…チー牛以外のあだ名で呼んで貰えたのは久方ぶりですのぉ〜!!」オーイオイオイ

ぽぽろん「なんだよ!?なんなんだよお前ぇ!!」
0519名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:46:56.37ID:7y1NAQOI
ぽぽろん「ああ、そういう事ね…」

邪神ちゃん「う…ううっ……毎日が辛くて辛くて仕方がないんですのぉ……!」ポロポロ

ぽぽろん「…ほら、この画像見てみなよ」スッ

例の画像「スイマセン サンショクチーズギュウドンノトクモリニ オンタマツキヲオネガイシマス」

邪神ちゃん「……この死んだカワハギに眼鏡かけたようなオタクがどうしたんですの?」

ぽぽろん「これが、あんたが毎日笑われてる原因」

邪神ちゃん「は?」
0520名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:47:51.12ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん「……つまり、この画像が最近ネットで流行ってて、私がまったく同じ注文したのが奴らのツボにはまったと?」

ぽぽろん「ま、そんなところだろうね。知らないけど」

邪神ちゃん「…ッッ!なんだよそれぇ!私になんの非もねーじゃねぇーか!!」

ぽぽろん「うん…ちょっとだけ同情してあげる……」

邪神ちゃん「くっそぉ〜!なにがチー牛だっ!くだらねぇもん流行らせやがって!とんだとばっちりだよ!」

邪神ちゃん「……てか、どうしてそんな事情に詳しいんですの?」

ぽぽろん「ツイッターのリプでこの画像のアイコン使ってる人が妙に多いから気になって調べてみたんだよ」
0521名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:48:23.54ID:7y1NAQOI
ぽぽろん「…にしても、あんたって意外とそういうの気にするタイプなんだね。もっと大雑把な奴かと思ってた」

邪神ちゃん「当然だ。私はデリケートな悪魔なんですの」

ぽぽろん「でも、そこまでやられて手を上げないどころか言い返しもしてないなんて、あんたらしくないじゃん」

邪神ちゃん「わかってないなぁ。ああいう手合いにムキになって実力行使に出たらそれこそ負けってもんですの」

ぽぽろん(充分ムキになってんじゃん…)

邪神ちゃん「あくまで奴らの土俵で勝負し、いつか必ず勝利して、あのニヤけ面を引きつらせてやるのさ…!」キラキラ

ぽぽろん「……もっと他に情熱注ぐこと無いの?」
0522名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:48:51.95ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん「つーかなんだよこの画像…w」プークス

邪神ちゃん「あいつらの方がよっぽどこの下ぶくれ眼鏡に似てるじゃねーかwww」ゲラゲラ

ぽぽろん「だからそんなものなんだって。他人の事とやかく言う人に限って、自分に自信がなかったりするんだろうね」

ぽぽろん「…って、その人達もぽぽろんちゃんのファンなんだっけ」

ぽぽろん「ファンをあまり悪くは言えないけど、なんていうか……ゴメン。代わりに謝っとく」

邪神ちゃん「のえるさん……」
0523名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:49:30.85ID:7y1NAQOI
ぽぽろん「ま、原因がわかったんだから良しとしなよ」

ぽぽろん「これからは、なに言われても自分のせいじゃないって思えるでしょ?」

ぽぽろん「むしろ、周りの目を気にしてコソコソ振る舞う小心者っぽさが、その画像みたいだって笑われちゃうんじゃない?」

ぽぽろん「気にせず普通にしてたら、そのうち向こうも飽きてくるって」

邪神ちゃん「……あんがとよ、のえるさん」

邪神ちゃん「いい事を聴いた。あんたがいなけりゃ危うく心までチー牛になっちまうところでしたの!」

ぽぽろん「…その言い方だと、見た目はチー牛だって認めてるみたいになるけどいいの?」
0524名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:50:14.19ID:7y1NAQOI
店員「いらっしゃいませー」

邪神ちゃん「オッスメッス!」

チー牛1号「今日も来た…wwwチー牛ヘビ来た…www」ヒソヒソ

チー牛2号「牛なのかヘビなのかはっきりしろ…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん(フッ。やれやれ…毎度毎度ごくろうなこってすの…)

邪神ちゃん(お前達はそうやっていつまでも周りを気にして生きるがいい。私は新たなステージに進んだのだ)

チー牛1号&2号「…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん(無駄だ…いまやお前らの陰口など蚊のさえずりに等しい…)
0525名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:50:45.93ID:7y1NAQOI
店員「ご注文おうかがいしまーす」

邪神ちゃん「そうだなぁ…」

邪神ちゃん「……三色チーズ牛丼の特盛に温玉付き。お願いしますの」ビシ

店員「かしこまりましたー」

チー牛1号「出た…www伝統芸能…www」ヒソヒソ

チー牛2号「なんでちょっと考えるフリしたんだよ…www」ヒソヒソ

チー牛1号「てか…また『三色』に戻ってるし…www」ヒソヒソ

チー牛2号「元ネタに忠実にいこうとしたんじゃね…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「……ふ、フフフ」
0526名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:51:14.27ID:7y1NAQOI
店員「お待たせしましたー」

店員「三種のチーズ牛丼特盛でーす。こちら、温玉でーす」

邪神ちゃん「お、おぅ…」

チー牛1号「店員からさり気なく訂正入りました…www」ヒソヒソ

チー牛2号「でもチー牛は…元ネタへのこだわりは捨てられません…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「あー、おいしそ……」カチャカチャ

チー牛1号「温玉ああやって潰すんだ…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「い、いただきまーす……」パク

チー牛2号「チーズめっちゃ糸引いてるし…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん「……」ソワソワ

チー牛1号「なんか…すげぇソワソワしてね…www」ヒソヒソ

チー牛2号「効いてる効いてる…www」ヒソヒソ

邪神ちゃん(……やっぱり気になりますのおおおおおぉぉぉぉぉ!!)シクシク

邪神ちゃん(おのれぇ…!こうなったらもう最期の手段だ…!『ヤツ』を呼ぶしかない…!)
0528名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:52:02.01ID:7y1NAQOI
翌日


ぺこら「いったい何を企んでいるのです?お前がぺこらに牛丼を奢ってくれるなど…」

邪神ちゃん「いいか?もうそういうくだりメンドクセーんだよ」

邪神ちゃん「とにかく他意は一切ない。大人しく店に行って牛丼食ってくれればそれでいい」

邪神ちゃん「むしろ、お前はそれで私に貸しが作れますのよ?」

ぺこら「どういうことでしょう?」

邪神ちゃん「こっちの話だ。とにかく言った通りやってくれ。ホラ、牛丼代」チャリン

ぺこら「どうしてお前は一緒に来ないのですか?」

邪神ちゃん「だから、後から入って離れた席で食うって言ってんだろ。いちいち質問すんな」

邪神ちゃん「それともなにか?邪神ちゃんといっしょに仲良くお食事したいんですの?」

ぺこら「そ、そんなことは言っていません…///なにかあるのではと警戒しているだけです!」
0529名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:52:45.87ID:7y1NAQOI
店員「いらっしゃいませー」

店員「ご注文お決まりになりましたらお呼びくださーい」

ぺこら「あ、あのっ…」

ぺこら(あの悪魔から、あらかじめ頼んでもいいメニューは指定されている…)

ぺこら(そして、なぜか注文時の言い回しまでこと細かく…)

店員「お決まりでしょうかー」

ぺこら「すいません…さんしょく…チーズ牛丼…?の特盛に…おんたま?付きを、お願いします…」

店員「かしこまりましたー」

ぺこら「よし。間違えずに言えました♪」

チー牛1号「ちょ…www新たなチー牛現る…www」ヒソヒソ

チー牛2号「しかもTシャツに『底辺』って…www強烈…www」ヒソヒソ

ぺこら「〜♪」
0530名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:53:22.15ID:7y1NAQOI
店員「お待たせしましたー。三種のチーズ牛丼特盛に温玉でーす」

ぺこら「ありがとうございます」

ぺこら「お、おお…!これは美味しそうですね…」ジュルリ

ぺこら「卵を割って、と…」パカ

ぺこら「いただきまーす♪」

チー牛1号「お…wwwチー牛がチー牛いったぞ…www」ヒソヒソ

チー牛2号「偉大だった先代を超えられるか…www」ヒソヒソ

ぺこら「もぐもぐ……」

ぺこら「お、美味しい…!」パアアァァ
0531名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:53:46.85ID:7y1NAQOI
ぺこら「はむっ!はむっ!」

ぺこら「美味しい…!美味しすぎます…!こんなに美味しいものがこの世に存在していたなんて…!」ムシャムシャ

チー牛1号「は、はは…大袈裟だな……」

チー牛2号「ま、まぁ…自ら底辺だって主張してるくらいだし……」

ぺこら「お肉なんて何カ月ぶりでしょう…!」ムシャムシャ

ぺこら「ああ…!身体中に良質の栄養が染み渡っていくのがわかります…!」ポロポロ
0532名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:54:15.51ID:7y1NAQOI
チー牛1号「な…泣いてるよ……」

チー牛2号「底辺って…大変なんだな……」

ぺこら「幸せだぁ…!今日まで懸命に生きてきた甲斐がありました…」

ぺこら「主はまだぺこらを見捨ててはいなかったのですね…!」

チー牛1号「なぁ…俺…あんな人のこと笑えねぇよ……」

チー牛2号「俺も…なんか気の毒になってきたわ……」

チー牛1号「これからは他の客からかうのもやめようぜ……」

チー牛2号「ああ…下ばかり見てたらいつか俺らもあんな底辺になっちまうんだよな……」

ぺこら「うう…!本当に美味です……不本意ですが、あの悪魔にも感謝を…!」キラキラ

チー牛1号&2号「……」ズーン…
0533名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/10(日) 15:55:06.26ID:7y1NAQOI
邪神ちゃん「ふっふっふ。でかしたぞ、ぺこらよ」

邪神ちゃん(本当はあいつの方に注意を引きつけるだけの作戦だったのに、まさかここまでの成果をあげてくれるとは……)

邪神ちゃん「まったく底辺様々だなぁwww」


ぺこら「ああ、おかわりも食べたいなぁ…なんて、贅沢言ってたらバチが当たってしまいますよね♪」ムシャムシャ

チー牛1号&2号「……」ズーン…

他の客「うわぁ…」


邪神ちゃん「それにしても──」

邪神ちゃん(グルメ漫画とかなら、女の子が美味しそうに食べてたら周りがときめいたりするのが定番だけど…)

邪神ちゃん(実際目撃しちゃうとドン引きするのが生のリアクションなんだなぁ……)



おしまい
0534名無しで叶える物語(光)
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2023/09/10(日) 19:42:05.95ID:ulqG+xVw
何だこの屑
荒らされてもめげずに書いてくれ
0535名無しで叶える物語(茸)
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2023/09/10(日) 21:22:58.47ID:a0kLqiUB
この状態なら、エマ果林みたいに酸素が欠けて常識的な判断ができなくなってしまい気づけば地獄絵図になっても仕方がない
エマ…お前善悪の区別もつかなくなったのか
0537名無しで叶える物語(SB-Android)
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2023/09/10(日) 22:41:21.64ID:Z4XXtWSw
ユニットメンバーを見殺しにして食う飯は美味いか?
って問いかけたら一瞬で壊れそう
善悪の区別がついてないってよりも、自分を最優先にしてないと心が持たないって判断してるんだと思う
防衛本能が働きすぎて、それで酷いことになってる感じ
0540名無しで叶える物語(もこりん)
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2023/09/10(日) 23:32:14.90ID:29t0S3ER
正論方向で本来のマシな最適解を分析するすみれと
残機ゼロ死んだらそれまで状態を理解して、目の前の暴力からの保身に全振りしてる果林
どっちも、ある意味業界経験者らしい計算高さって言うか頭の使い方に見える
0541名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:16:07.84ID:TKvBSBek
-聖ホーリー小学校

女子小学生「ふーん…男って おっぱいおっきい女の子好きなんだ…」
ムチッ…ムチッ…

女子小学生「私も おっぱいおっきくなりたいなー…」

おとなしい子「どうしたの?姫華ちゃん??」
タユン…タユン…

女子小学生「静華ちゃんはさぁ…おっぱいおっきいよね」

おとなしい子「えっ…ぜ…全然 そんなことないよ…?ふつうだよ?」
ボイン

女子小学生「ふつうじゃないし 静華ちゃんは 小学生なのに巨乳じゃん」

おとなしい子「あうう…姫華ちゃんも もうすぐおっきくなるよ…」

女子小学生「やだ!大人になるまで待てないし!すぐおっぱいおっきくしたいの!」

おとなしい子「あ…姫華ちゃん…牛乳をたくさん飲むといいんだって!牛乳はモーモーさんのおちちだから…」

女子小学生「ふーん…」

おとなしい子「でもたくさん飲みすぎると お腹痛くなっちゃうから 気をつけてね…」
0542名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:16:54.67ID:TKvBSBek
-給食時間

おとなしい子「あ…今日の給食 ミルメークと冷凍みかんがついてる!」

おとなしい子「私の大好きなイチゴ味のミルメークだぁ♪」

女子小学生「静華ちゃんの牛乳と冷凍みかんもらうね」
ヌスッ…

おとなしい子「あっ…ひ…姫華ちゃん…?!」

女子小学生「静華ちゃんが牛乳飲むといいって言ったんだから 私に牛乳あげるのは当然でしょ」

おとなしい子「う…うん…」

女子小学生「ミルメークだけ持ってても意味なくない?ミルメークも ちょうだい!」

おとなしい子「ひ…姫華ちゃんにあげるね…」

女子小学生「きゃはは 牛乳苦手な人は どんどん牛乳持ってきてね〜」
ゴクゴク

『あたしの牛乳あげるね』

『オレのもあげる』

『^^』

女子小学生「にひひ こんだけ牛乳飲んだら 絶対 巨乳になっちゃうじゃん♪」
ムチッ…ムチッ…
0543名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:17:38.76ID:TKvBSBek
女子小学生「他に牛乳あまってる人 いないかな〜??」

ジュニアアイドル「ん゙お゙っ!!冷凍みかん おまんこの中に入れるの気持ちいいよ〜ω」
ピュッ…

女子小学生「うわ…変態の愛華だ」

女子小学生「愛華!おまえの牛乳も もらうから」
ガッ

ジュニアアイドル「くぅ〜んω 愛華の牛乳が姫華ちゃんに とられちゃったよぉ〜ω」

女子小学生「つーか 愛華 バカだし給食とかいらないでしょ?」

女子小学生「全部 私がもらっちゃお!愛華は給食抜きね!」

ジュニアアイドル「めぅ〜ω 断食プレイたまらないよぉ〜ω」
ゾクゾクッ…

ジュニアアイドル「もっと愛華をいじめてω ひどいことして〜ω」
クチュクチュ

女子小学生「きもっ…こいつ変態じゃん…冷凍みかんも早く出せ!」

女子小学生「たくさん牛乳飲めたー カキフライうまっ!」
ムチッ…ムチッ…
0544名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:18:25.54ID:TKvBSBek
-5時間目・テスト

先生「いいか 私語は厳禁だぞ トイレも我慢しろ」

女子小学生(う〜…全然 わかんないんだけど…また点数低かったらママに怒られそう…)

女子小学生(でも牛乳いっぱい飲んだからいーや 絶対 静華ちゃんよりおっぱいおっきくなるし!)

女子小学生(今日の給食 おいしかったー 冷凍みかんとカキフライもあったし…)
グルグル

女子小学生「うっ…!?」
グルグル

女子小学生(や…ヤバい…ちょっと食べすぎちゃったのかな…?お腹…めっちゃ痛い…)
ドキドキ

女子小学生(ヤバい…ヤバい…ヤバい…本格的なやつだぁ…早くトイレにいかないと…)
ガクガク

女子小学生(でもテスト中にトイレにいくとか 絶対 みんなに笑われる…我慢しなきゃ…)
ブルブル

女子小学生(私の好きな☆フューチャー・ヴィジョン☆(http://blog.livedoor.jp/conbul/)のこと考えとこ…)
0545名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:20:03.29ID:TKvBSBek
-15分後

女子小学生「フーッ…フーッ…(鼻水出てる)」
ガタガタ

女子小学生(もうダメぇ…お腹痛い…汗止まんない…)
ハァハァ

女子小学生(うぅ…最悪…我慢しすぎて 腋にめっちゃ汗かいてる…かっこわるい…)
ムワァ…

女子小学生(ヤバい…も゙う無理ぃ゙…漏らしそう…恥ずかしいけど…先生に言ってトイレに…)

山本「せ…先生ぇ…お…おいら…トイレにいきたいです…」

女子小学生「?!」

先生「山本…おまえ 本当にトイレいきたいのか?まさかテストが嫌だからって逃げるわけじゃねェよな?」

先生「ここに簡易トイレ置いとくから みんなが見てる前でトイレしろよ」

山本「ひっ…う…ウソです…!すみませんでした!!」

先生「なめやがってガキが!!」
ボコォッ

山本「げうっ!!」
ピクッ…ピクッ…

先生「山本がたばかりやがった!今からトイレいくやつは そこの簡易トイレでしろ!わかったな!」

女子小学生(そんな…山本のせいでトイレできないじゃん…)

女子小学生(死ね山本…山本死ねぇ…)
ブルブル
0546名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:20:55.25ID:TKvBSBek
女子小学生「あ゙ー…あ゙ー…(鼻水出てる)」
ブルブル

女子小学生(早くテスト終わって!!早くテスト終わってぇぇぇぇッ!!)

女子小学生(もう無理ぃ…限界…このままじゃ絶対 漏らす…!!)

女子小学生(教室抜け出してトイレまで走ったら間に合うかも…でも先生に捕まったら終わる…)

女子小学生(どうしよう…どうしよう…!!)

女子小学生「も゙っ…!!」
ブッ…ブ〜ッ(笑)

『なに今の音?』

『くっさ!オナラよ!!』

『姫華ちゃんの方からしたけど…』

女子小学生「!」
ビクッ

『学校で1番かわいい姫華ちゃんが オナラとかするわけないじゃん』

『どんだけ臭いのこのオナラ 絶対 男子のキモいやつでしょ(笑)』

女子小学生(ヤバいヤバいヤバいヤバい…今のオナラでスイッチ入っちゃった…)

女子小学生(漏れるっ………!!)
ブリッ………
0547名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:22:16.85ID:TKvBSBek
女子小学生「お゙っ…お゙お゙お゙お゙お゙〜〜〜ッ!!」
ブリブリブリッ…

女子小学生「あ…あああ〜〜〜っ…!!」
ボトボトボトッ…

女子小学生(さ…最悪っ…なんで学校で1番かわいい私が こんな目にぃぃぃ…!!)

おとなしい子「…?」
クンクン

おとなしい子「なんか臭くない?」

『本当だ…!くっさ〜い!!』

『うんこの匂いがする!!』

『誰かが漏らしたんだ!!』

先生「おい黙れおまえら 恥ずかしいことじゃないから漏らしたやつは 素直に手ぇあげろ」

シーーーン

先生「ちっ…じゃあ 出席番号順に調べるか…まずは姫華だな」

女子小学生「!!」
ドキッ
0548名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:23:14.26ID:TKvBSBek
女子小学生「あ…あっ…ああ…」

先生「どうした姫華?立つだけだろ??」

ジュニアアイドル「!ω」

ジュニアアイドル「はう〜〜んω うんち漏らしたのは愛華だよぉω」
ブリブリブリッ

女子小学生「愛華ッ!?」

先生「うおっ!汚ェ!!」

ジュニアアイドル「スカトロプレイたまんないよぉ〜〜〜ω」
モ゙リモ゙リモ゙リッ…

『きっも…』

『愛華ちゃんってマジで変態だよね』

『黙っていたらクールビューティーですのに…もったいないですわ』

ジュニアアイドル「くう〜んω お着替えしなきゃあω 1人じゃ恥ずかしいから姫華ちゃんもついてきてぇω」

女子小学生「あ…愛華…」

ジュニアアイドル「いっしょにトイレいこっω 姫華ちゃんω」
シマブゥ…

女子小学生「べ…別にいいけど」

『姫華ちゃんやさしー』

『うんこ漏らしの愛華は 姫華ちゃんに話しかけんなよ』

女子小学生(愛華…)
キュンッ
0549名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:23:47.51ID:TKvBSBek
ジュニアアイドル「ひ〜めかちゃんっω」
ギュッ

女子小学生「ちょっと…まとわりつかないでよ…」

ジュニアアイドル「くぅ〜んω」

『あいつ うんこ漏らしのくせに姫華ちゃんに抱きついてるよ!』

『早くいけよ うんこ漏らし』

『菌がつくから姫華たんにさわるな!』

『くっさ』

ジュニアアイドル「罵倒されてるω たまんないよぉω」

女子小学生(愛華…抱きついて 私のお尻隠してくれてるんだ)
0550名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:24:17.10ID:TKvBSBek
-女子トイレ

ジュニアアイドル「やっと2人きりになれたねω」

女子小学生「愛華…ありがとね…私 愛華にひどいことしたのに…」

ジュニアアイドル「ぜんぜんっ大丈夫だよω」

ジュニアアイドル「昔 姫華ちゃん 愛華とよく遊んでくれたよねω」

女子小学生「そんなこと…覚えたんだ…愛華…」

女子小学生「うぅ…最悪 ショーパンから うんこ垂れてる…どうしよう…」

ジュニアアイドル「姫華ちゃんの分の着替えもあるから これに着替えてω」

女子小学生「愛華!」

ジュニアアイドル「愛華の事務所からもらったやつだよω 汚してもいいからね〜ω」

女子小学生「そっか…そういえば愛華はアイドルだったね…」
パカッ

女子小学生「うえっ…なにこの服…バニーガールと変な水着しかない…!?」

ジュニアアイドル「好きな方選んでいいよω」

女子小学生「うぅー…こんなの着るの恥ずかしいんだけど…」
0551名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:24:58.87ID:TKvBSBek
女子小学生「バカみたいな水着は嫌だからバニーガールにしよ…」
バニッ…バニッ…

女子小学生「どう?」
ムチッ…ムラッ…ムワァ…

ジュニアアイドル「はう〜んω めっちゃかわいーよω 姫華ちゃん!!ω」

女子小学生「かわいくないし…恥ずかしい…これ」
ムラッ…ムラッ…

女子小学生「愛華も早く着替えたら…?うんこ臭いでしょ??」

ジュニアアイドル「愛華と姫華ちゃんのうんちω」
ベチャ

女子小学生「ちょっ…ちょっと!!そんなのさわったら汚いって!!」

ジュニアアイドル「汚くないよω 姫華ちゃんのだもんω」
ハァハァ

女子小学生「やば…忘れてた…愛華って変態だったんだ…」

ジュニアアイドル「姫華ちゃんに塗りたくってあげるねω」
ベチャ

女子小学生「キャーーーッ?!!」
0552名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:25:35.00ID:TKvBSBek
女子小学生「やだやだやだっ…!!離してっば!!」

ジュニアアイドル「だぁめω いっしょに体こすりつけあって うんこまみれになろω」

女子小学生「お゙え゙っ…!!臭い!臭い!最悪!!」

ジュニアアイドル「バニーガールの姫華ちゃんかわいいよぉ〜ω 好き好きぃω」
スリスリ

女子小学生「やだぁ…!!体が うんこまみれになっちゃう…!!」

キーン…コーング…

女子小学生「!!」

女子小学生「ヤバッ!チャイム!!」

女子小学生「愛華!やめよ!トイレに来たみんなに見られちゃう!!」

ジュニアアイドル「見せつけちゃおω」
ヌリヌリッ…

女子小学生「嫌ァァァァ」
0554名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:26:21.77ID:TKvBSBek
おとなしい子「今日のテストむずかしかったね〜」

ハヤトくん「でも姫華 大丈夫かな…変態の愛華とトイレにいったけど…」

おとなしい子「ハヤトくんは 姫華ちゃんのこと好きだもんね…」

ハヤトくん「えっ…?!そ…それは…」

おとなしい子「…?あれって…」

ジュニアアイドル「くぅ〜んω いっしょにうんこまみれになって幸せだねω」

女子小学生「あ゙ー…あ゙ー…」
ガクガク

おとなしい子「姫華ちゃんと愛華ちゃん?!なにしてるの?!!」

ジュニアアイドル「スカレズプレイだよ〜ω 姫華ちゃんとうんこ塗りたくってたんだ〜ω わんわん」

おとなしい子「きっも…姫華ちゃんって愛華ちゃんとうんこ塗りたくる変態だったんだ…」

女子小学生「ちっ…違うの!!これは…!!」

ハヤトくん「おまえレズだったんだな…ずっと好きだったのに…」

女子小学生「ハヤトくん!?」

おとなしい子「いこっ…ハヤトくん 姫華ちゃんがスカトロ好きって みんなに言いふらしちゃおうよ♪」

女子小学生「待って…!待って〜〜〜!!」

ジュニアアイドル「大丈夫ω 愛華だけは姫華ちゃんの味方だからねω いっしょにスカトロしよω」
ヌリヌリッ…

女子小学生「もう やだ〜〜〜っ!!」
プ〜ン


0555名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:30:35.89ID:TKvBSBek
チノちゃん「アイスコーヒーを出す時のカップは冷やしてあるものに淹れる。ホットならお湯でカップを温めてから淹れる。」

チノちゃん「これ何度目ですか…?」

俺「………。」ビクビクビク…

チノちゃん「何度目かと聞いてます。まさか指摘したのに聞いてないんですか?」
0556名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:31:04.38ID:TKvBSBek
リゼ「お、おい…チノ。もうやめろ…?俺くん分かったってさ…?な?俺くん」

チノちゃん「大体療養兼就労支援施設なんてウチ以外にも沢山あ…」
0557名無しで叶える物語(光)
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2023/09/11(月) 13:31:08.09ID:rOF12XFb
うわー
変なのがわいてる…
0558名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:31:27.94ID:TKvBSBek
俺「キャ゛ア゛アア゛ア゛ア゛ア゛ア゛アア!!!!!!」腕を激しく前後斜め左右に振り回して暴れる

チノちゃん「発作です!!俺さんを取り押さえてください!」

俺「キャぁ゛アアアアアアア゛!!ああ゛あああああ゛ッッ!!!!!!!!!!」

ドンガラガッシャーーーン!!!
0559名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:31:57.13ID:TKvBSBek
リゼ「取り押さえろ!!!」 バッ

ココア「こ、このぉ〜!!!!!!」ギリギリ

俺「キャ゛あああ゛ああああ゛あああああ゛゛ああ゛ッッッッッ!!!!!」ジタバタ

バリーーーンッ!!ガチャン!!!
0560名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:32:27.86ID:TKvBSBek
リゼ「俺くん!もう大丈夫だぞ!大丈夫大丈夫だ!!すぐ良くなる薬だぞ〜!!?これねぇー!!落ち着こうね〜〜??!!」プスーーッ…(鎮静剤投入)

俺「はっ…フゥ…フゥ……フぅ…」スゥ〜 ッ
0561名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:32:57.36ID:TKvBSBek
チノちゃん「瞳孔は完全に開いています。電気痙攣療法の準備をしてください。」

リゼ「この器具を頭にはめて…と。」カチャ

チノちゃん「今回は前回より二段階電圧を上げて通電します。周囲から離れてください。」ポチッ
0562名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:33:36.87ID:TKvBSBek
キューイイーーーン!!!バチンッ!!!!

俺「ンーーーッ!!!!」ビクンッ!!

弓なりに体が激しくしなり、痙攣する

バチッ!バツッバツッ!バツッ!!バツ!!!

俺「ンーーーッ!!!!ンーーーッ!!!!ンーーーッ!!!!ンーーーッ!!!!ンー!!!!ンーーー!!!!」ビクビクッビグン

キィーーーーーーーーーンンッバチンッ!!!

俺「ンンーーーッ!!ンンーーーッンンーーーッ!!!ンンンンーーーーー!!!」ビクンッビクンッビクンッビグンッ プスプス


ココア「あはは♪これ蛙の実験みた〜い♪」
0563名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:34:14.03ID:TKvBSBek
0564名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/11(月) 13:46:58.02ID:TKvBSBek
ライナー(おい、エレン…やめろよ! でかい声だすな)

エレン「でかすぎだろwwwまじ何十センチあんだよwwwwww」

ライナー「ジロジロみるなって、早く風呂つかってこい」

エレン「にしてもでけぇなwwwwお前巨人かよwwwwww」

ライナー「……」

エレン「そんでアルミンのチンコは相変わらずちっけーなーwwwww」

アルミン「や、やめてよエレン…隣には女子が入ってるんだから」

エレン「…? なんか関係あんのか?」
0565名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:47:41.65ID:TKvBSBek
エレン「おいジャンも見せろよ」

ジャン「はっ!? いや俺は……」

コニ「そうだぞ見せろよ」

エレン「なんで隠すんだよ」

コニ「裸の付き合いだぞ」

エレン「ベルトルトもこそこそしてんなよ。タオルなんてとっちまえって」

ベルトルト「あ、やめ…」

バッ

エレン「ベルトルトのチンコなげぇwwwwwwwwwwwww」
0566名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:48:12.29ID:TKvBSBek
アルミン「(やめなよエレンッ!)」

ライナー「なんでテンションあがってるんだお前は…」

エレン「いやーだってよぉwwww」

エレン「俺、男同士で風呂入るのってめったにないからさ」

エレン「親父はずっと出張だったしな」

エレン「そういや昔はずっとミカサと入ってたなー」

ジャン「!!!?!!?」

エレン「そういえば隣にミカサもいるんだよな」

エレン「おーいミカサー、ベルトルトのチンコなげーぞーwwwwwwww」
0567名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:48:50.59ID:TKvBSBek
ベルトルト「うう…ひどいよエレン…///」

ジャン「……ミカサが…エレンと…ふ、ふ、ふろ…?」

ライナー「(心中察する)」

ジャン「ハハ…ハハハ……」

アルミン「僕もう先にあがろうかな…」

アルミン「ごめんね、エレンって昔からこうなんだ」

アルミン「テンションが振りきれると頭がおかしくなるんだ」

アルミン「そういえばミカサもミカサで変なところがあったな……あれは僕らがまだ10歳のt」

コニー「おいお前ら黙れ。ちょっと静かにしろ!」

ライナー「耳をすましてみろ」

エレン「どうした?」

アルミン「……さきにあがるね」クスン

コニー「女子風呂のほうからなんか聞こえる…」
0568名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:49:22.78ID:TKvBSBek
ユミル「おいクリスタ隠してんなよwwwwwwww」

クリスタ「やめてやめてユミル」

サシャ「どうして前を隠すんですか?」

ユミル「こいつ恥ずかしがってんだよ、ちっけーから」

サシャ「はい?」

クリスタ「ユミルのセクハラ魔神!」

サシャ「お風呂にタオルは持って入っちゃだめですよ」

アニ「あんたら静かに入れないの」

ミカサ「……」


<ライナーのチンコでけぇwwwwwwww


ミカサ「! エレンの声がした」
0570名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:51:12.87ID:TKvBSBek
クリスタ「い、いま…チン…って/// 聞こえたような気がしたんだけど」  

ユミル「あー? ライナーのチンコ?」

クリスタ「ユミルっ!!///」

サシャ「なんですかちんこって」

ユミル「は? 男のアレに決まってんだろ」

サシャ「なんですかアレって?」

ユミル「(うおおコイツマジかよ……)」

ユミル「(お、良い事おもいついたぞ)」

サシャ「……?」

<ベルトルトのチンコなげぇwwwwwwwwwwwww


ミカサ「やっぱり空耳じゃない! エレンの声がした!」ザバッ

アニ「……」
0571名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:51:55.69ID:TKvBSBek
ユミル「いいか、チンコってのは男の股に生えてるキノコのことでな。

サシャ「キノコ!? キノコが生えてるんですか!?」

ユミル「世界にただひとつ。形もサイズも味も違うオンリーワンの珍味だ!」

サシャ「珍味!?!? やったー!!」ジュルリ

クリスタ「ちょ、ちょっとユミル……///」

ユミル「まーもうちょっとだけ遊ばせろよ」

サシャ「男子の股間にそんな素敵なものがあるなんて…」キラキラ
0572名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:52:41.15ID:TKvBSBek
サシャ「話を聞いてるとなんだかお腹すいてきましたね?」

クリスタ「さっき晩御飯たべたばっかりだけど……」

ユミル「お、腹減ったよな? キノコたべたいよな!?wwww」

サシャ「食べたい…ですねwwwwww」



ミカサ「そういえば…」チラッ

アニ「…?」

ミカサ「私は昔よくエレンと一緒にお風呂に入っていた」

アニ「…は? 何いきなり話だしたの」

ミカサ「別に、ただの思い出話だから忘れて」フッ

アニ「は?」イラッ

<おーいミカサー、ベルトルトのチンコなげーぞーwwwwwwww

アニ「コイツさっきからなんのさ。耳障りなんだけど」

ミカサ「やっぱりそうだ。エレンはお風呂に入りながらもずっと私のことを考えている…!」
0573名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:53:17.13ID:TKvBSBek
ユミル「よし、行ってこい。土下座すれば食べさせてもらえるとおもうぞ」

サシャ「はい! みんなの分も収穫してきます!」

サシャ「えっと隣にはエレンとコニとジャンとライナーとベルトルトとアルミンがいて…やったー60本!!」

クリスタ「そんなに生えてないよ!?」

サシャ「行ってきます!」

クリスタ「ちょ、ちょっとだめーー!!」ガシッ

サシャ「離してください! 私チンコ食べたいんです!!」

クリスタ「イヤーおっきい声でそれを口にだすのもダメ!!!」

ユミル(バカだ!こいつバカだぞwwwwwww)ヒー


ミカサ「エレンが呼んでいる……」

ミカサ「やっぱり私がいないと不安でお風呂にも入れない……」

アニ「は? は?」
0574名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:53:50.98ID:TKvBSBek
ミカサ「どいて」

アニ「さすがに通すわけにはいかない」

ミカサ「私はエレンの頭を洗わないといけないことを思い出した」

ミカサ「エレンは不器用だから一人で頭を洗うことができない」

ミカサ「自分でやろうとすると必ず目にあわが入って痛い思いをする」

ミカサ「それはあまりにも残酷…」


<いってーwwwwww目に泡入ったわ―wwwwwwwww
<ナニヤッテンダヨ…ガキカ…


ミカサ「エレーン!!!!」ザバァ

アニ「くっ、止まれ!!」ガシッ

アニ「あんたそんな格好で男子の前に行く気」
0575名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:54:21.33ID:TKvBSBek
サシャ「クリスタ離してください!!」

サシャ「男子ぃーーー!!!!」

サシャ「私の珍味ぃいいいいいいいい!!!!」

クリスタ「ああああああ/////」

クリスタ「私のちからが止まらないよぉ。ミカサ、アニ、助けて!」

ユミル「あっちはあっちでなんか揉めてるみたいだぞwwwwwww」

クリスタ「うえええええん」

サシャ「この壁を越えれば…! 珍味が! 珍味があぁ!!」

ミカサ「この壁を越えればエレンが…!まっててエレン!!」



コニー「なんか女子風呂騒がしくね?」

ライナー「あ、あぁ…」

エレン「っべーwwめっちゃ目いてぇわwwwwwどうやったらシャンプーできんだよwwww」

ジャン「っせーなお前はよぉ!!!」
0576名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:55:00.62ID:TKvBSBek
ライナー「シッ、壁の向こうからクリスタの声が聞こえたぞ今」

アルミン「なんの話かまではわからないね」

ジャン「なんだか誰ぞのおぞましい叫びも聞こえるんだが…」

ベルトルト「ぼ、僕もうあがろうかな…」ブルッ

コニ「お、俺も…なんかすっげぇ邪悪な気配がするんだよな」

ライナー「ゴクリ…そうだな、どのみちそろそろウチの班はあがる時間だ」


エレン「おいwwwwww誰か手伝ってくれwwwwwおいwwwww」

エレン「あ、そうか! 目つぶってすればいいんじゃねぇかwwwwwwww」

エレン「すげぇな俺……」
0577名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:55:31.32ID:TKvBSBek
よじ…よじ……ミシ


クリスタ「あぁ…ダメだった…私って無力」

ユミル「すげぇ…あいつら風呂場のつるつるした壁をよじ登ってやがる……」

クリスタ「(立体機動装置いらないじゃん)」

アニ「……チッ」


ミカサ「エレン、すぐ行くからね……」

サシャ「チンコぉぉおお、チンミぃぃいいい!!」
0578名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:56:05.58ID:TKvBSBek
エレン「よし! できたぞ!」

エレン「これでもうミカサがいなくても風呂に入れる!」

エレン「俺はもうミカサなんていなくても風呂に一人で入れるんだ!!!」


スタッ

ミカサ「エレン…いまなんて……」

エレン「え!? ミカサ…? お前なんで裸なんだ…」

ミカサ「あ…あ……エレンが私の手を離れていく……」


ベシャッ

サシャ「イタタ……やったー着いた! キノコ狩りだー!!!」

サシャ「あれ? エレンしかいませんね」

エレン「な、なんでサシャまで!?」
0579名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 13:56:59.69ID:TKvBSBek
サシャ「んー? キノコってこれですか?」

エレン「は? 何見てんだよ…おい女子はあっちいけよ」

エレン「まじで入ってくんなって」

エレン「ここは女子禁制の神聖な男子風呂だぞ」

エレン「壁無理やり突破してくるとか巨人かっての」

エレン「こんなの規律違反だぞ。一緒に入ってるのバレたら教官に怒られちゃうだろ」

サシャ「エレン、ほかの男子はどうしました?」キョロキョロ

エレン「え? あれ? みんなどっか行っちゃったな」

サシャ「そうですか。じゃあエレンのだけいただきますね?」

エレン「は?」


ブチィッ


END
0580名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:14:15.77ID:TKvBSBek
桃「1、2、3…うん。丁度5千円。確かにね」

シャミ子「あ、あのぉ!」

桃「?」

シャミ子「この後何処か遊びに行きませんか!」

桃「あー…ごめん。今日は空手の稽古があるから」

シャミ子「そうでしたか…ではまた今度行きましょう」

桃「うん。じゃあね」コツコツ…
0581名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:14:45.97ID:TKvBSBek
杏里「あ!ちよももじゃん!私達これからカラオケ行くんだけど、一緒にどう?」

桃「いいよ。丁度暇してたところだし」

杏里「よぉし決定〜」

小倉「千代田さんってどんな曲歌うんだろ〜? 楽しみ〜♪」



シャミ子「…うぅ…ぅぅ……ぅえ…ひぐ…桃ぉ…ひぐ…ぅぇぇ…」
0582名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:15:36.47ID:TKvBSBek
シャミ子「…と言う夢を見ました。妙にリアルで怖かったです…」

桃「そうなんだ…でも私は絶対にそんなこと言わないから安心して」

桃「…って、シャミ子泣いてるの?」

シャミ子「ごめんなさい…ひぐ……なんだか今日の桃が…いつも以上に優しく思えて…ぅ……」

桃「シャミ子…」ギュッ…

シャミ子「!」

桃「ほら、大丈夫…大丈夫だから…」ポンポン…


ミカン「(声を掛けようかと思ったけど、今は二人きりにした方が良さそうね…w)」
0584名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:21:59.67ID:TKvBSBek
コナン「バカなんじゃねーのか!?」

阿笠博士「そろそろ学校に行かんと遅刻するぞー」

コナン「やっべぇ!くそ、話は放課後だ!」タタタタ

阿笠博士「うっ!」ドビュルルル
0585名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:22:49.06ID:TKvBSBek
歩美「おはよーコナンくん」

光彦「おはようございます」

元太「一時間目の体育はサッカーだってよ!」

コナン「サッカーかぁ…」



阿笠博士「新一の奴、今回の発明を悪用してなければいいんじゃがのう…」
0586名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:23:26.95ID:TKvBSBek
阿笠博士「う!?」

ドクッゥッン!!!!

博士の下半身に電撃が走る………!!

阿笠博士「し………新一……馬鹿者めが……!!」

ドビュ!!ドビュ!!ビュウウウウビュルルルビュル!!!!

阿笠博士「うああああああああ!!!!」

阿笠博士は腰砕けになり、その場に倒れこんだ

阿笠博士「た、助けてくれえええ」

ビュルルウウッっドピュドュャ
0587名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:24:02.26ID:TKvBSBek
元太「コナン!パスパース!」

コナン「バーロ、このままシュートだ!いっけぇー!」

阿笠博士「ひゃああああ!!」

ドッピュウウウウウウウウン

阿笠博士はそのまま気を失った
目が覚めたのは、コナン達の3時間目の授業が始まる時間であった

阿笠博士「う…気絶してしまったようじゃな ズボンがベトベトじゃわい」

阿笠博士「まだ腰がガクガクするわい」

阿笠博士「ハァ…時間割…時間割…3時間目は…理科か…理科なら安心じゃな」
0588名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:24:30.15ID:TKvBSBek
先生「今日はペットボトルロケットを作って飛ばしまーす」

光彦「あぁ、元太くん!ここはしっかりテープを巻かないと空気が漏れちゃうんですよ」

元太「面白くねーぜこの実験。この前のりんご飴はおいしかったなー」

歩美「もー元太くんは食べ物の事ばっかり!」

光彦「自転車の空気入れを取り付けて…よし!完成です!」

灰原「江戸川くん、空気を入れてちょうだい」

コナン「よしきた」
0589名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:25:04.45ID:TKvBSBek
阿笠博士「う!?」

ドクン!ドクン!ドクン!

阿笠博士に一定のリズムで快感が襲いくる!!

阿笠博士「や、やめろ新一……何を考えておる!ワシを殺す気か!!!?」

ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!

阿笠博士「うわああああ!」

コナン「飛べェー!」

ドッピュシャアアアアアアアアアア………ン

光彦「わぁー!すごい!」

歩美「コナンくんすごーい!」
0590名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:25:55.55ID:TKvBSBek
阿笠博士「う………」
阿笠博士「また気を失ってしまったか…」
阿笠博士「新一の奴、学校が終わったらこっぴどく叱ってやるからな!!」
阿笠博士「おや、もうお昼ご飯の時間じゃ」
阿笠博士は壁伝いにキッチンへと向かった


元太「今日の給食はシチューかー!うンまそぉー!」
コナン「サッカーとペットボトルロケットで体力使っちまったから腹がペコペコだぜ。大盛りにしてくれ」
元太「あいよっ!!」ガッ!

光彦「あっ、危ない!」
バシャバシャ!

コナン「熱っつ!」
歩美「コナンくん大丈夫!?」

コナン「あちぃー!けど上履きにちょっとかかっただけだ。たいしたことないぜ」

歩美「よかったー」


阿笠博士「んぎゃあああああああ!!!!焼ける焼けるウウウウ!!」

阿笠博士「一体何をしとるんひゃ、しんいちいいいい」

阿笠博士は白目をむきながら射精を繰り返した……
0591名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:26:44.19ID:TKvBSBek
申し訳ありません。設定に重大なミスを発見したので訂正します。

阿笠博士はコナンのキック力増強シューズに細工をしたので、コナンの上履きにシチューがかかっても博士には影響が無いはずでした。

光彦「危ない!!」

バシャバシャ!!

コナン「あぁ!なぜか教室に持ってきたキック力増強シューズにシチューが!」

歩美「コナンくん大丈夫!?」

コナン「ああ。キック力増強シューズにかかっただけだ。」

歩美「よかったー」

阿笠博士「ぎぃヤアアアアアア!!」

ジュジュウウウ
0592名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:27:14.57ID:TKvBSBek
コナン「ふわぁ〜、今日も退屈な授業だったぜ」

コナン「はて、放課後何か用事があったような…」

コナン「忘れちった。さて暇だし久々にパラパラでも踊るか…


灰原「ただいま博士」

灰原「うっ!………イカ臭い」

そこには、白目をむき精液まみれになって倒れこむ阿笠博士の姿があった

灰原「………」
0593名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:27:50.70ID:TKvBSBek
灰原「何この豚………」

灰原「!?」

突如、阿笠博士の下半身がリズミカルに脈打ち始めた…

ビクン…ビクン…ビクン…!

恋は!(ドピュ!) スリル!(ドピュ!)ショック!(ドピュ!)サァーースペェーーンス!!(ドピュピュッ!)

見えーない力 、頼ーーりにーー!!(ドッピュン!)

心の扉(ドピュ) 閉ざ(ピュッ)さーーずに!(ビュルン!)

強くぅ〜〜〜・・・強くぅ〜〜〜!!!!(ドピュー!)

灰原「ひぃー!」
0594名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:28:18.36ID:TKvBSBek
〜君が感じていた棘(靴底への刺激)を君にも同じように与えていたのかもしれなかった〜

〜何に心(襲い来る射精の波)を痛めて何に怯えていたのか気にも止めず(コナンは踊り続けた)〜

〜縺れてく二人の真実(射精)に向き合うのが恐かった〜
0595名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:28:42.56ID:TKvBSBek
コナン「あっ!そういや博士の発明…!」

コナン「いっけね!」

コナン「とりあえず博士の所には明日行こう。今日はもう帰ろーっと」

コナン「蘭姉ちゃんただいまー」

蘭「おかえりコナン君」

蘭「あららコナン君てばこんなに靴汚しちゃって…たまには洗わないとね」
0596名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:29:20.73ID:TKvBSBek
阿笠博士「う…うぅん…」

阿笠博士「はて…悪い夢を見ていたような…」

ザシュ!ザシュ!ザシュ!

阿笠博士「ギャアッ!」

蘭は取っ手がついたタワシみたいなやつで靴を力強く洗った!

阿笠博士「ギ、キェエーー!!」

阿笠博士のズボンが血で滲んでゆく………
0597名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:29:53.37ID:TKvBSBek
阿笠博士「な…なぜワシが…なぜワシがこんな苦痛を味わわねばならんのじゃ!!」

阿笠博士「こうなったら、こうなったら少年探偵団丸ごと道連れじゃ!!」

阿笠博士「ヒヒヒヒ!我が館全体と男子諸君の前立腺、そして哀君と歩美君のクリトリスを同期してやるわいー!」

阿笠博士「設定を入力してと…よし!明日の朝には装置が作動するはず!」

博士は股間にマキロンを塗って寝た
0598名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:30:37.95ID:TKvBSBek
光彦「博士ー!遊びに来ましたよー」

歩美「お邪魔しまーす」

コナン「おーっす」

元太「なんか面白い発明ねーかー?」

阿笠博士「いらっしゃい(ニッコリ)」

コナン「博士、昨日の事だけどさ…」

阿笠博士「あぁ、あれは冗談じゃ」

コナン「なんだ冗談だったのか。まぁよくよく考えればいくら博士でもそんなキチガイみたいな発明するわけねーよなー、ハハ」

阿笠博士 (ニヤリ…そろそろ装置が作動するはず!)

阿笠博士「テレビでも見るかの?ぽちっとな」

ポチッ
0599名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:31:17.23ID:TKvBSBek
阿笠博士「ヒャア!」ドピュ!

光彦「ひぃん!?」ドピュ!

元太「!? どうしたんだ博士、光彦!?」

光彦「な、何か、身体が…」

元太「おいおい大丈夫かよ!水飲むか!?汲んで来る!」ダダダダ

阿笠博士「ヒィーー!」ドピュルルー!

光彦「あうううっ!!!」ドピュルルー!

コナン「頭大丈夫かお前ら!?」

歩美「なんか怖いよぉー!」

灰原 (阿笠博士、館とのリンクはあなたと円谷君の2人とするように設定をいじらせてもらったわ)
0600名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:31:42.88ID:TKvBSBek
灰原「江戸川くん、吉田さん、こんな気持ち悪い2人とおにぎりは放っておいて私が用意したダンスダンスレボリューションで遊びましょう」

歩美「わぁーい!」

コナン「パラパラなら負けねーぜ!」

ビクン…ビクン…ビクン…!

恋は!(ドピュ!) スリル!(ドピュ!)ショック!(ドピュ!)サァーースペェーーンス!!(ドピュピュッ!)

見えーない力 、頼ーーりにーー!!(ドッピュン!)

心の扉(ドピュ) 閉ざ(ピュッ)さーーずに!(ビュルン!)

強くぅ〜〜〜・・・強くぅ〜〜〜!!!!(ドピュー!)

歩美「ひぃー!」
0601名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:32:16.68ID:TKvBSBek
コナン「ふぅー、踊った踊った…ん?」

光彦「」

コナン「光彦…?」

阿笠博士「無理もない、小さな身体で立て続けに起きた快感に耐えきれなかったんじゃ…」

コナン「光彦…光彦おおおおおおおっ!!」

歩美「光彦くーーーーん!!」

灰原「もしもし警察ですか?阿笠博士の発明品で人が死にました。すぐ来てください」

その頃元太はうんこをしていた

元太「う………出る………こいつはデカイぜ!」

ブリュ!ドチャ!

阿笠博士「ハゥん!」ピュ!
0602名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/11(月) 14:33:24.30ID:TKvBSBek
目暮警部「阿笠博士、残念です」

阿笠博士「ああ、発明品で殺人を犯すなど発明家として失格じゃ。しっかり罪を償って、シャバに出て来たら今度は人の役に立つ発明をするよ」

目暮警部「うむ。あなたのその真摯な態度。しかと受け止めましたぞ」

灰原「………」壁ドン!

阿笠博士「ヒャー!」ドピュー!

目暮警部「光彦くん!見ていてくれ!ワシが必ずこの男を死刑にしてみせる!」




灰原(語り)「こうして阿笠博士は死刑となった

私たちはこの凄惨な事件を決して忘れないだろう 真実はいつもひとつ」

0603名無しで叶える物語(光)
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2023/09/11(月) 14:37:41.42ID:ThnpcGxz
たこやきの次はもんじゃかよ
このもんじゃバトロワスレ荒らしてた奴だろ大人しくそっちだけ荒らしとけよ
0605名無しで叶える物語(茸)
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2023/09/11(月) 14:58:48.52ID:IGMxmdd3
バトロワの方は光が埋めてたな
あっ…
0606名無しで叶える物語(たこやき)
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2023/09/11(月) 22:37:50.54ID:43PXDKy2
え、もうこんなに埋まってるってことは最終回もそろそろかな…と思ってみたら荒らしかよ
お家に帰ってシンボル摩擦してろ
0608名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:32:51.30ID:JuAwoi8R
侑「……」ゴク

 起きる気配はない。大丈夫。ちょっとだけ貰うだけ……
 

エマ「……なにしてるの」
 

侑「ぅ、?!」ビク

エマ「侑ちゃん? なんで」

侑「エマさん、ずっと起きてた……?」

エマ「どうしてそんなことするの?」

 エマさんの手が伸びる。思わず身を強張らせるけど、その手は私の肩に優しく置かれた。

エマ「わたし、侑ちゃんにはそういうことしたくない。なんで? 理由を教えて」

侑「……すみれちゃんたち、なにも持っていかなかったから。お腹空かせてるよ。お願い、エマさん」
0609名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:33:48.73ID:JuAwoi8R
エマ「すみれちゃんたちは自分の意思でここを抜けたんだよ。もう仲間じゃない。あげられないよ」

侑「そんなことしたら、倒れちゃうよ。せめて今日分だけでも、」

エマ「わたしたちのことはどうなってもいいの!?」ギギ

侑「っう!」

 肩に置いた手に力が込められる。ギシギシと骨が軋む音が聞こえた気がした。

エマ「ねえ、お願いだから目を覚まして。侑ちゃんはどっちが大切なの?」

侑「み、みんな大切だよ。優劣なんて、つけられない」

エマ「そういう中途半端が一番きらい。そんなこと続けてたら、誰も助からない」

侑「でも、エマさんのやり方は間違ってる。友だち同士で傷つけ合うなんて馬鹿げてるよ」

エマ「みんなを守るためなの。だって、そうしないと……また同じことする」
0610名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:36:32.94ID:JuAwoi8R
侑「でも、あんなことする必要なかったよ。みんなを守りたいなら、絶対に手を出すなんてしちゃだめだった」

エマ「なんで? 下の子が悪いことしたら、責任もってそれを正さなくちゃ。なんども同じこと言わせないで」

 やっぱり、どこかおかしい。

侑「……少しでいいんだ。エマさんのを合わせれば、まだ全員に行き渡る分くらいにはなるはずだよね。水も、一本だけくれないかな」

 エマさんの言葉の節々に妙な引っかかりを感じながらも、話を戻す。

エマ「だめ。そんな余裕ない。わたしがちゃんと管理する」

侑「いい加減にして! そんな権利エマさんにはないよっ」

エマ「侑ちゃんにはあるの?」

侑「エマさん、リーダーは私だよ。お願い、渡して」

 語気を強める。ここで引くわけにはいかない。
0611名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:38:53.99ID:JuAwoi8R
エマ「……なんで、どうしてなの。みんな勝手に動くから、だめになったんだよ。ランジュちゃんも、彼方ちゃんも、愛ちゃんも。協力してるつもりでも、全然そうじゃなかった」フルフル

エマ「心はいつもばらばらだった。違う方向を見てたから、最後は悲しいことになる。ここに閉じ込められてから、いっかいでも全員がまとまったことある?」

侑「話を逸らさないで。今、そんな話はしてないよ」

エマ「誰かが強引にでもまとめなきゃ。わたしがやるの。わたしじゃないと、ここにいるみんなを守れない」カリカリ

 爪を噛みながら、早口で捲し立てる。開かれた瞳孔は狂気を宿した鈍い鉛色で、どこでもない一点を凝視している。

侑「エマさん!」

侑「気づいてるでしょ? エマさんの方法じゃだめなんだ。恐怖で無理やりまとめようとしても、きっとすぐ崩壊する。残された時間で私たちにできることは、少しでも全員の生存率を上げることだよ」

エマ「ちがう! 時間や食べるものが少ないから確実に助けられる人だけを助けるの! ここを出ていった人たち、愛ちゃんや璃奈ちゃんに構っていられる余裕なんてない!」
0613名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:41:02.39ID:JuAwoi8R
侑「いい加減にして! 愛ちゃんをあんなにした責任から逃げたくて、見て見ぬ振りしてるだけなんでしょ!?」

エマ「いい加減にするのは侑ちゃんだよ! 事実を受け入れないと、つぎは誰も助けられない!」

 拉致が明かない。エマさんと口論をしている時間はない。
 私は隙をついてエマさんの足元にあったバッグを奪い取ると、それをかのんちゃんに投げ渡した。

エマ「ああ、なにするの!? 返して!!」

侑「かのんちゃん! 早く行って!」

かのん「っとと、え? でも、これ全部っ」

千砂都「行くよ!」グイ

 2人がバスから降りる。私もその後に続く。

エマ「だめ! 絶対に行かせない!」

 エマさんが追ってくるが、その間に歩夢が立ち塞がった。
 さらにせつ菜ちゃんがエマさんの後ろに立ち、挟むような形になる。
0614名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:43:50.75ID:JuAwoi8R
エマ「じゃましないで!! ぜんぶ持ってかれちゃう!」

歩夢「侑ちゃんを信じて。これ以上、罪を重ねちゃだめ!」

せつ菜「エマさん! あなたがそこまで抱え込む必要はありません。今はみんなで耐える時なんです」

エマ「っ、どいて!」

侑「歩夢っ!!」

 今の歩夢では、エマさんを止めることはできない。背中の怪我で踏ん張ることもできず、簡単に倒されてしまうだろう。

せつ菜「っ!」ガバ

 せつ菜ちゃんが後ろからエマさんを押さえ込む。歩夢がさらにエマさんの腰に腕を回して、動きを封じにかかった。

エマ「はなっして! やめて!」

歩夢「ふぐ、あぁあ!」

 肉食獣と小動物。激しい獣同士のぶつかり合いだ。
0615名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:47:14.91ID:JuAwoi8R
しずく「エマさん、やめて! また繰り返すんですか!?」

エマ「――――」

 振り上げた拳が途中で止まる。
 エマさんは苦しそうに表情を歪めた。今にも泣きそうな顔で、私を見る。

果林「――――エマ? みんな、なにしてるの」

エマ「……果林ちゃん、起こしちゃった。ごめんね」

果林「え? ちょっと、歩夢、せつ菜? エマから離れて……なにが」

エマ「もういいや。全員助けることなんてできない。侑ちゃんも、そっちなんだね」

歩夢「侑ちゃん! 行って!!」

 私は反射的に走り出した。最後に見たエマさんは泣いていた。その涙に込められた意味を知るのは、もう少し後のことだ。

――――
――――――――

侑「はっは、ぁ、ぜぇっ」

 薄暗闇の中、少ない灯りを頼りに必死に走る。身を刺すような鋭い冷気。吸い込む空気は苦く、喉を苦しめる。

 痛い、痛い。息が苦しい、眩暈がする。何度も転びそうになりながら、かのんちゃんたちの背中を追った。
0617名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:50:19.59ID:JuAwoi8R
 歩夢を置いていくべきじゃなかった。私はなにか取り返しのつかないことをしてしまったのでは?

侑「ばかだ、ばかだ私。やっぱり、もどって」

かのん「侑さん! こっちです!」

 ぼやけた視界の先で、かのんちゃんが手を振っているのが見える。私は心と体の乖離に、身を裂くような痛みを感じながらふらふらと歩き出す。

 後悔が背中を引っ張るが、歩夢たちの覚悟を無駄にするわけにもいかなかった。

千砂都「ふぅ、もう少しで着くよ」

かのん「すみれちゃんたち、どうしてるかな」

 3人で周囲を注意深く観察しながら進んでいく。
 荒れ果てた地面。散らばる瓦礫。淀んだ空気。

侑「……ふたりとも大丈夫? 気分悪くない?」

かのん「ちょっと気持ち悪いです。頭も痛いし、さっきからずっと指先痺れてて」
0618名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:51:51.42ID:JuAwoi8R
千砂都「、っと」ガツ

 千砂都ちゃんが瓦礫に躓く。表情や態度にこそ出してはいないけど、彼女も相当弱っている。

かのん「ばかちぃちゃん、私を守るって……そんなんじゃ守れるわけないじゃん。強がってたの?」

千砂都「え、へへ。ごめんね、弱い姿見せちゃかっこつかないから。すみれちゃんの時も、思うように体動かなくて……本当はきつかったんだ。いまさら遅いかもだけど、信じて」

かのん「うん。もう少しだから、頑張ろう。肩貸すよ」

千砂都「かのんちゃん、ありがとう。やっぱり私を助けてくれるんだ。ふ、ふふ、やったぁ」

 力なく笑う千砂都ちゃん。その光景に、私は歩夢の姿を重ねて見ていた。

かのん「あ、そういえば。さっきからなんか」
 

かのん「蝿の音、しません?」

侑「え?」

――――
――――――――
0619名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 21:57:08.05ID:JuAwoi8R
 室内灯の明かりだ。

 かのんちゃんたちの乗っていたバンは、壁際に押し付けられるようにして止められていた。
 正面のガラスはひび割れているが、私たちのバスよりはるかに損傷は少ない。二度目の揺れの影響はさほどなかったらしい。

かのん「すみれちゃーん」オーイ

 窓を叩く。

すみれ「……え、うそでしょ。なんで来たの?」ガチャ

 すみれちゃんが驚いた様子でドアを開ける。その表情は別人のようにやつれている。

かのん「当たり前でしょ。放っとけるわけない」

可可「かのん? ……かのん、かのん!」ダキッ

かのん「わっと、ふふ。可可ちゃん、大丈夫?」ヨシヨシ

 まぶたは腫れ、内出血が痛々しい。満足に開かれていない瞳は赤く充血していた。顔のあちこちに痣や傷を作った可可ちゃんは、涙を流しながらかのんちゃんの胸に飛び込んだ。
0620名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 22:00:11.53ID:JuAwoi8R
すみれ「どうしてここに?」

侑「お腹空いてるでしょ。まずはご飯にしよ」

 私がそう言うと、かのんちゃんがバッグから水と食べ物を取り出す。

すみれ「! それ……っ」グウウ

 お腹の音に、すみれちゃんは真っ赤にして顔を伏せた。

かのん「侑さんは食べないんですか?」

侑「私は平気。それより、ごめんね。ちょっとしかあげられなくて。流石に全部ってわけにはいかないからさ」

すみれ「んく、いえ。ありがとうございます。でも、これって残ってた分全部じゃ……どうやって」

侑「うーん、実は――――」

 すみれちゃんたちに事情を説明する。彼女たちの顔はみるみる蒼ざめていった。可可ちゃんに至っては食べたものを吐き出そうとしたくらいだ。

すみれ「そんなことしたら絶対報復されるじゃない! なんでそんな無茶したの? 千砂都、あなたがいながらどうして?」
0621名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 22:02:21.73ID:JuAwoi8R
かのん「ちぃちゃんは関係ないよ。私が提案したの。侑さんや歩夢さんたちも力を貸してくれたんだ」

可可「残った人たちは大丈夫なんデスカ? また、あんなことあったら、こわいデス」

侑「大丈夫だよ。エマさんも、わかってくれる」

すみれ「そうは思えない。同じグループの仲間に手出すような人よ。もう後に引けなくなってるんじゃ」

 すみれちゃんは自らの左腕を庇うように撫でた。

侑「エマさんは優しすぎたんだ。だから、今までのことに責任を感じてあんな行動に走っちゃったんだよ」

侑「なんでもかんでも力で解決するような人じゃないし、入り口がどうなってるか確認したらすぐ戻るつもり。その後のことはまたみんなで考える」

 楽観的な思考だ。なんの解決にもなってない。
 すみれちゃんもそれはわかっているみたいで、渋い顔をしていたけどそれ以上追求はしてこなかった。
0622名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/12(火) 22:30:44.62ID:JuAwoi8R
かのん「恋ちゃん、全然食べてない。だめだよ、倒れちゃう」

恋「喉が通らないんです。すみません。せっかく、持ってきてくださったのに」

 誰も口には出さなかったけど、腐ったような臭いが車内に充満していた。臭いの元凶は、運転席に寝かせるようにして座らされているひとりの女性。

侑(この人が、サヤさん)

 顔にかけられたタオルで表情は窺えないが、生前はきれいな人だったんだと容易に想像できる。

 マネキンのように生気のないカサカサに乾燥した土気色の肌。肘から指先にかけて、赤い斑点のようなものがまばらに薄く浮かんでいる。捲れたロングスカートから覗く足はパンパンに膨らんでいた。

侑(思ったより、冷静だ)

 目と鼻の先に人の死体がある。異常な空間。それに慣れてしまっている自分がいる。

恋「サヤさん……紹介します。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の高咲侑さんです。直接お会いするのは初めてですよね」

 サヤさんの手を取って、虚な表情で私を見る。硬直しているのか、腕全体が固定されたまま持ち上がった。

 私はなんともいえない憐憫な気持ちを抱えつつも、不器用に会釈する。
0623名無しで叶える物語(しうまい)
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2023/09/12(火) 22:53:49.93ID:8jmtBzat
ただただ不穏で仕方ない
0626名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 08:36:34.62ID:dK/k8f5r
今のところランジュとサヤさんだけだけどこれからどうなるやら
0628名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 10:34:27.51ID:JzYDWgZS
命の危機 璃奈・愛
重症だけど命は大丈夫そう 可可
大丈夫そうに見えて危険そう 歩夢・千砂都

身体的な状況はこんな感じかな
0629名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:01:34.40ID:bPWPKHB1
ミカサ「クリスタ、見つかった?」

クリスタ「こっちには、いなかったわ。」

ミカサ「向こうにもいなかった。」

クリスタ「……まさか、もう訓練所の外に……。」

ミカサ「もしそうならどうしようもない……。」

クリスタ「……サシャ、どうして?」

サシャが女子寮から脱走した。

仲間が脱走したら同室者は、連帯責任で罰を受けなければならないので、現在二人はサシャを捜索中。
0630名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:02:26.13ID:bPWPKHB1
ミカサ「そういえば……。」

クリスタ「?」

ミカサ「まだ男子寮の方を探していなかった。」

クリスタ「あ、私も。」

ミカサ「流石にいないと思うけど、念の為行ってみよう。」

クリスタ「いるかな〜?」

タッタッタッ
0631名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:02:50.87ID:bPWPKHB1
男子寮

ミカサ「着いた。」

クリスタ「えっと、中に入って……良いのかな?」

ミカサ「先ずは周辺を探すべき、と思う。」

クリスタ「そうだね!」

タッタッタッ

ミカサ「……ん?」

ンッ…ンッ…

クリスタ「……ミカサ、向こうから変な声が聞こえる。」
0632名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:03:42.22ID:bPWPKHB1
ミカサ「男子寮の裏から?何故?」

クリスタ「とにかく行ってみよう!」

タッタッタッ

男子寮の裏

ミカサ「……えっ?」

クリスタ「っ!?」

サシャ「」

コニー「」

ミカサ「……。」

クリスタ「……。」

ミカサ「……えっと、二人は下着姿で何をしているの?」
0633名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:04:15.32ID:bPWPKHB1
サシャ「え、えっと、そのぉ……。」

コニー「み、見て分かんねーのかよ。セックスだよセックス。」

ミカサ「は?」

クリスタ「えっ?えっ?」

サシャ「コニー!あんたの脳には誤魔化すという言葉が無いんか!」

コニー「えっ!?もしかして俺不味いこと言ったの!?」

ミカサ「……いつから?」

コニー「あ?」

ミカサ「いつから二人は、そういう関係になったの?」
0634名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:05:05.80ID:bPWPKHB1
コニー「ん〜、一年前かな?」

クリスタ「……二人は一年前から……その、ヤってるの?」

ミカサ「もしそうなら私達は、一年間あなたの脱走に気付かなかったことになる。それは不味い。もしかしたら一年分の罰を受けることになる、かも。」

クリスタ「えっ!?」

コニー「いやいや、敷地内だから脱走じゃねーだろ。」

サシャ「そ、そうですよ!」

ミカサ「……そうなのかな?」

クリスタ「『女子寮から脱走してる』から脱走になるんじゃない?」

ミカサ「サシャ、戻ろう。早くしないと罰を受けてしまう。」グイグイ

サシャ「ま、待って下さい!」
0635名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:05:42.24ID:bPWPKHB1
サシャ「お、終わるまで待ってて下さい!」

ミカサ「終わるまで?」

クリスタ「終わったら戻るの?」

サシャ「はい!必ず戻ります!だからあっちに行ってて下さい!」

コニー「サシャ、続きやるぞ。」

サシャ「えっ?まだ二人がむぐっ!」

コニーは、サシャにディープキスをした。

サシャ「んっ…んんっ……。(こ、コニー!?まだ二人いますよ!?)」

コニー「ん……。」

ミカサ「わー。」

クリスタ「だ、大胆///」

コニー「んっ……。」

サシャ「んんん!」
0636名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:06:20.99ID:bPWPKHB1
コニー「んっ!んっ!」

サシャ「ん、ん。」

ミカサ「……。」

クリスタ「……。」

コニー「……ん。」

サシャ「んっ!」

コニーは、サシャのパンツの中に手を入れた。

クチュクチュ…

サシャ「んっ…んっ…。」

もう片方の手をブラジャーの中に入れた。

モミモミ…

サシャ「んふっ!」

ミカサ「……。」

クリスタ「……。」
0637名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/13(水) 13:07:01.80ID:bPWPKHB1
サシャ「(コニー!二人が見てますよ!ガン見してますよ!?)」

コニー「ん……。」

サシャ「(恥ずかしくないんですか!?)」

コニー「ん……。」

サシャ「(まさか見られながらヤるのが好きなタイプだったんですか!?)」

コニー「ん……。」

クチュクチュ…モミモミ…

サシャ「んっ、んんっ!んんんっ!」ビクッ

コニー「イったか。」

サシャ「はぁはぁ、コニー……。」
0638名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:07:43.90ID:bPWPKHB1
コニー「挿入るぞ。」

サシャ「えっ!?」

コニー「どうした?」

サシャ「だってまだ二人が見てますよ!?」

コニー「……それが?」

サシャ「はぁ!?」

コニー「俺、もう我慢出来ないんだ!早く挿入させろ!」ハァハァ

ズブッ!!

サシャ「あぁんっ!」ビクッ

ミカサ「……。」

クリスタ「……。」
0639名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/13(水) 13:08:21.39ID:bPWPKHB1
コニー「はぁっ、はぁっ、はぁっ。」

ズボズボズボ!!

サシャ「あ、あん!コニー!あん!あん!」

コニー「サシャ!何故か今日は、いつもより興奮してる!」

ズボズボズボ!!

サシャ「は、ぁん!あん!あん!(や、やっぱりそうだったんですかコニー!)」

コニー「何でだろう!」

サシャ「(気付けよ馬鹿!)」

ズボズボズボズボズボズボ!!

コニー「はぁはぁサシャ!」

サシャ「あんっ!あんっ!」
0640名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/13(水) 13:09:12.81ID:bPWPKHB1
ズボズボズボズボズボズボ!!

コニー「サシャ!中に出すぞ!」

ビューッ!!

サシャ「ひ、ひゃうぅぅぅぅ!」

ミカサ「……。」

クリスタ「……。」

コニー「はぁ、はぁ。」

サシャ「はぁ、はぁ。(同期の前で中出し……とても恥ずかしいです。)」

コニー「……サシャ。」

サシャ「はぁはぁ、はい?」

コニー「俺、もしかしたら見られながらヤると興奮するタイプかもしれない。」

サシャ「……。」

コニー「おーい、お前ら終わったぞー。」

ミカサ「……。」

クリスタ「……。」

コニー「……?」

ミカサ「……コニー。」





ミカサ「私とセックスしてほしい。」ハァハァ

クリスタ「わ、私も!」ハァハァ
0641名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:09:55.51ID:bPWPKHB1
サシャ「!」

コニー「な、何言ってんだお前ら。」

ミカサ「二人のセックスを見て興奮してしまった。ので私とセックスして。」ハァハァ

コニー「早く戻らないと罰を受けるって言ってなかったか?」

クリスタ「そんなことどうでもいいよ!今は、興奮した自分を鎮めるのが先決だよ!」ハァハァ

コニー「……マジかよ。」

サシャ「(二人もそういうことに興味あるんですね。)」

コニー「……なぁサシャ、ヤっていいか?」

サシャ「何で私に聞くんですか?」

コニー「念の為。」

サシャ「私とコニーは、ただのセフレなので問題ありませんよ。」
0642名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/13(水) 13:10:35.72ID:bPWPKHB1
ミカサ「……。」←下着姿(下着は、ご想像にお任せします。)

コニー「噂には聞いてたけど、すげー体だな。」ペタッ

コニーは、ミカサの腹筋を触った。

ミカサ「あっ……。」

コニー「おっ、今お前いやらしい声出したろ。」

ミカサ「出してない。」

コニー「嘘つけ!このっ!」ペタペタ

ミカサ「ひゃっ、あんっ。」

コニー「お前腹筋で感じるのか!」

ミカサ「……今のは、くすぐったかっただけ。」

コニー「ホントかな〜?」スリスリ

ミカサ「ひゃうっ!」ビクッ
0643名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:11:36.21ID:bPWPKHB1
コニー「……。」

ミカサ「……。」

コニー「……。」ニヤリ

スリスリ…スリスリ…

ミカサ「あっ、あっ、あん。」

コニー「はぁはぁ……。」

スリスリ…スリスリ…

ミカサ「あっ、あん駄目っ!そこ駄目っ!」

コニー「じゃあここにすっか。」

コニーは、ミカサの太ももをさすった。

ミカサ「あぁんっ、そこも、駄目っ。」

コニー「へへへ、ここも固ぇな。」

スリスリ…スリスリ…

コニー「……まさか、ここも?」モミモミ

ミカサ「あん!」

コニー「……ここは、柔らけぇのかよ。」
0644名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:12:30.05ID:bPWPKHB1
スリスリ…モミモミ…

ミカサ「あんっ、あんっ。」

コニー「はぁはぁ、ミカサのおっぱい柔らかい。」

ミカサ「はぁ、ぁんっ。」

コニー「まさかミカサにおっぱいがあるとは、思わなかったぜ。」

スリスリ…モミモミ…

ミカサ「わ、私は女……ついててるのは当たり前……あんっ。」

コニー「俺は、ずっとミカサの胸は男の大胸筋みたいな感じだと思ってたんだよ!」

ミカサ「はぁん、ひ、酷い。」

コニー「だってこの体におっぱいがついてるなんて思えねーもん。」

スリスリ…モミモミ…
0645名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:13:17.56ID:bPWPKHB1
コニー「次は、こっちだ。」

コニーは、ミカサのパンツの中に胸を揉んでいた方の手を入れた。

ミカサ「あんっ!」ビクッ

コニー「ここも柔らけぇ。」

スリスリ…クチュクチュ…

ミカサ「あんっ!あんっ!」

コニー「うへへ、最高だぜ!自分より強い奴を陵辱するのは!」

ミカサ「あんっ!あんっ!」

コニー「はぁはぁ。」

スリスリ…クチュクチュ…

ミカサ「はっ、あぁん、あぁぁぁぁん!」ビクッ

ミカサ「はぁはぁ。」

コニー「次は……。」

ズブッ!!

ミカサ「あっ、あぁぁぁぁ!」ビクッ

コニー「ミカサが女になった!」
0646名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:13:58.69ID:bPWPKHB1
ズボズボズボ!!

ミカサ「あん!あん!」

コニー「ぐおぉぉ!」

ズボズボズボ!!

ミカサ「あっ!あん!あん!あっ!」

コニー「はぁ!はぁ!」

ズボズボズボ!!

ミカサ「う、はっ!あっ、あん!」

コニー「はぁはぁ!」

ズボズボズボズボズボズボ!!

ミカサ「!?」

ビューッ!!
0647名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:14:42.46ID:bPWPKHB1
コニー「はぁ、はぁ……。」

ミカサ「はぁ、はぁ……。」

コニー「……女になった感想は?」

ミカサ「はぁはぁ……とても……良かった。」





クリスタ「……。」←下着姿(下着は、ご想像にお任せします。)

コニー「お前も固そうな体してんな!」

クリスタ「く、訓練兵だから……。」

コニー「ミカサ程じゃないけどな!」ペタッ

コニーは、クリスタの胸を触った。

クリスタ「きゃっ!」
0648名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:15:23.78ID:bPWPKHB1
コニー「おっ!おっぱいになってる!」

クリスタ「やぁん……。」

モミモミ…モミモミ…

コニー「体小さいから貧乳だと思ってたぜ!」

クリスタ「えっ、酷くない?」

モミモミ…モミモミ…

コニー「はぁはぁ、クリスタのおっぱい……吸いたい。」

クリスタ「えっ?」

カプッ

クリスタ「あぁん!」

コニーは、クリスタのブラジャーをずらして見えた乳首にしゃぶりついた。
0649名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:16:14.96ID:bPWPKHB1
コニー「んん〜、クリスタのおっぱいうめ〜。」チューチュー

クリスタ「はうっ!」

コニー「はぁはぁ……。」

モミモミ…チューチュー…

クリスタ「あんっ……。」

コニー「はぁはぁ……。」

クリスタ「……やあんっ!」

コニーは、クリスタのパンツの中に手を入れた。

クリスタ「あぁん!あんあん!」

コニー「はぁはぁ……。」

モミモミ…チューチュー…クチュクチュ…

クリスタ「あ、あん、あっ。」

コニー「はぁはぁ、挿入るぜクリスタ。」
0650名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:17:07.20ID:bPWPKHB1
クリスタ「えっ!?」

コニー「行くぜ!」

クリスタ「ま、待って!」

コニー「あ?」

クリスタ「……その、まだ心の準備が……。」

コニー「何だ?今更怖じ気づいたのかよ。」

クリスタ「……ごめんなさい。」

コニー「誘ったのは、そっちだぜ!」

ズブッ!!

クリスタ「!?」ビクッ

クリスタ「あぁぁぁぁ!」

コニー「おら!クリスタのレンズを割ってやったぜ!」

クリスタ「あっ!あん!あぁっ!あぁっ!」

ズボズボズボ!!
0651名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:18:15.32ID:bPWPKHB1
コニー「おらっ!おらっ!」

クリスタ「ふっ!あっ!がっ!」

ズボズボズボ!!

コニー「はぁはぁ……。」

クリスタ「あっ!げほっ!おえっ!」

ズボズボズボ!!

コニー「はぁ!はぁ!」

クリスタ「ら、乱暴…しな…あっ!」

ズボズボズボ!!

コニー「うおぉぉ!」

クリスタ「あぁぁぁぁ!」

ズボズボズボズボズボズボ!!

コニー「あっ。」

クリスタ「!?」

ビューッ!!
0652名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:19:15.04ID:bPWPKHB1
コニー「はぁ、はぁ……。」

クリスタ「はぁ、はぁ……。」

コニー「……気持ち良かったか?」

クリスタ「……う、うん。」

サシャ「……コニー。」

コニー「?」

サシャ「セックス見てたら体が火照ってきました!もう一回やりましょう!」

ミカサ「私も。」

コニー「……しゃーねーな。今夜は寝かせないぜ?」

クリスタ「わ、私ももう一回したい!」

コニー「今度は怖じ気づくなよ?」

クリスタ「もう処女じゃないから怖くない!」





ズボズボズボ!!

サシャ「あん!あん!」

ズボズボズボ!!

ミカサ「はっ、あっ!」

ズボズボズボ!!

クリスタ「あぁ〜ん!」

ズボズボズボ!!

コニー「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

ビューッ!!

ビューッ!!

ビューッ!!
0653名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:21:01.89ID:bPWPKHB1
翌朝 食堂

コニー「−−−。」

サシャ「−−−。」

ミカサ「−−−。」

クリスタ「−−−。」

四人は、同じテーブルで朝食を食べている。(会話の内容は、ご想像にお任せします。)

ライナー「珍しい組み合わせだな。昨日何かあったか?」

ベルトルト「う〜ん……そういえば。」

ライナー「何だ?」

ベルトルト「最近深夜になると足音が聞こえるんだ。」

ライナー「足音?」

ベルトルト「おそらく誰かが部屋から抜け出してるんだよ。何かをする為に……。」

ライナー「……マジかよ。」

コニー「(^_^)v」


0654名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:23:26.09ID:bPWPKHB1
〜回転寿司

灰原「何かしら?」

光彦「ホコリ?のようですね」

歩美「うわー、汚い」

元太「なんだよちょっと付いてたくらい、とったらなんの問題もなく食べれるぞ」

光彦「そういう問題じゃないですよ…」



コナン「……」

阿笠博士「どうしたんじゃコナン君?」

コナン「へんだぞ?…いつ寿司にホコリがついたんだ?」
0655名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:24:26.17ID:bPWPKHB1
歩美「お寿司ってベルトコンベアでずっとくるくる回ってるからいつのまにかホコリが付いちゃったんじゃない?」

コナン「いや、ベルトコンベア上の皿自体は"鮮度くん"があるから空気中のウイルスやホコリ、他人のツバ等から寿司を守ることができるんだ」

光彦「あ、そういえば元太君はタッチパネルを使ってハマチを注文していましたよ?」

光彦「個別で注文したお寿司は通常のベルトコンベアレーンの上段にあるオーダーレーンで到着しますがこっちには鮮度くんがついていませんよ」

博士「ではその時にホコリが付着したんじゃないかのう?」
0656名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:25:28.92ID:bPWPKHB1
コナン「確かにオーダーレーンの皿には鮮度くんが無いけど厨房から数秒で到着する高速のレーンだ、そんな短時間でホコリが付着することは考えにくい」

灰原「…誰かが故意的にホコリを付着させた可能性もあるってことかしら」

光彦「ですがあんな速いオーダーレーンのお寿司にホコリをつけるなんてむずかしそうですねえ」

コナン「となるとホコリが付く場所が限られてくるよな」

光彦「あっ!」
歩美「っていうことは!」
元太「寿司作ってる厨房で付いたってことかよ!?」

コナン「恐らくな…よし!みんなで厨房に行ってみよう」

博士「しかしワシら一般人が厨房に入るのは無理じゃぞ」

コナン「まあ方法を考えるか」
0657名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:26:07.60ID:bPWPKHB1
〜15分後

光彦「ダメですねコナン君、厨房への出入り口は従業員に見張られているので突破は難しいかと」

元太「裏口も外からじゃ鍵がないと入れないようになってたぜ!」

灰原「八方塞がりってことね」

歩美「どうしようコナン君」

コナン「ハハハ、みんなまだ気づかないのか?もっと簡単に、むしろ歩かずに厨房に行く方法があるだろう?」

博士「一体どういうことじゃ?」

コナン「みんな回転寿司はどこから流れてくる?そしてお客に取られなかった寿司はどこに行くんだ?」

元太「そりゃ厨房から流れてきて食われなかった寿司はもとの厨房に戻って……あ!」

コナン「フッ…そういうことさ」ニヤリ
0658名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:27:59.75ID:bPWPKHB1
歩美「そっか!私たちがベルトコンベアに乗っていけばいいのね!」

元太「寿司も食いながら行けるから一石二鳥だな!」

灰原「あらあら、随分大胆な発想ね」

光彦「しかしホールにいる従業員や他のお客さんにバレて通報されるんじゃ?」

コナン「バレそうになったらやむを得ないが時計型麻酔銃で眠らせるしかない」

コナン「博士!みんなにも時計型麻酔銃を貸してやってくれ!それから博士の体ではベルトコンベアに乗れないからここにいて俺たちに気づいたやつらを麻酔銃で眠らせてくれ」

博士「わかったみんな気をつけるんじゃよ!」
0659名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:28:50.89ID:bPWPKHB1
元太「寿司うめえ!うめえ!」ガツガツ

歩美「元太君食べすぎだよー!気づかれてるからどんどん麻酔銃打って!」

コナン「ちっ!いくら打ってもキリがないな…」

光彦「元太君!いい加減動いてくださいよ!…あ、しまった!」

コナン「どうした光彦!」

光彦「あっ!ふ、服の袖がベルトコンベアに巻き込まれてしまっt…ああっ"!?」ガコン!


歩美「光彦くんっ!!危ないっ!」

元太「光彦!あ、服と一緒に頭も早まっちまったぞ!?」

光彦「ぁ"あ"!?あ"ーーーだす"けデください"!!!!げんだくんっ!!!!ゴナ"ン"グん!!!!」
0660名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:30:19.61ID:bPWPKHB1
コナン「光彦!!くっ…元太っ!手を貸せ!引っ張りだすぞ!」

元太「お、おうっ!」

光彦「gtげっ!!?!?ぇ"げ!!!」

コナン「くそっ!!!出てこい光彦っ!!!」

灰原「!?それ以上引っ張っちゃダメ!ベルトコンベアが壊れたら賠償できるの!?400万するものもあるのよっ!」

コナン「くそっ!…みんなもう行くぞ!」

元太「…でも光彦…大脳が飛び出してるぜ!」

歩美「光彦くん…あとで助けに来るね」

光彦「」
0661名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:31:08.06ID:bPWPKHB1
〜厨房

歩美「わー♪回転寿司の厨房見るなんて初めてー!」

元太「ここで働いたら寿司食い放題だな♪」

灰原「呆れたわ…店内にいた客と従業員全員眠らせて、仲間に犠牲者まで出しながら強行突破するなんて、探偵ってのは是が非でも事件を解決しないと気が済まない性分なの?」

コナン「バーロー…まあホコリの一つくらいでここまで推理するのはちょっとクレーマーじみてるかもしれないが、一歩間違えると集団食中毒になる大事件になり兼ねないからな」

灰原「病原菌による無差別テロってわけね…」

厨房のバイト「子供!?…君たちっ!ここで何してるんだ!?」

コナン「俺の予想が正しければ犯人は…」
0662名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:31:36.74ID:bPWPKHB1
バイト「ここは従業員以外立ち入り禁止だよ!すぐ戻りなさい」

コナン「ごめんなさ〜い!でもぼくたち回転寿司が大好きで厨房がどうなってるのか見てみたかったんだよー」

バイト「そんなこと言ったってダメ!厨房は特に衛生管理が厳しいんだ!そんな普通の格好と靴で入ってはいけないしマスクや帽子も着用しないといけないんだよ」

コナン「へーすごいねー…あ!まな板と包丁だ!ここでお魚を切ったりするんでしょー?見せて見せて!」

バイト「こ、こら!?」

コナン「あれれーーーー?まな板の上にちょっとだけホコリがついてるよー?」

バイト「!?」
0663名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:32:26.68ID:bPWPKHB1
バイト「そ、それは…多分作業中にたまたま空気中に漂うホコリが付いただけだよ…当然調理する前に汚れてないか確認するさ…」

コナン「ふーん…でもおかしいなぁ?お兄さんが言った通りこの厨房は衛生管理が徹底しててホコリなんて漂って無いみたいだけど?」

バイト「そんなの知らないよ!もう帰ってくれ!」

コナン「普通ホコリとかがあるとこってー…」

コナン「こういうゴミ箱だよねー?」ゴミ箱蹴りドカッ!

コナン「あ、ごめんなさいゴミ箱倒しちゃった…ん?あれれーーーー?ゴミ箱の中に生魚の小骨と組織液がついてるよー?」

コナン「ふつう生魚の廃棄物は専用のゴミ箱に捨てるよねー?なんでここから出てくるの?」
0664名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:33:06.43ID:bPWPKHB1
コナン「友達の元太君のハマチにホコリがついてたんだけどもしかしてゴミ箱に落とした?」

バイト「そ、そんな証拠ないだろ!」

コナン「観念したら?」バイト「!?」

コナン「元太の寿司に付着してたホコリとゴミ箱内のホコリの成分も比較できるしゴミ箱内の組織液もタンパク質の成分からこのハマチと一致すると思うよ?」

バイト「くっ!」ダッ!

歩美「あっ!逃げた!」

コナン「みんな!麻酔銃だ!光彦の仇とってやれ!」」

元太「おうっ!」バシュ!バシュ!

バイト「」バタ..

コナン「いまだ!」キック力増強シューズ出力最大

コナン「いっけえっ!!!!!」蹴りドゴッ!バイト「
0665名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:34:06.35ID:bPWPKHB1
コナン「ったく…今日は散々だったなー」

灰原「一体何が楽しくてイタズラ動画なんて投稿するのかしらね」

元太「食い物で遊ぶなんで信じられねえな」

歩美「でも結局お寿司食べれなかったね…そのかわりみんなでカラオケ来れたし良かったね♪ありがとう博士」

博士「構わんよ、ホレみんなお腹が減っとるじゃろう食べ物でも頼みなさい」


元太「じゃあ俺唐揚げで!」

fin
0666名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:39:18.29ID:bPWPKHB1
幼女「みないでよ…えっち!」

俺「はっ!失礼しました」ガチャガチャガチャ

俺「あれ…?鍵が壊れて出れなくなった」

幼女「早くでてけへんたい!」

俺「どうしよう…」
0667名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:39:53.47ID:bPWPKHB1
幼女「はわわ!間違えて服を全部トイレに流してしまった!」

俺「おお…」エロイナ

幼女「みるなばかー///」セキメン
0668名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:40:27.92ID:bPWPKHB1
〜1時間後〜

幼女「あちゅい…」

俺「確かに、密室だしそろそろ酸素の限界だな」

幼女「なんだか頭がクラクラしてきた…」

幼女「ねぇお兄ちゃん、わたし喉かわいた」

俺「トイレの水を飲ませるわけにはいかないしな、よしちょっとあっち向いてろ」シコシコ

幼女「うん!」
0669名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:41:09.61ID:bPWPKHB1
俺「あっしまった!」ドピュッベチャッ

俺「ミスって壁につけちゃった」キモチヨカッタケド

幼女「ねぇまだ?」

俺「ごめん、飲み物は無い。UNOならあるよ」

幼女「やったーUNOやりたい」
0670名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/13(水) 13:42:02.25ID:bPWPKHB1
全裸の幼女とUNOするのが俺の夢だお
SSは終わりだお
0671名無しで叶える物語(光)
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2023/09/13(水) 14:24:27.15ID:4OWNe345
>>670
荒らすな死ね
0673名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/14(木) 19:22:32.42ID:zvp3X4mf
0674名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 22:16:16.84ID:/dxU+MIp
すみれ「早く行きましょう。時間、ないんでしょ」

 そんな様子を見かねたすみれちゃんが、急かすように私の袖を引っ張った。

すみれ「可可はここにいて。その怪我じゃ、満足に動けないでしょ」

可可「な、く、クゥクゥも行けマスっ」

千砂都「あんまり目、見えてないよね。気を遣わせちゃうことになるから、ここに残ってたほうがいいよ」

すみれ「そういうこと。千砂都もね。かのん、行くわよ」

かのん「……私、ここに残っていい?」

すみれ「は? ここにきた目的ってそれじゃないの? アンタ
が行かなくてどうするのよ」

かのん「ごめんね。ちょっと、恋ちゃんのことで」

 意味ありげな目配せ。
0675名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 22:17:55.58ID:/dxU+MIp
すみれ「へ、言いたいことあるなら、今言えばいいじゃない」

かのん「いいからいいから」

 それがなんなのかはわからなかったけど、かのんちゃんは何故かそこから動こうとはしなかった。

 結局、私とすみれちゃんで入り口付近の状況を見に行き、人手が要りそうならまた戻り、かのんちゃんたちを呼ぶということになった。
 

侑「ここからだと、入り口までそんなに距離はないのかな」

すみれ「ええ、はい。このペースでも5分しないうちに着くと思います」

ジャリ、ジャリ…カラン

すみれ「あれ、ここも明かり消えてる……足元気をつけてください」

侑「うん。あ、無理して敬語使わなくてもいいよ。たまに取れてるし。もっとくだけて話そうよ」
0676名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 22:24:46.76ID:/dxU+MIp
すみれ「はあ」

侑「そうだ、教えてほしいな。Liellaのみんなのこと」

 酸素は薄く、空気も悪い。それでも、この重苦しい雰囲気から逃げたくて、私は努めて明るく話題を振った。

すみれ「……こんな時にですか?」

 すみれちゃんは怪訝そうに顔を上げた。

侑「こんな時、だから。みんなのこと、もっと知っておきたいの」

すみれ「それなら直接聞けば……」

侑「すみれちゃんの口から聞きたい」

すみれ「なんでです……よ。もう、仕方ないわね」
0677名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/14(木) 22:26:25.97ID:/dxU+MIp
 すみれちゃんは軽く咳払いをすると、ぽつりぽつりとゆっくり話し始めた。

 まずは可可ちゃん

 可可ねぇ ことあるごとにちょっかいかけてきたり口を開けばグソクムシグソクムシ でも すごいやつよ 遠いところからわざわざスクールアイドルやりにここまで来て 夢を叶えた
手先も器用だし 努力家よね もうちょい素直になればかわいいんだけど

 好きなんだね

 はあ?

 話してるとき すごく嬉しそうだったから 愛あるいじりってやつ?

 変なこと詮索しないで もう

 ごめんごめん そういえば グソクムシってなんのこと?

 ……
0678名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 22:27:42.11ID:/dxU+MIp
 次は恋ちゃん

 恋は そうね 言っちゃえばお手本のような優等生ね しっかりしてるけど たまに抜けてるところもあって お嬢さまだからかしら? 最初は尖ったナイフみたいで近寄りがたかったけど 生真面目っていうか たまに頑固なのよね

こんな状況でも 恋がちゃんとしていれば なんて 酷な話かサヤさんがああなっちゃって 恋はずっと苦しんでる
もしサヤさんが生きてて 恋の精神もまともだったのなら こんなことになってなかった

 辛気臭くなっちゃったわね 次いきましょ

 じゃあ 千砂都ちゃんは?

 千砂都は うーん なんていうのかしら 体育会系? 普段は温厚なんだけど 一度スイッチ入ると鬼ね ストイックだし 千砂都にならなんでも信頼して任せられる安心感あるわ
冷静だし 判断力もある あの異常な丸いもの好きは理解できないけど

でも かのんが絡むとよくわからないのよね かのんに対して なんか 変な理想を抱いてるみたいな あのふたりの過去はよく知らないけど 正直 見てて不気味に思うこともあるわ
あ、これオフレコでね
0679名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 22:44:50.89ID:/dxU+MIp
 ふう 喋り疲れた 最後はかのん?

 その前に すみれちゃんのこと教えてほしいな

 私? 神社の巫女さんやってます 以上

 えー 雑

 恥ずかしいったら恥ずかしいわ 他の子に聞いて

 ええと かのんは 内気で怖がりで小心者 かと思えば変なところで気が強いのよね 芯がしっかりしてるのかしら 歌唱力はプロ顔負けだし 割と多才で吹っ切れれば誰よりも強いと思うわ 人を惹きつけるのも その魅力故ね

今の『Liella!』があるのはかのんのおかげって ハッキリ言える でも

でも……?

それが悪い方向にいっちゃう未来も 考えちゃうのよね

――――
――――――――
0680名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 22:46:25.95ID:/dxU+MIp
かのん「……よし」ガチャリ

可可「かのん、レンレンになにを」

かのん「……」

千砂都「かのんちゃん?」

かのん「ねえ、恋ちゃん。サヤさんともう一度会えてさ、どう思った? まだ頑張れそう?」

恋「すみません。やっぱり、無理です。こうして目の前にすると、サヤさんの顔が浮かんできて……只々苦しいっ」

かのん「そっか。大切な人を亡くしたんだもん。そんなすぐに立ち直れないよ」

かのん「これ、見て」ス

恋「! サヤさんの、携帯」

かのん「座席の下に落ちてたんだ。開いてみて」

恋「はぁ、はぁ、……っ、あ、ぁああ」
0681名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 22:51:27.94ID:/dxU+MIp
かのん「待ち受け。恋ちゃんとサヤさん、仲良さそうに写ってるね。ふたりとも、お互いが本当に大切で大好きな人だったんだ」

恋「う、うぅうう!!」ガバ

可可「レンレン……っ」

かのん「この先、どんなに忘れようと努めても、ふとサヤさんのこと思い出して辛い思いすることになる。恋ちゃん、恋ちゃんには、あとなにが残ってる?」

可可「は? な、なに言ってるデスカ。かのんっ。レンレンにはクゥクゥたちがいます!」

恋「……のこってる もの」

かのん「ここまでよく頑張ったね。でもさ、もう恋ちゃんに生きる理由ってあるのかな」

可可「かのん!! ふざけているのデスカ!?」

かのん「ねえ、恋ちゃん。向こうでサヤさんとお母さんが待ってるよ? そろそろ、楽になってもいいんだよ」
0683名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 23:00:38.26ID:/dxU+MIp
恋「あ、あ ぅぅ、お母様、サヤさんっ」

恋「――――っ!」キョロキョロ

パシッ

恋「う"、ぅう"う"あああっ!!!」

可可「れ――――」

千砂都「!!」

グサッッ

かのん「……」

かのん「…………」

かのん「あは」

ブブブ

――――
――――――――

侑「うわ、こんなになってたんだ。げほ、っ、目痛い」ゴシゴシ

すみれ「甘かった。あの揺れでビクともしないなんて。ただ、隙間は増えたような気もする。下手に引き抜いたら一気に崩落しそう」コホ

侑「それで開通すれば、みんな助かる」
0684名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 23:03:37.12ID:/dxU+MIp
すみれ「バカなこと考えてない? やめてよ、ただの憶測なんだし。まだ死にたくないわ。一旦戻りましょ」

 桁違いの瓦礫の山。積み重なったそれは難攻不落の要塞。充満しきった強烈な異臭とガス埃が、視覚嗅覚の感覚を狂わせる。

 最初から、希望なんてなかったのかも知れない。

侑「ここまで来たのに……」

すみれ「出口の方も見に行ってみる?」

 そんな気力も体力もない。胃はジクジクと痛み、足は悲鳴をあげていた。往復するだけで、フルマラソンでもしたかのような虚脱感。

 とてもじゃないけど、これ以上は。

すみれ「冗談よ。もう大人しくしているのが吉なのかも」

侑「うん……、あれ。なんか、様子おかしくない?」

 バンから悲鳴のようなくぐもった声が聞こえてくる。
 すみれちゃんが駆け出す。私もその後ろを追う。最初に目に映ったのはガラスや座席一面に飛び散った血。それはまだ鮮やかで新しい。
0687名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/14(木) 23:22:54.31ID:/dxU+MIp
すみれ「なにがあったの!?」

 むせ返るような血の臭い。
 声を押し殺して泣いている可可ちゃんと、放心状態の千砂都ちゃん。至る所に血が付着している。
 

かのん「おかえり。早かったね」
 

すみれ「かのん。恋は、どうしたの……」

かのん「ああ、すごかったな」

 頬にべっとりと血を塗り付けたかのんちゃんは、怪しげに笑んだ。

すみれ「説明して!!」

 サヤさんの死体に寄り添うようにして横たわっている血まみれの恋ちゃん。彼女の喉には、ガラスの破片が深々と突き刺さっていた。

かのん「恋ちゃん、ガラスの破片で自分の首を……きっと耐えられなかったんだ。痛かったよね、苦しかったよね」
0689名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/14(木) 23:41:42.40ID:zvp3X4mf
この野郎……
0691名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/15(金) 20:03:12.60ID:twAtl3by
すみれ「恋が、自分で……? そんなこと、あるわけないじゃない」

かのん「私たちの誰かがやったっていうの? ひどいなぁ。サヤさんを失って、恋ちゃんが勇気を振り絞って選んだ選択だよ。尊重しなきゃ」

すみれ「いやに冷静ね。いつものアンタならもっと慌てふためいてるんじゃないの」

かのん「うーん、そうかな……そうかも、、」

すみれ「……恋になにかしたんでしょ。千砂都、なにがあったか話して」

千砂都「……」

すみれ「千砂都!!」

可可「レンレン、レンレンっ、う、っうう」エグエグ

かのん「おいで、可可ちゃん」
0692名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/15(金) 20:04:25.26ID:twAtl3by
可可「ひぐ、かのん……レンレンは、あそこまで追い詰められていたんデスカ。じ、自分で、あんな」

かのん「そうだね。でも、見て」

かのん「すごく満足そうな顔してる。恋ちゃんは最後の最後に救われたんだよ」

可可「すく、い」

かのん「こんな地獄みたいな場所でも、幸せを見つけられたんだ。それって、素晴らしいことだと思わない?」

すみれ「かのん、ふざけないで。どうしちゃったの?」

かのん「恋ちゃんかわいそうだったから。解放してあげた。この暗闇から」

 不気味なほどの落ち着き具合。黒く濁った瞳。目の前にいるのはかのんちゃんであって、まるで別人の誰か。

侑(いつから……?)

 私は知っているはずだ。この変化は嫌というほど見てきた。
 極限状態の中で精神がストレスに屈したとき、自我は崩壊する。

 かすみちゃんは恐怖から錯乱した。栞子ちゃんは大切な人を失った悲しみから。エマさんは強迫観念からくる自己責任に押し潰された。

 じゃあ、かのんちゃんは?
0693名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/15(金) 20:05:55.34ID:twAtl3by
すみれ「やめてよ……かのんまでおかしくなったら、Liellaはどうなるの?」

かのん「おかしく……? あは、へんなの。私はおかしくなんかなってない。そうだよね、ちぃちゃん」

千砂都「……え」

かのん「教えて。今の私はちぃちゃんの目にどう映ってる?」

すみれ「千砂都っ、無視して」

千砂都「かのんちゃんは、恋ちゃんを苦しみから救ってあげた……」

かのん「そう」

千砂都「困ってる人に手を差し伸べて、悪いやつを懲らしめる……私の、ヒーロー」

かのん「うんっ」ニコ
0694名無しで叶える物語(はんぺん)
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2023/09/15(金) 20:07:31.88ID:twAtl3by
かのん「ほら、手出して」ス

千砂都「あ、」

かのん「せーの」

かのん、千砂都「うぃっす」コツン

かのん「あは、っは。ちぃちゃん、私も今なら答え出せそうだよ」

千砂都「ほんとっ?」

かのん「私も引くと思う。躊躇わず」

千砂都「! かのんちゃん」ダキッ

すみれ「なんなの、おかしい……ほんとに、っ、どうかしてる」
 

コン、コンコン――――バンッ
 

可可「な、なんデスカ?」

侑「誰かドア叩いてる……え、」
 

歩夢「は、ひ、ぅ……ゆ、ちゃ、ん」フラ

侑「歩夢!!」

 悪夢の始まり そして終わり
 最後の時が 近づいていた
0695名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/15(金) 20:09:23.09ID:twAtl3by
ひとまず4章終了まで
次、最終章です
0697名無しで叶える物語(光)
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2023/09/15(金) 20:32:05.60ID:6eC36mQr
面倒だろうけどワッチョイ有りで立て直すのどう?
0700名無しで叶える物語(茸)
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2023/09/15(金) 21:31:31.02ID:wndTH7V1
真の主人公平安名すみれ
0701名無しで叶える物語(SB-Android)
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2023/09/15(金) 23:05:29.97ID:rKgouvxr
歩夢が来たってことは歩夢しか来れない状態
あの場で五体満足だったはずのミア、歩夢よりは怪我がマシなせつ菜がいない
追いかけてきてもおかしくない果林もエマもいない

……まさかね
0703名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 11:08:25.49ID:H6Doaq+C
恐ろしくなってきた
0704名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 13:54:22.40ID:NEyO2qNt
侍「だってお上の命令だもん」

農民「今、結構カツカツですよ? うちの子なんかヒエとアワしか食ってないのに!」

侍「でもお上の命令は絶対だもーん」

農民「くそー、この幕府畜め!」

侍「聞こえませーん」パタパタ
0705名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 13:56:54.34ID:NEyO2qNt
農民「ならこうしましょう! 今から私と勝負してください。あなたが勝ったら年貢アップ、私が勝ったら年貢ダウンで」

侍「俺に全然メリットないじゃん。ダメダメ。さっさとお米出しな」

農民「じゃあ、あなたが勝ったらうちの嫁の乳房を揉ませてあげます」

侍「お、心揺れる」
0706名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 13:58:07.76ID:NEyO2qNt
農民「器量が良くて働き者です。Bカップです」

侍「Bか……迷いどころだな……。下手したら俺、解雇されちゃうもんな」

農民「あと5秒以内に決めてください。5、4……」

侍「やる」
0707名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 13:59:16.35ID:NEyO2qNt
農民「やりますか。なら嫁を呼びますね。おーい、お鶴やーい」

侍「楽しみになってきた」



お鶴「なにか用け?」パタパタ

農民「ちょっとお前景品になってくれ」

お鶴「はい? あ、これはこれはお侍様、よおおいでくださりました」

侍「うむ(お、想像以上にかわいい)」
0708名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:04:37.11ID:NEyO2qNt
お鶴「景品ってなんけ?」

農民「おぅ、年貢の比率を決める重要な勝負の景品だ。俺が勝ったら年貢ダウン、負けたら年貢アップの上にお前の乳房がお侍様に揉まれる」

お鶴「だらぶつ!」/// ドガッ

農民「痛!」

侍(ひ、膝で相手の下あごを……)

お鶴「身分が低くてもうちの体は安くないがいちゃ! もうおめえさんとはややこなんか作らん!」/// スタスタ

農民「お、お鶴〜……」

侍(……はかない夢だったか……)
0709名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:05:29.36ID:NEyO2qNt
農民「すいません、乳房の件は無しになりました……」

侍「だろうね」

農民「代わりと言っちゃなんですが、娘でもいいでしょうか?」

侍「お前最低だな。俺は嬉しいけど」

農民「器量はお鶴に負けず劣らず。心優しい子で、膝蹴りなんかもしません。Iカップです」

侍「I!?」ブバッ

農民「やりますか?」

侍「やる」
0710名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:06:01.02ID:NEyO2qNt
農民「じゃあ早速呼びます。おーい、松子やーい」

侍「Iか……。たまらんな」



お鶴「……」パタパタ

農民「あ、お鶴、お前じゃない。俺は松子を呼んだんだ」

お鶴「だらぶつ!」ドガッ

農民「痛!」

侍(あ、さっきと同じ展開……)
0711名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:07:16.11ID:NEyO2qNt
お鶴「おめえさん、松子に何させる気やったんけ!」

農民「いや、俺が勝ったら年貢ダウン、負けたら年貢アップの上に松子の……」

お鶴「松子はおらが大事に育てた娘や! どこぞの下級武士に揉ませる乳房なんかない!」スタスタ

農民「お、お鶴〜……」

侍(傷つくわー……)
0712名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 14:07:45.12ID:NEyO2qNt
農民「……すいません、お松もダメでした」

侍「もういいからお米出せよ。このままじゃお前ん家、家族崩壊するぞ?」

農民「いえ、諦めません! うちにはまだ子供がいます!」

侍「もうお前には良心ってもんがないの?」
0713名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 14:09:24.10ID:NEyO2qNt
農民「太郎! 次郎! 三郎! ちょっと来い!」

侍「しかも男かよ……」

農民「親ばかかもしれませんが美少年です。彼らの股からぶら下がる男根は庄屋さんと比べても見劣りしません」

侍「いや、庄屋さんのちんこなんか見たことねーし……」
0714名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 14:09:58.80ID:NEyO2qNt
太郎「なにか用け、おとっつぁん」パタパタ

次郎「あ、お侍様、こんにちわ」パタパタ

三郎「草むしりがまだ終わってないんだけども」パタパタ

農民「よお来た。お前達、ちょっと景品になれ」

太郎「景品?」

農民「ああ、お前たちの男根がお侍様に揉まれる」

侍「説明はしょり過ぎて意味わかんねーことになってるっていうかちんこなんか揉みたくねーよ」

次郎「えー、いやだなー」

三郎「おらたちやっぱおなごがいい……」

太郎「ちょっと母ちゃんに聞いてくる……」パタパタ

農民「あ、こら、待て! 太郎!」
0715名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:10:56.55ID:NEyO2qNt
侍「行っちゃった……」

農民「もう膝蹴りは勘弁だな……」ヒリヒリ

次郎「そもそも何で男根を揉まれなきゃならんのけ?」

農民「年貢の比率に関する勝負をするのだ。勝てば年貢を納めなくていいそうだ」

三郎「本当か!?」

侍「納めなくてもいいとは言ってないし、だいたいちんこ揉むために勝負なんかするか!」
0716名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:11:20.12ID:NEyO2qNt
お鶴「……」パタパタ

次郎「あ、母ちゃんだ」

農民「あ、顎は禁止だぞ!」ガバッ

お鶴「だらぶつ!」コキン

農民「あああ!! 金的かよ!!」ピョンピョン

侍(痛そ〜……)
0717名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:11:55.64ID:NEyO2qNt
お鶴「お、おめえさん、大事な子供たちになんてことを!」コキンコキン

農民「潰れる! 潰れる!」ゴロゴロ

侍「見てるだけでこっちもお腹痛くなってくるな……」
0718名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:12:24.77ID:NEyO2qNt
お鶴「そんなに揉んでもらいたきゃ、おめえさんの男根揉んで貰えばいいがいね!」

農民「えー……お鶴専用の巨根なのに……」

お鶴「何が巨根け! 枝豆くらいのくせして!」スタスタ

農民「お、お鶴〜……」

侍「愉快な家族だな」
0719名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:13:22.08ID:NEyO2qNt
農民「……というわけで、わたしの枝豆のような男根を賭けて勝負です」

侍「やだよ。どんな罰ゲームだよ」

農民「だってもうこれ以上手だてが……」

侍「素直に米出せって。これ以上たてついたら水牢責めだぞ?」

農民「……うう……。あ、一定量のお米が手に入ればそれでいいんですよね?」ピコーン

侍「そうだけど……」

農民「ちょ、ちょっと待っててください!」パタパタ
0721名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:14:56.41ID:NEyO2qNt
五人組の皆さん


武彦「なんだ、話って?」

与市「おらたちは忙しいんだ」

太助「もう集団自慰なんかやんねえぞ?」

幸介「あれは無駄な時間じゃった」

農民「まぁまぁ、ちょっと協力してくれ」

侍「なんかむさくるしいのが来たな……」
0722名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:15:41.03ID:NEyO2qNt
農民「おめえたちには年貢滞納勝負、『ごちになります』に参加してもらう」

幸介「なんじゃ『ごちになります』って?」

与市「ご馳走してくれるのけ?」

農民「今年から年貢率引き上げという話はおめえたちも知ってるだろ?」

太助「おう」

武彦「困ったことじゃ」
0723名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:16:17.67ID:NEyO2qNt
農民「来年どうなるかは分からんが、今年は誰一人遊ぶ余裕がないのは確かだ」

与市「今年はうちの母ちゃんで我慢するしかねえからの」

太助「もうおらは母ちゃんじゃ勃たんがいね」

幸介「おめえんとこはめんこいお鶴さんが居ってええのぉ」

農民「そこでだ。ここは五人組の誰か一人がすべて負担した方がええんじゃないかと」

武彦「なるほど!」

与市「おめえ、学者さんじゃの!」

太助「天才やんけ!」

侍「没落するだろ!」
0724名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:17:06.37ID:NEyO2qNt
農民「誰か一人が痛い目に遭うのは確か。だがそれはたった5分の一の確率!」

幸介「じゃ、じゃけんどどうやって納める人を決めるんけ?」

農民「運に身を任せてじゃんけんという方法もある……」

一同「「……」」ゴクッ

農民「だが、俺たちにはこれは誰にも負けない、と自信をもって言えるものがある!」

武彦「ま、まさか!」




農民「そう、それは……。男根の大きさだあああああああ!!!!!!!」ドーン

一同「「な、何だってー!!!!」」

侍「……」
0725名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:17:33.79ID:NEyO2qNt
***


農民「うう……こんなはずじゃなかったんだ……」シクシク

侍「お前、あえて苦手分野で挑むなんて勇気あるよ。分身が苦手なナルトが多重影分身使ったときくらい感動したよ」

農民「い、いつもはお鶴もおっきいって言ってくれてたんですよ!」シクシク

侍「ついさっき枝豆って言われたばっかだろ……」

農民「お、お鶴にぶっ殺される……」シクシク
0726名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:19:28.70ID:NEyO2qNt
侍「もう一軒一軒回ってさっきの勝負を無かったことにしてもらうしかねーよ」

農民「む、無理ですよ! あいつら、喜びいさんで帰ってったじゃないですか! お天道様ありがとうとか言いながら!」シクシク

侍「ならお鶴さんと一緒に謝ってくるんだな。あるいは同情してくれるかもしれんぞ?」

農民「お鶴が怖いです! お願いします! お侍様から事情を説明してください!」

侍「なんでそこまで……」

農民「息子らの男根を揉んでもいいですから!」

侍「なんでちんこなんだよ!」
0727名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:19:57.98ID:NEyO2qNt
農民「うう……お鶴に怒られる……小遣い減らされる……」シクシク

侍「子供かよ……。分かった分かった。俺から言ってやるよ」ハアー

農民「あ、ありがとうございます! あなた最高です! 士農工商でいくと士くらい最高です!」

侍「実際、士なんだけど」

農民「じゃあ私はあんまり悪くなかったって感じで伝えてください。いやー、助かった!」

侍「コイツむかつく……」
0728名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:20:24.43ID:NEyO2qNt
***

侍「お鶴さん、あー、実はカクカクシカジカで……」

お鶴「ほ、本当ですか!?」


***



農民「お侍様、うまくやっとるだろうか……」
0729名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:20:53.98ID:NEyO2qNt
お鶴「……」スタスタ


農民「お、出てきおった。おーい、一緒に謝りに行くぞー!」

お鶴「……」パタパタ

農民「今聞いたとおりだ。俺は五人組の奴らにはめられt」

お鶴「だらぶつ!」コキン

農民「ああああ!!! 痛たたたた!!!!」ピョンピョン

お鶴「おめえさんの馬鹿さ加減にはついていけん! その枝豆でなんで勝負になると思ったんけ!」コキンコキン

農民「お侍様、全然オブラートに包んでくれなかった!」ゴロゴロ
0730名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:22:19.87ID:NEyO2qNt
***


農民・お鶴「すいませんでしたー!!」

武彦「そう言われてもな、おらは苦しい戦いを制して年貢免除の権利をえたんじゃ。そう簡単には手放さんわい」

農民「一瞬で勝負が決まったじゃないか……」

お鶴「どうか! このままではうちらは餓死してしまいます!」

武彦「世の中には等価交換という言葉があるんじゃ。わしに年貢を納めて欲しかったらそれ相応のものを出すのが常じゃ」

お鶴「そ、そういわれましても……」

農民「よし、揉ませてやる」

武彦「なに!?」

お鶴「お、おめえさん!」///

農民「お鶴、辛いだろうが我慢してくれ……。やはり命にはかえられん……」

お鶴「おめえさん……」

農民「じゃが武彦! 揉んだら必ず年貢を納めると約束しろ!」

武彦「よ、よかろう……」鼻血ダラダラ
0731名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:22:59.53ID:NEyO2qNt
お鶴「う、うぅ……」ポロポロ

農民「お鶴……すまん、すまん……」ポロポロ



武彦「……じゃ、じゃあ揉ませてもらうぞ、お鶴さん」ハァハァ




農民「待て。誰がお鶴の乳房を揉んでいいといった?」

武彦「え?」

農民「太郎、カモンッ!」


ガラガラッ


太郎「ご指名ありがとうございますっ! 越中の巨根系男子、太郎です!」

武彦「」
0732名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:23:24.41ID:NEyO2qNt
***


農民「すまなかったな、太郎……」テクテク

太郎「おらより武彦さんに謝れよ、おとっつぁん。ずっと血の涙流してたぞ」テクテク

お鶴「太郎のおかず、増やしとくちゃ。ほんと辛い思いさせてすまなんだ」ポロポロ

農民「俺は?」

お鶴「おめえさんはお湯でも飲んでろ!」
0733名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 14:23:55.50ID:NEyO2qNt
***


与市「ほ、ホントに揉ましてくれるんだな!?」鼻血ダラダラ

農民「ああ。だが必ず年貢を納めると約束しろ!」

与市「するする! お鶴さーん!」ピョーン




農民「ストップ! 次郎、カモン!」




ガラガラ




次郎「ご指名ありがとうごさいますっ! 越中ふんどしに収まりきらない巨根の次郎です!」

与市「」
0734名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:24:42.31ID:NEyO2qNt
***


農民「すまなかったな、次郎……」テクテク

次郎「与市さん、うちをひ孫の代まで呪ってやるって喚いてたな……」

お鶴「ほんとすまねえ……おら、おめえのこと愛してっから、自分が情けなくて情けなくて……」ポロポロ

次郎「母ちゃん……」

農民「俺は?」

お鶴「早よ死んじまえ、この枝豆!」ポロポロ

農民「ひどい……」シクシク
0735名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:25:51.23ID:NEyO2qNt
***


太助「お鶴さん、も、揉むぞ!」ハァハァ




農民「三郎、カモンッ!」




三郎「ご指名ありがとうごさいますっ! 男根がはみ出て越後まで、巨根の三郎です!」

太助「」
0736名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:26:51.12ID:NEyO2qNt
***



農民「すまなかったな、三郎……」テクテク

三郎「終盤の太助さん、気がふれて観音様が見えるとか言ってたな……」

お鶴「うう……おめえにこんな嫌な思いさせて……おら母親失格だよ〜……」ポロポロ

三郎「母ちゃん、そんなことねえって……」

農民「俺も父親失格かもしれん」

お鶴「おめえさんは人間失格やちゃ!」ポロポロ

農民「ひどい……」シクシク
0737名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:27:18.41ID:NEyO2qNt
***


幸介「ええんか!? ええんやね、お鶴さん!?」ハァハァ





農民「お侍様、カモンッ!」





侍「ご指名ありがとうございますっ! じゃ、ねえよっ! なんで俺がこんなことしなくちゃいけないんだよ!」

幸介「」

農民「ままっ、抑えて抑えて」ガシッ

侍「い、いやだー!!!! 離せ、無礼者ー!!!!」

幸介「」
0738名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:27:43.13ID:NEyO2qNt
***


農民「すみませんでした……」

侍「お鶴さんに触らせたくないなら自分の揉ませりゃいいだろ!?」

農民「いや、なんかこう……気持ち悪くて」

侍「俺だって気持ち悪いよ!」
0739名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:28:31.67ID:NEyO2qNt
松子「おとっつぁーん!」タッタッタ



農民「おぅ! 松子!」ヒラヒラ

農民「お侍様……私はね……何を犠牲にしてもこの家族を守り抜こうと心に決めているんです。たとえ自分の命であっても……」





侍「いや、それをぶち壊そうとしたのお前だから……」

お鶴「このだらぶつ……」





お百姓ストーリー 第一話「揉み年貢」 完
0740名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:38:09.95ID:NEyO2qNt
夜 食堂

ガヤガヤ

サシャ「うほぉぉぉぉぉ!! ひょおぉぉぉぉぉぉ!!」

クリスタ「ちょ、ちょっとサシャ…騒ぎすぎ…」

ユミル「黙れ芋女! と、言いたい所だが…」

アニ「まぁ…サシャの気持ちも解らなくはないね」

ミカサ「……」

エレン「うわ、すごいな! こんな御馳走見たの何年ぶりだよ」

コニー「へへっ これ食えるだけでも、訓練兵団に入ったかいがあるってもんだぜ」

アルミン「本当だね! 訓練兵三年間のうちに一度だけ豪華なパーティーがあるとは聞いていたけど」

マルコ「まさか滅多に手に入らない牛肉、豚肉、鶏肉までこんなにあるなんて…」
0741名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:39:17.71ID:NEyO2qNt
ライナー「おいおい、これ見てみろよ…酒だぜ?」

ジャン「酒まであるのかよ ここだけ見りゃ物資不足なんて嘘に思えちまうな」

ベルトルト「うん 本当に凄い…こんな食事、僕は初めてかも…」

サシャ「ヘイ…! ヘイヘイ! ヘイヘイヘイヘイ!!!」

ライナー「…だれかサシャを止めておけよ!」

ジャン「御馳走を前におかしくなってるじゃねぇか」
0742名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:41:18.65ID:NEyO2qNt
キース「貴様ら……全員揃っているか?」

一同「ハッ!」

キース「……本来なら、貴様ら犬以下の兵士にはこのような食事を食す権利などないのだが」

キース「王に心臓を捧げる兵士となった以上、いつ死んでもおかしくないその身…」

キース「まともな食事もとった事なく、巨人の餌になっても巨人の方が願い下げであろう…」

キース「…そこで、王の思し召しにより…訓練兵期間に一度だけ…このような食事が出されておる」

キース「貴様ら……心して食え そして、いつ野垂れ死んでも良い覚悟をしておけ」

一同「ハッ!」敬礼

キース「……以上だ 今日は特別に消灯時間までの行動は自由とする」

キース「ハメを外し過ぎぬようにな………」
0743名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:41:50.10ID:NEyO2qNt
コニー「……っふー 何もこんな日に脅しをかけなくてもいいじゃねぇか」

マルコ「まぁ…それが教官って仕事だからね」

アルミン「それに、この食事会の企画や費用集めはキース教官が中心になって行っているらしいから」

ジャン「マジかよ…想像できねぇな」

ライナー「鬼教官なのは仕事だからって事か…もう教官に足を向けて寝られんな」

サシャ「フッ! フッフッ! ソッオォイ!」ドタバタ

エレン「おい! 誰かサシャ押さえといてくれ!」
0744名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:43:03.59ID:NEyO2qNt
ライナー「…しかしだな、酒もあるってのは…」

アルミン「まぁ…大人が飲むものだけど、子供が飲んじゃいけない法律はないしね」

ジャン「俺たちは兵士なんだぜ? 誰に遠慮してんだよお前ら」

エレン「お…! 林檎やオレンジを絞ったジュースもあるみたいだ」

ジャン「へっ! エレンちゃんは酒も飲めないお子様だものなぁ」

エレン「ああ? 突っかかる言い方じゃねーか」
0745名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:46:55.74ID:NEyO2qNt
アルミン「ちょ…ちょっとやめようよ せっかく教官が開いてくれた食事会なんだからさ…」

エレン「ああ…そうだなアルミン とりあえず席に座るか」

ミカサ「エレン、アルミン…こっち」

エレン「お、ミカサ ほらアルミン、ミカサが席取ってくれてるみたいだぜ」

アルミン「本当だ じゃあ行こ…うっ!」

ジャン「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

エレン「ん? どうしたアルミン? 早く行こうぜ」

アルミン「う、うん! 早く行こうエレン!」イソイソ…

ジャン(クソっ! エレン……またミカサと……ふざけんじゃねぇ!!)
0746名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:47:29.36ID:NEyO2qNt
ライナー「んん…俺たちはどうするか…」

ベルトルト「……出来れば、女神の隣に座りたい…よね」

ライナー「ああ…だが、あれを見てみろ」


ユミル「ほら 飲んでみなって」

クリスタ「う…うん …うぇ!」

ユミル「ははははは! なんだ飲めないのかクリスタ?」

クリスタ「むっ! 飲めるよこのくらい!」ゴクゴクッ

クリスタ「……ううう」

ユミル「なんだぁ? 辛そうな顔してるな?」

クリスタ「う…うるさいよユミル!」

アニ「……」チビッ
0747名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:48:10.23ID:NEyO2qNt
ベルトルト「………番犬付きだね」

ライナー「ああ…あいつがいる限り、俺たちは女神と話す事すらままならん」

ベルトルト「アニもあの席にいるし、あまり目立った行動は出来ない どうしようか…?」

ライナー「しばらく様子を見よう …チャンスは来るはずだ」

ベルトルト「うん… そうだね とりあえず開いている席に座ろう」

ライナー「そうだな」


サシャ「うほぉぉぉぉぉ!!」ガツガツッ!

コニー「て、てめぇ! 俺のチキン取るんじゃねぇ!」

サシャ「はい! これあげます!」ポイッ!

コニー「………骨じゃねーーか!!」

サシャ「うひょぉぉぉぉぉ!!!」ガツガツガツッ!

コニー「お前もう他の席いけよぉぉぉ!!」
0748名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:49:02.91ID:NEyO2qNt
_________
____
_

エレンたちの席

エレン「…案外、酒ってのも美味いもんだな」ゴクッ

ミカサ「…本当 おいしい」

アルミン「前に一度、エレンの家で飲んだ事があるよね」

エレン「あー あの時はすぐに吐き出しちまったけどな」

ミカサ「エレンは昔から無茶しすぎる その後お母さんに怒られて…」

エレン「お! おい! 恥ずかしいだろ! 言うなよ!」

アルミン「あはは! 確かにあのお酒はキツかっ……たっ!」


ジャン「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
0749名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:49:34.55ID:NEyO2qNt
アルミン(ミカサの隣にこっそり座ったジャン…なんて目をしているんだ…!)

アルミン(あの目…言いたい事は…)

ジャン(俺も会話に混ぜろォォォォォォォォォォ!!!)

アルミン(…恐らくそんな所だろう…うう、しょうがない)

アルミン「ジャンは、今までお酒を飲んだ事はある…のかな?」

ジャン「!! あ…ああ! あるぜぇ! メチャクチャあるぜぇ!!!」パァァァ

エレン「ん? なんだ、居たのかよ」

ジャン「う、うるせぇ! 居たんだよ! 文句あんのか!?」
0750名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:50:04.17ID:NEyO2qNt
アルミン「ま…まぁまぁ! 楽しく飲もうよ!」

エレン「ああ、そうだな で、いつ飲んだんだよ?」

ジャン「はっ そんな事覚えてねぇな! てめぇが鼻水垂らしてた頃じゃねーか?」ニヤッ

アルミン(うわー…)
0751名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:53:09.02ID:NEyO2qNt
ジャン「まぁ ガキには解らないだろうがな! ははは!」

アルミン(い…痛々しい この言葉しか見つからない…)

ミカサ「……」シラー

アルミン(大人な所を見せてミカサの気を惹きたいんだろうけど…だめだっ!)

ジャン「11歳の時の口癖が『あー二日酔いだわ、俺』だったんだぜ」

アルミン(…やめろ! やめるんだ! これ以上は致命傷だ!)

エレン「へぇー ジャン、凄いんだな それじゃ酒に強いのか?」

ジャン「あ、当たり前だろ! お前とは違うんだよ!」

ジャン「おら、見てろ! こんな瓶なんてな…」ゴクゴクゴクッ

ジャン「…っぷはぁぁぁぁ …どうよ」キリッ
0752名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:54:27.96ID:NEyO2qNt
エレン「おお! すげぇ! じゃ俺も!」

ミカサ「エレンは駄目」パシッ

エレン「な…なにすんだ! 返せよ!」

ミカサ「駄目なものは駄目」

ジャン「へへ…! ガキには無理だ無理! …うっぷ」

アルミン(ジャン……)
0753名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:55:10.69ID:NEyO2qNt
クリスタたちの席

アニ「……」チビッ

ユミル「ほらほら! これも美味いぞ!」

クリスタ「んん? あ、本当だ! 美味しい!」

ユミル「だろう? ほら、こっちも美味いぜ」

アニ「……」チビッ


ライナー「……」

ベルトルト「……なかなか状況が変わらないね」

ライナー「ああ…しかし、アニの奴はいつにも増して静かだな」

ベルトルト「うん どこかを見つめながら酒を煽ってるね」
0754名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:56:01.51ID:NEyO2qNt
ライナー「まぁ……視線の先にはエレンか」

ベルトルト「エレンのテーブルに行きたいけど、中々タイミングがない…そんな所だろうね」

ライナー「あいつも俺たちと同じ状況ってわけか ミカサの目も光ってるしな」

ベルトルト「うん …なんだか席も固まっちゃたし、大きく流れが変わらない事には…」

ライナー「……いや、まだだ まだ時間はある」


コニーたちの席

コニー「ふざけんなぁぁぁぁ!!! 俺のロ、ローストビーフがぁぁぁ!!」ダンッ!

サシャ「まぁまぁ 他にも料理はあるんですし…」

コニー「俺の目には真っ白な皿の山しか映ってねぇよ!」

サシャ「はい! そこにもう一枚!」カチャ

コニー「ぐあああああああああああ!!!!!」
0755名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 14:59:51.90ID:NEyO2qNt
_________
____
_
エレンたちの席

アルミン「それにしても凄いなぁ こんなに肉を食べたのなんて、久しぶりだよ」

エレン「ああ… 肉料理なんてシガンシナ以来じゃないか?」

ミカサ「……」///スッ

エレン「ん? どうしたミカサ? 何処か行くのか?」

ミカサ「…そ、それは」モジッ

アルミン「…ちょっとエレン!」

ジャン「へっ! 気遣いも出来ないガキだな」

エレン「ああ? お前ら何言って…ああ、トイレか」

ミカサ「う…」///

アルミン「エレン! デリカシー無さすぎるよ!」

ミカサ「……行ってくる」///スタスタ
0756名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:00:13.24ID:NEyO2qNt
ジャン「信じらんねぇ野郎だな…マジかよ」

エレン「な、なんだよお前ら…トイレくらい言って行けばいいじゃねーかよ…」

アルミン「…まぁ、エレンだからね」

ジャン「クソむかつくぜ… なんでこんな奴と…」
0757名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:06:28.46ID:NEyO2qNt
クリスタたちの席

アニ「――!」ガタッ

クリスタ「! アニ、どうしたの?」

アニ「…いや、なんでもない」

アニ「…ちょっと席を変えるから」スタスタッ

ユミル「おお 行け行け! この席は私と女神専用なんだよ」

クリスタ「ちょ、ちょっとユミル!」


ライナー「む! …アニが動いたな」

ベルトルト「うん! …でもユミルは動かない」

ライナー「あの女…どこまで邪魔する気だ…」
0758名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:11:20.71ID:NEyO2qNt
ベルトルト「ユミルが離れない限り、向こうに行っても追い払われてしまうよ…」

ライナー「うむ …だが流れが変わりつつあるな いつでも動けるよう準備しておけよ」

ベルトルト「うん …寸分のチャンスも逃さない!」


コニーたちの席

コニー「……」

コニー「お前、それどっから持ってきた?」

サシャ「このチキンですか? 隣の席で余ってたみたいなので…」モグモグ

コニー「……まぁいいや 俺にもくれよ」

サシャ「はい! どうぞ!」ポイッ!

コニー「……俺はゴミ箱じゃねぇんだよ! 肉付いてる骨をよこせ!」

サシャ「そんな勿体ない事、できません!」

コニー「この野郎! この…この野郎!」グヌヌ
0759名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:12:21.63ID:NEyO2qNt
エレンたちの席

アニ「…ここ、開いてるね?」スッ

エレン「お、アニ こっち来たのか?」

ジャン「そっち側の椅子ならどこに座っても良いぜ ただし、俺の隣はミカサのもんだ」フンッ!

アルミン(アニ…か ミカサが席を立ったタイミングでここに…)

アルミン(…これは一波乱ありそうな予感…)

エレン「ほら これ飲んでみろよ 意外と美味いぜ」

アニ「ん…」チビッ

ジャン「なんだその鶏みてーな飲み方は! ガキばっかだなぁ! ははは!」

アニ「……」ギロリッ

ジャン「……じょ、冗談、冗談だろ! 本気になるなよ…」ビクビク

アルミン(問題は…ミカサが帰ってきてから…うーむ、どうしよう)
0760名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:12:59.62ID:NEyO2qNt
アルミン(アニとミカサは険悪な雰囲気になる事が多い…上手く回避するには…あっ!)

ミカサ「……」スタスタッ

アルミン(もう帰ってきた…! これは…まずいか…!?)

アニ「……」

ミカサ「……」

アルミン(ううう…)

ジャン「ほら、ミカサ! 席は取っておいたぞ!」グビッ

ミカサ「……」

ミカサ「…ありがとう、ジャン」ポー///

アルミン「…―え!」ガタッ

アニ「…―!」

ジャン「―ブフゥ!!!」
0761名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:15:58.89ID:NEyO2qNt
エレン「お! ミカサ、早かったな!」

ミカサ「う…」ポー///

アルミン(…な…なんだ! 何が起きた!?)

アルミン(アニと険悪になるどころか…ミカサが…ジャンに…お礼を言った!?)

アルミン(ど、動揺しすぎて…手元のお酒を自分の皿にぶちまけてしまったよ…!)

アルミン(ジャンも口に含んでいたお酒を噴き出しているし…!)

アルミン(うわ…アニがあんなに目を見開いた表情…初めて見た!)
0762名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:17:04.53ID:NEyO2qNt
エレン「…なんだよジャン 汚いよ 早く拭けって」

ジャン「え!? あ、ああ! すまねぇ」

エレン「あー… アルミンも酒をこぼして…もったいないだろ アニは何に驚いてんだ?」

アニ「!… い、いや、なんでもない」

アルミン「え!? あ…そ、そうだね! どうしちゃったのかなぁー…はは」

ミカサ「……」///ストッ

エレン「……ん、ミカサ なんかお前、顔赤くないか?」
0763名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:18:05.40ID:NEyO2qNt
ミカサ「え…そう?」///

エレン「ああ なんか…熱でもあるような…」

ミカサ「そう…かな?」///ファサ

エレン「!」ドキッ!

アルミン「!」ドキッ!

アニ「!」ドキッ!

ジャン「!!!」ドキドキドキッ!!!
0764名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:18:39.02ID:NEyO2qNt
アルミン(な、なんだ今のは! ミカサの髪を少し弄る動作から滲み出た…この感覚はっ!)

アルミン(こ、これは………艶めかしい…そう、『艶めかしい』だっ!)

アルミン(ミカサの顔が赤いのは、恐らく軽く酔いがまわっている為…つまりほろ酔い…)

アルミン(ほろ酔いでミカサから近寄りがたいオーラや毒気が抜けているんだっ!)
0765名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:20:12.90ID:NEyO2qNt
アルミン(…そして、その軽く酔ったミカサの一挙手一足全てから…普段にはない…色気が放たれているっ!)

アルミン(赤らめた頬に伏せがちな瞳…普段は見せない無防備な物腰っ…!)

アルミン(ミカサの黒髪も相まって…なんというか…お淑やかで情緒的で…どこか官能的な美少女がそこに…!)

ジャン「」ボタ…ボタ…

アルミン(その色気をモロに浴びたジャンが、口から酒を垂らしながら白目をむいて…!)

アニ「…っ!」

アルミン(アニも動揺を隠せないようだね…僕もさっきから手の震えが止まらないよ)
0766名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:20:47.01ID:NEyO2qNt
エレン「あ…ああ ちょっといつもとは雰囲気が違うって…いうか」///

ミカサ「そんなことはない 私は普通」ポー///

エレン「そ、そうか まあミカサが酔っぱらうなんてな…そんなこと…」///

ミカサ「…もし、私が酔ったら………エレンは私の看病……してくれる?」上目づかい

エレン「!!!」ドキドキッ!

アルミン「!!!」ドキドキッ!

アニ「!!!」ドキドキッ!

ジャン「」ビクッビクッ
0767名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:21:14.76ID:NEyO2qNt
アルミン(こ…これは…卑怯だ! これはキレ気味に卑怯と叫んでもいい! 計算か!? 計算なのか!?)

アルミン(思わず元気よく『はいっ!』って言いそうになっちゃったよ!)

アルミン(ああ……駄目だ駄目だ! 何を考えているんだ! 僕にはクリスタが!!)

アルミン(でも…あのエレンでさえも意識せざるをえないこの色気…これはもはや兵器っ!)

アニ「……くぅ…!」プルプル

アルミン(アニ…あんな悔しさと絶望が入り混じった表情をして…しかもその裏でちょっとミカサに萌えている!)

ジャン「」ビクッビクビクッ

アルミン(ジャンは…もうだめだ! これはもうだめだよ! ジャンがミカサにオシャカにされた!)

ミカサ「……? みんな どうしたの?」ポー///
0768名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:21:53.40ID:NEyO2qNt
クリスタたちの席

ユミル「…あー クリスタ、ちょっと待っててくれよぉ」

クリスタ「うっ ユミルお酒臭い… 何なの?」

ユミル「ふふふ… トイレだよトイレ!」

クリスタ「…そういうのは、大声で言うものじゃ…」

ユミル「なーに良い子ぶってんだよ!」

クリスタ「もう! 早く行ってきてよ!」

ユミル「あいよー 私のかわいいクリスタちゃん!」スタスタッ

クリスタ「もう…」


ライナー「!」ガタッ

ベルトルト「!」ガタッ
0769名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:23:04.44ID:NEyO2qNt
ライナー「…来た …ついに来たぞ! うぉぉぉ!!」

ベルトルト「ああ! ついにチャンスが…!」

ライナー「あのレズ番犬が離れた今…チャンスは今しかない!」

ベルトルト「ライナー…! ……僕はもう我慢できない! 突撃するよ!」スクッ!

ライナー「ああ! 勝負は今! ここで……待てぇ!」ピタッ

ベルトルト「うわ! な、何!? どうしたのさ!?」ビクッ

ライナー「見ろ…! クリスタが席を立った…」

ベルトルト「え!? …本当だ」

ライナー「向かう先は…エレンの居るテーブル…だと?」

ベルトルト「な、なんだって!? おかしいよこれは!」


クリスタ(アニがグラス置いてっちゃった…届けないと)トテトテトテ
0770名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:23:57.74ID:NEyO2qNt
ライナー「どういうことかわからんが…目標変更だ! …俺たちもエレンたちの席へ向かう!」

ベルトルト「あ、ああ! ふた…三人で飲みたかったが、しょうがない!」

ライナー「よし! …グラスを持て! 移動するぞ!」ダッ!


コニーたちの席

コニー「……」

サシャ「はむっ! ふぐっ! むっむ!」ガツガツッ

コニー「…なぁ、サシャ」

サシャ「ん? なんですか?」

コニー「……いや、なんでもねぇわ」

サシャ「そうですか! はい! これあげます!」ポイッ

コニー「……」
0771名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:24:32.14ID:NEyO2qNt
エレンたちの席

クリスタ「アニー! グラス忘れてるよ!」トトトッ

アニ「―! …クリスタ」

アルミン「―ハッ! エ、エレン! クリスタ、クリスタが来たよ!」ユサユサ

エレン「え……あ…! お、おう! クリスタ!」

ミカサ「……」ポー///

アルミン(――危ない! 危なかった! クリスタが来なければ、僕たちはミカサに飲まれていたっ!)

クリスタ「……? みんなどうしたの?」

アルミン「いや…! なんでもないよ! ははっ!」
0772名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:25:23.87ID:NEyO2qNt
エレン「お、おう! せっかく来たんだから、クリスタもアニの横に座れよ!」

クリスタ「…うーん でもユミルがいるし…」

アルミン(…ここでクリスタを逃がしたら駄目だ! 僕ら三人じゃミカサに太刀打ちできない!)

アルミン(雰囲気を変える為にも、クリスタにはこのテーブルに…!)

アニ「…こっちに座っていれば、ユミルも後からくるさ 遠慮しなくていいよ」

アルミン(…! ナイスアニ! 僕と同じ意見のようだね!)

クリスタ「…それもそうね それじゃアニの隣に…」ストッ

ベルトルト「もらった――!」ズサァァァ!!

クリスタ「きゃあっ!」

アルミン(クリスタが座った瞬間、その隣の席にベルトルトが勢いよく座り込んできたっ!)
0773名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:25:52.65ID:NEyO2qNt
エレン「お、ベルトルトとライナーも来たのか」

ライナー「ベ…ベルトルト! お前!」ドカッ! ←ベルトルトの隣の席に座る

ベルトルト「恨みっこはなしだよ! ライナー!」

ライナー「…っく! 仕方あるまい…!」

アルミン(…なるほど 二人ともクリスタを追って来たんだね… それにしてもベルトルト…意外と抜け目ない…)
0774名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:26:29.46ID:NEyO2qNt
ベルトルト「や、やぁクリスタっ! 奇遇だね! 僕もエレンたちのテーブルに来ようと思ってたんだ!」ニコッ!

ライナー「俺『たち』だろうが! ……そ、それよりクリスタ! 一緒に飲まないか…!?」ニカッ!

クリスタ「…え…えぇ そうね… 皆で飲みましょう…」ビクッ

ベルトルト「うん、うんうん! そうだ! 僕らの席にあったこのお酒が中々美味しいんだよ!」

ライナー「おいっ! それは俺が持って来たんだろうが!」

ベルトルト「何を言ってるんだライナー! そんな事、今はどうでもいいじゃないか!」

ライナー「ぐぅっ…! ベルトルトォ!」

アルミン(…普段は仲が良いのに…クリスタ…君はなんて罪な人なんだ…)
0775名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:27:01.47ID:NEyO2qNt
アルミン「…人も増えたし、ここらでもう一度乾杯ってのはどうかな?」

エレン「おー、いいな!」

ミカサ「エレンが…言うなら」ポー///

エレン「うっ!」ドキドキッ!///

アニ「―っ! いいね 凄くいいよアルミン すぐやろう」ギリッ

ベルトルト「うん! 是非やろう!」ニコニコッ! 

クリスタ「そうね でも…そこで白目むいているジャンは?」

ライナー「おい…! ジャン! 起きろ!」ユサユサ

ジャン「……う、ぅえ? ん?」

アルミン(良かった、死んでなかった)
0776名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:28:08.53ID:NEyO2qNt
ジャン「んん? 何だ? 俺、寝てたのか…?」

アルミン「う、うん! ちょっと飲み過ぎてたみたいだからね」

ジャン「…そ、そうか 悪かったな」

ミカサ「…ジャン 大丈夫?」ポー///

ジャン「!!??」クラッ

アルミン「――ジャン!! ほら、これで口の周りを拭きなよ!」ポイッ

ジャン「へ……あ…お、おう!」パシッ

アルミン(危なかった! タオルで気を逸らさなかったら、ジャンの意識がまた刈り取られる所だった…!)
0777名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:29:13.91ID:NEyO2qNt
エレン「おい、本当に大丈夫か? 医務室行った方がいいんじゃないか?」

ジャン「う…うるせぇな 大丈夫だって言ってるだろうが…」ゴシゴシ

ベルトルト「ほら! 早く乾杯しようよぉ!!」ニコニコッ!

ライナー「ぐっ…! ああ、そうだ! 誰が音頭を取るんだ!?」イライラ

アルミン「じゃあ僕が…みんなグラスを上げてー!」

アルミン「はい…! かんぱーい!」
0778名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:30:22.85ID:NEyO2qNt
ベルトルト「はーい! クリスタ! カンパーイ!」ニコニコッ!

クリスタ「う、うん かんぱーい…」カチャ

ライナー「お、俺もかんぱーいっ!!」ズイッ

クリスタ「ひっ…! かんぱーい…」カチャ

ベルトルト「邪魔だよライナー! どいてくれ!」ドンッ!

ライナー「べ、ベルトルトォォォォ!!」プルプル
0779名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:30:51.38ID:NEyO2qNt
アニ「……ほら、エレ」

ミカサ「エレン 乾杯」ポー///

エレン「お、おう 乾杯」/// カチャ

アニ「――ぐぅ!」ギリッ

ミカサ「アニも 乾杯」ポー///

アニ「!!」カチャ

アニ「……」

アニ「うぅ」///
0780名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:31:33.05ID:NEyO2qNt
ミカサ「ジャン 乾杯」ポー///

ジャン「――え!? ん! ふぇ!?」カチャ …クラッ

アルミン「ジャン! ほら! チキンだよっ!」ポイッ

ジャン「――お、おう!」パシッ

アルミン(ふぅー… 人間兵器と化したミカサと、クリスタを取りあうライナー・ベルトルトか…)

アルミン(なんて混沌としたテーブルになってしまったんだ…)
0781名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:32:13.00ID:NEyO2qNt
コニーたちの席

コニー「……」ボー

サシャ「はむっ! はむはむっ! がつがつ! …」

コニー「……」ボー

サシャ「……あのー、コニー?」

コニー「…なんだよ」

サシャ「これ、どうぞ」スッ

コニー「ああ? ……!! チ、チキンじゃねーか!! 俺にくれんのか!?」

サシャ「私ひとりだけ食べてるのも悪いんで…うへへ」

コニー「……お前、案外いい所あんだな」

コニー「……」

コニー「おい このチキン、裏側がねぇ …おぉい!!!」ガタッ

サシャ「た、食べかけですみません! また取って来ます!」スタコラッ
0782名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:32:50.07ID:NEyO2qNt
_________
____
_
エレンたちの席

ライナー「……」グビッ

ベルトルト「そうなんだよ! だからね! 立体機動のコツっていうのはね…!」ニコニコッ!

クリスタ「へ…へぇ そうなんだ…」

ベルトルト「うん! 今度良かったら、僕が教えてあげるよ!」ニコニコッ!

クリスタ「う、うん… 時間があったらね…」

ベルトルト「時間ならいつでもOKだよ! なんだったら、今すぐにでも!!」ニコニコッ!

ライナー「……ぐぬぬ」イライライライラ
0783名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:33:50.02ID:NEyO2qNt
ライナー(ベルトルトォォォ! こいつこんな奴だったか!? クソッ! クリスタとまったくお話できん!)

ライナー(このチャラノッポが居ては俺とクリスタの甘い時間が……!)

ライナー(ううむ……ここは、アルミンに何か策を考えて貰うか……)

ライナー「……」ジーーーッ

アルミン「…うっ!!」ビクッ!

アルミン(な…なんだ!? 凄い視線を感じる…!)
0784名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:34:23.06ID:NEyO2qNt
ライナー「……」ジーーーッ

アルミン(…ライナーか… 鬼の様な眼をして… 差し詰め、クリスタがベルトルトばかりと話しているから)

アルミン(なんとかこの状況を打開する方法がないかって所だろう……)

ライナー「……」クイックイッ

アルミン(……あの合図…ちょっと表で話したいって事かな…)

アルミン(……うーん どうしようかな…)チラッ
0785名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:35:00.42ID:NEyO2qNt
ミカサ「エレン たべかす付いてる」スッ///

エレン「―ひゃっ! …お、おい! いきなり頬を触るな!」///

アニ「――ぐ、ぐぐぅ!」///

ジャン「ぬぅぅぅぅ!!!!」///フラッ

アルミン(……エレンとミカサのおのろけ劇場にも困ってた所だし…)

アルミン(ちょっと席を外すのも悪くはないかな…)

アルミン「ああー ちょっと酔っちゃったなぁ」

ライナー「!」
0786名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:35:39.65ID:NEyO2qNt
エレン「ん? アルミン大丈夫か?」///

アルミン「うん 少し夜風に当たれば持ち直すと思うよ…」スッ

ミカサ「アルミン 外は暗いから気をつけて」ポー///

アルミン「う……/// わ、解ったよ じゃあ行ってくるね」スタスタッ
0787名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:36:22.14ID:NEyO2qNt
ライナー「……ちょっとトイレに行ってくる」スッ

ベルトルト「ん? ああそう」

ライナー「ぐぬっ…!」スタスタッ

ベルトルト「……」

ベルトルト(ライナーが席を立つ前、アルミンが外へ向かうのが見えた…)

ベルトルト(恐らくライナーはアルミンと結託して、この席を奪うつもりなんだな…!)

ベルトルト(そんな事…させないよっ! アルミンと組むのは僕だ、ライナー!)
0788名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:37:43.47ID:NEyO2qNt
ベルトルト「…あ、ちょっと僕も外の空気が吸いたくなったなぁー」

ベルトルト「クリスタ 悪いけどちょっと席を外すね!」ニコッ!

クリスタ「え! うん! 行ってきて!」

ベルトルト「うん! またね!」スタスタッ

クリスタ「………ふぅ」

ユミル「――おいクリスタ! 探したぞ! なんでこんな所にいるんだ?」 

クリスタ「ユミル! ごめんね、アニにグラスを届けた流れでつい…」

ユミル「まぁいいよ もうここで飲もうぜ」ドカッ! ←ベルトルトの席に座る
0789名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 15:38:15.33ID:NEyO2qNt


アルミン「…やあライナー」

ライナー「おう わざわざ付きあってもらって悪いな」

アルミン「まぁ、あの席もちょっとキツいものを感じ始めてたから大丈夫だよ」

ライナー「そうか …で、アイコンタクトした訳はな…」

アルミン「なんとかベルトルトを抑えて、クリスタと話がしたい…って事だよね?」

ライナー「さすがアルミンだな 話が早くて助かる」

アルミン「…はぁ あの状況を見るとね」

ライナー「ああ… ベルトルトの野郎、クリスタを前にした途端、豹変しちまいやがって…」

アルミン「うーん… そうだなぁ」

ライナー「アルミン、頼む!」
0790名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:39:13.46ID:NEyO2qNt
ベルトルト「二人とも、ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」バンッ!

アルミン「ひっ!」ビクッ!

ライナー「ベ、ベルトルトォォォォ!!」

ベルトルト「談合なんて卑怯だよ、ライナー! …アルミン! 僕と組むんだ!!」

ライナー「何言ってやがるんだ!! 俺が先に…!!」

ベルトルト「僕と組んでアルミン、クリスタ、僕と三人仲良くお話しようじゃないか!」

ライナー「お、おおおおいい!! 俺はどこいったぁぁぁぁ!!!」

ベルトルト「ユミルとでも話てなよ! ゴリラとブスでお似合いさ!!」

ライナー「べ、ベルトルトォォォォォォォォォォ!!!」

ベルトルト「ライナァァァァァァァァァァァァ!!!」

アルミン「ふ、二人とも! 落ち着いて! 落ち着いてぇぇぇ!!」
0791名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:40:09.39ID:NEyO2qNt
エレンたちの席

ユミル「…ん? 誰のグラスだ?」カランッ

クリスタ「あ、ライナーとベルトルトのグラスだよ さっきまでそこに座ってたから」

ユミル「クリスタに近寄る野良犬がいたわけだ」

クリスタ「の、野良犬って… でも、二人とも遅いね」

ユミル「ん? その二人なら外に居るみたいだな ほら、窓の外」

クリスタ「あ、本当だ… なんだか楽しそうにしてるね」

クリスタ「そうだ…ユミル、ちょっと待ってて 二人にグラス届けてくるね」

ユミル「ああ? 別にいいだろ ほっとけって」

クリスタ「ううん あの二人って仲が良いから、二人で外で飲みたいのかもしれないし…」
0792名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:40:45.00ID:NEyO2qNt
ユミル「ん? もう一人居るみたいだぜ アルミンか?」

クリスタ「本当? じゃあグラスみっつだね …よっと」

ユミル「ったく、クリスタ様はお優しい事で…」

クリスタ「もう! 茶化さないでよ… じゃ、行ってくるね」トトトッ
0793名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 15:41:24.49ID:NEyO2qNt


クリスタ「…おーい みんなー…」トトッ…


ライナー「ふざけるなぁ!! アルミンは俺のもんだ!!」

ベルトルト「ふんっ! 何を言ってるんだ!! アルミンは僕を選ぶに決まっているさ!!」

ライナー「な、なにぃぃ!? 後から追いかけて来た癖しやがって!!」

アルミン「ちょ、ちょっと落ち着いてよ二人とも!! 僕は…どっちでも…」


クリスタ「」
0794名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:46:01.34ID:NEyO2qNt
ユミル「…ん? クリスタ、なに固まってんだ?」スタスタッ ガチャ ←窓を開ける

ユミル「おーい クリスタ!! 早く…」


ベルトルト「大体ライナーと一緒なんてアルミンも楽しくないよ! そうに決まっている!!」

ライナー「な、なんだとぉぉぉ!! お前なんかよりな!! アルミンは俺と一緒の方がいいんだよ!」


エレン「ぶっ!! な、何だ!?」
0795名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:46:48.26ID:NEyO2qNt
アルミン「二人とも、落ち着いて!! 二人の話を聞くから!!」

ライナー「こいつの話なんて聞く必要はない!! 先にアルミンに目を付けたのは、俺だぁぁぁ!!!」

ベルトルト「順番なんて関係ない!! そんな強引な話でアルミンがなびくと思ってるのか!?」


ミカサ「……どういう…こと?」ポー///

アニ「…あ、あいつら…!」
0796名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:47:12.29ID:NEyO2qNt
アルミン「そ、そんな大声あげないでよ! 二人とも!!」

ライナー「アルミン!! 俺と目があった時の事を思い出せぇぇぇ!! どっちがお前を必要としてるか解るだろ!」


ジャン「あいつら…マジかよ…」ゾゾゾッ

マルコ「…驚いたな」
0797名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:47:43.11ID:NEyO2qNt
ベルトルト「ライナーなんかより僕の方がアルミンを必要としているんだ! 絶対に、そうだっ!!!」

アルミン「待って!! ストップ! ストーーーップ!!」


コニー「うわぁ きもちわりぃ…」

フランツ「…色々な愛の形があるんだね」

ハンナ「そうね…フランツ」
0798名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:48:20.83ID:NEyO2qNt
アルミン「二人とも前はもっと仲が良かったじゃないか! 一体どうしたんだ!?」

ライナー「アルミン!! もうこんな奴は信じられん!! 信じられるのはお前だけなんだ!!!」

ベルトルト「それは僕のセリフだよ!! 抜け駆けしてアルミンを取ろうなんて…!!!」

アルミン「………解った」

アルミン「僕は………ライナーとベルトルト、どちらかを選ぶなんて事……出来ない!」

アルミン「僕たち三人で……(クリスタと)仲良くしよう!!!」

ライナー「………………アルミンがそう言うなら、しょうがあるまい」

ベルトルト「ああ………不本意だけど……アルミンには従うよ」

アルミン「はぁ………良かった それじゃ中にはいろう……か……」


104期生一同「……」ジーーーーーーーッ
0799名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:51:34.24ID:NEyO2qNt
ライナー「…ん? なんだお前ら? 何窓から覗いてるんだ?」

ベルトルト「ライナーが騒ぎすぎるからだよ…でも、なんか変だね…」

アルミン「……なんだ、この視線は……まるで珍しい動物でも見るかのような…」

クリスタ「あ……あの……」

ライナー「く、クリスタ!/// どうしたんだ?」

ベルトルト「あ、わざわざここまでグラスを運んでくれたんだね!」

クリスタ「え……えっと、その……」
0800名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:52:47.67ID:NEyO2qNt
アルミン「………なんだ、何かがおかしいよ……」

クリスタ「その……愛の形って…多分、人それぞれだから……」

ライナー「あ、愛!/// そ、そうだな! うん! 確かにそうだ!」

ベルトルト「もちろんだよ! 愛の形は人それぞれだからね!!」

クリスタ「だから…その…三人が恋人同士でも、変じゃないと思うよ…!」ニコッ

ライナー「こ、恋人……!!!//// 三人が恋……ん、三人?」
0801名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:53:16.03ID:NEyO2qNt
ベルトルト「え、ええ? ど、どういう事…?」

クリスタ「と、とりあえずここにグラスとお酒置いておくね! 後は三人で…その…楽しんで!」タタタッ!



ユミル「ひゅーーーーーーー!!! お前ら仲良くしろよ!!!」

コニー「寮で変な事しだしたら追い出すからな!!!」

ジャン「まさかお前らがそういう仲だったとは思わなかったぜーーー!!!」

マルコ「お幸せにーーーーー!!!」
0802名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 15:59:51.38ID:NEyO2qNt
アルミン「ちょ……ちょっと待ってくれ…」

ライナー「あ、ああ……これは」

ベルトルト「もしかして、僕たちは皆に…」


エレン「おーーーーい!! アルミーン!!」


アルミン「エ、エレン!!」


エレン「アルミンが…その、ホモでもな!!! 俺はお前の親友だからなーーー!!!」

エレン「ライナー!! ベルトルト!! アルミンを頼んだぞーーー!!!」


アルミン「」

ライナー「」

ベルトルト「」
0803名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:00:39.02ID:NEyO2qNt
アルミン「こ、これは誤解だ 誤解なんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ライナー「そ、そうだっ!! 俺たちはホモなんかじゃない!!!」

ベルトルト「そうだよ!!! 皆、勘違いだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ユミル「何言ってんだ!! 『俺にはアルミンが必要』だっけかぁ? ぶふ!!」

コニー「おー恥ずかしがらなくてもいーぞ! 理解はしねーけどなぁ!!」

アニ「………ライナー、ベルトルト」


ライナー「ア、アニィ!!」

ベルトルト「ちょ…ちょっと話を…!!」


アニ「………もう何も言う事はないよ 好きにしな」


ライナー「う、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ベルトルト「うああああああああああああ!!!」
0804名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:01:30.32ID:NEyO2qNt
アルミン「……なんで…なんで……こんな事に……」

アルミン「ぼ、僕は…座学トップから……一夜にしてあだ名が…インテリホモに転落してしまうのか……!」

ライナー「……お、俺はなんだ! 何て呼ばれるんだ!!」

ベルトルト「ふん!! ホモゴリラかゲイの兄貴って所だよっ!!!」

ライナー「ベ、ベルトルトォォォォ!!! お前はホモノッポかゲイ山脈がお似合いだ!!」

ベルトルト「な、なにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

アルミン「二人とも!! 止めるんだ!!!!!」

ライナー「むっ!!」

ベルトルト「ぐっ!!」

アルミン「…ホモ同士の喧嘩なんて…傍から見れば良い見世物だよ ほら」
0805名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:02:05.93ID:NEyO2qNt
ユミル「……」ニヤニヤ

ジャン「……」ニヤニヤ

コニー「……」ニヤニヤ


アルミン「……悔しいけれど、これ以上騒いだり弁解した所で…傷口を広げるだけだ…」

アルミン「とりあえず…中に入ろうか…」

ベルトルト「な…! 無理だよ!!」

ライナー「ああ! 今、中に入ったら…後ろ指を指されてどんな事言われるか…!」

アルミン「このまま三人で姿を消した方が…とんでもない噂が流れると思うよ…」

ライナー「うっ! …むむ」

ベルトルト「ぐぅ… わかったよ…」

アルミン「うぅぅ……この世界は……残酷だ……」
0806名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:02:46.87ID:NEyO2qNt
食堂

アルミン「……」

ライナー「……」

ベルトルト「……」


「お、ホモ三人組が飲んでるぜ!」

「ぶふっ! 仲良さそうだなぁ!!」


アルミン「…っく!」

ライナー「ぐぬっ!」

ベルトルト「う…うぅ!」
0807名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:03:56.47ID:NEyO2qNt
ジャン「へへ…まさかあいつらがそんな仲だったなんてなぁ…」

エレン「確かにアルミンがそういう趣味だとは気がつかなかったな」

ミカサ「うん …幼馴染の私たちでも 気がつかなかった」ポー///

クリスタ「でも、こっちのテーブルに呼ばなくて良いの?」

エレン「三人で積もる話もあるだろ 邪魔するのは良くないんじゃないか?」

ユミル「っく…くく! ああその通りその通り! ホモはホモ同士、仲良くさせてやろう!」



ライナー「…なんてアウェー感だ」

アルミン「うん…さっきから視線が痛いよ…」

ベルトルト「…なんとか誤解を解く方法はないかな?」
0808名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:05:11.36ID:NEyO2qNt
アルミン「…それは…恐らく無理だよ」

ライナー「な…! ちゃんと説明すれば解ってもらえるだろう!」

アルミン「…聞いていたのがクリスタだけだったら、それも可能だったろう」

アルミン「でも、この誤解はすでに104期生全員に広まっている…」

アルミン「それに性質の悪い事に…ユミルやジャン、コニーといった茶化す事が大好きな連中にも広まっているんだ…」

アルミン「ユミル達にとって、僕たちが本当にホモかどうかって事は重要じゃない」

アルミン「ホモネタで茶化せる玩具を、そう易々と手放す気はないだろう…」
0809名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:06:07.09ID:NEyO2qNt
ライナー「―っく! なんで…なんだってこんな事に…ベルトルトォ!」

ライナー「お前が空気も読まず割り込んで来やがるからっ!!」

ベルトルト「な…何言ってんだぁ! そっちがアルミンを独り占めしようとしたんじゃないか!!」


「お! また痴話喧嘩だぜ!」

「まだアルミンを取りあってるのかよ!」


ライナー「ぐぅぅ!!」

ベルトルト「うぅぅ!!」
0810名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:06:33.52ID:NEyO2qNt
アルミン「…もう僕たちの成績上位者や座学トップとしてのアイデンティティは失われた…」

アルミン「僕らはもう…彼らにとって…頭の良いホモとガタイの良いホモと背の高いホモでしかない…」

ベルトルト「う…うぅぅ…」グスッ

ライナー「何か…! 何か救いはないのか!? 俺はホモになる為に故郷から来たわけじゃないぞぉ!!」

ベルトルト「僕だってそうさ! ゲイカップルで里帰りなんて……うぅぅぅぅ」グスグスッ
0811名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:07:23.21ID:NEyO2qNt
アルミン「……」

アルミン「……こうなったら、もう……破れかぶれだ…!」

アルミン「ライナー! ベルトルト! よく聞いてくれ!」

ライナー「お…おう!」ビクッ!

ベルトルト「……なんだい?」グスッ

アルミン「もう……ホモになろう!!」ドンッ!

ベルトルト「ちょっとアルミン! どうしたの!?」

ライナー「な、何言ってやがるんだ…! イカれちまったのか!?」
0812名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:08:00.19ID:NEyO2qNt
アルミン「そして…一人でも多く…こちら側に引きずりこんでやるっ!」

ライナー「ちょ…ちょっと、ちょっと待て!」

アルミン「なんだい、ライナー!!」

ライナー「お、俺にはアルミンの考えが良くわからないんだが…!」

アルミン「だって考えても見てみなよ! 僕は今日、突然……ホモにされた!」

アルミン「騒いで原因を作ったライナーやベルトルトはともかく…僕は完全にとばっちりだよっ!」ドンッ!

ライナー「う…」

ベルトルト「いや…その」
0813名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 16:08:29.30ID:NEyO2qNt
アルミン「いや…別に二人を責めるつもりはないよ! でもね、この怒りはそうそうには収まらない…!」

アルミン「皆が僕をホモだと言うなら……なってやろうじゃないかっっ!」ダンッ!

アルミン「だけど…そのかわり、今日この場で一人でも多く……道連れにしてやるよっ!」

アルミン「そうだ! 僕らは……復讐のホモ団だ!」ドンッ!!

ライナー「ひっ! し、しかしだな、どうやって…道連れにするんだ?」ビクビクッ!
0814名無しで叶える物語(はんぺん)
垢版 |
2023/09/16(土) 17:02:41.47ID:9OxX7Zku
このまま続けようと思ってたんですけど、最終章だけ別スレで立てた方がいいですかね。
ちょっと考えます。
0816名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 17:15:46.22ID:H6Doaq+C
>>814
最終章まで書き終わったら、別スレ建てて
そこで1〜4章を一挙出しして最終章を出すって感じでどうでしょ
0817名無しで叶える物語(茸)
垢版 |
2023/09/16(土) 17:23:30.47ID:2kRx75ze
また今までの全部投下するとなるとそれだけで何時間掛かるか分からんぞ
てか多分1桁時間で済まない
0818名無しで叶える物語(SB-iPhone)
垢版 |
2023/09/16(土) 17:26:36.51ID:D3xUnSPV
>>816
全部再投稿は大変すぎるから現実的じゃないと思う
スレを跨ぐ作品はたまにあるけど再投稿とかは普通しないから最終章からでいいんじゃないかな
0820名無しで叶える物語(茸)
垢版 |
2023/09/16(土) 17:33:18.37ID:CffheTRt
残りのレス数的に最終章途中で埋められる可能性もあるから、立てられるなら新スレの方が良いかもね
0821名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 17:53:54.43ID:NEyO2qNt
アルミン「…簡単な事さ、僕らがやられた事をしてやればいいんだよ」

ベルトルト「ぼ、僕らのやられた事…?」

アルミン「そう…出来れば女子と楽しく飲んでいる男がいいね…そうだな…」


マルコ「うん! そうそう! だからね…」

ミーナ「あーなるほどね 流石マルコだね!」

マルコ「え! いやぁ…」///


アルミン「……よし、最初の標的はマルコにしようか……」

アルミン「いいかい…二人ともよく聞いて…」
0822名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 17:54:26.35ID:NEyO2qNt
_________
____
_

ミーナ「ふふっ マルコって意外と面白い事いうのね」

マルコ「そ、そうかな」///

ミーナ「うん! マルコと話してると楽しいよ…それに、ちょっと落ち着くっていうか…」///

マルコ「え? 落ち着く…?」///

ミーナ「う…うん なんていうのかな? すっごく、安心するっていうか…」///

ライナー「あー それ俺もよく解るよ ベッドの中で聞くマルコの声もいいもんだぜ」カランッ

ミーナ「!!」ビックゥゥ!!

マルコ「!!」ビックゥゥ!!
0823名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 17:55:06.19ID:NEyO2qNt
ベルトルト「やあ! 二人とも、お邪魔するよ!」

アルミン「ふふっ! 僕らも話に混ぜて!」

マルコ「い、いつの間に…!」

アルミン「気がつかなかったのかい? やだなぁ…僕らの仲なのに」

ベルトルト「そうだよマルコ… それにしても驚いたなぁ」

ライナー「ああ… まさかマルコが女と仲良くしてるなんてなぁ」カランッ

ミーナ「え……えっ!?」

マルコ「っぶ! ちょ…ちょっと! ど、どういう意味なの!?」
0824名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 17:55:52.56ID:NEyO2qNt
マルコ「っぶ! ちょ…ちょっと! ど、どういう意味なの!?」 

ベルトルト「どういう意味…? そんなの一つしかないよ」ニコッ!

アルミン「うん…… 昨日の夜だって、僕をあんなに激しく…」///

ライナー「ああ… その後は俺とも燃え上がったじゃないか…」カランッ

ミーナ「えっ……」

マルコ「な、何言ってんだこいつら!! ミ、ミーナ! 誤解!! 誤解だよ!!」
0825名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 17:56:21.75ID:NEyO2qNt
ミーナ「い、いや!」パシッ

マルコ「えっ!? ちょ、ちょっと話を聞いてよ!!」

ライナー「なんだよ、振られちまったなぁ マルコ」ニヤッ

アルミン「……大体、マルコも女には興味ないでしょ?」フフッ

ベルトルト「だよね… だって僕たちがいるから」ニコッ

ミーナ「――っ! わ、私、別の席に行くから!」ガタッ!!
0826名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 17:56:53.81ID:NEyO2qNt
マルコ「え!? えぇ!? ちょっとミーナ!! 待って!! 待ってよぉ!!」

ミーナ「ラ、ライナーたちと仲良く飲めばっ!!」タタタッ!!

マルコ「ち、違う!! 誤解だ!!! 誤解なんだぁぁぁぁ!!!」

ベルトルト「……ミッション」

アルミン「……コンプ」

ライナー「……リィィィィィト……」カランッ
0827名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 17:57:21.79ID:NEyO2qNt
マルコ「な…何がミッションコンプリートだよっ! 君たち一体、何なんだぁ!!」

ライナー「ああ? 俺たちか? 俺たちはな…」

ベルトルト「ホモという冤罪を着せられた…哀れな男たちさ…」

マルコ「な、何を言ってるんだよぉぉ…!」

アルミン「すまないね、マルコ… でも、君ももう…こちら側の人間だよ」

マルコ「な…! ちょ、ちょっとミーナ! 誤解なんだぁ! 話を…!」

ライナー「ミーナならもう他の女子にお前の事を話しているみたいだぜ ほら、見てみな」

マルコ「う、うわああああああ!! 待ってくれぇ!!!」
0828名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 17:57:55.73ID:NEyO2qNt
アルミン「それだけじゃないよ…周りを見てごらん」

マルコ「え!? ま、周り…!?」


「…おいおい、マルコもホモだったのかよ!」

「うわー、そうは見えなかったけどなぁ」

「ライナー達と仲良く話してるぜ…やっぱり…」

「さ、さっきアルミンと激しくとか…言ってたよね」


マルコ「ぎゃああああああああああああ!!!!」
0829名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 17:59:05.53ID:NEyO2qNt
ベルトルト「…マルコもわかってくれたようだね」

アルミン「うん… 僕らの受けた屈辱を」

マルコ「ふ、ふざけるなぁぁぁ!!! 君たちのせいだろうがぁ!!」

ライナー「まぁ、確かに俺たちのせいではあるが…世間にとってそんな事は重要じゃない」

アルミン「そうだね マルコ、君の皆からの評価はもう…指揮官タイプの成績上位者ではなくて…」

ベルトルト「ただ周りが良く見えてるホモだよ!」

マルコ「うるさいよ!! うるさいんだよ!!! どうしてくれるんだ!!」
0830名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:00:24.56ID:NEyO2qNt
ベルトルト「マルコ 君が取れる選択は二つに一つ…」

アルミン「僕たちの仲間になるか…」

ライナー「ひとりで…はぐれホモとして生き抜いていくかだ」

マルコ「き、君たちの仲間だって……!!?」

ベルトルト「そう、僕らとともに…今夜、一人でも多くこちら側に引きずり込む!」

ライナー「その手伝いをしてもらおう」

マルコ「な…なんでそんな事を……!」

アルミン「それはもちろん、僕らをホモに仕立て上げた奴らに復讐するためさ!」
0831名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:01:01.15ID:NEyO2qNt
マルコ「いや、僕は関係ないだろう!! なんで僕が…!!」

ライナー「ああ? そりゃあ…まあな」

ベルトルト「うん…なんか女の子と仲良くしてるのがイラッとしたっていうか…」

マルコ(この………クズどもが………!)

マルコ「ふ、ふん! そんなテロみたいな事に、僕は加担できないよっ!!」

ライナー「…まぁ 一人で生き抜くって選択も自由だが」

ベルトルト「マルコ 君にそれが出来るとは、僕には思えないな」
0832名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2023/09/16(土) 18:01:55.86ID:zg1cIhuB
何時間もかけて手動で埋めても新スレ立ったら無駄になるのにな
穴を掘って埋める作業とか向いてそう
0833名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:03:13.80ID:NEyO2qNt
アルミン「うん… はっきり言って…一人でホモとして白い目を向けられながら生活を続けるのは、地獄だよ」

ライナー「本当はホモじゃない だが、誰も理解してくれず…周りからはホモ呼ばわりされ…退け者にされ…」

ベルトルト「やがて君は…成績上位という立場を捨て…開拓地へと帰って行くんだ…」

マルコ「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! 何勝手に僕の人生を決めてるんだぁ!!」

ライナー「だが…俺たちと共に行くなら…違うっ!」

ベルトルト「少なくとも、一人じゃない!」

アルミン「さぁ…僕たちとともに、ここに居る『自分だけは大丈夫』と錯覚した鈍愚たちを…目覚めさせてやるんだっ!」

ライナー「ああっ! 俺たちと共に来いっ!! そしてっ!」

ベルトルト「ホモを増やして増やして増やして…ホモだらけにしてやるんだっ!!」
0834名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:04:12.17ID:NEyO2qNt
マルコ(だめだっ! こいつらの主張は誰が見てもおかしい!! でも…)チラッ


「うわ、なんかホモどもが盛り上がってるぞ!」

「ぶふぅ! きっもちわりぃなぁ!!」

「うわー… マルコって…なぁ」


マルコ「…っく!」

マルコ(アルミンたちが言っている事も事実…! この選択肢…これは……)

マルコ(アルミンたちと共に行く選択しか…選びようが…)
0835名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:04:43.90ID:NEyO2qNt
ライナー「さぁ! どうするんだ!?」

ベルトルト「時間は常に流れていく…いつまでも悩んではいられないよっ!」

アルミン「マルコ……いま、決めるんだ!」

マルコ「…………」

マルコ「……わかった …君たちに…ついていくよ」
0836名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:05:11.67ID:NEyO2qNt
マルコ「……色々言いたい事はあるけれど…仕方がないっ! 君らの野望に…尽力するっ!」ギリッ

アルミン「……よく決めたよ マルコ!」

ライナー「………ウェルカム!」カランッ

ベルトルト「…歓迎するよ マルコ」ニコッ…

アルミン「……ようこそ 復讐のホモ団へ……!」ニヤリッ
0837名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:05:52.61ID:NEyO2qNt
マルコ「……うん 君らの仲間になった以上、皆もホモの身分におとしてやるっ!!」

マルコ「僕の受けたこの理不尽な仕打ち…皆にも味あわせてやるよっ……!」

ライナー「マルコ、その息だ! 期待しているぞ!」

ベルトルト「そうだね…! さぁ次は誰にしようか」

アルミン「うーん… できれば成績上位者からがいいな その方が絶望感が強いだろうから」

マルコ「成績上位者か… 男子で残っているのはエレン、ジャン、コニーだね…」
0838名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:08:22.24ID:NEyO2qNt
ライナー「ううむ… その三人、誰から墜としてやろうか…んん?」

ベルトルト「…なんだ どこからか…凄く甘ったるい会話が…」


ハンナ「うふふふ! フランツったらー!」///

フランツ「ははは! ほら、ここにもたべかすついてるぞー!」///

ハンナ「やだっ! もう…お返しっ!」///

フランツ「やったなー!」///


アルミン「…」イラッ

ライナー「…」イラッ

ベルトルト「…」イラッ

マルコ「…」イラッ
0839名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:08:53.85ID:NEyO2qNt
アルミン「……次の標的は決まったようだね」

ライナー「ああ… まぁ成績上位ってわけではないが…皆、異論はないだろう」

ベルトルト「うん、むしろ望むところだよ」

マルコ「あれは看過できないね 墜とすべきだ」

アルミン「……よし、みんな! 早速会議をはじめようか…」

ベルトルト「マルコ…期待しているよ」

マルコ「任せてくれ… アルミンと僕がいれば…どのようにでも料理できるさ」

ライナー「ふふふ… さぁ始めるとするか…」

一同「…おうっ!」
0840名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:09:31.71ID:NEyO2qNt
_________
____
_

ハンナ「うふふ! ねぇ、フランツ…」///

フランツ「なんだい…ハンナ」///

ハンナ「…私、いまとても幸せよ…」///

ハンナ「訓練兵団に入ったのは…私にとって運命だったのね」///

ハンナ「だって…フランツ、あなたに出会えたから…」///

フランツ「ハンナ…! 僕だってそうさ! 僕は…君に会う為にここに来たんだ!」///
0842名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:11:03.33ID:NEyO2qNt
ハンナ「フランツ…嬉しい」///

フランツ「ハンナ……目を…閉じてくれるかい?」///

ハンナ「どうしたの…フランツ?」///

フランツ「大丈夫…僕を信じて…さぁ、目を閉じて…」///

ハンナ「…わかったわ」///

フランツ(この間、街にデートに出かけた時にこっそり買っておいたこの指輪…)ゴソゴソ

フランツ(今日、ふたりでディナーを楽しみながら渡そうと思っていたんだ)///
0843名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:11:51.97ID:NEyO2qNt
フランツ(ハンナが目を閉じている間に、彼女の指に付けたあげたら…喜ぶだろうな)///

フランツ(うう…なんだか恥ずかしくてハンナの顔が見れないよ…)///

フランツ(よし…ハンナの手を取って…)スッ

フランツ(そっと…ハンナの指に…指輪を嵌めてあげる…)///

フランツ(ああ…なんて繊細で…それでいて大きな手なんだ…美しいよ…)///
0844名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:12:36.70ID:NEyO2qNt
フランツ(…よし、嵌めたぞ…! ハンナ、喜んでくれるかな…)///

フランツ「…さぁ、目を開けて」///

ハンナ「う…うん」///

フランツ「どう…かな? その指輪は…」///

ベルトルト「うん… 凄く綺麗で…美しい 僕、嬉しいよ…フランツ」///

ハンナ「ぇあ!!??」ビックゥゥゥ!!

フランツ「ぶほぉぉ!!!?」ビックゥゥゥ!!
0845名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:13:38.96ID:NEyO2qNt
ハンナ「な…何!? え? べ、ベルトルト!?」ガタッ

フランツ「な! な、な!? ど、何処から沸いてきた!?」ガタッ

ベルトルト「フランツ…僕の為にこんな綺麗な指輪を…すごく、嬉しいよ」///

ハンナ「え、ええ!!? ゆ、指輪って…!?」

ライナー「……よかったなぁ…ベルトルト」カランッ

フランツ「う、うわ!? ラ、ライナー!!? いつからそこに!!?」
0846名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:14:12.28ID:NEyO2qNt
マルコ「ああ… まったく、フランツはベルトルトにはお熱いね…」

アルミン「うん… あー、僕も誰かから指輪とか欲しいなぁ…」

フランツ「ひ、ひぃえ!? き、君たちもどこから現れたんだ!!?」

ハンナ「ど、どういう事!? え、な、何!?」

アルミン「フランツ…何、驚いてるんだい?」

マルコ「うん… 今日は君とベルトルトが付き合ってから丁度一年目…」

ライナー「記念すべき日じゃないか… その指輪も…その為のものなんだろう?」

ベルトルト「うん… ふふっ、嬉しいなぁ」///
0847名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:14:46.79ID:NEyO2qNt
ハンナ「え……、えぇ…!!? つ、付き合って…一年!?」ガタッ

フランツ「ちょ、ちょ…!!! 君たち何いってるんだ!!? 頭…おかしいんじゃないか!?」

ベルトルト「え…えぇ…? ぼ、僕らは確かに一年前の今日…愛を誓い合ったじゃないか…」グスッ

マルコ「…ちょっとフランツ…それは酷いんじゃないかな?」

ライナー「ああ… ハンナの前だから恰好つけていたいのは解るが…」

アルミン「…そろそろハンナにも告白すべきなんじゃないかな…」
0848名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:15:51.83ID:NEyO2qNt
フランツ「な…ちょ! 何なんだよさっきから!? こ、告白って何のことさ!!?」

ライナー「何って…なぁ?」カランッ

マルコ「うん…そんなの決まってるでしょ?」ニヤッ

アルミン「君が………ホモって事をさ」フフッ

フランツ「は、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」
0849名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:16:27.65ID:NEyO2qNt
ハンナ「え、ええ…? い、一年前って……私がフランツと…付き合い始めたのは半年前……!」

ライナー「…ああ まぁ…ハンナには悪い事をしたよなぁ…」

マルコ「うん… でも、フランツは優しいからねぇ…」

アルミン「フランツは…ハンナを傷つけまいと…あぁ、僕もフランツみたいな優しい男と付き合いたいなぁ…」

ライナー「おいおい…アルミン… 俺じゃ不満なのか?」カランッ

アルミン「そんなことないよ…ライナー…うふふっ」///

フランツ「な、なんだよこいつらぁぁぁぁ!!? ちょっと、ちょっと待ってぇぇぇぇ!!」
0851名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:17:05.54ID:NEyO2qNt
ベルトルト「う…うん 僕はフランツの…そういう優しさに惹かれたんだぁ」///

フランツ「なに頬を赤らめてるんだぁぁぁぁぁぁ!!!」

ハンナ「―――っ! フ……フランツっ! あ、あなた……っ!!!」

フランツ「――!!? ち、違うよ!!! これは誤解だ!! 本当だよ!!!」

ハンナ「だ、だって!!! そんな…そんなぁ!!」

フランツ「ハ、ハンナ!! ちょっと落ち着いて!!」

ハンナ「い、いやぁぁ!!」バシンッ!!

フランツ「ぶっ!!!!!」
0852名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:17:39.69ID:NEyO2qNt
ライナー「おいおい… 大丈夫かフランツ?」スッ

フランツ「ぼ、僕に触れるなぁぁぁ!!!」バシッ

ライナー「うっ! ……はは、まいったな……元彼の俺でも触れちゃ駄目なのか…?」フフッ

ハンナ「も……元彼ぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

フランツ「おぉぉぉぉぉぉぉい!! 何言ってんだよォォォォ!!!!」

マルコ「フランツ…落ち着きなって…」

フランツ「うるせぇぇぇぇぇ!!!」
0853名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:19:29.43ID:NEyO2qNt
ハンナ「――も、もう嫌!! フランツ!! 信じてたのに…信じてたのにぃぃぃ!!!」ダダダッ!

フランツ「――!!? ハンナ!! 待って!! 待ってくれぇぇぇ!!!!」

ハンナ「嫌っ!! 嫌々!! 付いてこないで!! この、ホモォォォォォォォ!!!!」ダダダダダッ!!!

フランツ「ハンナァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」


マルコ「…ふふっ チェックメイトだね」ニヤッ

ベルトルト「……ミッション」

アルミン「……コンプ」

ライナー「……リィィィィィト……」カランッ
0854名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:20:02.50ID:NEyO2qNt
フランツ「お、お前らぁぁぁぁぁぁぁ!!! なんて事してくれたんだぁぁぁ!!!」

ライナー「おいおい… そんなに騒ぐなよ 目立つぞ」

フランツ「目立つ…!? 目立つだぁ!?」

マルコ「そう… 周りを見てみなよ」


「えぇー… フランツも…? さいってー」

「うわ! あいつもかよ! これは解らなったなぁ」

「うわー… ハンナと付き合ってた裏でベルトルトとも付き合ってたのかよ…」

「ひっど… 男と女の二股なんて…」


フランツ「う、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!??」
0855名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:20:34.03ID:NEyO2qNt
ベルトルト「まぁまぁ… そう取りみだすものじゃないよ…」

アルミン「そうだよ… 騒いだって何も変わらないさ…」

フランツ「う、うるさぁぁぁい!! 君たち…君たち、僕に……何の恨みがあるんだぁぁ!!!」

ライナー「恨み…? んー、恨みなぁ…」

マルコ「まぁ…強いて言えばハンナとのバカップルっぷりがちょっと…ね」

ベルトルト「うん…あ、指輪返すよ」ポイッ

アルミン「そうだね… 目立たなければ、僕らも標的にしなかったかも…」

フランツ「この……この!! クズどもがぁぁぁぁぁ!!!」
0856名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:21:43.16ID:NEyO2qNt
アルミン「…僕らをクズ呼ばわりするのは勝手だよ でも、周りは君をこれから何と呼ぶだろうね…」ニヤッ

フランツ「な…何ぃ!?」


「しっかし、フランツもホモだったのか…」

「なぁ、意外だよなぁ フランツがホモなんてな」

「でも…そういえば見た目ちょっと…ホモっぽいよな」


フランツ「!!? う、うわああぁ…!」

ライナー「…現実は非情だ フランツ…お前はもう世間にとって恋人に優しいナイスガイじゃない…」

ベルトルト「…男でも女でも食ってしまう…貪欲性欲坊主ホモだよ…」

アルミン「まぁ…… 俗に言うバイってやつだね」
0857名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:22:56.29ID:NEyO2qNt
フランツ「お、お前らがそうしたんだろうが!! 何冷静に言ってくれてんのさ!!?」

マルコ「フランツ…! 受け入れるんだ…これが、現実さ…」

ライナー「そう… 自分にはなんの落ち度もないのに、ある日突然ホモになっちまう」

ベルトルト「そんな事が…この世界では日常的に繰り広げられているんだ…」

アルミン「君の怒りや絶望感…僕たちにはよく解るよ…」

フランツ「だ! か! ら! お前らがやったんだろうがぁぁぁぁ!!」
0858名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:23:23.44ID:NEyO2qNt
アルミン「僕たちがやったとかやってないとか…もうそんな話ではないんだよ」

フランツ「な、何言ってんだ…この気狂いどもめ!! …うぅぅ!! 僕は…僕はこれからどうすればぁぁ!!」グスグスッ

マルコ「んん… そうだなぁ」ニヤリッ

ベルトルト「提案なんだけど…僕らと一緒に来ないかい…?」ニコッ…

フランツ「は、はぁ!? なんで仇の君たちと行動を共にしなくちゃ…!!」

アルミン「…そうは言っても、一人でどうするんだい? …君にはすでにホモのレッテルが貼られているんだよ…?」フフッ

ライナー「ああ… 一人ホモという名を背負って生きるのは…裸で巨人の群れに突っ込むようなもんだなぁ」カランッ

フランツ「う…ぐぅぅぅ!!! だ、大体、君たちについて行ってどうなるんだよぉ!?」
0859名無しで叶える物語(光)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:23:42.87ID:SMqyalEZ
貴重な休日を全部荒らしに費やしたら笑う
0860名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:24:15.34ID:NEyO2qNt
アルミン「ふふふ… それはね…」

ベルトルト「僕らは『仲間』を…増やそうと思っていてね…」

フランツ「な、仲間ぁ……!?」

マルコ「そう…僕らと同じ…ホモのレッテルを貼られた仲間たちをね…」

ライナー「ああ… フランツ…! 俺たちと共に来い…! そして思い知らせてやろう…!」

アルミン「そう…『自分だけは大丈夫』と…根拠のない安心の上にあぐらをかいている、凡夫たちに…!」

ベルトルト「僕たちで…ホモを増やして増やして増やしまくって…!」

マルコ「この104期生を…ホモだらけにしてやるんだっ!!」

フランツ「!!!!」
0861名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:25:10.86ID:NEyO2qNt
フランツ(……こいつらの言ってる事は全て反社会的で…賛成できる点は皆無だ…しかし…)

フランツ(ハンナを失った今…僕が…僕が守るものなんてもう……)

フランツ(それに……この胸の底からこみあげる怒り…憎しみ…!)

フランツ(……くそっ!! 僕は………僕はぁ…………!!)

フランツ「…………」

フランツ「……………やる」

ライナー「…んん? なんだって…?」ニヤァ…

フランツ「………………協力してやる、と………言ったんだ……!」
0862名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:25:46.47ID:NEyO2qNt
フランツ「僕が受けた…この屈辱、憎しみ、怒り! 全部、ぶつけてやる! ぶつけてやるぅぅ!!」

フランツ「いいかっ! お前らは仲間じゃない!! でもな……協力してやるよ……!!」

マルコ「…ありがとう、フランツ」ニヤ…

ライナー「………ウェルカム!」カランッ

ベルトルト「…ふふっ 共に来てくれて嬉しいよ」ニコッ…

アルミン「……ようこそ 復讐のホモ団へ……!」ニヤリッ
0863名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:28:35.53ID:NEyO2qNt
フランツ「さぁ、さっそく動こうじゃないかっ!! 全員こっち側に落としてやる!!」

ライナー「凄い意気込みだな まるでホモの戦士だ」

ベルトルト「うん 僕はフランツを尊敬するよ」

マルコ「…さて、次は誰にしようか?」
0864名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:29:27.69ID:NEyO2qNt
アルミン「うーん… 目下の目標はエレン、ジャン、コニーなんだけど」

アルミン「エレンとジャンのテーブルにはミカサとアニ…それにクリスタたちがいる」

フランツ「女子が多くて好都合じゃないか…! ハンナに振られたこの悲しみ…味あわせてやるよっ!」

アルミン「僕もそうしたい所なんだけど…ジャンとエレンが固まっているからね」

マルコ「アルミン、幼馴染だからといって手心を加えるのはどうかと思うよ」

アルミン「そういう意味じゃないんだ 僕らのやり方は基本的に男が一人の時じゃないと効果が薄いんだよ」

アルミン「二人同時にホモ疑惑をかけるのは、ちょっと勝算が低くなるかな…と思うんだ」
0865名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:30:09.92ID:NEyO2qNt
ライナー「…なるほど 疑惑をかけられた二人が同時に否定し始めたら、周りも流されにくくなるだろうな」

アルミン「それに、ミカサは必ずエレンを庇うと思うし、アニの目が光っているのも動きづらい」

アルミン「ユミルはうまく使えば頼りになりそうだけど…正直あのメンバーが少しバラけるのを待った方がいいだろう」

マルコ「…となると、次の標的はコニーか…」

ライナー「…コニーか 一筋縄ではいかない相手だな」
0866名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:30:43.30ID:NEyO2qNt
ベルトルト「そうだね いままでとは違って、コニーは女子と良い雰囲気になりづらい」

アルミン「うん… それにあのテーブルに居るのはサシャだ」

ライナー「サシャか… …ううむ あいつも他の女子とは違って色恋沙汰には無頓着だからな」

アルミン「そうだね……… でも、これまでの様に男女の間に入って勘違いを誘う方法は、コニーには効かないだろう…」

アルミン「……だからここは、上手くサシャを使うしかないんだ…」 

アルミン「そう……サシャの、疑う事を知らない純粋な性格は…大いに使える」ニヤッ…

アルミン「………僕は、サシャにはメッセンジャーになってもらおうと思ってる」

マルコ「……メッセンジャー? どういう意味だい?」

アルミン「……これから説明するよ みんな、よく聞いてくれ……」
0867名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:31:35.50ID:NEyO2qNt
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コニー「……おい! お、俺の持ってきた料理まで食ってんじゃねぇぞ!!」

サシャ「ええ!? そんなの関係ありませんよ! 料理はみんなの物です!!」

コニー「お前しか食ってねぇぇぇぇだろ!!!」


ライナー「……おいおい、お前ら何喧嘩してるんだ?」

ベルトルト「そうだよ 喧嘩はよくないね」
0868名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:32:22.28ID:NEyO2qNt
コニー「ああ? っぶ! 誰かと思えばホモのライナーじゃねぇか お仲間連れてどうしたんだ?」

サシャ「お……おや!? アルミン…フランツ…マルコ…! そ、その手に持った大量の料理は…!」

アルミン「ははは… 僕らのテーブルにあった料理だよ」

マルコ「うん… 僕らだけで食べるのもどうかと思ってね」

フランツ「そうだ… サシャ、コニー…一緒に食べないかい…?」ニコッ!
0869名無しで叶える物語(茸)
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2023/09/16(土) 18:32:36.78ID:brgtwAst
更新楽しみにしてんのに変な小説で埋めるな
0870名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:32:54.10ID:NEyO2qNt
サシャ「ぜ…是非! 是非是非!! 是非お願いします!!」ガタッ!

コニー「あー? 俺はホモと飲む気は俺にはねぇぞ」

ライナー「ふふ… まあそう言うな、コニー サシャに横取りされて、ろくに食えてないんだろ…?」

ベルトルト「ほら、お酒も沢山持って来たよ!」ニコニコッ!

コニー「……んー しょうがねぇな… お前ら、ホモ同士で変な事しだすんじゃねーぞ」

フランツ「ふふふ… 大丈夫、コニーに迷惑はかけないよ」ニコッ…

マルコ「そうだね… 僕らは礼儀を知っているホモだから…」ニヤッ…

アルミン「ふふっ 安心していいよ……コニー……」フフ…
0871名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:33:59.15ID:NEyO2qNt
アルミン「さー カンパーイ!!」

ライナー「おうっ! ほら、ベルトルト」カチャ

ベルトルト「うん! ふふ、ライナー」///

マルコ「ふふ… 二人とも熱いね… フランツ、僕らも…」カチャ

フランツ「うん…マルコ…」///


コニー「ぶっ……っくくく! ホ、ホモ同士で乾杯してやがるぜ! きもちわりぃ!」

サシャ「うわー 皆さん、やっぱり仲良いんですねぇ!」
0872名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:34:35.04ID:NEyO2qNt
アルミン「コニー! 僕らも乾杯しよっ!」

コニー「冗談いうなよ ホモと乾杯なんて想像するだけで鳥肌がたつわ」

アルミン「そ…そうだよね」シュン…

サシャ「それでは私は…このチキンの山を……!!」グフフ


ライナー(……コニーの奴、やっぱりあの事気にしてるみたいだなぁ)ボソッ

ベルトルト(……そうだね アルミンの乾杯を断ってたし…)ボソッ


サシャ「!?」ピクッ
0873名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:35:08.00ID:NEyO2qNt
マルコ(……コニー やっぱりアルミンに振られた事を根に持ってるのかなぁ)ボソッ

フランツ(……しょうがないよ コニー、本気だったんだもの)ボソッ


サシャ「!??」ピクピクッ


サシャ「………あ、あのー ……皆さん」

ライナー「ん? どうした?」

フランツ「サシャ、どうしたの?」

サシャ「い、いえ! …その ……な、なんでもありません……」

コニー「ああ? 変な奴だな」
0874名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:36:26.27ID:NEyO2qNt
アルミン「……ふふっ 変なサシャ ……そ、そうだ! コニー、あまり料理食べれてないんでしょ?」

アルミン「ほら、僕が取ってあげ…」

コニー「へっ! ホモが取った料理なんて気持ち悪くて食えねぇな!」

アルミン「う…うぅ… そ、そうだよね……」シュン…


ライナー(……おいおい これは酷過ぎるだろ アルミンだって、悪いと思って気を使ってるんだろうが)ボソッ

ベルトルト(うん…… それに、自分だって……ホモなのにね……)ボソッ


サシャ「!!??」ピクピクピクッ
0875名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:37:10.15ID:NEyO2qNt
マルコ(……でも、無理もないよね…… あんなに好きだったんだもの)ボソッ

フランツ(振られた事がショックで……自分がホモである事まで否定したいんだろうね……)ボソッ


サシャ「!???」ピクピクピクピクッ


サシャ「……あ、あの! コ、コニー…!?」

コニー「なんだよさっきから どうしたんだよ?」

サシャ「そ……その…… コニーって…ホモ…なんですか?」

コニー「あ、ああ!??」
0876名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:37:42.98ID:NEyO2qNt
アルミン「ち、違うよ!! コニーはホモなんかじゃないよ!!」

ライナー「ああ、そうだ コニーは俺たちとは違う」

フランツ「そうだよ ……そんなこと言ったらコニーが可哀想だよ」

コニー「お前、どこをどう見れば俺がホモになるんだよ!」

サシャ「そ、そうですよね…! すみません…」


ライナー(……見たか? コニーの奴、やっぱり自分がホモである事を否定しちまってるな)ボソッ

ベルトルト(うん… もう昔のコニーじゃないんだね)ボソッ


サシャ「っ……!」
0877名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:38:25.68ID:NEyO2qNt
マルコ(……なんだか……コニーがちょっと可哀想だよ 自分の気持ちを裏切っているようで…)ボソッ

フランツ(……そうだね コニーも、自分がホモだとカミングアウト出来たら…楽になれるのにね)ボソッ


サシャ「…」


コニー「……珍しい事もあるもんだな サシャが料理に手を付けてないなんて」

フランツ「本当だね サシャ、食べないのかい?」

サシャ「え!? あ…そ、そうですね! 頂きます!! ……」


ライナー(……………………サシャ 聞いているんだろう?)ボソッ


サシャ「!!!?」ビクッ!
0878名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:39:50.04ID:NEyO2qNt
サシャ「え…あ…!」


ベルトルト(コニーには気づかれないように……傷つけてしまうから)ボソッ


サシャ「……っ!」コクコクッ!


マルコ(……サシャ、聞いていたなら解るはず…コニーを救えるのは君だけだ)ボソッ

フランツ(……コニーはアルミンに振られた事で、自分を否定してしまっている)ボソッ

ライナー(……サシャ コニーは今、辛い思い出に振り回されて…自分を閉じてしまっているんだ)ボソッ

ベルトルト(……これを解決できるのは君だけだ……サシャ!)ボソッ
0879名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:40:18.75ID:NEyO2qNt
マルコ(……サシャ、君がみんなに……コニーがホモである事を教えてあげるんだ!)ボソッ

ライナー(……それで、コニーは救われる さぁ、サシャ! コニーを解放してやってくれ!)ボソッ

フランツ(……コニーを……昔のコニーに戻してやってくれ!)ボソッ


サシャ「……!」


サシャ「……あ、あの! 私、ちょっと料理を取って来ます!」ガタッ!

コニー「何言ってんだ…? まだ沢山あるじゃねーか」
0880名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:40:56.53ID:NEyO2qNt
サシャ「コニー……」


ライナー(サシャ… コニーに気付かれては駄目だ…)ボソッ


サシャ「…! え、ええ! ……ちょっとローストビーフが食べたくなりまして……」

アルミン「あ、そうだね… 確かにローストビーフは持ってこなかったや…」ニヤッ…

ライナー「悪いなぁ… 持ってきてくれるか…?」カランッ
0881名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:41:26.27ID:NEyO2qNt
サシャ「は、はい! 皆さん! 私に任せてください!!」

サシャ「必ず……必ず成功させます!!」

マルコ「うん……頼んだよ」フフ…

ベルトルト「サシャ…期待してるからね」ニコッ…

フランツ「さぁ… 行っておいで」クク…

コニー「さっさと帰ってこいよ ホモに囲まれてちゃ気が変になりそうだわ」

サシャ「はい! 行ってきます…!!」ダダダッ!!
0882名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:42:14.62ID:NEyO2qNt
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フランツ「いやぁ! 楽しいなぁ!!」

マルコ「そうだね フランツ…」///

ベルトルト「ははは! コニーもホモなら良かったのに…」///

コニー「っぶ! きもちわりぃ…テーブルから追い出すぞ」
0883名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:42:54.57ID:NEyO2qNt
ライナー(アルミン… サシャの奴、上手くやってそうか?)ボソッ

アルミン(うん… ほら、あそこでも話しているみたいだよ)ボソッ



サシャ「ええ! ですから、コニーはアルミンの事が好きで…」

「え、ええ!? それ本当…!?」

「……本当だ アルミンの横で楽しそうにしてる……」

サシャ「そうなんです! コニーはアルミンに振られて…それ以来…」

「そうなんだ… なんだか可哀想ね」

「うん ……私、コニーの事応援したくなっちゃった」
0884名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:43:30.77ID:NEyO2qNt
アルミン(……ふふっ 大成功みたいだね)

ライナー(そうか… ふふふ……)

ベルトルト(……よし もう良い頃合いだね)

ベルトルト「……ミッション」

アルミン「……コンプ」

ライナー「……リィィィィィト……」カランッ

コニー「………は? 何言ってんだ?」
0885名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:44:08.79ID:NEyO2qNt
マルコ「ふふふ… 上手く行ったようだね」

フランツ「うん… アルミン立案『サイレント・キル作戦』…成功だ…!」

コニー「……はぁぁ? 突然どうした? お前ら頭大丈夫か…?」

アルミン「……コニー!!」

コニー「!!? な、何だよ!! 突然でかい声出して…!」ビクッ

ライナー「お前は……今日から…! ホモだ!」ドンッ

コニー「……だから、さっきからどうしたんだよおい!?」
0887名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:45:33.51ID:NEyO2qNt
ベルトルト「コニー… 周りの声に耳を傾けて」

コニー「ああ? …」


「コニーにはアルミンと上手く行ってほしいなぁ」

「そうね! あの二人、なんだか小柄でかわいいし!」

「コニーもホモォ!? おいおい本当かよ!」

「うっわー… あそこでライナー達と仲良くしてるぜ…」


コニー「な!? ど、どういう事だよ! おいっ!!?」ガタッ

ライナー「………ウェルカム!」カランッ

ベルトルト「…ふふっ 歓迎するよ ホモのコニー」ニコッ…

アルミン「……ようこそ 復讐のホモ団へ……!」ニヤリッ

コニー「!!? あぁ!? この状況が解らねーのは、俺の頭が悪いからじゃねーよな!?」
0888名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:46:11.78ID:NEyO2qNt
マルコ「混乱するのも無理はない…でもコニー! 君はホモだ!!」ドンッ

フランツ「そうだっ! お前も地獄に来い!!」クワッ!!

コニー「な、なんなんだよ!? おい!! 誰か説明しろっ!!」

ライナー「説明する事はないっ!! コニー!! お前はホモなんだ!!」

ベルトルト「そうだよっ!! 他の皆もそう言っているじゃないか!!」

アルミン「皆も僕たちもそう言っている!! 間違いなく、君はホモだよっ!!」

コニー「あ…ああ!? おい!! 頭こんがらがって来たぞ!!」
0889名無しで叶える物語(茸)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:46:15.12ID:YFxFAxP6
最終章を別にスレ立て、このスレに投稿した分の再投稿はせず>>1にURLを記載、で良いんじゃないか
0890名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:47:16.35ID:NEyO2qNt
フランツ「四の五の言うなっ! コニーはホモ! ホモはコニーなんだっ!!」

ライナー「コニー!! お前はホモ!! それだけ覚えておけばいいっ!!」

アルミン「さぁ!! コニー!! 君はなんだ!?」

コニー「あ? ん…んん…?? ……ホモ?」

ライナー「よしっ!!」

フランツ「さぁ立て! このホモ!」

ベルトルト(まさか、本当にホモのゴリ押しで通せるとは…)

マルコ(その為に、コニーには沢山お酒も飲ませているしね…)
0891名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:47:57.69ID:NEyO2qNt
ライナー(しかしアルミン コニーを洗脳するまでが計画の内とは、本当に恐ろしい男だ…)

アルミン(ふふふっ… 酔っている所を大勢で言いくるめれば…人は簡単に認めてしまうものなんだよ…)ニヤッ…


コニー「ん…んん? なぁ、やっぱちょっとおかしいだろ…」

ライナー「そんなことはないっ!! お前はホモだっ!! 自信を持てっ!!」

コニー「お、おう…」

アルミン「さぁ… 次行こうか…」ニヤァ……
0892名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:49:11.35ID:NEyO2qNt
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アルミン「…さて、次はエレンかジャンなんだけど…」

アルミン「……ひとつ、皆に注意してもらいたい事があるんだ」

ライナー「注意…?」

マルコ「どうしたの、アルミン…?」

コニー「…おい、なんで俺はここにいるんだよ?」

フランツ「疑問に思うなっ! いいから黙ってるんだっ!!」

ベルトルト「コニーっ!! 何も心配する事はないよっ! 疑問も持っちゃいけないっ!」

コニー「お、おう…?」
0893名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:49:51.09ID:NEyO2qNt
アルミン「そう……それは、ミカサの存在だ」

マルコ「…なるほど、ジャンはともかく、エレン陥落への大きな障害になりえるね」

ライナー「ああ… あの超過保護体質とエレンへの心酔っぷりは脅威だな…」

ベルトルト「おまけに腕も立つ… どうにか排除しておきたい所だね」

アルミン「……問題はそれだけじゃないんだ」

フランツ「問題があるからといって、エレンやジャンを墜とさないと言うなら…僕は容赦しないよっ!」

ライナー「フランツ、まぁ落ち着け …で、その問題ってのは?」
0894名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:50:33.01ID:NEyO2qNt
アルミン「うん… 実は…ミカサの状態がちょっと…いや、かなりマズいんだ」

マルコ「話が見えないな… 体調でも崩しているなら、むしろ好都合だと思うけど」

アルミン「その…なんていうのかな アルコールが入っているせいで、いつもと雰囲気が違うんだよ」

ベルトルト「そうだったかい? クリスタに夢中で気がつかなったのかな?」

ライナー「ああ… 確かに俺たちはミカサの変化には気がつかなかった… いつもと、どう雰囲気が違うんだ?」

アルミン「その……単純に……可愛いんだ」
0895名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:51:25.32ID:NEyO2qNt
マルコ「ミカサが…」

ライナー「…可愛い?」

フランツ「……なんの冗談かな? あのミカサが可愛いだなんて」

ベルトルト「いや、確かに美人な顔立ちではあると思うけど…近付きがたいオーラがあるというか」

マルコ「うん… 少なくとも、僕はミカサの事を可愛らしいとは思った事は殆どないね」

ライナー「ああ… 無表情で無口…いつも何考えてるかわからん奴だ…」

フランツ「それに、ミカサが可愛い事が…一体なんの障害になるっていうんだい?」

アルミン「……君たちは、今のミカサの放つ『可愛らしさ』について…認識を改めた方がいい」

アルミン「魅力的だとか可憐だとか…そんな言葉で表せられるものじゃないよ」

アルミン「あれは、もうすでに……兵器だ」
0896名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:52:37.10ID:NEyO2qNt
マルコ「兵器… ますます要領を得ないね」

アルミン「説明するのが難しくて、上手く表現できないんだけど…あのエレンでさえも、ミカサを意識しているんだ」

ライナー「――!? あのエレンがか…?」

ベルトルト「いや、それが本当だとしたら驚いたな…」

アルミン「そう、あの鈍感朴念仁が意識せざる負えないその可愛さ…もっと言えば艶っぽさというのか」

アルミン「常人の感性をもった僕らがモロに浴びたら……恐らく一瞬で思考停止……」

アルミン「最悪……心を奪われてしまうよ」
0897名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:53:01.49ID:NEyO2qNt
フランツ「ふんっ! 僕の心は今でもハンナの物だ…! アルミン、何を怖気づいてるんだ…!」

アルミン「……百聞は一見にしかず エレンたちのテーブルをちょっと観察してみて欲しい」 

ライナー「……うむ、そうだな」

ベルトルト「エレンたちの席は…あそこだね…」
0898名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:53:35.55ID:NEyO2qNt
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エレン「…だからさ、アニ 蹴り技の体重移動のコツを教えてくれよ」

アニ「…言葉で教えられるものじゃないよ」

ジャン「対人格闘なんざ、適当に流しきゃいいだろ」

クリスタ「…でも、訓練で手を抜くのは良くないよ 使う時があるかもしれないし…」

ユミル「なーにクリスタ、安心しなって 私が守ってやるよぉ」

クリスタ「ユ、ユミルに守ってもらわなくても、自分で出来るわよ!」

ジャン「そのちっこい体でか? ははっ 大人しく隣のデカ女に守ってもらいな」
0899名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:54:42.83ID:NEyO2qNt
クリスタ「ジャ、ジャンまで…! うぅ…」ウルッ

ユミル「おーし、ジャン! よく言った! まずはお前からブチのめすか」

ジャン「なっ!? …へっ! 冗談の通じない奴らだぜ…」

ミカサ「……」ポー///


マルコ「……確かにいつもとは雰囲気が違うね」

フランツ「うん 瞳が潤んでいるし、頬も赤みを帯びている…」

ライナー「…それにいつもの、どこか険のある表情ではなく…おっとりとした顔をしているな」

ベルトルト「でも…そんなに脅威的とは思えないけどね」

アルミン「まだ、これからだよ……」
0900名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:55:18.19ID:NEyO2qNt
アニ「……そ、その、エレン……」

エレン「ん、なんだ?」

アニ「……説明する事は出来ないけれど…よければ……わた」

ミカサ「……私がエレンに……格闘術を、教えたい」上目づかい


ライナー「――!?」ドキッ!

ベルトルト「――!?」ドキッ!

マルコ「――!?」ドキッ!

フランツ「――!?」ドキッ!

コニー「…あー そう言えばローストビーフ食ってねぇな」

アルミン「……みんな、解ってくれたみたいだね」ドキドキッ…
0901名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:56:28.44ID:NEyO2qNt
ライナー「なっ! なんだぁ…今のは……!!?」

ベルトルト「ミカサが声を発した瞬間……体に電流が……!?」

マルコ「っ!! こ、これは……!!」

フランツ「な、なんだあの上目づかいは……っ!! ぅぐっ!! ぼ、僕には…ハンナが…!!」

アルミン「この距離でこれだけの威力…これを至近距離で受けたら…ほら、見てごらん」


ジャン「――ふぉ!!? っぐ!? ん! ぅんん……!!!」///ギリギリッ


フランツ「――! ジャンが苦しそうにして…!」

マルコ「…! 意識が飛ばないようにと……左手をフォークで刺してる…!?」
0902名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:56:59.76ID:NEyO2qNt
アニ「―――っつぅぅぅ!」////


ベルトルト「――!!? え、えぇぇ!? ア、アニが……頬を赤らめて……!?」

ライナー「お、おいおい…… あんなアニ……初めてみたぞ……」


クリスタ「――はぁ……ぅ」///

ユミル「――!!? う、うぅあっ!! 違う!! 違う違う!!」///ブルンブルンッ


アルミン「クリスタは、ミカサに見惚れ……ユミルは、一瞬揺らいだ自分の心を必死に否定し…そしてエレンは……」
0903名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 18:57:57.05ID:NEyO2qNt
エレン「えっ…! あっ… ミ、ミカサがお、教えて…くれるって?」/// ドギマギ

ミカサ「うん… 駄目?」ポー///

アニ「――っぁ!!」//////

ジャン「――っずぁぁ!! ぎぃぃぃ!!!」/////ギリギリギリ

エレン「い、いや! いいっ! お、教えてくれっ!! ミカサ!!!」////

ミカサ「本当? …エレン、嬉しい…!」パァァ///

アニ「――! ――!? ぅぅ!!」//////

ジャン「――ぐぅぅぅぎぃ、ぎぃやぁぁ……!!!」/////ギリギリギリギリ


アルミン「まるで…片思いの相手と話しているかのような反応…」
0904名無しで叶える物語(光)
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2023/09/16(土) 18:58:31.39ID:SMqyalEZ
ここで次スレ誘導待つだけ無駄かな?てかこいつ次スレ立てても追って来そうだな
0905名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:58:54.77ID:NEyO2qNt
ライナー「お、おいおい… ジャンの左手……大丈夫か……?」

ベルトルト「うわっ…… あれ、結構深く刺さってるよ……!」

フランツ「う、うぅぉ! うぉぉ!! ハンナが…!! 僕にはハンナが!!」ガンッ!ガンッ!

マルコ「――っ! ……こ、これは確かにアルミンの言うとおり…兵器だ…っ!」

アルミン「そうなんだ… 恐らく僕らの野望最大の障害…それはミカサだ」

ライナー「あ、ああ… あんなのモロに受けちまったら、ホモの演技なんか出来んぞ…!」
0906名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 18:59:43.83ID:NEyO2qNt
ベルトルト「うん…! これは是が非にでもミカサを回避しないと…!」

マルコ「となると… ミカサが席を立った瞬間が勝負だね…!」

アルミン「……そうも言えないんだ ミカサだけが席を立ったとしても…エレンとジャン、二人がテーブルに残ってしまう」

フランツ「となると、ミカサとエレンかジャンのどちらか、二人が席を離れる状況じゃないといけないって訳かい?」

マルコ「……そんな上手い状況、訪れるとは思えないな」

アルミン「僕もそう思う…… だからちょっと確実性に欠けるけど、まずはユミルに……」

ライナー「――!! お、おい! エレンが席を離れるみたいだぞっ!」
0907名無しで叶える物語(八つ橋)
垢版 |
2023/09/16(土) 19:00:07.48ID:5Z8kJ+8A
他所の荒らされてたssもスレ立て依頼されるまで張り付いて待ってたくらいだから一気に投下できる時に依頼した方がいいかも。一回間を置いたら荒らされる気がする
0908名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:00:31.93ID:NEyO2qNt
エレン「あ、ああ…! そんな心配すんなって…! トイレに行くだけだ」///

ミカサ「本当…? 一人で大丈夫?」涙目

アニ「―ふぅ! ――ふぅぅっ!!」////

ジャン「………っうぅぅぅぅぉぉおお」ギリギリギリギリ

エレン「じゃ、じゃあ、ちょっと行ってくるからな!」スタスタッ

ミカサ「気を付けてね……エレン」ポー///


アルミン「――! しまった! ユミルに話を通して、ミカサとエレンをテーブルから離そうと思ってたのに…!」

ベルトルト「ど、どうするの!? エレンが帰ってきてから、ユミルに……!」
0909名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:00:58.11ID:NEyO2qNt
アルミン「いや…! どうしても確実性に欠けるっ! ユミルが僕らの提案を飲んで動いてくれるとは限らないんだ……!」

ライナー「一人離れたエレンを狙うってのは…!?」

アルミン「それも最善の手ではないよ…! 仲の良いアニやクリスタの前でなければ、ホモに仕立て上げても効果が薄いっ!!」

アルミン「でも…テーブルにはジャンが一人残っている…! この状況は、ある意味チャンスだ…!」
0910名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:01:36.38ID:NEyO2qNt
フランツ「チャンス…!? ま、まだ、あのテーブルにはミカサが居るんだよ!?」

アルミン「うん…! 確かにミカサは人間兵器…僕らにとって大きな脅威だ…!」

アルミン「しかし……ミカサを上手く使う事が出来れば……! ジャンに再起不能の大ダメージを与える事が出来るはずっ!」

ライナー「再起不能の…!」

マルコ「大ダメージ…!」ゴクリッ

コニー「……あー 肩いてぇー」
0911名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:02:01.70ID:NEyO2qNt
アルミン「そう…! 幼馴染の、僕であれば…!!」

アルミン「兎に角、僕らは早急に動かなくちゃいけないっ! それも今回は…少数でだっ!」

アルミン「ライナー! ベルトルト! 共に来てくれ!!」

ライナー「お、おう!」

ベルトルト「わ、わかったよ!」

マルコ「ぼ、僕らはどうすれば…!?」
0912名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:02:53.53ID:NEyO2qNt
アルミン「今回の作戦…これは多数で取り囲んだら逆に効果が薄い…! すまないけど、ここでコニーの洗脳を続けていてくれっ!」

フランツ「あ、ああ! わかったよ!」

コニー「あん? 俺がなんだって?」

マルコ「こら! コニー!! 質問するな!! ホモは質問なんてしないっ!!」

フランツ「そうだっ!! もし質問がしたいなら、する前にホモと三十回言え!!」

コニー「あぁ…? なんで…」

フランツ「三十回っ!! ホモとっ!! 言えっ!!」クワッ!!

コニー「ん…? んー……ホモホモホモホモ……」ブツブツ…

アルミン「さあ! 二人とも! 行くよっ!!」ダッ!

ライナー「ああっ!!」ダッ!

ベルトルト「うんっ!!」ダッ!
0913名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:03:30.35ID:NEyO2qNt
_________
____
_

ミカサ「気を付けてね …エレン」ポー///

ジャン(……よしっ! よしよしっ!! 死に急ぎ野郎が席を離れたっ!)グッ!

ジャン(ミカサを見てると何故か意識が吹っ飛んじまうから、フォークを刺した痛みで耐え抜いてきたが…)ギリギリ…

ジャン(ついに……ついにきたぜぇぇ…! チャンスってやつがよぉぉぉ!!)

アニ「……ミカサ 私が最初にエレンに格闘術を教える…と、言ったんだけど」ジロッ

ミカサ「えっ…ごめんなさい どうしても…私がエレンに教えたくて…」涙目///

アニ「――っつぅう!!」/////

ミカサ「迷惑……だった?」ポー///

アニ「――っくぅ!? も、もういい! もういいよっ!」////

アニ「あんたが…教えてやればいいよ」////

ミカサ「―! ありがとう、アニ!」パァァァ///

アニ「!!!! ――っ!!」プルプル///
0914名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:04:22.82ID:NEyO2qNt
クリスタ「そ、それにしてもミカサ… 今日はなんだか雰囲気が違うね」

ユミル「あ、ああ どうしちまったんだ? まるでミカサじゃねぇよなぁ」

ミカサ「そんな事はない 私は普通」ポー///

ジャン「――い、いや…! いつにも増して……き、綺麗だ…ぜ」///

ミカサ「…そう?」ポー///

ジャン「――っ!! ぬぅぅぅぅ…!!」ギリギリギリギリ

ジャン「――あ…ああ!! 本当だ!! へへっ…」

ミカサ「……ふふ うれしい」ニコッ///

ジャン「!!!!?」ガタッ!

アニ「!!!??」ガタッ!

クリスタ「!!??」ガタッ!

ユミル「!?!?!?」ガタッ!
0915名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:04:53.09ID:NEyO2qNt
アニ「――っふぅぅ!!! っふぅぅ!!!」///

クリスタ「――ひゃう!! う、うわぁ」///

ユミル「―――っつぅぅ! お、おいクリスタっ! せ、席を変えるぞっ!!」///

クリスタ「――えっ!? な、なんで……私はもっとミカ」

ユミル「なんでもだよっ!! ほら、はやく行くぞっ!!」グイッ!!

クリスタ「わっ!! …ちょ、ちょっとユミルっ!!」ズルズルッ

ジャン(ぐぉぉぉ!! こ、この天使のように無垢なミカサの笑顔…!!) 

ジャン(こ、こんなもん見ちまっていいのかよ…! ぎゃあああ、左手がぁぁぁ!!)ギリギリギリギリ
0916名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:05:20.64ID:NEyO2qNt
ジャン(だ、駄目だっ! 意識が途切れてきやがった…! ミカサを直視できねぇ!)フイッ

ミカサ「…ジャン 左手にフォークが刺さってるけれど…大丈夫なの?」ポー///

ジャン「あ、ああ! こんなもん、なんてことねぇよ…! お…?」

ジャン(お…? おお? ミカサから視線を外したら…意識がはっきりしてきやがった…)

ジャン(…これなら、会話くらいなら何とかなりそうだぜ…)
0917名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:05:54.04ID:NEyO2qNt
アニ「……っくぅ!」///

アニ(ミカサの奴…今日は一体どうしたっていうの…?)

アニ(見ているだけで…む、胸が……キュンって……!)///

アニ「――!」…ブンブンッ!

アニ(な、なにを考えてるんだ、私は……! 気でも違ったの…!?)///

アニ(と、とにかく…今のミカサはマズイ…! このままじゃ…エレンと…何も話せない…!)

アニ(でも、今のミカサを抑えてエレンに近づくなんて……うぅ……)

アニ「―っ!」トクトクトクッ

アニ「―んん!」ゴクゴクゴクッ

アニ「っふぅー…」

アニ(……もう、どうにでもなれ! 酔い潰れてやる…)グスッ…
0918名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:06:30.91ID:NEyO2qNt
ジャン「……」

ジャン(……ユミルとクリスタはテーブルを離れた)

ジャン(アニは狂ったように酒を飲んでいて、こっちに気が向いていない……今が、チャンスだな!)

ジャン(ふ、ふふふ… 今日の為にイメトレしてきた、対ミカサ用会話術…実践してやるぜ!)

ジャン「あ、あのよ…ミカサ」

ミカサ「なに?」ポー///

ジャン「ちょっとな…話があってよ 聞いてくれるか?」

ミカサ「…何の話?」ポー///
0919名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:07:01.17ID:NEyO2qNt
ジャン「…エレンの事なんだがな」

ジャン「俺は…あいつに嫉妬しているのかもしれねぇな」

ミカサ「…! ジャンがエレンに…嫉妬?」ポー///

ジャン(…おしっ! むかつく事だが、ミカサは死に急ぎ野郎の話なら食いついてくるってのは計算済みだ)

ジャン(後は、エレンの事を褒めちぎって…俺の好感度を上げるっ!)
0920名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:07:30.75ID:NEyO2qNt
ジャン「ああ…俺はあいつの事を、『死に急ぎ野郎』だなんて馬鹿にしてきたが…」

ジャン「あいつは…俺なんかより いや、ここに居る誰よりも努力してやがる」

ジャン「そういう姿を見てると…何もしてねぇ自分が惨めに思えちまってな…」

ミカサ「…ジャン」ポー///

ジャン「あいつは…凄ぇよ 誰よりも努力してる癖に、目標は調査兵団ときやがった」

ジャン「俺には考えられねぇぜ… 安全で楽できる憲兵団って選択肢を無視して…」

ジャン「自ら死にに行くような所目指してるなんてよ…」

ジャン「……俺はあいつの…そういう真っ直ぐな所に…嫉妬しちまってるんだろうな」

ジャン「……っへ 柄にもねぇ… 今の話、忘れてくれ」

ミカサ「……ジャン 私はあなたの事を誤解していた」ポー///

ジャン「!」
0921名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:08:31.04ID:NEyO2qNt
ミカサ「…あなたは、エレンの事が本当に嫌いなだけだと思っていた」ポー///

ミカサ「でも、そうじゃなかった …あなたはエレンを認めてくれている」ポー///

ミカサ「今の話を聞いて…私も凄く…嬉しい」ニコッ///

ジャン「!!?」

ジャン(う、うぉぉぉぉぉ!? 視線を合わせてねぇのにビリビリきやがるぜぇ!!)ギリギリ

ジャン(こ、これは今、すげぇ良いムードじゃねぇか? こ、このまま行っちまうか…!?)ギリギリ

ジャン(ミ、ミカサに…あ、愛の告白をよぉ!!)///ギリギリ
0922名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:08:58.95ID:NEyO2qNt
ジャン「は、はは! そうか、喜んでもらえたのか…!」

ジャン「…だ、だからよ 俺も…エレンみたいに 自分の好きな事に…命を賭けてみたくなったんだ」

ミカサ「ジャンの…好きな事?」

ジャン「いや… 正確には……好きな『人』…なんだがな」///

ミカサ「ジャン… 誰か好きな人がいるの?」ポー///

ジャン(お、おっし! もうこのまま行っちまうぞ! 俺はこのまま行くからな!!)

ジャン「ああ… それは、いつもエレンの近くにいてよ…」///

ジャン「いつもあいつを気遣っている…優しい人なんだ…」///
0923名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:09:48.98ID:NEyO2qNt
ジャン「その姿を見た時に…なんていうか…」

ジャン「そ、その人と恋人になれたらいいなって…思ったりしてな」///

ミカサ「いつも… エレンの近くに居る…」ポー///

ジャン「…ああ それはな… ……ミ、ミカ――」///


アルミン「―――ジャァァァァァァァァァァァァン!!」ダダッ!


ジャン「――うぉ!!??」ビックゥゥゥ!!

ミカサ「――! アル…ミン…?」
0924名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:10:23.45ID:NEyO2qNt
アルミン「…ジャン!!」ハァ…ハァ…

ジャン「…な、なんだよいきなり! ビビっちまったじゃねーかよ!!」ドキドキッ

ライナー「――おい…ジャン! 話が…あるっ!」ハァ…ハァ…

ベルトルト「――うんっ! 話を…聞いてくれっ!」ハァ…ハァ…

ジャン「…ライナー達まで 息切らして何事だよ!?」


アルミン(…二人とも、ここに来る途中で話した通りにしてくれ)ボソッ

アルミン(それと、ミカサからは常に視線を外すように… 最重要事項だよ)ボソッ

ライナー(…ああ、わかった しかし、ミカサのオーラが凄いな… いつもと違う意味で)ボソッ

ベルトルト(…うん この雰囲気だけで、心を持っていかれそうだ…)ボソッ

ライナー(いかんぞベルトルト! 俺たちはホモ! ホモなんだ!)ボソッ

ベルトルト(…うん、わかってる 視線さえ合わせなければ…なんとか!)ボソッ

ジャン(…なんだこいつら… いきなり現れて、俺の告白を邪魔しやがってよぉ…!!)イライラッ
0925名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:11:07.38ID:NEyO2qNt
ジャン「…で、話ってなんだよ さっさと言ってどこかへ行けよ」イライラッ

ライナー「…ほら、アルミン」

ベルトルト「…アルミン 頑張って!」

アルミン「う、うん!」

ジャン「話があるのはアルミンか…? オラ、早く言――」

アルミン「――ジャン!! 君の事が…好きですっ!!」

アルミン「僕と! 恋人になってくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」///

ジャン「っぶぅぅぅぅぅ!!??」ガタッ!

ミカサ「――アルミン!?」ポー///
0926名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:11:42.74ID:NEyO2qNt
ジャン「な、何を言ってんだてめぇ!!」

アルミン「ぼ、僕は、訓練兵団に入ってから、ずっと君の事を見てきましたっ!!」

アルミン「いつもは憎まれ口しか言わないのに、本当は凄く優しかったり…!!」

アルミン「普段は他人なんて興味なさそうにしているのに、面倒見が凄く良かったり…!!」

アルミン「そんな…そんなジャンを見ているうちに…! 僕はっ! 君の事がっ! 好きになってしまいましたぁぁぁぁ!!」///

ジャン「ま、待て待てぇぇぇ!! お前らさっき三人で外で――!!」

ライナー「ああ… それは俺たちが…ちょっと勇み過ぎちまったんだ」

ベルトルト「実はあの後、アルミンが泣き出してしまってね…」

ライナー「どうしても、諦められない人がいるんだと… だから俺たちとは、付き合えないってなぁ」

ベルトルト「アルミンは一人で君に告白するつもりだったけど…心配になって、僕らも付いて来たんだ」
0927名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:12:22.56ID:NEyO2qNt
ジャン「は、はぁ!? お、おいおい!! だからお前ら! 何を言って――!」

ライナー「ジャン!! 頼む!! アルミンは本気なんだ!!」ズサッ!!

ベルトルト「僕らだって…アルミンとネンゴロになりたかったさ! でもね、アルミンの心は…君のものなんだっ!!」ズサッ!!

ライナー「…俺らの気持ちも理解してくれ!! 好きな人が、自分に振り向いてくれないこの辛さ…!」

ベルトルト「ジャン…!! 君にも…理解できるだろうっ!!」

ライナー「そして…好きだからこそ…応援したい……この気持ちもよぉ!!!」

ジャン「!!!?」
0928名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:13:03.81ID:NEyO2qNt
ジャン(な、なんだ…何がどうなってやがる…!?)

ジャン(あともう少しで…もう少しでミカサに、思いを伝えらると思っていたのに…!)

ジャン(何がどうなって俺はホモの告白を受けてるんだよっ!?)

ジャン(完全に俺の理解を超えちまってるぞ!!)

ジャン「――っ!?」


「お、おい! アルミンがジャンに告白してるぞっ!!」

「うわっ! ホモの告白なんて初めてみたぞ…」

「アルミン… 頑張って、アルミーーン!」

「ぶっふふぅぅ!! ジャン!! 答えてやれよぉぉ!!」


ジャン(…っち! 周りの奴らも見てやがるぜ… 野次馬どもがっ!)
0929名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:13:53.01ID:NEyO2qNt
ジャン「…いいか、よく聞けよ! 俺は男と恋愛する趣味なんてな――」

アルミン「――っ!」ダキッ!

ジャン「――うおぉ!? 馬鹿っ…やめろっ! だ、抱きつくんじゃねぇ…!!」グギギ…

アルミン「ジャン!! 君の事が好きだ!! 大好きなんだ!! 諦められるもんかぁぁ!!」涙ポロポロ

アルミン「この気持ちを…受け入れて貰えなかったら… 僕はぁ…っ! 僕はぁぁぁ!!」涙ダラダラ


「ひゅーーー! 熱いなぁ!!」

「おいジャン!! 返事してやれよぉ!!」

「いいぞーアルミーン!! 頑張れ―!!」


ジャン(お、おいおいおい… なんだよこの空気は…!?)

ジャン(ふざけんじゃねーぞ!! あいつら完全に楽しんでやがるな…!)ギリッ
0930名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:14:46.28ID:NEyO2qNt
ミカサ「……ジャン」ポー///

ジャン「――!! ミ、ミカサ…! おいアルミン! もう離れろって…!」

ジャン(――っ! ちっくしょう…! よりによってミカサの前でこんな事しやがって…)

ジャン(アルミン、ライナー、ベルトルト…! 覚えてろよっ!!)

ミカサ「……ジャンの言っていた人って…もしかして…アルミンの事だったの?」ポー///

ジャン「ぅええ!!!??」ビックゥゥ!

ジャン(ちょ…! どんな勘違いだよっ!? ま、待て待て待てぇぇぇ!!!)

ジャン「ち、ちが…! そうじゃな… ……うぎっ!?」ギギギ…

ジャン(な、なんだ!? アルミンの野郎…急に強く締め付けてきやがって…!)

ジャン(し、しかもこいつ……!! 左手のフォークを……お、押し込んでっ!!)ギリギリギリ

アルミン(……)ニヤッ…
0931名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:15:22.25ID:NEyO2qNt
ミカサ「…エレンの近くにいて…いつも気遣っている…優しい人…」ポー///

ミカサ「ジャンも……アルミンの事が好きだったのね」ポー///

ジャン「――っちょ! ちょ…!! ちが……っぅぐぅぅ!?」ギギギ…

アルミン「ジャァァァン!!」グスグス

アルミン(ふふ… 弁解する余地は与えないよ…!)

ミカサ「…アルミンは、私とエレンの大切な幼馴染」ポー///

ミカサ「ジャン、こっちを…向いて」ポー///


ジャン「――ぅおう!?」←目がバッチリ合う
0932名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:16:09.05ID:NEyO2qNt
アルミン(二人ともっ! 来るよっ!! 気を付けて!!!)アイコンタクト!

ライナー「――!!」フイッ

ベルトルト「――!!」フイッ


ミカサ「……アルミンの事」ポー///

ミカサ「……幸せに……してあげて……!!」涙目上目づかい&懇願////

ジャン「おうよっ!! アルミンの事は俺に任せろぉっ!!!」キリッ!!


ジャン「――――っはぁ!!!?」
0933名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:16:40.74ID:NEyO2qNt
ジャン(お、俺は今…何て言った…!!? 何て言ったんだ…!!?)

ジャン(ま、待て待て待て!! お、落ち着けジャン・キルシュタインっ!!)


「おおーーー!! ジャンがアルミンの告白を受けたぞぉぉぉ!!」

「おおおーーい! アルミーーン!! 良かったなぁぁぁぁ!!」

「おいおい!! 今夜だけでいくつホモカップルが出来るんだよ!!」

「きゃーーー!! 二人ともーーー!! お幸せにーーー!!」


ジャン「――っだぁあ!? ちょ、ち、違う!! これは…これはなぁ!!」

アルミン「――っ!」(ここで、駄目押しの一撃!!)ズイッ!!

ジャン「――っア、アルミン!! 何、顔近付けて――!!」


アルジャン「――ちゅ!」///
0934名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:17:25.86ID:NEyO2qNt
「わ、わぁぁぁぁぁ!!! キスだぁぁぁぁぁ!!!!」

「お、男同士で……キスしやがった……!!!」

「きゃーーーーーー!!!」

「いいぞぉぉぉぉ!!! ホモ同士でもっとやれぇぇぇぇぇ!!!」


ライナー(ア、アルミン…そこまでやるか… なんて男だ……)ゾクッ

ベルトルト(……アルミンが敵じゃなくて…心底良かった……)ゾクッ



アルミン「――…っぷは… ジャン…僕…嬉しいよ」///

ジャン「――…っぷふぅ! う、うああああ!!?」

ミカサ「アルミン…ジャン… 幸せにね…」ニコッ///
0935名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:18:10.50ID:NEyO2qNt
アルミン「ミカサ、ありがとう! じゃ、僕たちは行くね…」///

ジャン「――えっ!? ぼ、僕たちっ!!?」

ライナー「おう! めでたいなぁ!! さ、あっちで飲もうぜ!!」ガシッ!!

ベルトルト「アルミン! ジャン! おめでとう!!! 僕も嬉しいよっ!!」ガシッ!!

ジャン「な、お前らなんで俺の腕掴んでんだよっ!? お、俺はホモなんかじゃ…!」

ライナー「あ……? お前、さっき言っただろうが……」ニヤッ…

ベルトルト「そう…『アルミンの事は俺に任せろ』……ってね」ニコッ…
0936名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:18:39.44ID:NEyO2qNt
ジャン「―――っあ、ち、違う!! こ、これは違げぇんだよっ!」ガタガタ 

アルミン「……っふふ ジャン… 君自身が認めてくれて嬉しいよ」ニコリッ…

ライナー「ああ… お前が…ホモだってなぁ…」

ベルトルト「それとも何かい? 告白を受けておいて…『今のは嘘でした』なんて言うのかい?」

ライナー「そんな事は…俺たちが許さんぞ」

ベルトルト「それに…周りのみんなもね…」
0937名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:19:18.13ID:NEyO2qNt
「ジャン!! 男らしくねーぞ!!」

「ちゃんと責任とれよぉぉぉぉぉ!!!」

「男同士で……きっもちわっりぃぃぃぃ!!!!」

「ジャーーン!! アルミンと幸せになぁぁぁ!!!」


ジャン「う、うわ!! こ、こんなの嘘だぁぁぁぁぁぁ……!!!!」

ベルトルト「……ミッション」

アルミン「……コンプ」

ライナー「……リィィィィィト……」カランッ

ジャン「ち、違うんだぁぁ…っ! 俺はホモなんかじゃ…っ! てめぇ、片手でグラス揺らしてんじゃねぇぇぇ!!!」ドタバタ!

ミカサ「…行ってらっしゃい アルミン、ジャン…」手フリフリ///
0938名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:19:55.97ID:NEyO2qNt
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マルコ「おかえり、みんな! ナイスホモ!」

フランツ「アルミン!! 素晴らしかったよ!! グットハンティング!」

ライナー「おう! お前らも変わりないか?」

マルコ「うん! コニーの洗脳も順調だよ!」

ベルトルト「どれどれ… コニー、君はなんだ!?」

コニー「ああ? んー……ホモ?」

アルミン「うん、良い感じに仕上がってきてるね」
0939名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:20:44.84ID:NEyO2qNt
ジャン「お、俺はちがああああう!! ホモなんかじゃねぇぇぇぇぇ!!」ドタバタ!

ライナー「おいおい、いい加減にしとけよ…ジャン」

フランツ「まったく! 喚いたりなんかして、男らしくない奴だ!!」

マルコ「しかし、あの急な状況からよく成功させたね 本当にアルミンは凄いよ!」

アルミン「まあね ミカサは必ず僕の見方をしてくれるし、ジャンはミカサの願いを聞かないわけはない」

アルミン「それも今のミカサだ アニは酔い潰れてたし、ジャンがミカサと二人になった時点で、勝負は決まっていたよ」

マルコ「……それにしてもアルミン ジャンと…キスまでするなんて」

アルミン「ふふ… 野望の為なら男とキスなんて…いくらでもしてやるよ」ニヤァ…
0940名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:21:22.90ID:NEyO2qNt
マルコ「そ、そうか いや、本当にアルミンが見方で良かった…」ゾクッ

ジャン「て、てめぇら、ホモのフリなんかしやがって! 俺を嵌めやがったなっ!! この悪魔どもがぁぁ!!」

アルミン「……やれやれ、悪魔か 酷い言われようだね」フフ…

ライナー「ああ… 俺たちをこんなにした悪魔は、どこの誰だろうなぁ」ニヤ…

ジャン「な、何言ってやがる… お前らを茶化したのは俺だけじゃねーだろ!!」

ベルトルト「そう、君だけじゃない …でも、君もその内の一人さ」

フランツ「僕らはここに居る男子を一人でも多く…ホモに仕立て上げる…!」

アルミン「僕らに与えた屈辱、憎しみ、怒り… 全て返してやるんだ!」

ジャン「て、てめぇら…気が狂っちまったのか……!?」
0941名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:22:03.63ID:NEyO2qNt
ライナー「まぁ…そういうなよ」カランッ

マルコ「ジャン… 君も僕たちと共に来ないかい?」フフ…

ジャン「ふ、ふざけんじゃねぇ…! 誰がお前らなんかと…!」ギリッ

アルミン「………いいのかい? エレンをこのままにしておいて」ニヤッ…

フランツ「あーそうだねぇ 今のミカサなら、今夜このままエレンと付き合っちゃうかもなぁ」

ジャン「――っ!? な…お、お前ら……!!」

ベルトルト「ジャン……次の標的は……エレンだよ」ニコッ…

ジャン「!!!」
0942名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:22:46.26ID:NEyO2qNt
ライナー「ああ… なんの努力もなく、女子からの好感度はウナギ登りの天然ジゴロ…」

フランツ「彼を見過ごすわけにはいかないね…! 確実に墜とす!」

ジャン「ア、アルミン…! てめぇはあいつの幼馴染だろうが!?」

アルミン「……幼馴染なんて、僕にはもういない」

アルミン「いるのは…共に野望の為に戦ってくれる…ホモたちだけだよ」ニヤッ…

ジャン「……お前ら…やっぱり悪魔だぜ…」
0943名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:23:24.07ID:NEyO2qNt
ライナー「で、だ! …どうするんだ? ジャン?」

ベルトルト「このまま、はぐれホモとして生きるのも良いと思うけど」

フランツ「ホモとして食堂の片隅から…エレンとミカサが付き合うのを、指をくわえて見てるかい?」

マルコ「君がミカサと恋人になれる確率は0になった」

アルミン「なら、エレンの確率も0にしてやろうじゃないか…!」

ライナー「そうだ… ジャン、共に悪魔になろう!」

ベルトルト「君の力が必要なんだよ… ジャン!!」

ジャン「…………」

ジャン「……アルミン ひとつ聞きてぇ……」
0944名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:24:02.26ID:NEyO2qNt
アルミン「……なにかな?」

ジャン「……エレンをホモに仕立て上げられる確率…いくらぐらいだ?」

アルミン「100% 確実な手があるよ」

ジャン「……わかった」

ジャン「……いいだろう 手をかしてやるぜ 一人ミカサと良い関係になるなんて…許されねぇよな」

フランツ「もちろん」ニヤッ…

マルコ「その通りだ」ニコッ…

ジャン「……っへ! お前らについて行く エレン…確実に…墜としてやるぜ!」ギリッ

ライナー「………ウェルカム!」カランッ

ベルトルト「…ふふっ 共に闘えて嬉しいよ ジャン」ニコッ…

アルミン「……ようこそ 復讐のホモ団へ……!」ニヤリッ
0945名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:24:42.13ID:NEyO2qNt
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フランツ「…ついに、ここまで来たね」

マルコ「うん 成績上位者も…残すはエレンのみだ」

ジャン「俺をこんな目に合わせたんだ …失敗したら容赦しねぇからな」

アルミン「任せてくれ 算段は出来ているよ」

ライナー「聞かせてもらおうか、アルミン」

アルミン「うん ジャンの時を見ても解るとおり…最大の障害はミカサだ」

アルミン「しかも、僕らがエレンのテーブルを離れた時より…ミカサは強力になっている」
0946名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:25:09.42ID:NEyO2qNt
ベルトルト「確かにね 目を合わせなければなんとかなるけど…」

ライナー「ふいに合っちまったら終わりだろうな…」

ジャン「ああ… あれはもう魔眼みたいなもんだぜ…」

アルミン「…だから ここらでミカサには退場してもらう事にするよ」フフフ…

マルコ「…そんな事、出来るのかい?」
0947名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:25:42.70ID:NEyO2qNt
アルミン「うん …今ならユミルなら…僕の言うとおりに動いてくれるはずさ」スクッ

ライナー「あのユミルがか…? ん? アルミン、何処へ行くんだ?」

アルミン「ちょっとユミルの所へね …ふふっ すぐ戻るよ」ニコッ…

ベルトルト「……行ってしまったね」

ジャン「おいおい…本当に大丈夫なのかよ? あの不細工が俺らの話を聞くか?」

マルコ「……いや、アルミンを信じよう 彼のこれまでの作戦は…全て完璧だった」

フランツ「うん …それに、もう僕らには後へ引くなんて選択肢はないんだ」
0948名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:26:12.19ID:NEyO2qNt
コニー「なぁ? 俺がホモだって事は解ったんだがよ なんでここに居るんだ?」

ベルトルト「コニー、いいかい? ホモってのは僕らのそばに居るものなんだよ」

ライナー「そうだぞ、コニー ホモってのはそういうもんなんだ」

コニー「ああ、そうなのか わかった」

ジャン「……コニーの奴、どうしたんだ?」

マルコ「コニーは教育中なんだよ そっとしておいてあげて」

フランツ「うん だんだん安定してきてるしね」

ジャン(こ、こいつら…洗脳まがいの事までしてるのか)ゾゾゾッ
0949名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:26:49.59ID:NEyO2qNt
_________
____
_

クリスタ「もうっ! なんで突然席を変えたりしたのっ!?」

ユミル「…あー まぁ気分転換だ、気分転換」

クリスタ「私はあのテーブルで十分楽しかったのよっ!」

ユミル「悪かったって! 何をそんなに怒ってるんだよ…!」

クリスタ「な、何をって…その…」///

ユミル「……ッチ」
0950名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:27:29.46ID:NEyO2qNt
ユミル(…やっぱり、クリスタがミカサに少し…惹かれてるな)

ユミル(よくも、私の天使を……だいたい、今日のミカサのあれは何だよ!?)イライラッ

ユミル(…この私でさえ…ちょ、ちょっと…)///

ユミル「―っ!」

ユミル(だぁぁぁぁ!! …何を考えているんだ、私は…!)
0951名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:29:30.80ID:NEyO2qNt
クリスタ「ユ、ユミル…? 怒ってるの?」

ユミル「―! い、いや…なんでもないよ 心配すんなって」

アルミン「いやぁ… 僕はユミルが心配だね」フフフ…

ユミル「―!!?」

クリスタ「―!? ア、アルミン!?」
0952名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:29:56.74ID:NEyO2qNt
ユミル「てめぇ…! 何勝手に私の隣に座ってるんだ!!」

クリスタ「ア、アルミンはライナー達と一緒じゃなかったの?」

アルミン「ちょっと…ユミルに話があってね…」

ユミル「私に話だぁ? 私はホモと話す話なんてないね!」

クリスタ「ちょっとユミル! そんな事言っちゃだめでしょ!」

アルミン(…いいのかい? ミカサに取られちゃうよ…?)ボソッ

ユミル「!!?」
0954名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:30:29.17ID:NEyO2qNt
アルミン(君のかわいい天使が…ミカサに取られちゃうよ…?)ボソッ

ユミル「…ア、アルミン…! てめぇ…!!」

クリスタ「な、何? どうしたの?」

アルミン「いや、なんでもないよ! クリスタ!」ニコッ!

アルミン「ただ…ちょっとユミルと二人で話がしたいんだ…少しユミルを借りてもいいかい?」

ユミル「な、なに話を進めてんだ!! 私は行くなんて…!!」

アルミン(僕なら…クリスタの心変わりを止める事が出来る)ボソッ

ユミル「―っ!!」
0955名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:31:02.06ID:NEyO2qNt
ユミル(…なんだ、こいつ…! 私の心を…見透かしてるってのか!?)

アルミン「どうしても今じゃなきゃ駄目なんだ… お願いだよ、ユミル!」

ユミル「……クリスタ、ちょっとここで待っててくれ」

クリスタ「え… う、うん…」

アルミン「ごめんね、クリスタ すぐに終わるからさ!」ニコッ!

ユミル「…ぐだぐだ言ってないで、さっさと行くぞ」

クリスタ「い、いってらっしゃーい…」
0956名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:31:40.34ID:NEyO2qNt
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ユミル「…で、話ってなんだよ」

アルミン「単刀直入に言おう… ミカサをあのテーブルから離してもらいたい」

ユミル「ああ? なんだそれは? 大体、なんで私がお前の言う事を聞かなきゃならないんだ?」

アルミン「……このままミカサをこの食堂に置いておいたら」

アルミン「……クリスタはいずれ、ミカサの元に向かうだろうね」

ユミル「……なんでそう思う」
0957名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:32:03.93ID:NEyO2qNt
アルミン「……なぜそう思うかなんて、君が一番よく解ってるんじゃないかな?」ニヤ…

アルミン「君はさっきまで座っていたミカサのテーブルから、突然席を変えた…」

アルミン「その理由は一つ… クリスタがミカサに食いつき始めたからだ」

アルミン「普段、クリスタの隣というポジションをキープしている君にとって」

アルミン「今日のミカサと、それに惹かれ始めたクリスタは…大きな脅威だった事だろう」

ユミル「…おい! それとミカサをあのテーブルから離す事が、どう繋がるんだよ!」
0958名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:32:34.51ID:NEyO2qNt
ユミル「私たちはもうミカサのテーブルから離れた! …お前の言っている事が本当だとしても」

ユミル「私がアルミンの使いっぱしりをする理由なんかねぇなぁ…!」

アルミン「……さっきも言ったように……その理由は君が一番解っていると思うよ…」

アルミン「ユミル……君も……ミカサに惹かれているね」ニヤッ…

ユミル「――!!?」ビクッ!
0959名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:33:00.28ID:NEyO2qNt
ユミル「な、何を言って――!!」

アルミン「無理もないよ… 今のミカサはホモがノーマルに、ノーマルがレズになってしまうような魔力がある」

アルミン「ミカサ相手にアブノーマルな性癖に目覚めてしまっても…不思議じゃないよ」

ユミル「だ、だから何を言ってるんだ!! 私は――!」

アルミン「今のミカサだ…酔っていて足腰もおぼつかないだろう…」

アルミン「……君の……好きにするといいよ」

ユミル「――!!? お、お前……本当にアルミンか……!?」ゾクッ!

アルミン「……確かに、昔の僕ではないね」

アルミン「僕はもう…ホモなんだ」ニコッ…
0960名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:33:38.45ID:NEyO2qNt
アルミン「…さあ! エレンの居ない今がチャンスだよ!! ユミル!!!」

ユミル「!!」

アルミン「エレンが倒れているとかなんとか…適当に理由を付けて…寮にでも誘いこむといい」

アルミン「あのミカサを独り占めにできるんだ…! 今しかないよ、ユミル!!!」ドンッ!!

ユミル「――っく!! くぅぅぅ!!!」
0962名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:34:13.56ID:NEyO2qNt
_________
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_

アルミン「みんなっ! おまたせっ!」タタッ!

マルコ「アルミン! おかえり!」

フランツ「ユミルの方はどうなったんだい?」

アルミン「…ふふっ まぁ大丈夫だろうね」

ジャン「へっ、そうか! どんな話であの偏屈女を丸めこんだんだよ?」

アルミン「それは秘密だよっ! あ、ライナー達も頑張ってるね!」
0963名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:34:56.02ID:NEyO2qNt
ライナー「ホモホモホモホモホモホモホモホモホモホモホモホモ…」

ベルトルト「ホモホモホモホモホモホモホモホモホモホモホモホモ…」

コニー「うあああああああああああああああああああああ…」

ジャン「ああ、右耳と左耳からホモの連打だぜ」

ライナー「ホモホモホモホモホホモホモ… よし、お前はなんだ!?」

コニー「おう! ホモだぜ!!」

ベルトルト「うんっ! 完璧だねっ!」

マルコ「これでコニーも戦力としてつかえ……おや? ユミルがミカサに近づいていくよ」

アルミン「……ふふっ やはり動くよね…ユミル」ニヤァ…
0964名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:35:26.34ID:NEyO2qNt
エレンたちの席

ユミル「……お、おう」///

ミカサ「ユミル…? どうしたの?」ポー///

ユミル「じ、実はな…エレンの奴が…」

ミカサ「――エ、エレンに何かあったの!?」ガタッ!

ユミル「あ、ああ! そうなんだ…! わ、私に…ついて来てくれ…!!」

ユミル(わ、私は……何をしているんだ…… こんなこと……許されるわけ……)
0965名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:36:00.46ID:NEyO2qNt
ミカサ「エ、エレン!! エレンは何処!? 何処なの!?」涙目オロオロ

ユミル「こ、こっちだ!! ついてこい!!!」ダダッ!!

ユミル(――ッ駄目! 駄目だ! この涙目でうろたえる可愛い生物を……私は……)

ユミル(私のものに……したいっ!!)ギラッ!

ミカサ「うん! 早く!! 早くエレンの所に!!!」ダダダッ!!


ライナー「…本当にユミルがミカサをどかしやがった!!」

ベルトルト「さ、流石だよアルミン!!」

アルミン「……ふふ 人間は意外と単純なものさ」ニヤ…

ジャン「っ…!」ゾクッ
0966名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:36:34.19ID:NEyO2qNt
フランツ「ん? ジャン、どうしたの?」

ジャン「い、いや…なんでもねぇ」

ジャン(な、何だ? 今、アルミンから…とんでもねぇ邪悪なオーラが…!!)

ベルトルト「……あっ! エレンが帰ってきたよっ!」

マルコ「今、ミカサ達が食堂を丁度出て行った… ふふっ、素晴らしいタイミングだね」ニヤッ…

ライナー「…よしっ! 早速……!」

アルミン「いや、まだだよ… アニが動いてからだ」

フランツ「アニ? あそこで酔い潰れてるよ…?」
0967名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:37:11.12ID:NEyO2qNt
アルミン「今、テーブルには誰も居ない… エレンはアニを起こして、理由を聞こうとするだろう…」

アルミン「そして……酔ったアニは、いつもより大胆になっているはずさ」ニヤ…

マルコ「なるほど… 二人が良い雰囲気になった所で…だね?」フフ…

ジャン「……へへっ 本当にアルミンには恐れ入るぜ……!」

ライナー「そうだな… それじゃあ…暫し待つとするか…!」カランッ

フランツ「そうだね… 最高潮から…どん底へたたき落としてやるよ…!」ニヤ…

ベルトルト「うん… 僕らの受けた屈辱…思い知ってもらう!」

コニー「俺は!! ホモ!!!」ドンッ!


アルミン「ふふふ… 全ては僕の…手の中さ…!」ククク…
0968名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:37:54.00ID:NEyO2qNt
_________
____
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エレン「……何だ? 誰もいないな…? ん?」

アニ「……」グデー

エレン「お、おい! アニ! お前、何してんだ!?」ユサユサ

アニ「……ん? んぅ?」

エレン「大丈夫か!? おい、どうしたんだよっ!?」

アニ「――!? ぃあ…!? な、なんでもない!」バッ!

エレン「何でもないって…! あー、ほら! よだれ付いてるぞ!」

アニ「――!!」ズビッ!
0969名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:38:24.21ID:NEyO2qNt
アニ「……悪い ちょっと飲み過ぎたみたい」///

エレン「お前がか? ……にしても、なんでアニしか居ないんだ?」

アニ「え…? ……本当だね」

エレン「んー? ジャンもミカサも、クリスタたちも何処行ったんだ…?」

アニ「……」

アニ(……私が酔い潰れている内に…何かあったの? ……でも)

エレン「はぁー わけわかんねぇー…」

アニ(これは……チャンスかも……しれない)///
0970名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:38:53.46ID:NEyO2qNt
アニ(ミカサが居なくなった事は大きい…今なら、エレンと…色々話が…出来るかも)///

アニ「……ま、待っていれば…そのうち帰ってくるさ」///

エレン「ん…まぁ、そうか そうだな!」

エレン「で、お前はなんで酔い潰れてたりしてたんだ?」

アニ「そ、それは……まぁ、ちょっとね」///

アニ(言えない……あんたと中々話が出来なかったからとは…言えない)
0971名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:39:31.06ID:NEyO2qNt
エレン「……にしても、大丈夫か? 顔も真っ赤だし…具合悪いんじゃないか?」

アニ「だ、大丈夫! 大丈夫だから…」///

エレン「…本当か? なんか今日は、ミカサの様子も変だったしな…」

アニ「……」ピクッ

エレン「なんかいつもと違ったんだよなぁ… やっぱり酒なんて、俺たちには早いのかな」///

アニ「……あんたがミカサの事を話すなんて、珍しいね」

エレン「そ、そうか? そんな事ないだろ」///

アニ「……それも、頬を赤らめながらね」フイッ
0972名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:39:56.61ID:NEyO2qNt
エレン「な…! んなことねぇよ!! 頬なんて赤らめてねぇ!!」

エレン「大体、アニだって赤らめてるじゃねーか!!」

アニ「――!? な、何を言って…」///

エレン「ほら、赤いじゃねーか!!」

アニ「――っく! そ、それはあんたと、話してるからだろうが!!」

エレン「ふん! 俺と話してるからって……え? お、俺と!?」///
0973名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:40:23.82ID:NEyO2qNt
アニ「――!!? な、なんでもない!!」/// フイッ

エレン「え…! い、いや…さっき確かに…」///

アニ「う、うるさい!! 忘れろ!! 忘れてしまえ!!!」///ドンッ!

エレン「う、うわ! 押すなよ!!!」

アニ「だ、大体あんたが!! いつもミカサとべったりしているのが悪いんだ!!」///

エレン「はぁ!? あ、あれは勝手にミカサが…!」///
0974名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:40:52.62ID:NEyO2qNt
アニ「おかげで私は…あんたと話もできないじゃないかっ!!」/// グスッ

エレン「お、おい!! どうしちまったんだよ、アニ!」

アニ「……私だって、あんたの横にいたいさ…」///

アニ「なのに、いつもそこにはミカサがいる… 私は…どうすればいいの」グスッグスッ

エレン「……アニ お前」///
0975名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:41:29.23ID:NEyO2qNt
アニ「……いま、ここにミカサはいない だから、あんたと話が出来ると思ってた」

アニ「なのにあんたは…ミカサの心配をして… まるで私が、悪い事を考えていたみたいで」グスッグスッ

アニ「あんたにとってミカサが大切な人なのは解るよ でも……でも!」グスッグスッ

アニ「私にとっても…あんたは……大切な…人……なんだ」グスッグスッ

エレン「………ア、ニ」///

ライナー「……お願い、エレン 今だけは、俺をミカサだと思ってくれ」涙ポロポロ

エレン「………わかった、アニ …お、俺は……ん?」///


アニ「――っだぁ!!!??!?」ガタッ!

エレン「――っふぉお!!??!?!」ガタッ!
0976名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 19:42:21.83ID:NEyO2qNt
アニ「え!? は!? な! …な…な…!!?」プルプルプル

エレン「う…!? ぃえ!? ええ……!? ラ……ラ……!!」プルプルプル

ライナー「ライナーだ」カランッ

エレン「そうだっ!! 違うっ!! そうじゃねぇ!!!」

アニ「な、なな、なんで……あんたが……!!」ガタガタッ

エレン「あ…ああ! なんで…ライナーがこ、ここに……ん!?」


やー…っ ほー…っ


アニ「っ!? こ、今度はな、なに…!? 何の声……!?」
0977名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 19:43:03.18ID:NEyO2qNt
ホー… モー… なー… かー… まー…


エレン「う…歌!? な、なんだ…!? 歌が……!?」


ヤッ… ホ… ホー… モ… な… か… まー…


アニ「……えっ!? だ、段々…音が……お、大きく……!?」


ヤッ… ホ… ヤッ…ホ ヤッホ ヤッホ!

アルミン「ホォォォォォォ!!!」

ジャン「モォォォォォォ!!!」

フランツ「なぁぁぁぁぁぁ!!!」

マルコ「かぁぁぁぁぁぁ!!!」

ベルトルト「まぁぁぁぁぁぁ!!!」

コニー「┌(┌^o^)┐」


アニ「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」ガタッ!

エレン「だ…! で…!? う、うああああああああ!!!?」ガタッ!
0978名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 19:44:28.53ID:NEyO2qNt
アルミン「やあ!! エレンーー!!」ダキッ!

エレン「うぁ!!? ア、アルミン…!!?」

マルコ「僕らも混ぜてよ!!」ニコッ!

フランツ「ここ、座るね!」

ジャン「おっす、お前ら!! よろしくな!!」

ベルトルト「やあ、アニ!! 元気!?」

アニ「…っ! べ、ベルトルトォォォォ!!」

ライナー「おう、コニー!! こっちきな!」

コニー「おう! 飯食わせろ!!」
0979名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:44:57.22ID:NEyO2qNt
エレン「お、お前ら!! え!? な、なんで来たんだよ!?」

アルミン「えーー? ひどいなぁーー」

ジャン「そうだぜぇ… 俺らの仲なのによぉ…!」

マルコ「エレンが一人ぼっちだったから、寂しいかと思ってきたのにね!」

フランツ「まったくだね! それに、僕らもエレンと話がしたかったし!」

アニ「――っ! あ、あんたら!! わ、私がいるか…」

アルミン「えーー? エレンは女の子と話しても、つまんないよねーー?」ニコッ!
0980名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:45:27.56ID:NEyO2qNt
エレン「はっ!? はぁ!!?」

ベルトルト「だよねぇ… やっぱり、僕らじゃなきゃねぇ…」ニヤ…

ジャン「そうだなぁ… 俺たち…ホモじゃなきゃなぁ…」クク…

アニ「な、なに言ってんのさ!! なんでエレンがホモなんかと…!!」

フランツ「ええー? それはねぇ…」ニヤ…

マルコ「ふふ… なんでだろうねぇ…」ニコッ…
0981名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:45:54.39ID:NEyO2qNt
エレン「ま、待てよおい! コニー、お前もホモなのか!?」

コニー「おう!! ホモだぜ!!!」

エレン「――っ!! ジャ、ジャン!! お前は…!!」

ジャン「ああ? ホモに決まってんだろうが」

アルミン「…っふふ エレンも嬉しそうだね!」

ベルトルト「うん! ホモの仲間が増えたからね!」

アニ「――っうう!!? ど、どういう事!!?」
0982名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:46:35.46ID:NEyO2qNt
アルミン「んーー? どういう事って、どういう事?」

ライナー「まったく、どうしちまったんだ? そんな抜けた事いう奴じゃないだろ、アニ」フフ…

アルミン「そうだよねーー 飲みすぎちゃったのかなぁ?」ニヤァ…

ライナー「ま、アニはほっといて、飲もうぜ! エレン!!」トクトクトク…

エレン「ぅえ!? あ…お、おう……」

ライナー「ふふ… 俺を、ミカサだと思ってよぉ…」カランッ
0983名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:47:05.66ID:NEyO2qNt
アルミン「ほら、エレン! 飲んで飲んでっ!」

エレン「あ、ああ! そう急かすなって…!」ゴクゴクッ

ジャン「いい飲みっぷりだなぁおい! …もう一杯どうだ?」トクトクトク…

エレン「お、おう!」ゴクゴクッ

ベルトルト「いやぁ、惚れ惚れするなぁ… ほら、もう一杯!」トクトクトク…

エレン「ぇえ!? そ、そんな一気には…」

アニ「そ、そうだよ! なに大量に酒を飲ましてんのさ!!」
0984名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:47:35.15ID:NEyO2qNt
アルミン「ええ? エレンはこれくらい普通に飲めるよね」

ライナー「ああ、そうだなぁ アニはエレンの事…何にもしらないんだなぁ」フフフ…

アニ「――っ… さっきからあんたら、やけに含みのある言い方をするね…!」

フランツ「含み…? どんな含みだい?」ニヤ…

マルコ「ああそうか! アニはエレンの事知らないから…含みがあるように聞こえるんだね」ニコッ…

アニ「……あんたらは、何を知っているっていうの?」イライラッ
0985名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 19:48:06.62ID:NEyO2qNt
ジャン「ああー そうだなぁ… 例えばよ」

ジャン(エレンの右太ももの内側には…ほくろがある…とかよ)ボソッ

アニ「―――!!?」ガタッ!

アルミン「他にもねぇ…」

アルミン(エレンは…首筋が弱いとか…ね)ボソッ

アニ「――っつぅ!!?」

ライナー「お、エレン…汗かいてるなぁ…」ツツ…

エレン「ひゃう!!? お、おい!! いきなり首筋触るんじゃねぇ!!」

ライナー「ははは! すまんすまん… つい、いつもの癖でなぁ…」ニヤ…

アニ「――!!!??」ガタッ!
0986名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:48:38.53ID:NEyO2qNt
フランツ「……そういう事を、僕らはしっているんだよ」フフフ…

マルコ「そう……」

マルコ(肌と肌を合わせないと知り得ない…ことをね)ボソッ

アニ「――っくぅ!! っくぅぅぅぅ!!!」プルプル

アニ「な、何言ってるの!! そ、それじゃエレンがま、まるでホ…」

アルミン(…なら、聞いてごらん さっきの告白の返事を)ボソッ

アニ「――!!?」
0987名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:49:09.35ID:NEyO2qNt
アルミン(アニはさっき…エレンは『大切な人』と言って告白したよね)ボソッ

マルコ(エレンがホモじゃなかったら…ちゃんと答えてくれるはずだよ)ボソッ

フランツ(そう… 付き合うか…付き合ってくれないかってね)ボソッ

ベルトルト(でも… エレンがホモなら…そうは答えてくれないよねぇ)ボソッ

ジャン(ああ… ホモなら女は…友達どまりだもんなぁ)ボソッ

ライナー(まぁ… 良くて、親友だろうなぁ)ボソッ

アルミン(アニ…怖いのかな? 恋人になれるか、なれないか…もしくは)ボソッ

アルミン(エレンが……ホモかもしれないって事を…聞くのが…!)ボソッ

アニ「――っく!! ば、馬鹿にするなっ!!」ドンッ!

エレン「うわっ!! ど、どうしたんだアニ!?」ビクッ!
0988名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2023/09/16(土) 19:49:38.12ID:NEyO2qNt
ライナー「おいおい… あんまり乱暴にするなよ」

ベルトルト「そうだよ… アニが暴れたら手に負えないんだからさ」

アニ「うるさいよ…あんたら! ……エレン!!」

エレン「な、なんだよ…怖い顔して……」

アニ「わ、私はさっき……あんたの事を……大切な人だと言った!」

アニ「私はまだ…その返事を聞いていない…! き、聞かせて欲しいっ!!」

アニ「エ、エレンは……私の事を……どう思っているの!?」

エレン「……ああ、そうだったな」
0989名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:50:15.02ID:NEyO2qNt
エレン「……正直、アニが俺の事をそんな風に思ってくれているなんて…驚いた」///

エレン「対人格闘を教えてくれる…なんていうのかな…師弟みたいなもんだと思っていた」///

エレン「で、でもよ… まさか、大切な人だなんて思ってくれてたなんてな」///

エレン「その…なんていうか… 嬉しかったよ!」///

アニ「!!!」

アニ「じゃ、じゃあ……!!」///

エレン「ああ! これからはもっとアニと話をしたい! …俺たちは、親友だっ!」ニコッ!

アニ「」


アルミン(勝った…………!!)グッ!

ライナー(さすが鈍感朴念仁…すばらしい思考回路だ)

ベルトルト(…本当にエレンの頭の中を開いて見てみたいよ)
0990名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:50:43.98ID:NEyO2qNt
アニ「な……!! なん…で…?」

ジャン(ほら わかっただろ?)ボソッ

フランツ(エレンは……君の事を異性とは見ていない…!)ボソッ

マルコ(なぜなら……エレンは……!)ボソッ

アルミン(ホモ……だからね……!)ボソッ

アニ「――っ! っうぅぅ… うぅ…」

アニ「う、ううぇぇぇぇ…」涙ポロポロ
0991名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:51:03.56ID:NEyO2qNt
エレン「お、おい! アニ!? なんで泣いてるんだ…!!」

アニ(エ、エレンが…ホモ……だなんて……!)グスグスッ

アニ(……そんなの嘘っ! 嘘に決まっている……!)グスッ…

アニ(……そう……このライナー達……どこか、怪しい……!)

アニ(寄ってたかってエレンを囲んで…私には色々…疑惑を吹きこんで…!)ギロッ

ライナー(アニの奴… 感づいたな…)
0992名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:51:33.39ID:NEyO2qNt
アルミン(……さすがアニだね 他の女子と違って、簡単には信じてくれないか)

アルミン(……でも、これなら!)

エレン「ど、どうしちまったんだよ アニ…」オロオロッ

アルミン「エレン…ちょっと……アニが泣いているのは」

エレン「ん、なんだアルミン…? ん…?」ゴニョゴニョ

アルミン「……っていう事だと思うよ」ニヤッ…

エレン「…そうか、なるほどな! おい、アニ!!」

アニ「……何?」

アニ(エレン…! 私がこのホモどもから…救ってやるから…!!)
0993名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:51:59.70ID:NEyO2qNt
エレン「そ、その…俺と親友になったのが…な、泣くほど嬉しかったのかよ…」///

アニ「―はぁ!?」

エレン「ま、まぁ…俺も嬉しいけどさ! ははっ…! ったく、そんな事で泣くなよ!」ニコッ!///

アニ「…」

エレン「こ、これからは気兼ねなく話しかけてくれよなっ!」///

アニ「」ブチッ!

ベルトルト(アルミン… 君って奴は…)

ライナー(ここでそう来るか…! …アニの神経を逆なですると…やばいぞ)
0994名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:52:27.49ID:NEyO2qNt
エレン「…お、おいアニ… なんで肩を震わせてるんだよ さ、話そうぜ!」///

アニ「…」プルプルプル

アニ「…フンッ!!」ブンッ!

エレン「ふごっ!!?」ドガッ!

ジャン「ほげっ!!?」ベキッ!

マルコ(アニが繰り出した蹴りの、膝がエレンの顔面に…!!)

フランツ(つま先が、エレンの隣に座っていたジャンの顔面にめり込んだ…!!)

ベルトルト(ジャン…完全に流れ弾じゃないか…!!)
0995名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:53:06.48ID:NEyO2qNt
エレン「ぐあああああ!!?」ゴロゴロッ

ジャン「うおおおおお!!?」ゴロゴロッ

ライナー「お、おい!! 大丈夫か、エレン!!?」

ベルトルト「ジャン!! 鼻、大丈夫かい!? 折れてないかい!?」

アニ「………な、何が………何が親友だよっ!!!!」

アニ「何が……!! 親友になれて嬉し泣きだよっ!!!!」

アニ「エ、エレンの……エレンのッ!! ホモ野郎ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」涙ポロポロ

アルミン「……」ニヤッ…
0996名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:53:34.32ID:NEyO2qNt
アニ「お、お前なんて……お前なんてっ!! ライナー達とネンゴロしてろぉぉぉぉぉ!!!!」ダダダダダッ!

マルコ「……ふふっ …ありがたいね」ククッ!

フランツ「うん… 『ホモ野郎』……その叫びが欲しかった!」フフッ!


「うわっ!? な、何だ!?」

「お、おい! …アニが絶叫しながら走っていくぞ…!」

「…今、『エレンのホモ野郎』…とか叫んでたよな?」

「おい…エレンの周りにいるのって…ライナー達じゃねーか!」

「うわっ! エレンもホモだったのかよ!?」
0997名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:54:03.07ID:NEyO2qNt
ライナー「…ふふふ ついに…成ったな…!」

ベルトルト「うん… エレン…陥落だ……!」

アルミン「……今! 成績上位者男子はすべて…社会的にホモになった!!」

ベルトルト「……ミッション」

アルミン「……コンプ」

ライナー「……リィィィィィト……」カランッ
0998名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:54:23.72ID:NEyO2qNt
アルミン「…ふふふ 僕らは…ついにやり遂げた……!!」

ライナー「ああ… 冷酷な謀略を尽くし…無二の親友たちを犠牲にし……!!」

ベルトルト「その屍の山の果てに… 成績上位者に復讐するという…初期目的を!!」

マルコ「でも、まだ終わらないよ……!!」

フランツ「その通り…! 次は…影響力のある成績上位者たちを使い……!」

ジャン「っ痛っつっ… ああ…もっと広げてやるぜぇ…ホモの輪をなぁ……!」

コニー「おうよ!! 俺はホモ!! みんなもホモだぜ!!!」

エレン「っだぁ、痛ってぇ… …お、お前ら…さっきから…何の話をしてるんだ…?」
0999名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:54:47.71ID:NEyO2qNt
ライナー「……何の話?」カランッ

ベルトルト「そりゃあもちろん…ホモの話さ」ニコッ…

アルミン「さぁ… エレンも一緒に話そうよ…」フフ…

ジャン「あぁ… 俺たちと同じ…ホモなんだからよぉ…」ククク…

エレン「…どういう事だ? ア、アルミン、何を言ってるんだよ…」

マルコ「……どういう事って、そういう事さ」ニコッ…

フランツ「……ほら、エレン 周りを見てごらん」ニヤァ…
1000名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2023/09/16(土) 19:54:58.33ID:H6Doaq+C
1000なら荒らしがくたばる
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