彼方「遥ちゃーん！ 見えてる？」
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彼方「その明輪眼で、遥ちゃんはどこまで見えてるの？」
遥「お姉ちゃんが里でたっぷりお説教されてる様だよ！」ﾁﾁﾁﾁﾁ
https://i.imgur.com/elC470h.png
遥「千鳥！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ
ザシュッ
彼方「うぐっ！？ はるか……ちゃ」ﾎﾞﾀﾎﾞﾀ
遥「里に戻らないなら、私は妹としてお姉ちゃんを始末しに来た」
彼方「つよく、なったね……」
遥「最期にお姉ちゃん。言い残すことはある？」
彼方？「ぅ……」
か🦋た「――」
🦋🦋た「――」
〜🦋 〜🦋
〜🦋
彼方「やあやあ」
遥「やっぱり……」
前作
愛「やば、カナちゃんと目合わせられない……」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1683977739/
前々作
せつ菜「彼方さんに避けられている気がします……」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1673783866/ 彼方「遥ちゃんはまだ“その眼”なんだね」
遥「関係ないよ。私はお姉ちゃんを連れ戻すための準備をしてきた」
彼方「それじゃあ遥ちゃんは万華鏡明輪眼を開眼できないねぇ」
遥「どういうこと？」
彼方「万華鏡明輪眼の開眼条件は“最も愛する姉妹を失うこと”だよ」
遥「……え？」
彼方「私の“遥ちゃん”はあの日――」
―回想―
彼方「うぅ、任務が長引いちゃったよ〜。早くしないと遥ちゃんのお誕生日終わっちゃう！」
シュバババババ
彼方「愛ちゃんが一緒の任務だったら一瞬だったのに〜」
〜近江家の前〜
彼方「ふう、間に合ったぜ〜。遥ちゃーん♡」
ガチャ
エマ「遥ちゃん♡」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
遥「お姉ちゃん……あっ！ エマさん///」
エマ「もう一回言って！」
遥「お、お姉ちゃん♡」
エマ「遥ちゃん可愛いよ！」ｷﾞｭｯ
彼方「は――」
https://i.imgur.com/8sS6aTs.jpg 彼方「ウォオオオオオオオ」
ここは……
一体ここは……
何だ？
「きゃあああああ！？」
「お姉ちゃん！？」
認めるか……
認めてやるものかぁああああ
「誰か止めて！」
「当たらない！？」
「駄目です捕まえられません！」
……そうか……
私は……
彼方「地獄に居る」 彼方「――死んだ」
遥「え？」
彼方「私の遥ちゃんはあの日死んだ！ だから遥ちゃんが永遠に彼方ちゃんだけの妹であり続ける世界を作る！」
遥「……お姉ちゃんのバカ！ 私はずっとお姉ちゃんの妹だもん！」ﾊﾟｯﾊﾟｯﾊﾟ
彼方（来る！）
遥「水遁・相氾沙湧！」ｼｬｰ
彼方「ほう、栞子ちゃんの術だったかな」
遥「千鳥流し！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ
彼方「風遁・東雲」ﾋﾟｭｵｵ
遥「なっ！？」
彼方「この程度の雷遁、すり抜けるまでもないよ」 術解説
＜蝶分身＞
彼方の口寄せした蝶を媒介とした分身。無から実体を作る影分身よりも消費が少なく、蝶の鱗粉に毒を仕込むなどの応用も出来る。
＜風遁・東雲＞
風の鎧を纏う術。小型の忍具や体術などの衝撃から身を守ることができる。火遁には無力だが雷遁ならば高威力の術以外は防ぐことができる。 彼方「すり抜け中なら吸い込まれないと思った？」ｶﾞｼｯ
遥「くっ！」
彼方「じゃあね〜」ｷﾞｭｵｵｵｵｵ
遥（本体）「終わりだよ！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ
彼方「！？」
遥（分身）「……」ﾄﾞﾛﾝ
彼方（まずい、背後を取られた！）ｷﾞﾝ
遥「千鳥！」
ザシュッ
彼方「……」
遥「……まだ生きてるね。急所は避けたから」 ―
――
―――
彼方「もう、痛いよ遥ちゃーん」
遥「！？」
彼方「まあここは彼方ちゃんの夢の世界だから、実は痛くないんだよねぇ」
遥「なんで、背後を取ったのに……」
彼方「なんでだろうねぇ。なんでだと思う？」
せつ菜「はい！ ズバリ、水たまりの反射越しに目を合わせた、ですね！ 」
彼方「おっ、せつ菜ちゃんは賢いなぁ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
せつ菜「えへへ♡ お姉ちゃん！」
遥「！？！？」
歩夢「あ、せつ菜ちゃんばっかりずるい！」
かすみ「そうだよ！ お姉ちゃん！」
しずく「姉さん、二人がうるさいので撫でてやって下さい」
彼方「もう、順番だよ？ しずくちゃんもね」
しずく「ね、姉さん///」
遥「なに、これ」 愛「おねーちゃん♡ 次はどこ行きたい？」
彼方「愛ちゃんが行きたいところがいいよー」
ミア「彼方ーごはん」
彼方「もうちょっと待っててねー」
璃奈「お姉ちゃん、好き」
彼方「彼方ちゃんも大好きだよー」
栞子「姉さん、起きてください」
彼方「うーん、あと五分……」ﾑﾆｬﾑﾆｬ
遥「やめて……」
侑「お姉ちゃん♡」
ランジュ「お姉ちゃん♡」
「姉さん♡」
「姉者♡」
「姐姐♡」
「姉貴♡」
「姉様♡」
「ぉねぃちゃぁ♡」
「姉ちゃん♡」
遥「やめろォォォォ！！！」
――
ピキ ピキ
ピキピキ
パリーン
遥「はぁ、はぁ……」
彼方「遥ちゃん……まさか姉読を、破った？」
遥「これが、今の私の力」
彼方「ふふっ、あははは」
遥「何がおかしいの？」
彼方「いやー困ったねぇ」
遥「口寄せの術！」ﾄﾞﾛﾝ
ζ[*^ᴗ^*]ζζ[*^ᴗ^*]ζζ[*^ᴗ^*]ζζ[*^ᴗ^*]ζ
彼方「これは、かすみちゃんの？」
ζ[*^ᴗ^*]ζ プシュー
彼方「毒霧……右眼も攻略するつもりかな？」 ζ[*^ᴗ^*]ζ プシュー
彼方「逃げるしかないね」ｻｻｯ
ζ[*^ᴗ^*]ζ コッチダヨ ﾌﾟｼｭｰ
彼方「おお？」
ζ[*^ᴗ^*]ζ オネエチャン ﾌﾟｼｭｰ
彼方「囲まれちゃったねぇ。それなら」
ζ[*^ᴗ^*]ζζ[*^ᴗ^*]ζζ[*^ᴗ^*]ζ
彼方「眠威！」ｷﾞｭｵｵｵｵｵ
ζ[*^ᴗ^*]ζζ[*^ᴗ^*]ζζ[*^ᴗ^*]ζ キャー ｷﾞｭｵｵｵｵｵ
遥「今だ！ 喝！」
ζ[*^ᴗ^*]ζ バクハツダ！ ｶｯ
彼方「！」
ギュオオオオオオオ シーン
彼方「吸込みの瞬間を狙ったんだね。でもちょっと爆発が遅かったねぇ」
遥「いや、お姉ちゃんはもうすり抜けが出来ない」
彼方「え？」
遥「箱に仕込んだ起爆札は眠威空間の中でもずっと起爆し続ける」
彼方「ずっと？」
遥「お姉ちゃんを倒すために用意した6千億枚の起爆札、眠威空間の中で10分間起爆し続ける」
彼方「ろ、ろくせんおく……？」ｻｰ
遥「すり抜けをすればお姉ちゃんはその爆発に巻き込まれる」
彼方「は、遥ちゃん？ 6千億枚の起爆札って、一体いくらしたの！？！？」
遥「うるさい！ 抜け忍のお姉ちゃんには関係ないでしょ！」
彼方「なんてこと……なんてことだ……」ｶﾞｸｯ
遥「これで右眼も封じたよ！」 遥「はあっ！」ﾋﾞｭﾝ
彼方「速っ！」ｶﾞｷﾝ
遥「まだまだ！」
遥はスピード体術で彼方を圧倒する
彼方「くっ……果林ちゃんの動きだな？」ｻｻｯ
遥「そこっ！」ﾄﾞｶﾞｯ
彼方「うわっ！？」
彼方は蹴り上げられ宙に浮く
遥「――」ﾋｭﾝ
彼方（起爆札！ 吸い込まなきゃ！）ｷﾞｭｵｵｵｵｵ
遥「火遁・豪火球の術！」ｺﾞｫｫｫｫ
彼方「しまっ！？」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオ メラメラメラ
遥「はあ、はあ、はあ……やった」
ザッ
遥「！？」
彼方「遥ちゃんの術はこれで終わり？ 出し惜しみは無しだよ」
遥「なんで、なんで効いてないの……？」
彼方「無いなら見せて進ぜよう。これが彼方ちゃんのとっておき。須矢能乎（スヤノオ）だよ」
須矢能乎「……」ゴゴゴゴゴ
彼方「万華鏡明輪眼の第三の能力。左右の眼が揃って使える術だよ」
遥「まだそんな術が……」
彼方「遥ちゃん。彼方ちゃんを里に連れて帰るんでしょ？ やってみなよ」
遥「うおお！ 千鳥！」ﾁﾁﾁﾁﾁﾁ
須矢能乎「八咫枕」ﾎﾞﾌｯ
遥「きゃあああああ！！！」ｽﾞｻｰ
彼方「まあ無理だよね。ふわぁー」ﾕﾗﾕﾗ
遥「うっ……チャクラが……」
彼方「じゃあ終わりにしよっか」 トン
彼方「許せ遥ちゃん。これで最後だよ」
バタリ
彼方「すやぁ」zzz
遥「」
遥「……」
遥「……おねえ、ちゃん？」
遥「……」
遥「うっ……」ﾌﾗｯ
バタリ 術解説
＜万華鏡明輪眼・須矢能乎＞
万華鏡明輪眼を開眼し左右2つの能力を宿した際に開眼するもう一つの能力。発動すると術者の周りを炎のようなものを纏った骸骨の像が包みあらゆる忍術、体術に対して強大な防御力を誇る鎧となる。この術には段階があり、上位の形態になるとゴーグルのような一つ目の女神の姿になる。
＜八咫枕＞
彼方の須矢能乎が装備している最強の枕。ありとあらゆる攻撃を弾力で押し返して無効化してしまう。その寝心地は虹影の膝枕をも凌ぐという 〜？？？〜
遥「ぅ……あれ、ここは？」
仮面の女「目が覚めたようですね」
遥「誰！？」
仮面の女「私は貴女の敵じゃありません。彼方さんの“仲間”と言ったところでしょうか」
遥「なか、ま……」ｷﾞｭｵｵｵｵｵ
仮面の女「眠威！？」ｷﾞｭｵｵｵｵｵ
シーン
遥「なにいまの……」
仮面の女「なるほど、彼方さんはこんなものまで仕込んでいたのですね」
遥「！？ 吸い込まれたはずじゃ……それに何のためにお姉ちゃんがそんなこと」
仮面の女「もちろん、遥さんを守るため、でしょう」 遥「なんで……」
仮面の女「遥さんが信じるかは自由ですが、私の知ることをお話しします。彼方さんがなぜ里を抜けたのか」
遥「それは私がエマさんを間違えてお姉ちゃんって呼んだのが」
仮面の女「こう言えばわかりやすいでしょうか。彼方さんは虹ヶ咲と戦争をするつもりでした」
遥「！？」
仮面の女「そのために明月を結成し、術や戦力を集め活動していた。ですが彼方さんには二つの懸念がありました」
遥「ちょっと待って！ 虹ヶ咲と戦争ってどういうこと！？」
仮面の女「彼方さんは里から命を狙われていました。明輪眼自体里から危険視されていたそうですね」
遥「そんなはずは……」
仮面の女「当然堂々と一族を迫害すれば外聞も悪くなる。だから強くなりそうな忍だけを始末しようと考えていた」 仮面の女「万華鏡明輪眼がなぜ伝説の存在と化しているのか。それは開眼する素質のある忍が皆抹殺されてきたからです」
遥「そんな話、信じられません！ 大体なんであなたがそんなことを」
仮面の女「彼方さんから聞きました。明月の目的は虹ヶ咲を潰すこと、そして無限姉読で理想の世界を作ることだと」
遥「……介抱してくれたことだけは感謝します。でもあなたの話は信じません」
仮面の女「そうですか。ではこれだけお渡しします」
遥「日記？」
仮面の女「今の話がそれに詳しく書いてあります。書いたのは紛れもなく彼方さんです」
遥「……お姉ちゃんの字だ」
仮面の女「それを見て貴女がどういう判断をするかはわかりませんが」
遥「……」
仮面の女「今の貴女は里の抹殺対象です」 仮面の女「強くなれば潰される。強くなければ生きていけない。そうした里の不条理から妹である遥さんを救い出す。彼方さんはその為だけに行動していた」
遥「お姉ちゃん……」
仮面の女「里の闇を知った遥さんがそれを隠し続けるのは無理だと判断したのでしょう。だから自分が里を抜け、こうして遥さんを誘い出した」
遥「お姉ちゃんは今どこに！？」
仮面の女「奥の部屋で眠っていますよ。ですがもう目覚めることはありません。彼方さんにとっては死と同義でしょう」
遥「なんで、そんなこと」
仮面の女「彼方さんにとって遥さんの命は里や自分の命よりも重かった」
遥「うそだ……私を捨てて里を出たお姉ちゃんが、そんな……里が私たちを、消す？」
仮面の女「私からの話は以上です」
遥「……」
仮面の女「……」
彼方「……zzz」
鷹「キー」
遥「虹 ヶ 咲 を 潰 す」
https://i.imgur.com/LmBkKFU.png 〜虹ヶ咲の里〜
ズドーン
@cﾒ*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘ がおー
「な、なんだぁ！？」
「九尾だ！ 九尾の化け狐が出たぞ！」
「きゃあああああ！」
右月「なんでこんな里の真ん中に！？」
左月「くっ、里の皆を非難させないと！」
@cﾒ*≡･᷅ - ･᷄≡ﾘ がるるるる
「木遁・棒野（ぼうの）の術！」
ニョキニョキニョキニョキ
@cﾒ*≡≧Д≦≡ﾘ ぎゃーす
右月「エマ間様！？」
左月「会談に行っていたはずでは」
エマ「はぁああああ！」
ニョキニョキニョキニョキニョキニョキニョキニョキ
@cﾒ*≡≧Д≦≡ﾘ ぐああああああ
左月「九尾の動きが止まった！」
右月「皆さん！ 今のうちに避難を」 エマ「ふぅ」
ドロン
演撃部長「虹影様を演るのは30秒が限界だね」
左月「！？」
@cﾒ*≡ˆ д ˆ≡ﾘ ＠ ｺｫｫｫｫｫｫ
右月「今度は遠距離攻撃が来ます！」
@cﾒ*≡ˆ д ˆ≡ﾘ ＝＝＝＠
愛「飛雷神・導雷！」
遠くの山：ドカーン
愛「これだけデカいと飛ばす場所も慎重に選ばないとね」
@cﾒ*≡˘ ᴗ ˘≡ﾘ ｷﾞﾛ
愛「まずはアイツを里の外に飛ばさないと。キッツいなぁ」
@cﾒ*≡ˆ д ˆ≡ﾘ ｺｫｫｫｫｫｫ
果林「八丈遁甲！ 第六読門・開！」
@cﾒ*≡ˆ д ˆ≡ﾘ ？
果林「台場金剛力旋風！」
@cﾒ*≡゜ᴗ 。≡ﾘ ぐへ
ヒューン
果林「里の外に飛ばしたわ」
愛「いや飛ばすってそういうんじゃ」
果林「愛、行くわよ」 菜々「遅れました！」
副会長「九尾は？」
左月「里の外です」
右月「今がチャンスです」
菜々「ええ、四役圓陣（しえきえんじん）で締め出します。右月さんと左月さんは東西の門を、副会長は南門をお願いします」
3人「はい！」
菜々「散！」
ビュン
菜々「影分身の術！」ﾄﾞﾛﾝ
菜々「さて、私は北門を」
菜々（分身）「私は」ﾊﾞｻｯ
せつ菜（分身）「九尾を止めます！」 人物解説
＜演撃部長＞
特殊部隊“演撃部”のリーダー。桜鳳の術の使い手で、本来身体への負担が大きく禁止されている血経限界のコピーをリスクなしで出来る。ただし変身時間は30秒が限界
術解説
＜木遁・棒野の術＞
棒状の樹木を大量に生やす木遁忍術。
＜八丈遁甲＞
八丈島流体術の奥義であり、体に八つある“門”をチャクラによって無理矢理外すことによって、身体の潜在能力を引き出すことが出来る。門は頭に近い場所から、島門・服門・性門・情門・熱門・読門・迷門・痴門の八つ。門を開けるたびに体に負担がかかり、朝起きられなくなる、道がわからなくなるなどのリスクがあるため禁術に指定されている。八門全てを開いた状態は『八丈遁甲の陣』と呼ばれ、影クラスの敵でさえ圧倒する力を得られるが、使用すると二度と服を着ることが出来なくなり社会的に死ぬ。
＜台場金剛力旋風＞
お台場流の回し蹴り「台場旋風」の上位の術。六門以上開いた状態で使える。
＜四役圓陣＞
上忍4人がかりで発動する結界忍術。虹ヶ咲の里を丸々囲って守ることが出来る。尾獣玉すら寄せ付けない防御力を誇るが、あらかじめ四方に用意した結界を利用する必要があり、里の防衛に使われる。
組織解説
＜暗部組織・会＞
虹影直属の暗部組織。暗部ではあるが主に里内の防衛を担っており、結界忍術による守護や要人の警護をする。 〜里の中心部〜
しずく「歩けますか？ こっちです！」
オフィーリア「ワン！」
しずく「そっちにも人がいるの？ 今行くね！」
父、母：ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ
璃奈「負傷者は私が運ぶ。人形の中に入って」
かすみ「かすみんボックスがいる場所が安全な場所です！ 辿って逃げてください！」
栞子「この辺りは大分避難できてますね。おや？」
ガサガサ
栞子「なんで林の方に……遥さん！？」
遥「……」
栞子「もう、心配したんですよ。でも帰ってきてよか――」
遥「眠威！」
ギュオオオオオオオ
栞子（彼方さんと同じ術！？ まずい、警戒はしていましたがこの距離でいきなり飛んでくるとは）
栞子「せめて知らせなくては……！」ｽﾞｵｵ 大量のセミ「ミーンミンミンミーン！！！」
遥「きゃっ！？」
栞子「っはぁ、はぁ、助かりました」
薫子「栞子！」ｻｯ
栞子「姉さん、おそらく遥さんが」
薫子「だろうね。九尾は間違いなく忍が呼び出した。そんなことが出来るのは明輪眼くらいだよ」
栞子「どうします？ あの眼、彼方さんと同じ眼です」
薫子「野放しには出来ないけど、正直私には無理だと思うよ」
栞子「時間稼ぎしつつ情報を集めるしかないですね」
遥「姉妹……」ｷﾞﾘ
薫子「あの子、どんな術を使うんだっけ？」
栞子「火遁と雷遁がメインですね。体術や幻術、忍具の扱いも出来る万能タイプといったところです」
薫子「ま、それだけならいいんだけど」
栞子「左目が彼方さんと同じ術、しかも遠距離攻撃が可能と。厄介ですね」
薫子「すり抜けだっけ。それは出来ないんじゃない？」
栞子「……確かに使ってないですね。同じ術でも遠距離特化ということでしょうか」
薫子「どうにかもう一つの眼の能力まで使わせたいね。わかったら栞子は引いて」 遥「眠威！」
栞子「！」ｻｻｯ
薫子「急に来るな！」
栞子「離れていては防戦一方です」ｼﾞｬｷ
薫子（！ 右眼を閉じた？）
栞子「虹ヶ咲流剣術・八重刃！」
ガキンガキンガキン
遥「剣が重い……うわっ！？」
カキーン
栞子「これで終わりです」ｽｯ
遥「炎遁・楓具土命（かぐつち）」ｷﾞﾝ
栞子（黒い炎！？ しかもこの動き）
薫子「逃げろ栞子！」
栞子「姉さんに言われなくても！」ｻｻｯ
遥「逃げ切れる？」
ボボボボボ
薫子「何だこの動き……黒炎を操る術？」
栞子「水遁・水陣壁」ﾊﾟｯﾊﾟｯﾊﾟ
バシャー
薫子「あの炎、まさか……栞子！」ﾊﾞｯ
栞子「火遁で来るなら、水遁・水断h――」ﾄﾞｻｯ 栞子「痛っ……姉さん、急になんです……！？」
薫子「ぐあああぁぁぁ！！！」ﾒﾗﾒﾗﾒﾗﾒﾗ
栞子「姉さん！？ 火を消さないと！」
薫子「駄目だ！ ちかづくな……」ﾒﾗﾒﾗﾒﾗﾒﾗﾒﾗﾒﾗﾒﾗﾒﾗ
栞子「水遁・相氾紗湧！」
この術なら素早く消火できるはずでした
しかし、姉さんを覆う黒い炎は消える気配がない
迂闊でした
あの炎は水陣壁をも“焼き尽くした”ということに今になって気付きました
もしあの炎は喰らった時点で終わりだというのなら、遥さんは姉さんへのとどめを刺す必要がない
ぐにゃあああああ
空間が歪む
遥さんの狙いは私の方でした ドカーン
咄嗟に起爆札を足元で起爆しました
辛うじて吸込みからは離脱出来ましたが
遥「……姉妹揃ってあの世になんて行かせてあげない」
遥さんがこちらに向かって歩いてくる
憎悪に満ちた赤い瞳を光らせながら
遥「“アレ”が燃え尽きたら今度は栞子さんの番」
もう私の身体はほとんど動かない
印も結べず、ただ姉さんが燃え尽きるのを待つしかできない
何という悪夢でしょうか
姉が焼かれていく様を見せつけられること以上に、遥さんがそれを私にしているということが、恐ろしい悪夢だと思いました
彼方さんとの間に何があったか、私は知りませんが
遥さんの悪夢は終わりです！
栞子「萌泣！」ﾋｭﾝ
須矢能乎：ｶﾞｶﾞｯ
栞子「なっ！？」
遥「やっぱり油断ならない。先にこっちだね」ﾁﾁﾁﾁﾁﾁ
千鳥！ 術解説
＜万華鏡明輪眼・眠威（左眼）＞
近江遥の左眼に宿った万華鏡明輪眼の能力。基本的に彼方の右眼と同じ術ではあるが細かい点が異なる。視点から時空間結界を生み出し遠距離の物体を吸い込むことが出来る。吐き出す場合も視点から出すことが出来る。自分自身の転送も一応できるがすり抜けは出来ない。
＜口寄せ・蝉＞
大量の蝉を口寄せする。突進の威力と騒音で奇襲性能が高く攪乱も出来る。
＜虹ヶ咲流剣術・八重刃＞
虹ヶ咲に伝わる剣術奥義。八回の連続斬撃は一太刀ごとに重さを増していく
＜万華鏡明輪眼・楓具土命＞
近江遥の右眼の万華鏡明輪眼に宿った瞳術。火遁と陰遁の性質変化を組み合わせた「炎遁・楓具土命」は、消えることのない黒炎を生み出し、自在に操ることが出来る。発火点は術者から近い必要があるが視界に入っている必要はなく、攻防一体の応用力の高い術。
＜萌泣＞
水遁で作った含み針。口から無音かつノーモーションで素早く放て、須矢能乎に突き刺さる速度と硬度、威力を持つ。印を結んだりチャクラを練る事ができなくても使える。 ランジュ「その千鳥は仲間に向けるために教えたんじゃないのだけど」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ
遥「ランジュさん……！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ
分身ランジュ「励挫鎖可素！」ﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞ
遥「！」ｻｻｯ
ランジュ「よく持ちこたえたわ栞子。後はランジュに任せなさい」
栞子「……左眼は彼方さんの時空間忍術の遠距離タイプのもの、右眼は消えない黒炎を操る術です。それと……」
須矢能乎：ゴゴゴゴ
ランジュ「随分と大きいわ」
栞子「防御力も高いです。並の術では防がれて終わりです」
ランジュ「このランジュが並の術なんて使うと思う？」 ランジュ「仙法・嵐遁悠都比亞！」ﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞ
栞子「ランジュ！ 里の中仙術ぶっ放さないでください！」
ランジュ「これでも抑えてるわ。それに」
須矢能乎「グオオオオオオ」ﾌﾞﾝ
ランジュ「並じゃない術でも防ぐみたいね」ﾋﾗﾘ
栞子「広範囲の術よりも一点突破でしょうか」
ランジュ「仙法・雷切！」ﾁﾁﾁﾁﾁﾁ
遥「！？」
栞子「いつの間に遥さんの背後に」
ランジュ「はぁ！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ
メキメキメキ
遥「炎遁・楓具土命！」
ボボボボボ
ランジュ「くっ！」ﾋﾞｭﾝ ランジュ「あの術、後ろにも出せるのね」ｼｭﾀｯ
栞子「遠距離攻撃では突破できない、近距離攻撃は黒炎を喰らってしまう。厄介です」
ランジュ「あの巨人と炎で二重の守り。ほとんど隙が無いわ」ﾊﾟﾝ
遥「眠威！」ｷﾞﾝ
遥の足元からかすみんボックスが現れる
[cι˘σ ᴗ σ˘*][cι˘σ ᴗ σ˘*][cι˘σ ᴗ σ˘*]
遥「！？」
かすみ「足元がガラ空きだよ！ 喝！」
遥「こんなの！！」ｸﾞｼｬｧ
[cι˘σ ᴗ σ˘*]ボヨヨーン
遥「きゃあ！？」ﾋｭｰﾝ
かすみ「かかったねはる子！」
遥「須矢能乎の外に出された！」
ランジュ「仙法・嵐遁励挫鎖可素！」ﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞﾋﾞ
遥「眠威！」ｷﾞｭｵｵｵｵｵｵｵ
璃奈「前に気を取られたね。璃奈ちゃんドール・拘束」
从´・֊[ >ᴗ<] ｶﾞﾁｬ
遥「うわ！？」ﾋｮｲ
从[ >ᴗ<]从 ｶﾞｺﾝ
遥（傀儡の中）「こんなの！ 眠威！」
ミア（しずく）「Take this!」ｼｭﾙｼｭﾙｼｭﾙ
遥「ぐっぁああ！！！」ｷﾞﾁｷﾞﾁ
［∋∞封∞∈］
ドロン
しずく「捕まえました！」
ランジュ「やったわ！」 〜里の南〜
@cﾒ*≡- ᴗ -≡ﾘ いてて
ビュン
愛「さてどーしよっか」
果林「生半可な攻撃じゃ動きを止めることすらできないわね」
副会長「愛さん！ 果林さん！」
愛「あ、結界？」
副会長「はい。もう少しかかるので時間稼ぎをお願いします」
果林「どのみち封印班が来るまで耐えないとね」
₍₍ @cﾒ*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘว ⁾⁾ ﾄﾞｽﾄﾞｽ
果林「はあ！」ｽﾞｶﾞｰﾝ
@cﾒ*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘ ！？
果林「私のことしか見られなくしてあげるわ。よそ見なんてさせないわよ」 愛「カリン！ 螺旋閃光超輪舞虹参式（らせんせんこうちょうりんぶこうさんしき）でアタシが隙を作る！」ｼﾞｬｷ
≡≡ ◎＝＝＜＞ ≡≡ ◎＝＝＜＞
≡≡ ◎＝＝＜＞
果林「名前が隙だらけじゃない」
シュバババババ
@cﾒ*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘ ！？
果林「これを使って負けたことはないの」ｺｫｫ
愛「うおおおおおおお」ｷﾞｭｵｵｵｵｵｵｵ
果林「朝寝暴（あさねぼう）！」
ドドドドドドドドドドドド
@cﾒ*≡•̥ _ •̥≡ﾘ うわあああああああ 果林「はぁ……流石に効いたみたいね」
愛「カリン！」
ズドーン
果林「た、助かったわ愛。まだ抵抗する元気があるなんて」
@cﾒ٩*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘو ﾄﾞｼﾝﾄﾞｼﾝ
愛「くそっ、岩飛ばしてきた！」
果林「大技より厄介ね……って愛！ 後ろ！」
愛「え？」
副会長「！？」
愛「やば、マーキングないじゃん！」 せつ菜「雷遁・雷杭（らいくい）っ！」
バリバリバリ
副会長「せつ菜ちゃん！？」
シュタッ
せつ菜「無事でしたか！？ 間に合ってよかったです！」
副会長「は、はい！」
愛「せっつー！」
せつ菜「九尾を里の外まで追いやるとは流石ですね」
果林「どうにかね。正直私たちじゃ相性が良くないわ」
@cﾒ*≡◉ _ ◉≡ﾘ ｼｭｰ
せつ菜「傷が回復して……広範囲の攻撃の方がよさそうですね」
愛「頼むよせっつー。愛さんの螺旋丸じゃキリがないよ」
果林「回復されるんじゃこれ以上門を開くのもね」
せつ菜「実は私影分身なんですが、やるしかなさそうですね！」
ミア「封印班来たよ！」
歩夢「……」
@cﾒ*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘ
果林「歩夢、あなた……」
侑「私が守るよ！」 術解説
＜螺旋閃光超輪舞虹参式＞
マーカーのクナイ6本を用いての大技。打ち込んだクナイを目標に連続で飛雷神を発動、高速移動しながら螺旋丸で敵を攻撃し続ける。あまりに速すぎるため、周りからは七色の軌跡のみが輝いて見えたと思ったら無数の敵を一瞬で倒した、ということしかわからない。
＜朝寝暴＞
八丈遁甲・第六読門を開いた状態で繰り出す高速体術。正拳のあまりの速さに空気との摩擦で炎を宿し、空気を叩く衝撃波と炎で相手を破壊するその光景は、まるで寝坊したときの眩しい朝日のように見える。
＜雷遁・雷杭＞
雷の杭を投げ飛ばす高等忍術。威力、範囲、スピードは自分次第で自由に変えていける。彩り鮮やかな雷の輝きはあまりにも眩しくて愛おしい。 副会長「四役圓陣！」ﾌﾞｵｵﾝ
せつ菜「これで里は気にせずやれます！ 忍法・煤火烈斗・数透矛（スカーレット・ストーム）！」ｺﾞｵｵｵｵｵｵｵ
🔥🌪🔥🌪🔥🌪🔥
ぎゃああああ！！
果林「なんて範囲よ……」
愛「よし！ 行ける！」
ミア「指揮封尽（しきふうじん）！」
畑亜鬼：ゴゴゴゴゴ
ガシッ
ミア「捕まえた！」
@cﾒ*≡◉ _ ◉≡ﾘ ぐぐぐ
侑「歩夢！」
歩夢「うん」ｽﾞｽﾞｽﾞ
愛「行けっ！」
@cﾒ*≡ˆ ᴗ ˆ≡三*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘ
ミア「うわぁ！？」ﾄﾞｻｯ @cﾒ*≡◉ ᴗ ◉≡ﾘ
歩夢「嘘……」
愛「これでもダメか」
せつ菜「これ以上の術となると結界の外が焼け野原になってしまいます」
果林「やるしかないっていうの？」
ミア「こっちはあまり持たないよ」
侑「果林さんの体術も、愛ちゃんやせつ菜ちゃんの忍術も耐えるだなんて」
せつ菜「そうです！ 幻術にかけて大人しくさせましょう！」
果林「まあかけられるなら有効でしょうけど」
愛「尾獣に効く幻術って明輪眼くらいしか聞いたことないよ。アタシの幻術じゃキツそう」
せつ菜「私の幻術ならやれるかもしれません。対人間よりもハメやすいです」
ミア「もうそれに賭けるしかないんじゃないか？」
果林「じゃあどうするの？」
せつ菜「果林さんは陽動を、愛さんは隙を見て九尾の顔の近くに私を飛ばしてください」 果林「はあ！」ｼｭﾊﾞﾊﾞﾊﾞ
@cﾒ*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘ ！
果林「こっちよ！」
@cﾒ*≡ˆ Д ˆ≡ﾘ がおおおおおお
愛「今だ！」ﾋﾞｭﾝ
せつ菜「大きな口ですね！ 狙いやすくて助かります！」
@cﾒ*≡ˆ Д ˆ≡ﾘ ？
せつ菜「魔幻・攪私味（かくしあじ）」ﾍﾞｼｬ
@cﾒ*≡ˆ 〜 ˆ≡ﾘ ぱく
@cﾒ*≡◉ ᴗ ◉≡ﾘ ！？
バタン
@cﾒ*≡× ᴗ ×≡ﾘ きゅ〜
せつ菜「やりました！」
ミア「指揮封尽！」
畑亜鬼「ウオオオオオ」ｶﾞｼｯ
愛「行けええ！！！」 @cﾒ*≡× ᴗ ×≡ﾘ いやぁ！
もはや封印への抵抗も出来ない九尾だったが、本能のみで歩夢目掛けて九本の尾を伸ばす
歩夢「！？」
果林「朝寝暴！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ
果林は奥義により4本の尾を止める。
愛「土遁・紋砂棒（もんじゃぼう）！」ｹﾞﾛｹﾞﾛｹﾞﾛ
せつ菜「騒遁・鼓固（ここ）！」ｽﾞﾄﾞｰﾝ
愛の土遁は3本の尾に命中し動きを遅くする。
せつ菜の騒遁が動きの遅い尾を撃ち落とす。
しかし残り二本の尾は止まらなかった。
侑「歩夢！！！」 術解説
＜忍法・煤火烈斗・数透矛＞
火遁・煤火烈斗の術から立て続けに風遁・数透矛を放ち、超高範囲の炎の渦で敵を焼き尽くす術。この術で何度も里を救ってしまいました！
＜指揮封尽＞
敵の魂を封印できる作中最強の封印術。術を発動すると術者の後ろに畑亜鬼が現れる。封印の際は畑亜鬼の腕が術者の腹を通って相手の魂をつかんで引き抜き魂を封印する。相手の魂をつかんでも術者のチャクラで体から引っ張り出すためチャクラが足りなければ魂をすべて引きずり出すことはできない。
＜魔幻・攪私味＞
味覚で嵌めるタイプの幻術。ドロッとした液体を生成し、敵の口の中に入れる必要があるため発動には策を要するが、口の中に味が残っている限り幻術返しすら出来ない最高傑作の幻術。
＜土遁・紋砂棒＞
月島に伝わる『土遁・紋砂』に形態変化を加えた新しい術。地面から棒状に形態変化した泥が無数に生える。この棒に触れると紋砂の術が纏わりつき、動きを制限する。
＜騒遁・鼓固＞
喉を活性化させ口からソニックブームを発生させる術。声が空気の塊のようになり物理的な破壊力を持った攻撃となる。攻撃速度は音速を超え、練り込むチャクラ量に比例して更にはやまる。 シュルシュルシュル
ミア「紐育！」
歩夢「ミアちゃん！？」
ミア「ぐっ……はやく！」
侑「え？」
ミア「ベイビーちゃんがやるんだ！ 僕がしっぽを止めてる間に！」
侑「！ うん！」
歩夢「侑ちゃん！」
🙏
侑「指揮封尽！」
畑亜鬼「ウオオオオオ」ｶﾞｼｯ
@cﾒ*≡× ᴗ ×≡ﾘ ズルズル
歩夢「ぐ、あああああ！！！！！」ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ
侑「うおおおおおおお！！！！！」
ズオオオオオオ
歩夢「はぁ、はぁ、はぁ」
せつ菜「やりました！」
愛「ふう、良いんじゃない？ 封印だけに！」
侑「ぶひょひょひょひょｗｗｗ」
果林「もう笑う元気もないわ……」ﾄﾞｻｯ
ミア「封印は安定してるみたいだね。とりあえず九尾は大丈夫だ」 エマ「遅くなってごめんなさい！」
遥「……」ｷﾞﾘ
ランジュ「エマが居なくても無問題ラ！ 里にはこんなに頼もしい仲間がいるんだもの！」
菜々「エマ間様。里内に現れた九尾の封印、里内を襲撃していた人物の捕縛が完了しました。現在他に侵入者がいないか捜索中です」
エマ「あの、遥ちゃんはどうして縛られてるの？」
遥「……私が里を襲撃したからです」
エマ「え？」
遥「……」ｷﾞﾝ
ランジュ「！」ﾊﾞｯ
遥「眠ったお姉ちゃんを出すだけです」
エマ「じゃあいいよ」
ランジュ（……まあエマの前で何か出来るわけないか）
ズオオオオオオ
彼方「……zzz」
しずく「彼方さん！」
璃奈「寝てるだけ、だよね」
遥「もう目覚めないけどね」
かすみ「え！？」
エマ「……そっかぁ」 しずく「万華鏡明輪眼のリスク、ですよね」
遥「お姉ちゃん一人では成し遂げられなかったから、私が遺志を引き継いだの」
果林「どういう事？ 彼方が里を潰そうとしていたっていうの？ そうだとしてなんで遥ちゃんまで」
遥「エマさん、あなた達がしてきたことは里中に知られます。私を処刑しようとも」
エマ「いいよ。もし遥ちゃんが里や私を恨んでいて、それで今回のことが起きたんだったら、私はそれを受け入れる」
栞子「エマさん……」
遥「これが、里が私たち一族を迫害してきた証拠。私は一族、お姉ちゃんのために里を潰そうとした！」
エマ「これは、彼方ちゃんの字？」
愛「明輪眼を危険視、反乱される前に始末……マジならとんでもない話だけど」
遥「明輪眼の私がお姉ちゃんの字を間違えるはずがない！」
果林「仮に本当なら私は遥ちゃんに付くわ」
かすみ「えっ！？」
せつ菜「私もいきなり武力でとは言いませんが、はっきりして貰わないと里には従えません」
栞子「この手記によると、上層部以外も迫害を見て見ぬふりをしていたと書いてありますね」 エマ「どういう事だろう？ ここに書いてあることは全くの嘘なのに、字は彼方ちゃんのだよね」
遥「じゃあなんでお姉ちゃんは里抜けなんか！」
エマ「こうなった以上は遥ちゃんにも話さないとね。彼方ちゃんの任務のこと」
かすみ「抜け忍なのに任務？」
しずく「まさか里抜けまでエマさんの指示だったということですか！？」
エマ「うん。ある人物に接触して調査する極秘任務だよ」
遥「嘘だ！」
エマ「これが彼方ちゃんから任務中に送られてきた文書だよ」
せつ菜「エマさんは彼方さんとやり取りをしていたんですね」
果林「そんなの見せていいわけ？」
エマ「予想外のことが起きちゃったから」
遥「これもお姉ちゃんの字だ……」
エマ「今から話すことはここだけの極秘でお願い。彼方ちゃんの任務のこと」 近頃里を嗅ぎまわっている怪しい人物の情報があってね、いろいろ調査してたんだけど用心深い相手でなかなか調べが付かなかったの
そんなとき、彼方ちゃんのあの事件があったでしょ？
〜里の高台~
彼方「うっううう……遥ちゃん……うぇぇぇぇぇん」(号泣)
エマ「こんなところにいた。彼方ちゃん」
彼方「エマちゃん……ううっ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
エマ「彼方ちゃんその眼！」
彼方「ははっ、これが“万華鏡明輪眼の開眼条件”かぁ」ｺﾞｼｺﾞｼ
エマ「え？」
彼方「“姉離れ、妹離れをする”ことだよ。こんなにつらいとは思わなかったよ〜」
エマ「そっかぁ」
彼方「……ねえエマちゃん、例の不審人物の件だけど」
エマ「え？」
彼方「彼方ちゃんが調査任務に出ようかなって」
エマ「それはありがたいけど、でも手がかりも全然掴めてないし」
彼方「彼方ちゃんが抜け忍になってね、抜け忍として接触してみようかなって」 彼方ちゃんの作戦はこうだった。
彼方ちゃんが犯罪組織を立ち上げて、怪しい抜け忍に接触しやすくする。
ターゲットをおびき寄せやすいように「思い通りの世界を作る」という目標を掲げる。
ターゲットを組織に引き入れたあとで、里の人間に負けたことにする。
そのターゲットに組織を乗っ取らせるけど、組織のアジトや情報は筒抜けの状態だから捕まえられるようになる。
おとり捜査みたいな方法だったけど、いくつか問題があった。
エマ「万華鏡明輪眼にはリスクがあるんだよね」
彼方「そうだね〜万華鏡明輪眼で目覚めなくなったってことで敵も油断して、彼方ちゃんが作った組織を乗っ取ろうとするんじゃないかな」
エマ「駄目だよそんなの！」
彼方「そうなったときの対策もあるんだよ。エマちゃんには教えておくね」
そうして彼方ちゃんを抜け忍扱いで任務に出した。 せつ菜「なるほど、彼方さんは敵の目を欺くために、私たちと戦闘をしたということですね
エマ「人手不足もあったから、ごめんね。4人を彼方ちゃんの近くに行かせたんだ」
彼方「せつ菜ちゃんたちには情報集めを手伝ってもらってたんだ。まあそれも教えてなかったけど」
愛「危うくしずく殺すところだったよ」
しずく「私が余計なことを……彼方さんは機を見て私たちを解放するつもりだったんですね」
栞子「あの戦闘中、万が一に備えて彼方さんが見張っていたみたいですね」
遥「私、なんてことを……！」
愛「まー敵が上手だったし仕方ないんじゃない？ そりゃ里を信じられないよ」
せつ菜「幸いにも死傷者は0人でしたし、敵の幻術にかかってしまったと思えば」
遥「でも……ん？」
薫子「ちょっとランジュが遅かったら栞子死んでたかもしれないけどね」
遥「！？」
栞子「姉さんはランジュが来ることを分かっていたんでしょう？」
薫子「まあね」
エマ「遥ちゃんの処分はあとで考えるけど、彼方ちゃんを連れて帰ってくれたし大丈夫だよ」
遥「は、はい」
術解説
＜脱皮＞
蝉の羽化のように脱皮し、ダメージを無効化する。変わり身や分身と違い敵の攻撃が本体に当たってから使えるため、特に敵の目を欺きやすい。薫子は上手く脱皮出来たときの抜け殻を栞子にプレゼントしたことがある 遥「あの！ お姉ちゃんが言ってた対策って」
エマ「“永遠の万華鏡明輪眼”」
遥「永遠の？」
エマ「万華鏡明輪眼のさらにその先の眼だよ。眠くなるというリスクもない。二度と目覚めなくなった万華鏡明輪眼の持ち主も目覚めるの」
遥「どうやったら開眼できるんですか！？」
エマ「万華鏡明輪眼の開眼条件は姉離れ、妹離れだったよね。彼方ちゃんは遥ちゃんの姉離れを狙って遥ちゃんと戦ったのかな」
ランジュ「遥の開眼が関係してるの？」
エマ「うん。永遠の万華鏡明輪眼の開眼条件は、万華鏡明輪眼を持った姉、妹と結ばれることだよ」
かすみ「結ばれるって、ええ？」
しずく「一体どういう……」
遥「ちゅ…ん…♡」ﾁｭﾊﾟ
せつ菜「もう結ばれてます！！！」 遥「すき♡お姉ちゃん……好き♡」ﾁｭﾊﾟ
愛「迷いないね」
彼方「んん！？ むー！！ んーーー！！！」ﾁｭｰ
果林「彼方起きてるじゃない」
しずく「すごい……」
彼方「は、はるかちゃん！ ちょ、ちょっとタンマ！」ﾚﾛﾚﾛ
遥「やだぁ♡」
璃奈「何を見せられてるの？」
彼方「眠威！」ｽｩ
遥「おっと」
栞子「彼方さん、すり抜けてますね」
彼方「ふぅ、遥ちゃん。一旦落ちつんん！？♡♡♡」ﾋﾞｸｯ
遥「逃げられないよお姉ちゃん♡」
せつ菜「なるほど、影分身を眠威空間に飛ばして同時にキスをしているんですね」
ランジュ「きゃあっ！ 遥は力を使いこなしてるのね！」
しずく「二つの空間から攻められる彼方さん……！」ﾜｸﾜｸ
かすみ「落ち着けしず子」 彼方「はるかちゃ……みんな見てるから……！」ﾊｧﾊｧ
遥「……そうだね。それじゃ」ｷﾞｭｵｵｵｵｵｵｵ
ランジュ「行っちゃったわ」
しずく「そんな！」
果林「止めようがないわ」
彼方（演撃部長）「……」ｽｩ
しずく「部長？ あの、なんで目の部分だけすり抜けてるんですか？」
彼方（部長）「いや……おっ！」
しずく「ずるいです！ 私も！」
ドロン
部長「駄目に決まってるでしょ。禁術を何だと思ってるの」
しずく「むぅ」ﾌﾟｸｰ
栞子（一見かわいらしいですが情事を見たがってるだけなんですよね）
ズオオオオオオ
璃奈「戻ってきた」
彼方「ふぅ」
遥「//////」
かすみ「えーっ！？」
彼方「いくら好きでも無理やりはダメだよ？」
遥「う、うん♡♡♡」
しずく「一体何があったんですか！？！？」 彼方「うーん、みんな知っちゃった感じ？」
エマ「うん、ちょっと予想外のことが起きてて」
彼方「じゃあ先に報告。里を嗅ぎまわっていたのは“綾小路姫乃”。里に出入りできる彼方ちゃんと、“無限姉読計画”にはかなり興味を持ったみたいで、すぐ接触出来たよ」
エマ「うん。そこまでは送ってきた内容と合ってるね」
彼方「何が目的までかは特定できなかったけどね。虹ヶ咲の里にあるものと言ったら人柱力の器、貴重な忍具や宝具、禁術や秘伝忍術、お金、あとは……」
エマ「私の細胞とか？」
彼方「違うみたいなんだよね〜。でも虹ヶ咲に執着してるのは間違いないよ。いずれ……いやもう仕掛けてきたみたいだね」
果林「悠長なこと言って、大変だったんだから」
彼方「アジトも手の内も調べ尽くしたから、捕まえに行けるよ。どんな術で身を隠してるかもね」
エマ「敵の戦力は？」
彼方「実質姫乃ちゃん一人だよ。ただ怪しまれないように色々禁術やら宝具やらを明月で集めてたから、それを使ってくるかも」
遥「あの人が綾小路姫乃だったんだ……」 エマ「そういう事だから、みんなにも戦いに参加してもらうことになるんだけど」
せつ菜「任せてください！」
愛「愛さんも頑張っちゃうよ！」
かすみ「か、かすみんだって！」
しずく「私たちは里でお留守番だね」
ランジュ「ランジュだって！ それに遥だっているわ！」
遥「私ですか！？」
ランジュ「遥も凄く強いのよ！ 九尾を口寄せしながらランジュの相手するくらいだもの」
遥「九尾？ 私じゃないですけど」
ランジュ「え？」
エマ「どういうこと？」
遥「あの、偽のお姉ちゃんの情報を渡してきた仮面の女が『私が九尾を口寄せする』って」
彼方「なん、だと？」
果林「九尾を口寄せってその綾小路さんが？」
彼方「いや、そんなことできるとは。はて……」
仮面の女「どうやらバレてしまったようですね」
！？！？！？！？ 仮面の女「彼方さんが里と繋がっていたとは、まあその可能性を考えて遥さんを唆したのですが」
エマ「動かないで」（低音）
仮面の女「里内で戦争でもしますか？ いいですけど」
エマ「木遁・尾太利（オタリア）の術！」ﾊﾟﾝ
ズガーーーーーーン
メキメキメキメキ
アオ！ アオ！
グシャァ
かすみ「ちょ！？ エマ先輩！？！？」
彼方「これで手加減してるのがびっくりだよ」
モクモク
仮面の女「こちらにも準備があるので、今日はお話をしましょう」
エマ「！」
術解説
＜木遁・尾太利の術＞
大木を全力で振り下ろす術。その規模は山を吹き飛ばすほどで、叩きつけた大木は真っ二つに割れるが、あまりきれいに割れない。尾獣すらも一撃で昏倒させる威力を誇る。 仮面の女「そうですね、エマさんが私のことを忘れてくれれば戦争は起こさないであげましょう」
エマ「じゃあ戦争だね」（低音）
仮面の女「こちらには50を超える兵があります。せいぜい準備を怠らないことですね」
彼方「……誰だ？ 姫乃ちゃんのチャクラじゃない」
仮面の女「では宣戦布告をします。あまり怒って自分で里を壊さないことですね」
遥（アイツは私がここで処理する！）
遥「眠威！」ｷﾞﾝ
仮面の女「やめておきなよ遥ちゃん。そんな術私には効かないよ」
遥「！」
仮面の女「では次は戦場で」
ドロン
遥「消えた……今の」
果林「アイツが九尾をねぇ」
愛「思ったより大規模な戦いになるね」
彼方「これは厄介なことになったねぇ」
エマ「どんな敵だとしても、虹ヶ咲は私が守る。虹影として！」
おわり
戦争編に続くかもしれない スレタイ詐欺3部作完結
続きは書かないかもしれないのでこのシリーズでわかりにくかったところとか元ネタとか質問あったらこのスレでどうぞ 九尾が@ cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ なのは何か理由が？
歩夢と何か関係があったり？ >>67
@ cﾒ*≡ˆ ᴗ ˆ≡ﾘの名前が「亜九璃」
ただ作中世界で関係性があるわけではなく、封印されるものと器の関係
歩夢のモデルがうずまき一族 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
