果林「合宿にて…」
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学校にて朝を迎える合宿中の同好会メンバー。
果林「すぅ…すぅ…」
かすみ「果林先輩まだ寝てますね〜。彼方先輩だって起きてるのに〜」
侑「昨日の練習の疲れが溜まってるんだよ。まだ寝かせてあげよう」
せつ菜「さ〜今日も一日頑張りますよ〜」
かすみ「あっちに全然疲れが見えない人が居ますが…」
侑「あはは…流石せつ菜ちゃん」 かすみ「さて、かすみんは…」
ランジュ「侑〜かすみ〜」
侑「どうしたの?」
かすみ「朝から騒がしい人がもう一人」
ランジュ「その猫捕まえて!」
かすみ「え?猫?」
はんぺん「にゃ〜」
侑「あっ…璃奈ちゃんの…どうしたの?」
ランジュ「アタシのパンを奪ってたのよ」
かすみ「本当だ。パン咥えてますね…」 ランジュ「ふふっ、追い詰めたわ。逃がさないわよ」
はんぺん「にゃ〜」
ランジュ「あっ!!?また、チョロチョロと〜待て〜」
果林「ん…んん…」
侑「ほら。果林さんが起きちゃうよ」
かすみ「って言うか、コップを持ちながら動き回るのやめて下さいよ。さっきから中身が結構溢れてるんですけど」
はんぺん「にゃ〜」
ランジュ「あっ!外に逃げた〜」
かすみ「………猫を追いかけて裸足で出てく人って本当に居るんですね。咥えてるのは魚だけど」 侑「あはは…そうだね。さて、私は今日の準備をしてこようかな」
かすみ「あっ、かすみんも一緒に行きます〜」
果林「すぅ…すぅ…」
ガチャ
エマ「果林ちゃん…まだ寝てる…」
愛「本当だ。カリンって結構寝相悪いよね」
エマ「そうなの。いつも、掛け布団がベッドの受けから落ちちゃうんだよ」
愛「それをエマっちが直してあげるんだ」
エマ「一緒に居る時はね」 それから30分後。
果林「ん…んん…朝…ん?」
目が覚めた果林はある違和感に気がつく。パジャマが濡れている。敷布団も濡れている。もっと言えば下着もほんのり濡れている。
果林「う…嘘…」
エマ「あれ?果林ちゃん起きた?」
果林「………」
取り敢えず寝たフリをする果林。
果林(ウソウソ…嘘よ…この私がそんな事…) もちろん、果林の心配は杞憂である。ランジュがはんぺんを追いかけている時、手に持っていたコップからお茶が、奇跡的に果林のパジャマの上に溢れたのだった。
その後、部屋に来たエマと愛がそれに気がつかず、外れた掛け布団を掛けた事と、ちょうど良い感じでぬるくなったお茶が余計にリアルであり、勘違いに拍車を掛けた。
果林(嘘よ…この私がこの歳でオネショなんて…) 愛「カリン起きた〜?」
エマ「ん〜まだ起きないよ」
愛「本当寝坊助だなぁ」
歩夢「あれ?まだ、果林さん寝てるの?」
愛「そうなんだよ」
歩夢「もうそろそろ朝食片付けたいんだけど…」 果林(勘違い…これは私の勘違いよ。そうだわ。いくら何でもお漏らしなんて…)
果林は心の中で何度も嘘だと呟き、そっと下半身に手を持っていき確かめる。
果林(………濡れてる。やっぱり濡れてる。これは紛れもなく……漏らしてる。最悪だわ…)
エマ「果林ちゃん。そろそろ起きないとだよ〜」 果林(こんなのがバレたら…私は…)
かすみ『え〜果林先輩お漏らししちゃったんですか!!!?』
ミア『高校生にもなってお漏らしするなんて信じられないな』
せつ菜『気にする事は…ありませんよ。誰でも…失敗はありますから…』
彼方『取り敢えず洗わなきゃだから…脱ごうか?』
エマ『私、布団干してくるね』
果林『うぅ…面目ない…』
璃奈『よしよし。泣かないで』
はんぺん『にゃ〜』 果林(絶対にバレる訳にはいかないわ)
歩夢「果林さ〜ん。お〜い。起きて下さ〜い」
愛「布団ひっぺがしちゃおうか?」
果林(え?)
愛「ほら〜カリン〜。起きて〜………って…ええ?」
歩夢「どうしたの?」 愛「すっごい力で布団引っ張るんだけど」
歩夢「ええ…」
エマ「果林ちゃん起きてるの?」
果林「………」
歩夢「反応ないね…」
愛「寝てるのかな?エマっち…?」
エマ「ん〜……すんなり起きる方が珍しいけど。ここまで頑ななのも珍しいかな」 愛「どうする?このまま寝かせとく?」
歩夢「でも練習があるし…」
エマ「う〜ん」
かすみ「果林先輩まだ寝てるんですか?」
果林「げっ」
愛「かすかす」
かすみ「かすみんですってば。果林先輩どれだけなんですか。かすみんなんてもう一汗かいてきたんです。ランジュ先輩のせいで」
愛「なんで?」
歩夢「あの〜…今、果林さん…なんか反応したよね?」 エマ「うん。私も聞いてた」
歩夢「果林さん…やっぱり起きてる?」
果林(しまったぁ。つい、かすみちゃんに反応しちゃったわ。だって、かすみちゃんなんて一番バレたくないから…)
かすみ「寝たフリしてるって事ですか?」
歩夢「う〜ん」
愛「だとして何で?」
かすみ「実はお漏らししちゃったとかだったりして〜」
愛「まさか〜」
果林(うっ…この子は…変に鋭いと言うか…) ミア「お漏らし?かすみが?」
かすみ「違うよ!果林先輩だよ!」
ミア「まさか。かすみじゃあるまいし」
果林(うわっ。もう一人知られたく子が来たわ。いや、誰にも知られたくないけど)
かすみ「かすみんだってお漏らしなんてしないよ!!!!」
ミア「…朝から元気だな」 愛「ほら〜。早く起きないとあらぬ疑いを掛けられちゃうぞ〜」
果林(ど、どうしよう…)
ミア「もう面倒だから無理矢理布団を剥がしちゃえばいいじゃないか」
愛「なったんだけど凄い力で抵抗するんだよ」
かすみ「それ絶対に起きてますよね」 果林(くっ…こうなったら…乾くまで…ひたすら待つ!!!!)
かすみ「よしっ!!!皆んなでやりましょう!数で勝負です!」
ミア「まっ、それしかないんじゃない?」
愛「だね」
果林(なっ!!?この子は…余計な事ばかり…)
エマ「待って」
かすみ「え?」
エマ「ちょっと、二人だけにしてくれる?」 かすみ「え?何でですか?みんなでやれば…」
エマ「ちょっとだけでいいから」
かすみ「でも」
歩夢「かすみちゃん。ここはエマさんに任せようよ」
かすみ「え〜なんでですか?」
愛「ほら。ちょっと出よう」グイッ
かすみ「えっ…ちょっ」
ガチャ バタン エマ「果林ちゃん…起きてるんでしょ?」
果林「………」
エマ「私しか居ないから大丈夫だよ」
果林「………エマぁ」
エマ「やっぱり起きてたんだ。どうしたの?」
果林「誰にも言わない?」 エマ「言わないよ。言わないから」
果林「約束よ?」
エマ「うん。約束。嘘ついたら針千本飲むよ」
果林「……言わないって署名して」
エマ「そこまで!!?どこに署名するの!!?」
果林「………絶対に引かないでね」
エマ「大丈夫だよ。どうしたの?」
果林「…………漏らしたみたい」 エマ「………小だよね?」
果林「当たり前じゃない!質問おかしいわよ!!!」
エマ「あははは」
果林「笑い事じゃないのよぉ」
エマ「大丈夫だよ。誰だってお漏らしくらいするよ」
果林「する?私もう高3なのよ?ただでさえ大人っぽい感じやってるのに…」 エマ「落ち着いて果林ちゃん」
果林「落ち着いていられる状況じゃないのよ」
エマ「ほら?ギャップ!ギャップ萌えだよ!」
果林「こんなのギャップ萌えどころかドン引きされるわよ。絶対」
エマ「そんな事ないって」
果林「あるわよ。絶対にバカにされる」
エマ「でも実際、私は引いてないしバカにもしてないよ」
果林「……本当?」
エマ「うん。少しビックリはしたけど…大丈夫!」 果林「ビックリしてるんじゃない…」
エマ「それは…」
トントン
かすみ「果林先輩起きてますよね〜?エマせんぱーーーい?」
果林「げっ…ど、どうしよぉ…エマぁ」
エマ「う〜ん…あっ!良い事考えた」
果林「良い事?」
エマ「うん。お茶を溢した事にしよう!今から私が果林ちゃんに向かってお茶を溢すから!」 ごめんなさい。島ではその辺に垂れ流していたからつい・・・
で切り抜けよう 果林「なるほど!名案だわ、エマ!お茶濁すとはまさにこの事だわ!」
エマ「あっ!上手い!これは愛ちゃんも嫉妬するクオリティだよ」
果林「ダジャレじゃないけどね」
ガチャ
愛「呼んだ?」
かすみ「なんだ。起きてるじゃないですか」
果林「よ、呼んでないわよ。いきなり開けないでちょうだい。ビックリするじゃない」
愛「てっきり呼ばれたかと思って。ごめんごめん」 エマ「あっ、待って。かすみちゃん」
かすみ「え?何ですか?」
エマ「お茶…お茶持ってきてくれない?」
かすみ「……自分で持ってくれば良いじゃないですか」
果林「かすみちゃん」
かすみ「はい?」
果林「先輩命令よ。エマにお茶を持ってきてあげて。早く」
かすみ「な、何でかすみんがパシられなきゃいけないんですか。こんなに可愛いのに」
愛「可愛さ関係あるの?」 エマ「お願いかすみちゃん」
かすみ「わ、分かりましたよ」ぶつぶつ
愛「で〜愛さんも出てった方がいいの?」
果林「そうね。その方がいいわね」
愛「了解!」 果林「………不自然じゃなかったかしら?」
エマ「大丈夫だよ〜…たぶん」
果林「たぶんじゃ困るのよ…」
コンコン
エマ「は〜い」
かすみ「持ってきましたよ。お茶」ガチャ
エマ「ありがとう、かすみちゃ〜ん」 かすみ「はい、どうぞ。そんなに喉乾いてたんですか?」
エマ「そうなんだ。本当に助かったよ〜」
バシャ
果林「冷たっ…」
エマ「あっ、ごめん」
かすみ「何やってるんですか…」
エマ「ご、ごめーん。テガスベッテカリンチャンニオチャヲカケチャッター」
果林「も、モウ、ヤニヤッテルノヨ」
エマ「アー、カリンチャンのフクがビチョビチョダー」
果林「ほ、ホントウダワ」
かすみ「………何ですか…この茶番は…」 果林「え?」
かすみ「凄いワザとらしいんですけど」
果林「そ、そんな事ないわよ。ね?」
エマ「そうだよ。全然…普通だよ」
かすみ「……まあ、良いですけど。そのビチョビチョのパジャマ…早く脱いで洗濯した方が良いですよ………はっ!!?まさか!!!実はお漏らししたのを誤魔化す為にワザとお茶を溢したとか!!!」
果林「え…」
エマ「あっ…」
かすみ「な〜んて。だったら面白いのにな〜くふふっ」
果林「も、もう、あの子を殺して私も死ぬしかないわ」
エマ「か、果林ちゃん。落ち着いて」 かすみ「そ、そんなに怒らなくても…冗談なんですから…高校生にもなって漏らす人なんて…」
果林「……」
エマ「……」
かすみ「え…この間は何ですか…マジな奴ですか?」
果林「そんな訳…ないじゃない…。高校生にもなってお漏らしするなんて…あり得ないわよ…あはは…」
かすみ「で、ですよね……あっ、し、しず子の所に行かなくちゃ…待たせてるんだった。しず子ーーーーーーーー」
果林「あっ…ちょっと…」
エマ「果林ちゃん。今のうちにやる事やっちゃおうよ」
果林「そ、そうね…」 エマ「果林ちゃん。取り敢えず…パジャマと下着脱いで」
果林「ここで?」
エマ「だって、そのまま出たら他の子にバレるよ?」
果林「それもそうね…」
ヌギヌギ
果林「うぅ…ビチョビチョだわ…ってエマも出ていってよ」
エマ「あっ、そうだね。ごめんね。つい」
果林「ついって何よ…」
エマ「じゃあ、また終わっ…」
ガチャ
栞子「エマさん、果林さん。そろそ…ろ……あっ…えっと…」
果林「ち、違うのよ。あの…」
栞子「大丈夫です」
果林「なにが?」 栞子「理解はありますから。大丈夫です。本当に…失礼しました…」
バタン
エマ「何か盛大に誤解してたね」
果林「もう嫌ぁ。どう転んでも地獄だわ。もういっその事楽にして…エマ…」
エマ「そんな事言わないで。果林ちゃん。取り敢えず…パジャマ洗って布団干しに行こ」
果林「……えぇ」 外はすっかり明るくなっている。雲ひとつない青空。
エマ「これなら…すぐにかわくよ」
果林「布団は乾いても…私は一生この傷を抱えて生きていかなきゃいけないのね」
エマ「そんな大袈裟な…」
はんぺん「にゃーーーーー」
ランジュ「待ちなさーーーい」 おつ
ランジュは30分以上はんぺん追っかけてるのか…… 乙
これかすみんとしおこはそれぞれ誤解したままやん・・ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています