希「比翼の烏」
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音ノ木坂学院の校庭の片隅に一本の木がある。
この木に時々肩翼のカラスが二羽とまっているのを見かけることがある。
これは10年前事故で片方の翼を失って以来、寄り添う様に飛んでいた仲睦まじいつがいのカラスの霊だと言い伝えられている。
以来、この木の下で愛の告白をしたカップルは必ず結ばれる事になったと言う。 こんな伝説をμ's一のスピリチュアルガールこと、ウチ東條希が放っておくはずがない。
希「へ〜なるほどねぇ。この学校にこんな伝説がねぇ。とは言っても…ここ女子高やし…。本当だとしたら勿体ない伝説やなぁ。ん?」
海未「ごめんなさい」
希「あれは…海未ちゃんやん…何してるんやろ」
海未「あなたの気持ちは嬉しいのですが。ごめんなさい」
一年生「そんな…」
希「なるほど。あながち…勿体ない訳でもないみたいやな。それにしても海未ちゃんはモテるなぁ」 にこ「あれ?希?」
希「………ひっ!!?」ビクッ
にこ「こんな所で何してんのよ?」
希「に、にこっち。いや…別に…」
にこ「別にって…こんな校庭の片隅で………はは〜ん。あんたも趣味悪いわね。海未が告白されてる所を隠れて見てたんでしょ?って言うか相手の子号泣してるじゃない。海未どうすんのかしら?」
希「…………あの…にこっち」
にこ「何よ?」 希「ウチな…ウチ…実はにこっちの事がずっと前から好きだったの」
希「………にこっち?」
にこ「うげぇ」
希「な、なんや反応は?」
にこ「いや…だって希の事だから何か企んでるんでしょ?」
希「ど〜して、乙女の純情な告白を無下に扱うのよ」 にこ「そんな事より早く部室に行くわよ」
希「ちょっ…にこっちってば。何にもないの?」
にこ「ないわよ。ほら、悪ふざけしてないで行くわよ」
希「にこっち〜」 部室
凛「あれ〜海未ちゃんは?」
ことり「今日はなんか練習に参加出来ないって」
凛「風邪?」
穂乃果「元気だったけどね」
ことり「うん」
絵里「皆んな。ちょっと良いかしら?」
穂乃果「どうしたの?」
絵里「来週のライブの件なんだけどね。ちょっと会場まで下見に行って欲しいの」 穂乃果「私行きたい!」
凛「凛も!」
絵里「くじ引きで決めます」
穂乃果「え〜」
絵里「くじは作ってあるから各自引いてちょうだい」 希「あっ、当たった」
にこ「私も」
絵里「じゃあ、明日希とにこの二人で行って来て」
希「は〜い」
にこ「分かったわよ」 絵里「じゃあ、続けて今度のライブでユニット曲を何曲か用意して披露したいんだけど…」
凛「凛とかよちんで歌いたい〜」
穂乃果「え〜私も歌いたいよ!」
真姫「私はどっちでもいいけど」
絵里「そう言うと思ってこれも今回はくじ引きで決めましょう」 希「イェーイ!ウチとにこっちのユニット結成!」
にこ「え〜また希と?」
穂乃果「偶然が重なるね」
花陽「そうだね」
絵里「じゃあ、続けて備品の買い出しのペア決めを…」
にこ「えぇ…」
希「おおっ!またペアやね〜にこっち!」 真姫「何よあれ。やたら希とにこちゃんのカップリングが多いじゃない」
絵里「確かにそうね。偶然が重なるわね〜」
真姫「重なり過ぎよ。変な細工をしてんじゃないの?」
絵里「そんな事して何の得があるのよ…」
真姫「そうだけど。それにしたって…」 にこ「ちょっと…私…トイレ行って来るわ」
希「うん。ん〜これは伝説は本当だったのかな」
真姫「伝説って何よ?」
希「え?ウチ、声に出てた?」
真姫「思いっきり」
穂乃果「あはは。希ちゃんって考えてる事が声に出るタイプなんだね〜」
ことり「穂乃果ちゃんと一緒だね」
穂乃果「え?」
ことり「え?」 希「いや〜実はね…例の木の下でにこっちに愛の告白をしたんやけど」
真姫「例の木の下?何それ?」
ことり「あっ!それってもしかしてアレかな?つがいの烏の………って伝説!」
花陽「私も聞いた事あるよそれ」
希「そうそう。それ!」
穂乃果「知らなかった…希ちゃんがにこちゃんの事を好きだったなんて」 希「うん。実はね…そうなんよ」
真姫「バカバカしい。そんな伝説嘘に決まってるじゃない」
希「でも実際にこれだけ効果が出てるよ?」
真姫「そ、そんなの偶然よ。そうよね絵里?」
絵里「え…何で私?いや…まあ…どうなんだろう?」 真姫「科学的根拠がないわ。それににこちゃんの事を好きって言うのも嘘なんでしょ?」
希「酷い…真姫ちゃんウチの気持ちを疑うんや…」
真姫「またそうやって…」
ガチャ
にこ「はあ…今さっき廊下で海未が…」
希「あっ!おかえり〜にこっち〜」 にこ「え?何よ?」
希「待ってたよ〜…っておっとと」
にこ「え?ば、バカ。危ない」
ドンガラガッシャン
絵里「だ、大丈夫?」
穂乃果「大丈夫?TO LOVEった?」 にこ「バカ。危ないわ…え…」ドキッ
希「あ、ありがと…」ドキッ
にこ(あれ?何これ…)
希(な、なんや…この気持ちは…まさか…ウチ…本当に…) 穂乃果「え…な、何…今の二人の表情…」
真姫「ちょ、ちょっと…いつまで見つめ合ってるのよ」
にこ「え…あ…ああ…」
真姫「にこちゃん…」
にこ「ご、ごめん。ちょっと…」
真姫「どこ行くのよ!」
絵里「希?」
希「へ?あ〜…」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています