千歌「浦の星農業高校へようこそ!」
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>>221
残念!この間農業高校を卒業したばかりのJD ラ板に書き込んでるのはJKしかいない
みんな知ってるよね 白津「まあズレるのは仕方ないですね。練習を重ねていかんとどうしようも無い」
白津「それと時間が掛かり過ぎてるから、側板を運ぶ時は全員で手伝った方がいいですね」
梨子「改善点が沢山あるわね……」
白津「測量はこれだけじゃなくて、その作図した図形の面積も求めなくちゃいけないですからまだまだ課題はありますね」
梨子「な、なるほど……」
ダイヤ「大体、貴女はいつも──!」
千歌「何で私ばっかり悪いみたいな言い方するの!?ダイヤちゃんだって──!」
白津「……皆疲れてるみたいやし、今日は解散にしましょうか」
梨子「そうですね……」
梨子「(午前中は四時間全部実習で、午後の二時間は体育祭練習……その後に暑い中で測量の練習……流石に千歌ちゃんやダイヤちゃんも疲れちゃうよね……)」
白津「おーい、高海、黒澤。荷物片付けるぞー!」 −−−−
ブロロロロロロ…
ダイヤ「結局またトラックの荷台で緑化棟まで移動……」正座
梨子「トラックの荷台なんて始めて乗ったわ……」体操座り
千歌「まあ人が乗るとこじゃないもんねぇ……」胡座
ダイヤ「疲れましたね……」
千歌「……うん、疲れた」
ダイヤ「……千歌さん、先程はすみませんでした」
千歌「ええっ!?ぜ、全然いいのに!?気にしてないよ!」
千歌「……私の方こそごめんね」
ダイヤ「お互い疲れていましたし、仕方ないですね……」
梨子「二人とも……良かった……」ホッ 千歌「……っふふ、」
梨子「何?」コテリ
千歌「ううん。なんかね、梨子ちゃんを見ると、梨子ちゃんったらすっかり農業高校に染まったな〜と思っちゃって」
梨子「え、そう?」
千歌「うん。だって何の抵抗も無く地べたに座るようになったし、更衣室でご飯食べるのも当たり前になってきたし!」
千歌「梨子ちゃんの実習服の落ちない泥を見て、私は胸が熱くなるよ……」
梨子「何よそれ……」
ダイヤ「でも、私も思っていましたわ。梨子さん、農業高校は楽しいですか……?」
千歌「………………」ジッ
梨子「………………」フゥ…
梨子「うん、とっても楽しい」ニコ
千歌「!」パアァッ
千歌「良かったぁ〜!ダイヤちゃん!梨子ちゃん農業高校楽しいって!」ワーイワーイ!
ダイヤ「ええ、良かったですね」ニコ −−−−−−−−
−−−−−
−−
一週間後
体育祭 当日
浦の星農業高校 グラウンド
赤ブロック:千歌、梨子、ダイヤ、果南、花丸
青ブロック:鞠莉、善子、曜、ルビィ
『100mリレーに出る選手は入場門へ整列してください』
千歌「梨子ちゃん!今から行ってくるからチカのカッコイイとこ見てて!!」ガタッ
梨子「うん、ちゃんと見てるよ」
千歌「じゃあ行ってくるから!!」ダッ εε= 从c*^ヮ^§
梨子「走るとスタンドから落ちるわよ〜!」
梨子「……うーん……私は綱引きしか出ないし……ずっとスタンドに居るのも退屈なのよね……」ウーン
花丸「……ぁ、梨子先輩!」
梨子「あれ、花丸ちゃん!今ひとり?」
花丸「はい。曜ちゃんもルビィちゃんも敵だからあんまり話せなくって……」
梨子「て、敵でも話していいと思うけど……」 花丸「あの……心細いので一緒に座って見てもいいですか……?」
梨子「勿論!ほらおいで」ポンポン
花丸「!……ありがとうございます!」パアァッ
花丸「……千歌先輩とダイヤ先輩は一緒ではないんですか……?」
梨子「ああ、うん。千歌ちゃんはこの後のリレーに出るの。ダイヤちゃんは生徒会演舞の最終打ち合わせがあるんだって」
花丸「なるほど……」
花丸「次の100mリレー、曜ちゃんと果南先輩も出るみたいです」
梨子「あ、そうなの?曜ちゃんは分かるけど、果南先輩のことまで知ってるのね」
花丸「あの日、あの場に同じ学科の人が居ない同士意気投合して、少しだけ仲良くなったんです。その時に教えてもらいました」 梨子「そうだったのね。……どう?果南先輩優しい?」
花丸「はい、とっても。優しいし面白いし、笑顔がとっても可愛い良い先輩です」
梨子「良いなぁ……私も果南先輩と仲良くなりたいんだけど……果南先輩って、私のこと、千歌ちゃんの友達〜みたいな感じに思われてるんじゃないかって思ってて……」
花丸「……」ポカーン
梨子「え、どうしたの?」
花丸「てっきりもう仲良しさんなのかと思ってました。果南、オラと一緒に帰る度に梨子ちゃんは〜、梨子ちゃんが〜って話してるので」
梨子「そうなの!?というか果南先輩と一緒に帰ってるの!?」
花丸「はい、意気投合して」
梨子「意気投合は関係無くない!?」 梨子「……どんな話されるの?」
花丸「……梨子ちゃんが可愛い。梨子ちゃんは良い匂いがする。梨子ちゃんは千歌には勿体無い。……とかですかね」
梨子「本当にそんなこと言ってるの!?」
花丸「言ってますよ」
『100mリレーの選手は入場してください』
花丸「あ、ほら見てください」🫵
果南「………………」キョロキョロ
梨子「な、なんかすっごい赤ブロックのスタンド見てるわね……」
果南「!」ハッ
梨子「あ、気付いた」
果南「──!──!!」ブンブン
花丸「すっごい笑顔で手振ってますね」
梨子「……か、かわいい……っ……」💘 花丸「あ、梨子先輩見てください。曜ちゃんも……」
曜「…………」キョロキョロ
曜「!」パアァッ
曜「──!──!!」ブンブン
梨子「さ、流石幼馴染ね……似てるわ……かわいい……」💘
千歌「……」キョロキョロ
花丸「千歌先輩は青ブロックの方探してますね」
梨子「そういえば青ブロックって誰が……」
鞠莉「──、──?」
ルビィ「」
善子「──、──。──?」
梨子「あぁ……鞠莉先輩とよっちゃんに挟まれてるわ……」
花丸「魂出ていきそうずら……」
梨子「何話してるんだろう……」 −−
青ブロック スタンド
鞠莉「あそこにいるの千歌っち達じゃない?」
善子「本当ですね。めちゃくちゃ手振ってる」
ルビィ「…………」チーン
善子「あ、見て、ルビィ。花丸達よ」🫵
ルビィ「ほ、ほんとだぁ!あのっ、ルビィあっちに……」パアァッ
鞠莉「ダメよ。あっちは敵陣だもの。死にたいの?」
ルビィ「死っ!?!?」ピエエェッ
善子「適当言ってるだけよ。気にしないで」
善子「……ん?見て、あれ千歌じゃない?」
千歌「…………」キョロキョロ
鞠莉「本当ね、誰探してるのかしら?」
ルビィ「死……ルビィ……死……」
善子「さぁ、誰でしょう。私たちとか?」 千歌「鞠莉せんぱーい!善子ちゃーん!ルビィちゃーん!」
善子「あのバカっ……!」ガタッ
ルビィ「ぅゆ!?」ビクッ
鞠莉「善子、そんなに急に立ち上がると──」
善子「……あっ……」ガタッ!
鞠莉「……っ!」ガシッ
鞠莉「もう……気をつけなさいよ……」
善子「あ、ありがとうございます……死ぬかと思った……」バクハグ
ルビィ「だ、大丈夫ですか……?」
善子「ええ……私みたいにスタンドから勢い良く立ち上がらないようにするのよ……」
ルビィ「はい……」 『位置について、よーい』
パァンッッ!!
果南「──っ!」タッ
鞠莉「あら、果南が走り始めたわよ」
善子「早いわねぇ、あの人」
ルビィ「……かっこいい……」
鞠莉「転べ転べ〜っ♪カッコ悪いところ見せちゃえ〜っ♪」
善子「やめなさいよ」
鞠莉「私、先輩だけど?」
善子「うっざいわねこの人……」ハァ…
ルビィ「ぁ、見てください。次、千歌先輩……」
千歌「──っ!──っ、」ダッ
鞠莉「千歌っちは動けるけど特別早いって訳じゃないのよね」
善子「果南先輩見ちゃうと皆遅く感じますよね」
鞠莉「あの人がずば抜けて早過ぎるのよ」 ルビィ「あっ!曜ちゃん!」
曜「──っ!」ビューンッッ
鞠莉「まるで飛行機ね」
善子「こうして走ってるところ見るとあの子って本当犬っぽいですよね」
鞠莉「分かるわ〜、一度でいいから撫で回してみたい」
鞠莉「………………」チラッ
ルビィ「……っ?……??」キョトン
鞠莉「ルビィを撫で回しちゃえ〜!」ワシャワシャ
ルビィ「わぁあぁっ……な、なんでるびぃがぁ……っ……」アワアワ
ルビィ「た、……たすけてぇ、善子せんぱ──」チラッ
善子「…………」ソワソワ
ルビィ「な、なんでぇ!うらぎりものぉ!」ウユ… 鞠莉「それはそうと、善子とルビィは何の競技に出るの?状況次第では応援してあげなくもないけど」
善子「なんですか状況次第って」
ルビィ「……る、ルビィは綱引きに……」
善子「私は障害物リレーです」
鞠莉「じゃあルビィだけ応援するわ」
善子「なんでですか」
鞠莉「善子も応援してほしいの?」
善子「………………まあ」
鞠莉「fu〜〜♪」( 🤞ᐛ )🤞⤴︎⤴︎⤴︎
善子「今日テンション高くてめちゃくちゃ面倒臭いわこの人」
鞠莉「体育祭だからね」
善子「先輩そんな燃えるタイプじゃないでしょ」 ルビィ「鞠莉先輩は何に出るんですか……?」
鞠莉「ん〜?気になる?」
ルビィ「……はい、ルビィも、応援……したいので……」
鞠莉「やだもうかわいい〜♪」ナデナデ
善子「え〜私も鞠莉先輩応援した〜い!」
鞠莉「ふーん」
善子「なんでよ」 −−−−
梨子「千歌ちゃん達カッコよかったね」
花丸「はい、皆足速くてビックリしました……オラ、全然早くないから……」
梨子「そうねぇ……リレーに出てる人は凄いわ」
『障害物リレーに出る選手は──』
花丸「あ、オラの競技ずら。それじゃ、梨子先輩、ありがとうございました」ペコ
梨子「こちらこそありがとう、頑張ってね。応援してるから」
花丸「はい。それではまた」フリフリ
梨子「うん、またね」フリフリ
梨子「………………花丸ちゃんも何だかんだリレー出てるじゃない…………」
千歌「梨子ちゃーん!ただいまー!」
梨子「ああ、走らないの。お疲れ様、千歌ちゃん」
千歌「どう?速かった?カッコよかった?」
梨子「うん、凄いカッコよかったよ」
千歌「えへへぇ……うれしい……」フニャリ 善子「──、──」トテトテ
千歌「あ!見て!あそこにスタンバイしてるのって善子ちゃんじゃない?」
梨子「あら、ほんとだ。一番最初なのね」
千歌「障害物リレーはあんまりやる人居ないから誰かが三年生と一緒に走らないといけないって聞いてたけど、善子ちゃんだったんだね〜」
梨子「よっちゃん運動神経良いんだ……」
千歌「割と良い方だと思う。まあよく良いところで転んでるんだけどね」
善子「──、」スッ…
千歌「あ、走り始めるんじゃない?」
『位置について、よーい』
パァンッッ!!
善子「──っ!」ダッ
千歌「おお!善子ちゃん速い!」 善子「……っ!──っ!」ダッ
梨子「な、何あれ!?今何持ったの!?」
千歌「3キロの砂袋だよ。あれを持って、あそこの一輪車に乗せるの。そこから、一輪車を押して、1年生の子にバトンを届けるんだよ」
梨子「さ、3キロ……重そう……よっちゃん、よくあんなの持って走れるわね……」
千歌「一輪車押すの上手いなぁ。アレ、重いと真っ直ぐ進まなくて大変なんだよ〜」
梨子「そうなのね……よっちゃん凄い……」
善子「──っ!?」ガクッ
千歌「あ、やばいよ一輪車が石に躓いた」
善子「──〜っ!!」ドンガラガッシャーン
梨子「す、凄い勢いで転んだけど!?大丈夫なのあれ!?」
千歌「あっはっはっはっは!もう最高だよ善子ちゃ〜ん!」ゲラゲラ
梨子「最悪ね貴女!」 花丸「──っ!?──!」ソワソワ
梨子「花丸ちゃん、敵なのにすっごい心配そう……」
善子「──っ、……」ヨロヨロ
千歌「ひぃ……お腹痛いお腹痛い……」
梨子「な、なんとか次の人にバトンが渡ったわね……」
千歌「あ、見て。今袋に入ったの花丸ちゃんじゃない?」
花丸「──っ……」ヨイショヨイショ
梨子「何に入ってるの?」
千歌「麻袋だよ〜、あれでぴょんぴょんして前に進むの」
花丸「──っ!──っ!」ヨッコラセ ヨッコラセ
梨子「……なんだか重そうね……」
千歌「……うん、一歩一歩がゆっくり……小学校低学年の子がしてる縄跳びみたい……」 一輪車って手押し車のやつか
乗って遊ぶほうの一輪車かと思ったw 千歌「ああほらこうしてる間にもめちゃくちゃ抜かされて行ってるよ……」
花丸「……っ、…………っ!」ゼェゼェ
梨子「麻袋は終わったけど、……あと半分……大丈夫なのかな……」
花丸「……っ、……」ゼェゼェ ピラッ
梨子「何か紙を貰ったわね」
千歌「借り物競争みたいなやつだよ。あそこに各学科がよく使ってる道具があるでしょ?それが書いてあるから、それを持ってゴール!」
梨子「な、なるほどね……あの人みたいのは何?」
千歌「柔道部が使ってるダミーくんだよ。あれ、意外と軽いんだよ〜」
梨子「……あ、見て。鞠莉先輩」
鞠莉「………………」チョコン
🐶「………………」ハッ ハッ
千歌「あ、ほんとだ。同好会のワンちゃんも居るんだ」 花丸「──っ!……っ、……」ゼェゼェ
千歌「あ、丁度花丸ちゃんがワンちゃん引き当てたみたいだね」
鞠莉「──?──!」ハイドウゾ
🐶「──!」タッ
花丸「──っ!──っっ!!」ズルズル
梨子「…………花丸ちゃん……引っ張られて行ってるわね……」
千歌「小型犬なのに…………」
『赤ブロック、一位でゴールしました』
千歌「でも一位なんだ。すごい」
梨子「さっきまで最下位まっしぐらだったのにね」
千歌「ほんとにね」 −−−−
善子「………………」ボロッ
千歌「ひいいぃっ……くるしいっ……くるしい〜!」ゲラゲラ
ルビィ「そ、そんなに派手に行くとは思いませんでした……」
善子「……慰めないで。……辛いから……」
ルビィ「……はい。これで大丈夫ですよ」ペタッ
善子「ありがと。今担当してる保健委員がルビィで良かったわ。知らない人に同情されながら絆創膏貼られると気が可笑しくなるもの」
千歌「あっはっはっはっ!くるしいくるしい!腹筋割れる!シックスパック!」ゲラゲラ
善子「あんたは少しでも同情しなさいよ!」💢
ルビィ「……でも、善子先輩、とってもカッコよかったですよ。ルビィ、思わずがんばれーって叫んじゃいました」
善子「!……ありがとね」
ルビィ「はいっ」ニコ 『綱引きに出る生徒は入場門前に整列してください』
千歌「ああ、ルビィちゃん、そろそろ整列しないと綱引き始まっちゃうよ」
ルビィ「っあ!そうでした!……ルビィ、行ってきますね」
善子「ええ、頑張ってね。応援してるわ」
ルビィ「ありがとうございます、失礼します」ペコリ
善子「…………どっかの誰かさんと比べて良い子ね〜」
千歌「どっかの誰かさん?ダイヤちゃんのこと?」
善子「あんたに決まってんでしょ」
ダイヤ「あら、千歌さんに善子さん。どうして救護テントに……」チラッ
善子「…………」ボロッ
ダイヤ「ああ……なるほど……」
善子「辞めてくれる?その反応」 ダイヤ「次は梨子さんとルビィの競技ですわね」
千歌「そうだねぇ。どっち応援するか迷っちゃうなぁ」
善子「そこは同じチームの梨子を応援しなさいよ」
千歌「後輩を応援しないなんて嫌な先輩じゃない?」
善子「面倒臭いわねぇあんた」
ダイヤ「そろそろ始まりますわよ」
『位置について、よーい』
パァンッッ!!
梨子「──!」
千歌「あ!梨子ちゃんだ!頑張れー!梨子ちゃーん!」
善子「あ、見て。相手のチームにはルビィも居るわよ」
ルビィ「──っ…………っ!」ウユウユ…
千歌「ありゃ、青負けちゃいそう」
善子「ルビィ、今にでも泣き出しそうね」
ダイヤ「情けないですわ……」
「ファイトーっっ!!!!」
千歌「青ブロックに凄い声援送ってる人居る……」
善子「一体誰が……」 曜「ルビィちゃーん!!がんばれー!!!!」
鞠莉「負けるなー!!!全員蹴落とせー!!!!」
ダイヤ「」
千歌「まあ予想的中だよね」
パァンッッ!!
『ただいまの結果、赤ブロックの勝ちです』
善子「でしょうね」
千歌「あっ!見て!ルビィちゃん泣いちゃう」
ルビィ「……っ……」ジワッ
善子「赤ちゃんか」
ダイヤ「ルビィー!しゃきっとしなさい!」
ルビィ「…………っ……」フルフル
千歌「なんか言ってるけど、なんにも聞こえないね」
善子「……ええ」 梨子「…………」チラッ
善子「あ、梨子がこっち見てる」
千歌「どこどこー!?!?」
梨子「……っ……」フリフリ
善子「!」ドキッ
善子「ん、んん……?ドキッ……??」
千歌「あ、居た!りこちゃーん!おーい!!」ブンブン
ダイヤ「お止めなさい。救護テントで騒ぐんじゃないですの」
千歌「ああそうだった……ちょっと退場門で梨子ちゃん達にお疲れ様してくる〜!」タッ −−−−
『三年生全員は入場門前に整列してください』
千歌「いよいよ三年生の学年種目だね〜」
ダイヤ「鞠莉先輩がどこまで本気になってくるかが勝負の鍵を握ってますわね」
梨子「鞠莉先輩ってそんなに体育祭で手を抜いたりしてるんですか?」
ダイヤ「ええ。去年はそもそも学校に来てませんでしたから」
千歌「面倒臭いって言ってサボってたよね。その度胸カッコイイ〜!」
梨子「絶対見習っちゃダメなやつね」
花丸「あそこに準備されてる竹はなんですか……?」
千歌「孟宗竹だよ〜、学校に生えてる竹なんだけど、あれを使って台風の目っていう競技をするの」
花丸「台風の目?」
梨子「あら、知らない?」
花丸「はい……あんまり……」 ダイヤ「あの竹を四人一組で持って、コーンの周りを回っていきます。二つ目のコーンを回ったところが往復地点ですわ。自分のチームが並んでいるところまで戻ってきたら、今度は両側の二人だけが竹を持ち、並んでいるチームメイトの足元へ通します」
梨子「この時、ぶつかったり転ばないようにしないように並んでる人は竹を跳ぶの。後ろ列まで行ったら、また前に戻ってきて、一番前に並んでいる人に竹を回す」
千歌「一番早く全員回ったチームが優勝!わかった?」
花丸「なるほど……少し分かりました」
千歌「大体は見てたらわかると思うから!皆で果南ちゃんを応援するぞー!」エイエイオー! 『位置について、よーい』
パァンッッ!!
果南「──っ!」ダッ
千歌「始まった!」
花丸「果南先輩、一番前です!」
千歌「がんばれー!果南ちゃーん!」フレーフレッ!!
ダイヤ「果南先輩が端だと有利ですね。脚も速いし力もある」
梨子「が、頑張ってくださーいっ!果南先輩ー!」
果南「──っ!」ハッ
果南「……っ……」カアァッ
梨子「ぁ……目逸らされちゃった……」シュン
千歌「(果南ちゃん、梨子ちゃんのこと大好きだからなぁ……)」
花丸「(果南先輩、完全に照れてるずら)」
ダイヤ「(分かりやすい人ですわ)」 体育祭長くなってきちゃった
あと一種目書く。つまらなかったらごめん 千歌「果南ちゃーん!!梨子ちゃんに良いとこ見せちゃ──っもご!?」
ダイヤ「ちょっとお止めなさい!果南先輩の気持ちも考えるんですわ!」ガバッ
花丸「流石にオラも命の危機を感じるずらっ……」ガバッ
千歌「んー!!んんーっっ!!」モゴゴ…
果南「後で覚えとけ千歌ーっ!!」
千歌「ひいぃっ……」
梨子「??……?」 −−−−
青ブロック スタンド
曜「あれぇ……鞠莉先輩はどこに?」キョロキョロ
善子「どうせあの先輩のことだから出ないんじゃないの?結局出る種目聞けなかったし」
ルビィ「最後まで教えてくれませんでしたよね……」
曜「あ!居た!あそこ!一番後ろ!」🫵
善子「一番後ろ!?あの人が!?」
鞠莉「…………」
ルビィ「ほ、ほんとだ……アンカーだからゼッケンも着てる……」
善子「嘘でしょ……あの人がちゃんと種目に出てるなんて……」
善子「あの人、去年の体育祭サボってるからね」
曜「そうなんですか!?」
善子「ええ。私も鞠莉先輩休んだと思ったんだけど、実は学校には居たのよね」
ルビィ「??……どういう意味ですか……?」
善子「木の上登ってたのよ」
曜「野生か!!!!!」 鞠莉「……」ヒョイッ
善子「いやせめて出てるならもっと楽しそうにしなさいよね……真顔って……」
ルビィ「あ、あれはあれで楽しんでるんじゃ……」
鞠莉「…………」ポケーッ
曜「あんなぼーっとしてたらぶつかっちゃいそうですけど……」
ワイワイワイ! ワイワイワイ! ワーイワーイワイ ワイワイワイ!
鞠莉「…………」ポケーッ
善子「あの人、竹が迫ってることに気がついてないわね」
鞠莉「──っ!?!?」ゴッ
ルビィ「脛、打ちましたね」
鞠莉「──っ……〜〜っっ……」ウズクマリィ
曜「本気で痛そう……涙目になってる……」
善子「今までクールキャラ演じてた人が脛ぶつけただけでこんなに面白いのね」
鞠莉「〜っ……っ……」
ルビィ「……あ、立ち上がれてないですよ」
果南「!──っ?──!」タッ
曜「あ、果南ちゃん気付いた」
果南「──っ」ヨッコラセ
鞠莉「〜っ!……っ、……」プルプル
善子「……お姫様だっこで運ばれて行ったわね……」
曜「………………」
ルビィ「………………」 −−−−
救護テント
千歌「ひぃいぃwwwwww」ゲラゲラ
鞠莉「………………」
果南「千歌。やめな」
千歌「だってwwwだって気がついたら脛押さえて蹲ってんだもん!www」
梨子「もう、千歌ちゃんいい加減にしなさい」
ダイヤ「脚、大丈夫ですの?」
果南「いや、かなり腫れてたよ。握り拳くらい!」
善子「そりゃあんな太い孟宗竹に真正面からぶつかったらそうなるわよね」 ルビィ「相当痛そうでしたし……」
曜「ほんとほんと。脚にこんな大きなこぶなんか出来ちゃって……っぶふwww」
果南「こら曜!」
曜「分かってる……分かってるよぅ……www」
千歌「よーちゃんだけに分かってるよぅってこと!?www」\\\ドッ///
果南「いやどこにツボってんの」
花丸「最悪ずら」
鞠莉「…………帰る…………」
果南「えっ?」
鞠莉「帰るぅ……皆して私のこと笑ってぇ…………」ポロポロ
千歌「えええええ!!違うんです!!!違うんです待ってチカ悪くない!!!!」
善子「あんたが一番悪いでしょ」 鞠莉「皆本当のこと言って」
全員「…………………………」ゴクリ…
鞠莉「私は別に、皆が私の姿を見て笑うことはいいの」
鞠莉「ただ、それを隠されてるのが悲しいの」
鞠莉「私に気を使ってるんでしょ?」
ダイヤ「ですから――」
鞠莉「ちゃんと受け止めるから。怒らないから」
鞠莉「皆私を見て面白いなって思ったんでしょ?」
全員「……………………」
全員「……………………」コクリ
鞠莉「ほ゛ら゛や゛っ゛ぱ゛り゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛」ポロポロ
善子「全然受け止められてないじゃないですか……」 鞠莉「だって嫌だもんこんなっ……こんな両脚の脛におっきくこぶ出来てるの〜!!」ポロポロ
鞠莉「千歌っちと曜に笑われたもんんんんんん!!!」ポロポロ
ようちか「「ご、ごめんなさい…………」」
鞠莉「皆のばかあああああああああぁぁぁ!!もう嫌い!!!帰らせてぇえ」ポロポロ
果南「お、落ち着いて?確かにこのこぶは面白いけど……ここに皆が来てくれたってことは、少なくとも鞠莉を心配してるからなんだよ」
鞠莉「……っ……心配……?」グスン
梨子「そ、そうですよ!心配で駆け付けて来たんです!」
鞠莉「ほんと……?」
千歌「はい!勿論!鞠莉先輩の脚が心配で心配で……っぶふ!wwwwww」
ダイヤ「貴女もういい加減にしなさい!!」💢 このメスガキ感ある鞠莉ちゃんがガチ泣きしてるの興奮する −−−−
『続いては、学科対抗リレーです』
梨子「──なんて言ってるけど、」
梨子「実習服着ていつも使ってる道具持って皆でトラック回ってるだけじゃない!」
千歌「何がリレーだ!って感じだよね」アハハ…
千歌「よっこらせっ、っと……」ヨイショ
梨子「千歌ちゃんはダブルスコップなのね……重そう……」
千歌「かなり重いよ〜、ダイヤちゃん見て見て」🫵
ダイヤ「緑化科でーす」
千歌「緑化科〜って書かれた看板しか持ってないよ。梨子ちゃんはちゃんと刈り込みバサミ持ってるのにぃ……」
梨子「ちょっとずるいよね……」
ダイヤ「……二人とも、何か?」圧
ちかりこ「「い、いえ何も〜……」」メソラシ 果南「園芸科でーす」ワイワイワイ
梨子「果南先輩の周り、沢山人が居るわね」
千歌「人気者だからね〜果南ちゃん」
ダイヤ「綺麗なお花が持てて羨ましいですわ。私達なんか小汚い道具ですし」
ちかりこ「「看板だけしか持ってないダイヤちゃんが言わないで」」
梨子「あ、見て。あっちは動物科よ」
善子「あ、こら!走らないの!」
🐶「わふ!」
梨子「よっちゃん大変そうね……」 千歌「いいなぁ、緑化も何か動物飼おうよ動物〜」
ダイヤ「害虫なら沢山居るでは無いですか」
千歌「ダイヤちゃんは害虫をペットにするのかって話!」💢
梨子「あはは……なんかこの学科対抗リレーって、各学科の差が激しいわね……」
千歌「だよねぇ……」苦笑
千歌「でも、パレードみたいで面白いでしょ?」
梨子「……ええ、すっごい楽しい」
千歌「……っふふ、良かった」ニッ
白津「おー、桜内、高海、黒澤」
ダイヤ「あ、白津先生。どうかしましたの?」
白津「体育祭が終わった後、グラウンドで測量の練習するので残っててくださいね」
千歌「ちくしょおおおおおおおっ!!!!帰れると思ったのに!!!帰れると思ったのに!!!!!」 −−−−−−−−−
−−−−−−
−−−
六月
平板測量競技会当日
静岡県 某農業高校
ブロロロロ……
ガチャッ
千歌「おおーっ!他所の農業高校ってなんか良いね〜!」
梨子「千歌ちゃんも、はしゃがないで荷物運んでよ〜っ……」
ダイヤ「そうですわよ。こんな大荷物、どうして二人だけで持たせるんですの!」
千歌「ああ、ごめんごめん。自分の学校じゃないところってテンション上がっちゃうから……」
梨子「気持ちは分かるわね……私なんて、浦の星しか農業高校知らなかったから、何だか不思議な気分」
千歌「広いね〜!楽しいね〜!」
ダイヤ「あんまり騒がないでください。バカに見えますわよ」
千歌「ばかって言ったダイヤちゃんの方がばかだよ!ばーか!」
ダイヤ「なんですってえぇええ!!」💢
梨子「ふ、二人とも落ち着いて……」 生徒「あの、測量で来た方ですか?」
梨子「は、はい……浦の星農業高校です」
生徒「浦の星農業高校の生徒さんですね、ご案内します」
梨子「ありがとうございます。ほら、千歌ちゃんダイヤちゃん、行くよ」 −−−−
生徒 控え室
生徒「こちらで実習服に着替えてください。開会式は9時からになります。遅れないように時間を見ながら隣の教室へ集まるようにお願いします」
千歌「はい、ありがとうございます!」
ガララッ
ピシャ……
ダイヤ「……かなり汚い教室に案内されましたわね……」
梨子「ちょっと荷物退けただけの教室、って感じね……」
千歌「まあまあ、文句言ってても仕方ないよ。そもそも浦の星はこんな空き教室用意出来ないもんね」
千歌「さっと着替えて最後打ち合わせしていこう。私達、まだ全然練習出来てないし、測量の大会って授業で測量やってるところがほとんどだから絶対悪く目立つよ」
梨子「それもそうね……早く着替えちゃいましょ」
ダイヤ「仕方ないですわね……」 −−−−
開会式 会場 教室
司会「起立」
司会「これより、農業クラブ平板測量競技大会を開催致します。礼」
司会「FFJの歌。皆様、ご斉唱ください」
梨子「FFJの歌……?」
生徒「……」スッ
梨子「(指揮出てきたし。絶対要らないわよねこれ……)」
梨子「(それよりFFJの歌って何?)」チラッ
千歌「………………」ニコニコ
ダイヤ「………………」スンッ
梨子「(え、二人とも知ってるの!?)」アワ… みのる和穂に 富士と鳩
愛と平和を表わした
梨子「(うわ……何この曲……歌詞書いてあるけど全然歌えないし……)」
ダイヤ「♪〜」
梨子「(ダイヤちゃんはちゃんと歌ってるみたいだけど……)」チラッ
♪旗はみどりの、風に鳴る
土にとりくむ 若人の意気と熱とが もりあげた
千歌「……ぁ、ふふふ〜ん、ふ〜んふ〜ん!」
梨子「(せめて口パクとかにしなさいよ!どうして歌えないのにチャレンジするのよ!声大きいし!)」
♪ FFJ FFJ われらの誇り
千歌「えふえふじぇー!えふえふじぇー!わーれらっの ほっこっりー!」
梨子「(なんか恥ずかしいから千歌ちゃんお願い今の一瞬だけ黙っててーっ!)」 −−−
競技場 グラウンド
梨子「結局千歌ちゃん最後しか歌わなかったわよね」
千歌「なんにも歌ってない梨子ちゃんよりはマシだよー」
梨子「だってFFJの歌なんて聞いたことないし!」
ダイヤ「私もまさかここで歌うとは思っていませんでしたけどね」
梨子「え、そうなの?ダイヤちゃん、ちゃんと歌ってたからビックリ……」
ダイヤ「まあ、私は生徒会副会長ですから!」ドヤァ
千歌「関係無いと思うよー」
ダイヤ「お黙らっしゃい!!」💢
千歌「でも逆に、農業クラブ長の鞠莉先輩はFFJの歌とか全く歌えないらしいよ」
梨子「え、そうなの!?」
千歌「歌えなくても損することは無い〜、覚えるだけ無駄だ〜って言ってたもん」
梨子「メンタル強……」
千歌「前、脛ぶつけただけであんなに泣いてたのにねwww」
ちかダイりこ「「「wwwwwwwwwwww」」」 白津「おー、お前らちゃんと水分摂ったか」
千歌「あ、白津先生〜」トテテテ
白津「今日は暑いけんね、水分摂らな熱中症になりますからね」
ちかダイりこ「「「はーい」」」
千歌「…………」チューッ ゴクゴク ←ストロータイプの水筒
梨子「…………」トポポポ… ゴクゴク ←コップタイプの水筒
ダイヤ「…………」ゴクゴク ←そのまま飲めるタイプの水筒
白津「お前らバラバラやなぁ……」 白津「いよいよ大会本番ですからね、皆で協力して、取り敢えずどれだけ時間が掛かっても良いので完成を目指してください」
白津「授業で測量やってるとこばっかりですから、勝ちに行けとは言いませんが、諦めないで楽しんで測量してきてください」
ちかダイりこ「「「はい!」」」
千歌「頑張ろうねふたりとも」👊
梨子「頑張ろう」👊
ダイヤ「やるからには全力ですわ」👊
コツン…
千歌「……」スッ…
梨子「……」コクリ
梨子「……」スッ…
ダイヤ「……」コクリ
白津「お前ら何しようとね」 課題に追われているため今日はおサボりです
測量競技大会が終わったらいよいよステージ発表に向けて千歌がメンバー集めを始めます 『只今より測量競技大会を始めます。位置について、よーい』
パァンッッ!!
千歌「今だ急げ!」ダッ
ダイヤ「いやリレーじゃありませんから!」ガタッ…
ガッシャーンッ
ダイヤ「ああ!ほら!測板が倒れてしまったではないですか!」
梨子「水平器とか全部落ちたわよ!」アワアワ
千歌「こうしてる間にも向こうの学校は進めて行ってるしアフリカでは一分間に六十秒もの時間が流れてるんだよ!?」
ダイヤ「当たり前でしょ!!」💢
梨子「せめて拾ってから喧嘩しよう!?」
白津「(終わりましたね〜)」 大会の名前に間違いがありました
✕ 測量競技大会
○ 平板測量競技大会 平板測量は測板に画用紙をマスキングテープで貼り付け、用紙の右端に方角を書いておきます。その測板を三脚へ取り付け、アリダート、磁針箱など必要な道具を測板の上へ出した状態から始めます。
基準点へ合うように下げ振りを使い、水平器で測板を水平にしていきます。
用紙の下側には基準点となる点を書いておきます。測量し、作図していく際の大きな基準となります。
千歌「最初私が行くね」タッ
梨子「ええ、ありがとう。お願い」
記録主以外の二人、測定主は次の目標点へと立ち、ポールを立てます。記録主は、水平を保つ為に測板を取り付けた木の板のみ動かします。そして、アリダートの後視準板の穴を覗き、前視準板の視準糸と目標のポールに合わせます。
ダイヤ「…………」ジッ… ダイヤ「……ええ、大丈夫ですわ」
梨子「分かった。千歌ちゃん!」タッ
千歌「おっけー!」タッ
測定主は二人で巻尺を使って距離を測り、用紙へ三角スケールで縮尺に合わせ、点を打ちます。この点は最初書いた基準点と繋ぎ、これを繰り返すことで競技場を上から見た図形を描くことが出来ます。
千歌「梨子ちゃん押さえてて。チカが測るから」ビューン
梨子「わ、分かった」グッ
梨子「(千歌ちゃんったら真剣になり過ぎて果南先輩や曜ちゃんの前でしか出さない一人称になってるわ……)」 千歌「………………」スッ… ジィィィッ……
千歌「12m52!」
ダイヤ「12m52!」
梨子「じゅ、12m52!」
この時、測定した記録を全員で大きな声で繰り返します。これを行わなかった場合、減点されてしまいます。
梨子「(千歌ちゃん、練習の時は一個ずつメモリ数えてたのに……農業高校生って大会になるとここまでゾーンに入るものなのね……)」
⚠︎人によります
千歌「りこちゃーん!引っ張ってー!」
梨子「はーい!」グッ
千歌「ありがとー!」グルグルグルグル
これを繰り返すことで、平板測量を行うことが出来るのです。 ------
数十分後
審査員「皆さん、お疲れ様でした。全学校測定が終わったため、今から学校内に移動して──」
千歌「……結局私達が最後だったねぇ」
梨子「そうね……まあ仕方ないわよ。授業でやってる所に勝てっこないわ」
ダイヤ「でも作図は今までで一番良いのではないですか?誤差も少なかったですし、大丈夫なはずです」
千歌「でも最初に測板倒したりしちゃってるし……減点されてそうだよねぇ……」
白津「おー、高海、黒澤、桜内。どうだったか」
ダイヤ「あまり自信はありませんわ……」
梨子「そうね……ちょっと不安です」
白津「まあ練習もそんなに出来とらんけんね、仕方ないっちゃけどね」
生徒「あ、すみません。お二人はこっちで、もう一人は……」
白津「こっちですね、ありがとうございます」
千歌「それじゃ梨子ちゃんダイヤちゃん、またあとで」フリフリ
梨子「ええ、よろしくね」
ダイヤ「お互い頑張りましょう」
千歌「うんっ、また」フリフリ ---
某農業高校 空き教室
平板測量が終わると、各チームごと三斜法に二人、三辺法に一人で分かれ、作業を行い、面積を求めたりします。これを二次作業と言います。
白津「えー、三辺法の試験監督をすることになりました。浦の星農業高校の白津です、よろしくお願い致します」ペコ
白津「それでは解答用紙を配るので裏にして机の上に置き、時間まで待機していてください。また、机の上に置いてある電卓が付かない場合は声を掛けてください」
白津「……全員行き渡りましたね。それでは始めます」ピッ
千歌「………………」カキカキ…
千歌「………………」カタカタッ…
千歌「…………」ウーン…
千歌「………………」カキカキ…
千歌「(──えっと……3,540…これって、点つけるかな……)」カタカタ…
千歌「(……付けちゃお)」カタッ
カタカタッ カタカタッ
千歌「(他の学校の人、もう終わってる……電卓打つ手も早かったし、これが経験の差かぁ……)」カタッ
千歌「(よし、これで合計が出て──)」
千歌「(ん?……何でこんなに小さい値になるんだ……?)」ピタッ
千歌「(………ちょっと待って、なんかおかし──)」
ピピピピッ ピピピピッ
白津「時間になりましたので筆記用具を置いてください。回収します」
千歌「(終わった……え、何であんな数字になったんだろ……)」 農業関係で田畑は耕したり肥料まいたりで測量が必要になるのは想像つくんだけど
緑化科って測量何に使うのかな 造園する際とかに必要になるんですかね?自分でもよく分からず測量やってましたが、授業の中には無かったので、学科の中でも三人だけ有志のような形で大会に行ってました ----
白津「荷物は全部積み込めましたか?」
ダイヤ「はい、忘れ物も確信してきたので大丈夫ですわ」
千歌「……………………」
梨子「ど、どうしたの?千歌ちゃん、さっきから元気ないけど……」
千歌「さっきの三辺法、何故か合計がすっごい小さい数字になっちゃって……なんでかなって……」
梨子「あらら……まあ大丈夫よ。元気出して?まだお昼前なのに帰れるのよ!」
千歌「んん……そうだけど……」
ダイヤ「してしまったことをいつまでも考えても仕方ないですわ。前向きに行きましょう」 真鍋「お、高海さんと黒澤さんじゃん」ヒラヒラ
千歌「あ!真鍋先生!お久しぶりです!」
梨子「だ、誰……?」
ダイヤ「去年まで浦の星に居た先生ですわ」
真鍋「一年生?」
梨子「い、いえ……今年転校してきました、桜内です」
真鍋「え、この時期に転入してきたの?凄いなぁ、高海さんうるさいやろ?」
梨子「い、いえそんな……」
真鍋「あっはっはっ!まあお疲れさんやな。気を付けて帰りよ」
ダイヤ「はい、ありがとうございます」
千歌「それではまた」フリフリ
白津「おーい、高海、黒澤、桜内〜。駅に行くぞ〜。車乗れ〜」
ちかダイりこ「「「はーい」」」 これだけモブ教師出るSSも珍しい
モデルはいるんだろうか ----
某農業高校 最寄り駅 (無人駅)
白津「おにぎり買ってきておいてますから、これ皆で食べてくださいね。先生は学校に戻るので気をつけて帰ってください」
ダイヤ「はい、ありがとうございます」
千歌「先生、また明日!」
梨子「送ってくれてありがとうございました」
白津「また」フリフリ
ブロロロロロ……
ちかダイりこ「「「……………………」」」ストン
ダイヤ「電車来ませんわね」
梨子「来ないわね〜」
千歌「あー…………沼津でも行こうかな」
梨子「えっ、帰らないの?折角お昼に終わって帰れる〜ってワクワクしてたのに」
千歌「折角お昼に終わったからこそじゃない?三人で沼津行ってお茶しようよ」
ダイヤ「……ま、偶には良いですわね」
梨子「ダイヤちゃんまで……」
千歌「どうせ公欠で学校行かなくていいんだしさ!一緒に行こ!」
梨子「……もう、仕方ないわね……」 ダイヤ「……あ、白津先生から頂いたおにぎりでも食べますか?電車、中々来ないようですし」
千歌「あ、食べよ食べよ」ガサッ…
千歌「えっと、鮭、鮭、鮭、ツナマヨ、ツナマヨ、ツナマヨ………………」
梨子「白津先生………………」
千歌「ま、まあおじいちゃん先生が女子高生の好みなんて分からないもんね……鮭とツナマヨ、一個ずつ食べよ」
ちかダイりこ「「「いただきます」」」
ちかダイりこ「「「………………」」」パリッ
ちかダイりこ「「「………………」」」モグモグ
ちかダイりこ「「「………………」」」
千歌「(そういえば、合計があそこまでズレ始めたのって、私が点を付けたから──)」ハッ
千歌「あそこかあああああああああぁぁぁ!!!!!」クワッ
梨子「え!?何!?どうしたの!?」
千歌「コンマ!コンマ付けちゃった!!!だからあんなに数が少なかったんだ!!」
ダイヤ「千歌さん……」 千歌「あれって点付けなくて良かったやつじゃん!!どうすんの!!今から戻って直してくる!!」タッ
梨子「ダメに決まってるでしょ!?!?」ガシ
ダイヤ「もう諦めなさいな。ほら、松月さんのメニューでも見て落ち着きなさい」スッ…
千歌「あ、私みかんタルトにしよ。……みかんどら焼きも買って帰ろっかな」
梨子「機嫌直るの早っ……」
ダイヤ「梨子さんは何か気になるメニューはあります?」
梨子「えっ?うーん……」
梨子「あ、私このケーキにしようかな。ダイヤちゃんは?」
ダイヤ「私はプリンにしますわ」
梨子「いいね、プリンもあるんだ」
千歌「あ、それならこっちもおすすめだよ〜」
ダイヤ「なら私はこっちをおすすめしますわ」
梨子「ちょ、ちょっとそんなに食べられないから〜!」アワアワ ----
松月
千歌「そういえば、二人ともあの話考えてくれた?」
ダイりこ「「あの話?」」キョトン
千歌「うん、スクールアイドルの話」
梨子「あ、あー……そんな話もあったわね……」
ダイヤ「私はお断りさせて頂いたはずなのですが」
千歌「でもでも、やっぱりあの九人で出たいな〜って思うの。ダメかな?」
ダイヤ「九人……?」ピクッ
千歌「うんっ、まず出るのが決まってるのが私でしょ、それから果南ちゃんと、よーちゃん!あとは、梨子ちゃんとダイヤちゃんと、善子ちゃん、花丸ちゃん、ルビィちゃん、鞠莉先輩も入ってくれたら嬉しいな〜って思うんだけど……」
ダイヤ「……ルビィも……」 ダイヤ「…………やはりダメですわ。ルビィをステージ発表には出せません」
梨子「えっ?」
千歌「え、なんで?なんでダメなの?」
ダイヤ「知っているでしょう。ルビィは極度の人見知りです。初対面の人はもちろん、大勢の人の前に立つことすら出来ません」
ダイヤ「今まで、私はルビィと一緒に数々の習い事を経験してきましたが、ルビィは毎回発表会には出られなかった。……ルビィは、人の目が怖いんです」
ダイヤ「……だからこそ、ルビィに怖い思いはさせたくない……」ギュッ
梨子「ダイヤちゃん……」
千歌「……そんなこと言うのは、ルビィちゃんの気持ちを聞いてからにしようよ」
ダイヤ「えっ……?」 千歌「私、よーちゃんから言われたの。ルビィちゃんに絶対入って欲しいから、ルビィちゃんのところは空けておいてって」
千歌「……ルビィちゃん、スクールアイドル、興味あるんだって」
梨子「!……そうだったのね……」
千歌「ダイヤちゃん、一度ルビィちゃんと二人でアイドルの番組見ようとしたことあるんだよね。それでね、私思ったんだ。ダイヤちゃんも、ルビィちゃんと同じくらいアイドルとか興味あるんじゃないかなって」
ダイヤ「……ええ、確かに……千歌さんからスクールアイドルの話を聞いた日、少しだけ自分の携帯で調べてみましたの」
ダイヤ「自分達で曲を作って、振り付けを作って、衣装を作って、周りの人々を笑顔にする……スクールアイドルはテレビに出ているアイドルと違い、ただの自己満足だと思いました」
ダイヤ「でも、自己満足だけでは終わらない何かがあるんだと思ったんですの。スクールアイドルは、浦の星に足りない何かを持っている気がします」
ダイヤ「……賭けをしましょう。これに勝ったらルビィを、……私を、スクールアイドルに入れる権限をあげますわ」
千歌「賭け……」ゴクリ
千歌「分かった。受けるよ、その賭け」
梨子「ち、千歌ちゃん、本当に良いの?その賭けに負けたらルビィちゃんもダイヤちゃんも入ってくれなくなっちゃうのよ?」
千歌「分かってる。でも私に任せてよ」ニッ
梨子「千歌ちゃん……」 千歌「あ!心配してくれてるってことは、梨子ちゃん、入る気になってくれた!?」
梨子「…………はぁ、」
梨子「……まあ、少しだけ、興味出てきたかも」
千歌「ほんと!?やったー!!」ワーイワーイ!
千歌「この調子で九人集めるぞ〜!!」
千歌「あっ!早速果南ちゃんとよーちゃんに報告しないと!私学校行ってくる!」ガタッ
ダイヤ「おバカ。今は授業中ですわ」
千歌「ああそうだった」ストン
梨子「それに千歌ちゃん、声大きいわよ。静かにね」
千歌「はぁーい」
千歌「……あ、それより、二人とも見て!」バッ
ダイりこ「「これは……歌詞?」」
千歌「うん!私ね、スクールアイドルやりたいって思った時から作詞に挑戦してみたんだ!これを皆で曲に出来たらいいなって思うんだけど……どうかな?」
ダイヤ「……ええ、千歌さんらしい真っ直ぐな歌詞だと思いますわ」
梨子「千歌ちゃんってこんなに素敵な歌詞が書けるのね……ちょっと意外かも」
千歌「なにそれ?褒められてるの?貶されてるの?」
梨子「っふふ……褒めてるのよ」 >>269
あのSS自分も好き
平均を大幅に上回るスピィィィィィド!! 農業高校あるあるネタだけじゃなくて、G'sとか初期設定とかラ!板のネタとか色々なネタを入れ込もうとしてるので是非探してみて欲しいです ダイヤ「……さ、食べ終わったことですし……どうします?」
千歌「ちょっと沼津で遊んでこーよ!」
ダイヤ「はぁ?」
梨子「お茶して帰るーって言ってたじゃない」
千歌「なんかここで帰るの勿体なくて。……あ、もしかしてもう帰りたかったりする……?」ショモ…
ダイヤ「……まあ、……私もこのまま帰るのは何だか寂しいなと思っていたところです。折角の公欠ですし、何処か行きますか」
千歌「いいの!?わーい!梨子ちゃんは?」
梨子「もう……しょうがないわね……」フゥ…
梨子「良い機会だし、二人が好きな場所教えて?」
千歌「うん!じゃあ早速行こう!」ガタッ -----
---
千歌「はーっ、遊んだ遊んだ〜!」
梨子「そうね、結構楽しかったかも」
ダイヤ「学校もそろそろ六時間目が終わる時間ですし、長いこと遊んでしまいましたね……増援技能士の筆記試験を控えているというのに……」
千歌「まあ偶には良いじゃない!だって今日はこーんなに楽しかったんだし!私、ダイヤちゃんと梨子ちゃんと、もっともっと仲良くなれたなって思った!」
梨子「……そうね、私も楽しかったし、二人と仲良くなれた気がしたわ」
梨子「……こう思い返してみると、転校してきてから皆で遊ぶ、なんてしてなかったし」 ダイヤ「それもそうですわね、私も学校以外で千歌さんと遊ぶのは初めてですわね」
梨子「え?そうだったの?」
千歌「そっか!私確かにダイヤちゃんと学校以外で会わないかも」
ダイヤ「休日はお互い習い事や家の手伝いがありますからね」
梨子「そういえば千歌ちゃんのお家って旅館だったっけ」
千歌「そうなの!毎日のようにこき使われて大変だよ〜」
梨子「私で良ければいつでも手伝いに行くから呼んで?」
千歌「梨子ちゃん!ありがとう〜!」ギューッ
ダイヤ「……さて、そろそろ帰りましょうか」
千歌「あー、ごめん。私学校に忘れ物してきちゃった。学校戻るから先帰ってて!」
梨子「わかった、また明日ね千歌ちゃん」
ダイヤ「暗くなる前に帰るんですよ」
千歌「はぁーい!じゃあね二人とも〜!」フリフリ
千歌「…………」
千歌「………………」タンタンッ
千歌「…………」prrr… prrr……
千歌「……あ、もしもしルビィちゃん……?今から学校の近くでで会えたりしないかな?」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています