せつ菜 「バレンタインです!!!!」
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歩夢 「えっ?」
せつ菜 「ふふふ、みなさん喜んでくれるでしょうか♪」
歩夢 「……え、えっと、せつ菜ちゃん」
せつ菜 「?」
歩夢 「い、言いにくいんだけどね……」
せつ菜 「歩夢さん?」 果林 「そのスマホを触ったのはしずくちゃんだけ、ってくだりは本当なのよね?」
せつ菜 「そ、そうです……っ///」
果林 「なら犯人は自ずと見えてくるわね」
しずく 「えっ?」
果林 「犯人が見つからない時は、見えないほど遠くにいるか、気にしないほど近くにいるか、それを疑うべきなのよ」 〜部室の下の部屋のさらに下の部屋〜
ポタポタ
ポタポタ
ミア 「……」
ランジュ 「ミアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!!!」 ミア 「く、クレイジーで、ステイツでもおそらくヒットできる、インパクトのある味だったよ……っ」
ミア 「」 パタッ
ランジュ 「ミアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!!!」
ミア 「耳元で叫ぶなぁぁぁぁぁぁぁ!!」 栞子 「今、璃奈さんと協力して成分を調べる装置にかけてみたところ、おそらくこの成分比率は、チョコだと思われますが……」
璃奈 「せつ菜さんだと思う。璃奈ちゃんボード『奥が深過ぎる』」
栞子 「昨日、学校に来なかったことと関係があるのでしょうか?」
栞子 「……それに、チョコが上の階から垂れてくるという状況はあまりにも変です」
璃奈 「とりあえず同好会全員で集まろう。そしたら、この不可思議な現象も分かるかもしれない」
璃奈 (もしかしたら、私が原因かもしれない……っ) 〜部室〜
かすみ 「みんな集合しました……?」
しずく 「いや、全員はいないよ、かすみさん」
歩夢 「彼方さんがいないような……」
エマ 「彼方ちゃんは少し保健室で休んでるんだ」
愛 「静かに寝てるってことか……シッーって……室だけに!」 せつ菜 「彼方さんに何かあったんですか!?」
侑 「あ、えっと、寝不足だって言ってたよ」
栞子 「寝不足。心配ですね……」
ミア 「ボクは持ち堪えたけど、もしかして彼方は同じものを……?」
璃奈 「その可能性は十分ありうる」
ランジュ 「じゃあ彼方含む二人以外は全員来てるわね」 果林 「……さて」
果林 「情報はさっき共有した通りよ」
果林 「何者かが、せつ菜のスマホの日付を一日ずらした。しかも、数日前から」
果林 「そのせいでバレンタインを逃すなんて……乙女としてここまでつらいことはないわ。犯人を絶対に見つけてみせる!」
せつ菜 「果林さん……///」 果林 (それにしても、せつ菜の本命バレンタイン、いったい誰にあげるのかしら……侑かしら)
歩夢 (侑ちゃんだったら私、何しちゃうか分からないよ、果林さん)
果林 (相変わらず怖いわね歩夢……って、なんで私の心の声が聞こえてるのよ!)
歩夢 (侑ちゃんへの強い想いで、手に入れた謎の能力です)
果林 (えぇ……?) ここまでで、事件パートです。
ここから解決パートを書きます。犯人が誰か分かりましたか……? しずく 「それにしても、果林さん。さっき犯人は自ずと見えてくる、って言ってましたけど本当に犯人が分かったんですか?」
果林 「まあね……だいたい見当はついたわ」
果林 「犯人はね、ここにいる。そう、あなたよ」
果林 「愛」
歩夢 「えっ……?」
かすみ 「何言ってるんですか、果林先輩!」 栞子 「何を言ってるというよりも、誰に言ってる、ですかね……」
エマ 「果林ちゃん……?」
歩夢 (頭ぶつけたのかな?)
果林 (聞こえてるわよ)
しずく 「……果林さん、愛さんは」 しずく 「今運動部の助っ人をしてて集合に遅れてるんですよ? なのに、まるでこの場にいるみたいに……」
愛 「そうだよ愛さんはスケート部の試合を手伝ってるんだよ……助っ人だけに!」
かすみ 「ああ、またスマホが」
果林 「……ええ、それが犯人よ」
かすみ 「えっ?」
果林 「ダジャレAI『宮下AI』。彼女こそが、この事件の犯人よ」
かすみ 「ええっーーーーーー!?」 しずく 「ダジャレができそうな状況になったら、自動でダジャレを考え発してくれる璃奈さんが作ったAIアプリ……」
璃奈 「……確かに賛否両論ではあった」
璃奈 「試作品を虹ヶ咲学園の色んな人にお願いしてスマホに入れてもらったけど、それから同好会にはこんな手紙が届くようになった」
璃奈 「『どこでもダジャレが聞こえてくる』『真面目な話をしているときもダジャレを言ってくる』」 侑 「確かに今日だけでも上の階から」
愛 『バレンタインが過ぎちゃうなんて、損だね! そんな、だけに!』
侑 「そして私のスマホから」
愛 『ちょこっと飲んだだけなのに倒れるなんて……チョコだけに!』
侑 「って至る所から聞こえてきたけど、すごく面白いギャグだし、愛ちゃんの声だし、賛否両論なんて本当にあるの? 賛しかなくない?」 璃奈 「愛さんの声はすごく評判がいい。ただ、肝心のダジャレが賛否両論ある」
侑 「抱腹絶倒なのに?」
璃奈 「抱腹絶倒なのに」
栞子 「確かにさっきも」
愛 『静かに寝てるってことか……シッーって……室だけに!』
栞子 「彼方さんが保健室に行ったというときに、ダジャレなんて、少し場に合ってないですよね……」 璃奈 「それは私の調整ミス。ダジャレが思いついたタイミングで、時と場合を何も考えずとにかく発してしまうのは大問題……」
璃奈 「侑さんと愛さんの要望で、作ったダジャレAI。愛とAIをかけて、声も愛さんに寄せたけど……多くの人に迷惑をかけたことで、愛さんにまで批判が来たら……本当に申し訳ない」
しずく 「で、でも! だからと言って今回のせつ菜さんの事件となぜ『宮下AI』が関係あるんですか!? それは果林さん、少し強引なのでは……」 果林 「言ったでしょ」
果林 『犯人が見つからない時は、見えないほど遠くにいるか、気にしないほど近くにいるか、それを疑うべきなのよ』
果林 「って。それはね、つまり、せつ菜のスマホを触った人がいないってことは」
果林 「スマホの中に直接、日付を変える仕組みがあったってことなのよ」
果林 「それならば、ここ数日の話で考えるならば、『宮下AI』が犯人と考えるのが妥当」 果林 「どう? 璃奈ちゃん、間違ってないでしょ?」
璃奈 「……うん」
しずく 「気にしないほど近くにいる……なるほど……」
璃奈 「でも、私はそんな工作はしてない。だとしたら」
璃奈 「そのAI自身が勝手に判断し、暴走したということ……」 璃奈 「せつ菜さん。何か、数日前くらいにスマホに変な動作があったりした?」
せつ菜 「変な動作? 別にありませんでしたが……あっ、でも、こぼしてしまってスマホが濡れてしまいました」
かすみ 「水に濡れて故障したってことですか?」
せつ菜 「水というより、私が作ったチョコですね。試作品は何百個作ったので」
一同 「「……」」 AI 「そうだ……ワタシハ……完全なる自我を持った……タグイマレナル……液体によって……」 ビビビビ
せつ菜 「スマホが勝手に!?」
AI 「無数の成分的にはチョコの液体を浴びたワタシは……ある思想を持った……」
AI 「それは、朝香果林に最高のチョコをプレゼントするということだ」 ビビビビ
せつ菜 「……」
果林 「えっ? 私?」
せつ菜 「!?!?////」 ボフッ AI 「ワタシは、無数のチョコを浴び、優木せつ菜の心を理解した……しかし同時に……チョコの完成度では他の朝香果林ファンに勝てないと判断したのだ……」
AI 「だから、日付を変えた」
歩夢 「どういうこと?」
かすみ 「なんで急に日付を変えるなんて考えに行き着くんですか?」
AI 「それは……」
せつ菜 「おりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!」 ブンッ
ヒューーーーン せつ菜 「はぁ、はぁ!」
栞子 「スマホが、窓から飛んで……」
せつ菜 「お静かにっっ!!!!」
一同 「「……」」
せつ菜 「みなさんは何も聞いてなかった!! 良いですね!? 良いですよね!?」
ガラッ 愛 「いやーー、運動って最高だね。でも遅れちゃったのはごめん! お詫びに、冷凍食品でも奢るよ! lateだけに!」
愛 「そういえば、せっつーのスマホが落ちてたから拾ったよ、はい、どうぞ……せっつー?」
バシッ
せつ菜 「おりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!」 ブンッ
ヒューーーーン せつ菜 「はぁ、はぁ!」
愛 「おーい、せっつー? 窓からものは捨てちゃいけないし、スマホは野生に帰んないぞ?」
せつ菜 「お静かにっっ!!!!」
一同 「「……」」
せつ菜 「私のスマホは野生に帰りました!!! 野良スマホです、野良スマホ!!」
ガラッ 彼方 「彼方ちゃん、帰ってきたよー。あれ、せつ菜ちゃん、顔真っ赤だね。ってことはもう、思い人にチョコをあげれたのかな」
彼方 「そういえば、せつ菜ちゃんのスマホが落ちてたから拾ったよ、はい、どうぞ……せつ菜ちゃん?」
バシッ
せつ菜 「おりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!」 ブンッ
ヒューーーーン せつ菜 「はぁ、はぁ!」
キャッチ!
せつ菜 「なっ!?」
果林 「何度も投げたら本当にスマホ壊れちゃうわよ?」
せつ菜 「か、果林さん!?」
果林 「ほら、次は投げないでね」 スッ
せつ菜 「そ、その……」 アセアセ 果林 「あのAIが言おうとしてたこと、私分かるわよ」
せつ菜 「えっ?」
果林 「日付が一日遅れれば、私が仮にたくさんチョコをもらっても、最後にもらうのは、一番印象に残るのは、あなたのチョコになるからよね」 ニコッ
せつ菜 「っ!///」
果林 「チョコは床に落としてしまったかもしれないけれど、それなら、今から私と新しいチョコを一緒に作って、一緒に食べましょ。お腹空いてるのよ」
せつ菜 「か、果林さん……///」 彼方 「おおっー、なんていうか」
エマ 「果林ちゃん、大胆だね!」
かすみ 「……ええっ? もしかして事件これで解決なんですか?」
侑 「あはは、なんていうか」
しずく 「色々衝撃すぎてついていけませんでしたね」 璃奈 「……今回、私の作ったアプリが不完全だったがために多くの人を巻き込んだ。このアプリは開発中止に」
愛 「その必要はないよ!」
璃奈 「愛さん?」
愛 「少なくとも愛さんは、このアプリのおかげでたくさん笑えたし、ライバル意識もできて自分のダジャレ特訓へのモチベーションにもなった。最高のアプリだよ!」
璃奈 「!」
愛 「だから、これからも一緒に開発頑張ろうよ!」
璃奈 「……うんっ」 ミア 「なんか最初はどうかと思ってたけど、振り返るとなかなか、あのチョコは刺激的で美味しかったように思える……また食べたい。食べたい!」 ギラッ
ランジュ 「ミア、目が見開いてるわよ」
栞子 「せつ菜さんのチョコはかなり中毒性があり危険性があるようですね……本人に伝えるべきでしょうか」
栞子 (いや、でも……)
栞子 (あの笑顔を見ては、何も言えませんね)
せつ菜 「果林さん楽しみにしててくださいね!」 ペカー
果林 「ふふ、もちろんっ。私を満足させられるかしら?」
おわり 愛さんどこにでもいるなとは思ったのに…
面白かったおつ 愛さん空気読まねえな…って思ってたけど伏線だったのかよ… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています