馴染みある目覚まし時計のけたたましい音に叩き起こされるようにして、目を覚ます。
つい昨日、干されたばかりだろうふわふわとした羽毛布団の誘惑からそうっと手を出して、目覚まし時計を止める。

「ん…」

もぞもぞと動くと涼やかな空気が呪縛に亀裂を入れて、意識がはっきりとしてくる。

枕元にある手をかざすだけで止まるスタイリッシュなデザインのデジタル時計を見ると、いつも起きるより少し早い時間だった。

全体的に暖色系統で整えられているこの部屋にはやっぱり、
ほんの少し浮いている目覚まし時計だけれど、
私にはだからこそ心地好く感じられる。