栞子「吸血鬼です」 しずく「おお~」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
しずく「栞子さんもハロウィンの仮装したんだね」
栞子「はい 今日は同好会のハロウィンパーティーなので」
しずく「張り切ってるね!」
栞子「べ、別にそういうわけじゃ!」
しずく「はいはい~」
栞子「もう!」
しずく「あははっ それにしてもすごい凝った衣装だね」
栞子「服飾同好会の方に作っていただきました わたしにはこれが似合うと」
しずく「すごい似合ってるよ」
栞子「そ、そうですかね」モジモジ しずく「うん 八重歯が特徴的な栞子さんだからこそ、こんなに似合うんだと思う」
栞子「ほ、褒めてもお菓子しか出ませんよ?」
しずく「ちゃっかりお菓子まで持ってきてるんじゃん やっぱり張り切ってたんじゃないの~?」
栞子「しずくさん!」
しずく「ふふっ それより、わたしの仮装はどう?」
栞子「その仮装は……いつもの私服では?」
しずく「そう!わたしは私服なの!!」
栞子「なぜなのです?」
しずく「それはね、わたしは仮装パーティーに参加したいけど引っ込み事案で中々参加出来ない村の娘だから」
栞子「はい?」 しずく「毎年毎年、ハロウィンが近付くたびに村の景色が変わっていって」
しずく「そのたびに今年こそはわたしも…って思うんだけどやっぱりだめで」
しずく「今年も仮装して村を回る子供たちにお菓子を作るだけの、村娘」
しずく「それがわたしなの」
栞子「は、はあ」
しずく「理解してないな~?」
栞子「い、いえ…その、別に仮装すればいいのでは?」
しずく「今年はこの設定なの!」
栞子「ひいっ」
しずく「わたしは役者なんだから」フンスッ
栞子「ま、まあ…しずくさんがよければそれでいいと思います その…村娘の仮装も似合ってますし」
しずく「だから仮装じゃないの!!」
栞子「ひいっ!!」 しずくちゃんこういうめんどくさいとこあるよね
かわいい しずく「でも、似合ってるって言ってくれたのは嬉しいな」
栞子「本当のことですからね」
しずく「ふふ」
栞子「というか、その服ってわたしと遊ぶ時によく着てる服ですよね?」
しずく「おっ、気づいてたかぁ」
栞子「それはもちろんです」
しずく「でも、栞子さん以外の人にこの服着てるとこ見せるのは初めてなんだよ」
栞子「そうなのですか?」
しずく「この服ね、勝負服だったの」
栞子「勝負服?」 しずく「そう 今日は気合い入れたいとか、可愛く見られたいとか そういう日に着てく服だったんだよ」
栞子「なのにわたしと遊ぶ時にしか着てなかったのですか?」
しずく「なんでだと思う?」
栞子「うーん……わからないです」
しずく「じゃあわかるまでわたしから答えは言わないね」
栞子「ええっ!?」
しずく「ふふ」
栞子「あ、さっき勝負服"だった"と言ってましたけど、今は違うのですか?」
しずく「うん 今の勝負服はね、栞子さんとこの前ショッピングモールに行った時に選んでくれた服だよ」
栞子「あの日の服ですか それはなんだか嬉しいですね」
しずく(もう、ほんと鈍感なんだから栞子さんは)
────────── しずく「そういえば衣装は吸血鬼なのに歯はそのままなんだね」
栞子「そう言われてみればそうですね」
しずく「でさ、ここに吸血鬼に仮装するための付け歯があるんだけど」
栞子「なんでそんな物を持ってるのですか」
しずく「栞子さんに付けてもらいたいからだよ」
栞子「はぁ」
しずく「ね!付けて付けて!」
栞子「…まあいいでしょう ハロウィンですからね」
しずく「ありがとう!」
栞子「では」スッ
栞子「…どうですか?」
しずく「うーん、なんか違うなぁ」
栞子「ええ…」 しずく「なんか作り物感がすごいんだよね」
栞子「作り物ですからね」
しずく「付けてもらって申し訳ないけど、外しちゃっていいよ」
栞子「あ、はい」スッ
しずく「…うん 栞子さんはそのままの方がいいね」
栞子「あ、ありがとうございます?」
しずく「……せっかくだしさ、写真撮ってもいい?」
栞子「別に構いませんけど」
────────── しずく「…」
栞子「…」
しずく「…」
栞子「…」
しずく「…ねえ」
栞子「はい」
しずく「今から変なこと言うけど、引かない?」
栞子「ええ…」
しずく「引かない?」
栞子「……わかりました」
しずく「ごめんね、言わない方が良いと思うけど、お願いがあって」
栞子「しずくさんの無茶ぶりには慣れてますので大丈夫です」
しずく「ええ?!わたしそんなに無茶ぶりしてる?!」
栞子「してます」クスッ しずく「そ、そっか…ちょっと反省…」
栞子「気にしなくていいですよ わたしは楽しいですから」
しずく「ほ、ほんとに?」
栞子「はい 楽しくなかったらしずくさんと一緒にいませんよ」ニコッ
しずく「あっ…」ドキッ
栞子「それで、お願いとはなんですか?」
しずく「あ、う、うん」
栞子「…」
しずく「あ、あのね 吸血鬼だし…か、噛んでほしいなって」
栞子「は?」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています