【SS】栞子「シンデレラ?」
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ある日の同好会・・・
しずく「皆さん!演劇をやりましょう!」
かすみ「って、突然どうしたの?しず子?」
しずく「虹ヶ咲で演劇部主催の演劇祭が行われることになったのは知ってるよね?」
璃奈「うん、確か虹ヶ咲学園のいろんな部や同好会が演劇を披露するお祭りだったよね?」
歩夢「もしかしてスクールアイドル同好会も参加しようってこと?」
しずく「はい!私、皆さんが演劇するところも見てみたいんです!」
侑「私も見てみたい!前に見た歩夢たちの即興劇もすごくときめいたし!」
しずく「ふふっ、侑さんならわかってもらえると思っていました!」 せつ菜「私も賛成です!舞台に立つというのも、アイドル活動の一環としてアリだと思います!」
エマ「凄く面白そう!私も賛成!」
彼方「じゃあ彼方ちゃんも~!」
果林「実は少し演劇に興味があったのよね」
ランジュ「ランジュもやりたいわっ!!」
栞子「はい!何事にも挑戦したいと思ってます!私もOKです!」
ミア「僕はまだステージに立つのは自信ないけど……劇伴なら任せてよ!」
かすみ「みなさん、意外とノリノリなんですね……わかった、やろうしず子!」
しずく「ありがとう!」 ・・・・・
侑「じゃあ、まずは演目を決めようか!」
かすみ「そういえば、ジャンルは指定されてたよね?なんだっけ?」
しずく「ラブロマンスだよ!まぁ、定番だよね」
果林「とはいっても、しずくちゃん以外は素人だし、簡潔な演目が良いでしょうね」
しずく「ではシンデレラなんてどうでしょう?有名なので皆さん知ってるでしょうし、やりやすいと思います!」
侑「すごく良いと思う!みんなが演じるシンデレラが見れるなんて、ときめいちゃう~!!」
ミア「ベイビーちゃんって、何にでもときめいてない……?」
歩夢「ふふっ、そういうところが可愛いの」 侑「じゃあまずは主演のシンデレラだけど……」
璃奈「主演はしずくちゃんが良いんじゃないかな?演劇部だし……」
しずく「いえ、私は今回は監督なので……それに私は学園内では演劇部のイメージが強いのもありますし……」
彼方「ええ~……せっかく一番上手い子がいるのにもったいない……」
しずく「ですが、こういうお祭りでは同好会の個性を出す方が大事だと思うんです!」
せつ菜「なるほど!個性的な私達だからこそ、それをアピールしようということですね!」
かすみ「確かに、しず子以外がやった方が面白いかも……となれば!!シンデレラ役は、世界でいっちばん可愛いかすみんが……」
侑「そうだ!主演のシンデレラは新入部員の誰かにしようよ!」
かすみ「えっ」 しずく「なるほど……新メンバーの加入を生徒たちに宣伝するためにってことですね!」
侑「そう!せっかくの機会だから学園のみんなに改めて知ってもらいたいじゃん?」
歩夢「うん!私も良いと思う!」
かすみ「……も~仕方ありませんねぇ~、今回は譲ってあげますよ!」
侑「それで誰にやってもらうか、だけど……」
ミア「さっきも言ったけど、僕は裏方が良いから……栞子かランジュのどっちかがやりなよ」
璃奈「えー……ミアちゃんのシンデレラも可愛いと思うけどなぁ……」
ミア「べ、別に僕はシンデレラなんて柄じゃないさ……///」
愛「も~!ミアちったら照れちゃって!」
ミア「照れてない!」 栞子「……シンデレラ、ですか」
ランジュ「………はいはい!はーーーーーい!!」
侑「ランジュちゃん!シンデレラ、やってみる?」
ランジュ「いいえ!アタシは栞子をシンデレラ役に推薦するわ!!」
栞子「って……ええっ!?い、いきなり何を言い出すんですか!?」
ランジュ「え?だって、やりたそうな顔してたじゃない?」
栞子「そ、それは……」
せつ菜「おおっ!栞子さんのシンデレラ……見てみたいです!」
歩夢「私も見たい!栞子ちゃんがドレス着たら絶対可愛いよ!」
栞子「そ、そうでしょうか?///」 ランジュ「じゃあ王子様役はアタシね!」
栞子「ええ!?ランジュが王子!?」
ランジュ「なによう……不満?」
栞子「い、いえ……」
栞子(私は演劇の主役なんて初めてですが……ランジュは大丈夫なんでしょうか……?)
しずく「確かにランジュさんが王子様をやるのは、カッコよそうです!」
歩夢「それに二人は幼馴染だもんね!きっと息もぴったりだよ!」
侑「うん!シンデレラ役は栞子ちゃんで、王子様役はランジュちゃんで決まりだね!」
栞子(こうして、私はシンデレラ役をやることになりました) ・・・
栞子(本番に向けて、稽古が始まりました)
ランジュ「きゃあっ!!美しいお姫様ね!!私と踊りなさい!!」
しずく「カット!!ランジュさん!ちゃんと台本通り読んでください!これだとただのランジュさんです!」
ランジュ「アイヤー!對不起……ちゃんと読むわね!」
栞子「……」
栞子(なんとなく、こうなる気はしてました……ランジュに演劇の適性があるとは思っていませんでした……) しずく「じゃあ改めて、アクション!」
ランジュ「えーっと、美しい姫……私と、お、踊って頂けまかす……ますか……」
栞子「あ、はい……喜んで……」
しずく「カー―――ット!!二人とも棒読みすぎます!!もっと感情を込めて!!」
ランジュ「ええーっ!?」
栞子「す、すみません……」
栞子(とはいっても、私にもシンデレラの適性があるとも思っていません……ランジュはどうして私を推薦したのでしょうか) ・・・・・
ランジュ「ふう……やっと休憩ね……けっこう役を演じるっていうのも難しいのね」
栞子「はい、改めてしずくさんの凄さがわかりました……」
ランジュ「でも、せつ菜の言ってたように、舞台に立つのもアイドル活動として良い経験になるわ!頑張りましょう!」
栞子「……あの、ランジュ?」
ランジュ「ん?」
栞子「もしかして、ランジュは私に場数を踏ませるため、私をシンデレラ役に推薦を?」
ランジュ「え?……まぁ、それもあるんだけど……」
栞子「他にも理由が?」 ランジュ「……栞子、覚えてる?アタシが香港に引っ越す前に一緒に遊んでた頃のこと?」
栞子「はい、よく一緒に遊んでいましたね……一緒に絵本を読んだり……あっ!確かその時、シンデレラも読みましたよね?」
ランジュ「ええ!栞子ったら、『いつかシンデレラになって、素敵な王子様に巡りあいたい』なんて言ってたじゃない?」
栞子「えっ!?私、そんなこと言いましたか!?///」
ランジュ「言ってたわよ~?……だからアタシ、栞子がシンデレラになりたいって夢を叶えさせたかったのよ!」
栞子「そ、そうだったんですか……ランジュ、ありがとうございます」
ランジュ「別客氣!一緒に頑張りましょう!」
栞子「はい!」
栞子(もしかしたら、私がスクールアイドルになりたいと思ったのは、その頃の事がきっかけになったのかもしれませんね) @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ やっぱり幼馴染みは最高だね 数日後・・・
ランジュ「ガラスの靴を履いていたのは、あなただったのですね!私と結婚して頂けませんか?」
栞子「ええ、喜んで!」
しずく「カット!二人ともだいぶ良くなりましたね!!」
栞子「あ、ありがとうございます」
ランジュ「しずくの演技指導のおかげよ!謝謝ラ!」
愛「しおってぃーのシンデレラ、めっちゃ良いじゃん!」
璃奈「うん!栞子ちゃんの真面目な雰囲気も、シンデレラ役にぴったりだった!」
栞子「そ、そんな……照れてしまいます///」
侑「ランジュちゃんの王子様も凄くカッコいいよ!ときめいちゃう~!」
せつ菜「はい!ランジュさんも適役でしたね!」
ランジュ「ふふっ!もっと褒めてもいいわよ?」 ランジュ「その……栞子は、どう思った?」
栞子「はい!ランジュらしくて、とても良いと思いますよ?」
ランジュ「……アタシ、らしくて……?」
ミア「そうだね、そのパワフルな王子様は、ランジュにしかできないよ」
ランジュ「………」
栞子「……ランジュ?」
ランジュ「……しずく!アタシ、もっと役を極めたいわ!もう一度やりましょう!」
しずく「さすがはランジュさん!凄いやる気ですね!了解です!」
栞子「………」 ・・・・・・
ランジュ「我累了……」
ランジュ(でも、まだまだこんなものじゃ全然ダメよ……アタシが、アタシがもっとしっかりしないと……!)
栞子「ランジュ」
ランジュ「あっ!栞子!通しの練習?だったら付き合うわよ!」
栞子「……焦らなくても、今のランジュのままでも、私は大丈夫だと思いますよ」
ランジュ「……えっ?」
栞子「その……ランジュがまだ、王子の演技に納得がいってないように見えたので……」
ランジュ「……まあ、ね、せっかくやるんだし、完璧にやりたいのよ」
栞子「しずくさんの言っていたように、私も、私たちの個性を出していった方が良いと思っています」
ランジュ「……」
栞子「私は、この演劇祭でランジュのことをもっと学園の皆さんに知って欲しいと思っているんです!だから……」
ランジュ「それじゃ、駄目なのよ……」
栞子「え?」 ランジュ「アタシは、この役にランジュらしさなんて、いらないと思ってるから……」
栞子「え?どうしてですか?」
ランジュ「そ、それは……」
栞子「それは?」
ランジュ「アタシは……栞子の理想の王子様に、ならないといけないから……」
栞子「……私の理想?」
ランジュ「だ、だって……!!栞子の夢は、素敵な王子様に巡りあうことだって言ってたじゃない?」
栞子「えっ!?もしかして……ランジュが王子役に立候補したのも、私の為だったんですか!?」
ランジュ「っ……そ、そうよっ!!悪い!?///」プイッ
栞子「…………ふふっ」
ランジュ「ちょ、ちょっと!笑わないでよ!!///」
栞子「す、すみません……まさかランジュがそんな細かいところまで気にしていたなんて……ふふっ……」
ランジュ「もうっ!!馬鹿栞子!!」プイッ 栞子「……ランジュ」
ランジュ「な、何よう……!」
栞子「私の理想の王子様は、もっと天真爛漫で、自信満々で、常に全力な方なんです」
ランジュ「……え?」
栞子「ですから、いつものランジュが、私の理想の王子様です」ニコッ
ランジュ「なっ……!?///」
栞子「ランジュ!……私たちにしかできない、シンデレラと王子様を演じきりましょう!」
ランジュ「栞子……アタシちょっと空回りしてたみたいね」
栞子「いいえ、私の事を考えてくれて、嬉しかったです。ありがとうございます、ランジュ」
ランジュ「……改めて、宜しくね、シンデレラ!」
栞子「ええ、王子様」 ・・・・・・
演劇祭当日
しずく「皆さんついに当日ですね!あまり気張らず、演劇を楽しみましょう!」
13人「オー!!」
栞子「……とはいえ、やはり舞台に立つのは緊張しますね」
ランジュ「無問題ラ!アタシが栞子をしっかりサポートしてあげるから!」
栞子「ふふっ、頼もしいですね。それでこそ私の王子様です」
ランジュ「まっ……まあね……///」
栞子(こうしてついに、私たちのシンデレラの幕が上がりました) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
璃奈(ナレーション)「むか~しむかし、あるところに、一人の少女がおりました。」
璃奈(ナレーション)「少女は幼い頃に母を亡くし、継母とその連れ子の姉と暮らしておりました。」
璃奈(ナレーション)「少女は、継母たちから『シンデレラ』と名付けられ、毎日のようにいじめられていました。」
かすみ(継母)「あっらぁ~!?ちょっとシンデレラぁ!?このホコリは、いったい何かしらぁ~?」
栞子(シンデレラ)「はっはいっ!……すみません、お母さま!」
果林(姉1)「まぁ!きったないわねぇ~!あなたったら掃除もろくにできないのね?」
エマ(姉2)「果林ちゃん!そんな言い方したら可哀想だよ!」
果林(姉1)「えっ……?いや、でも……」
エマ(姉2)「大丈夫だよシンデレラちゃん、後は私がやっておくから!」
栞子(シンデレラ)「あ、ありがとうございます」
エマ(姉2)「果林ちゃんも、あんまり部屋を散らかしたらダメだよ!」
果林(姉1)「あ……そ、そうね……気を付けるわ?」 かすみ(継母)「ほ、ほらっ!果林もエマも!あなた達はそろそろドレスに着替えないとっ!」
果林(姉1)「そ、そうよっ!今夜は舞踏会だもの!ふふっ、この私が一番目立って、王子様のハートをゲットするわよ!」
エマ(姉2)「楽しみだね~!美味しい料理もたくさん食べれるのかなぁ~?」
栞子(シンデレラ)「そのっ、お母様!私も一緒に行きたいです!」
かすみ(継母)「だぁ~れがそんなことするもんですか!みすぼらしいあなたに与えるドレスなんかないのっ!!」
栞子(シンデレラ)「そんな……」
エマ(姉2)「お母さま!一人だけ仲間外れにするなんて可哀想だよ!」
かすみ(継母)「へ?」
エマ(姉2)「ドレスなら私のを使っていいからね、シンデレラちゃんも一緒に行こう?」
栞子(シンデレラ)「え?いいんですか?」 かすみ(継母)「ってダメに決まってるでしょうが!ほら果林!早くエマと一緒に着替えに行きなさい!」
果林(姉1)「エマ、ちょっとこっち来なさい、私が服を選んであげるから……」グイッ
エマ(姉2)「えー……でもシンデレラちゃんが……」ズルズル
かすみ(継母)「ほらっ!彼方もいつまで寝てるの!早くドレスに着替えに行きなさい!」ユサユサ
彼方(姉3)「むにゃむにゃ……」
かすみ(継母)「全く……シンデレラ!あなたは掃除を終わらせておくのよ!いいわね!」
栞子(シンデレラ)「わかりました……」シュン
かすみ(継母)「ほらっ!彼方も着替えに行くわよ!」グイッ
彼方(姉3)「すやぁ……」ズルズル ・・・・・・
璃奈(ナレーション)「そのまま姉たちは舞踏会へ出掛けて行きました。シンデレラは一人、家事を続けていました。」
栞子(シンデレラ)「はぁ……私も舞踏会に行きたかったです……」シュン
ピンポーン
栞子(シンデレラ)「あ、お客様です……」ガチャ
愛(魔女)「やっほー!シンデレラ、遊びに来たよー!」
栞子(シンデレラ)「あ、魔女さんじゃないですか、こんばんは……」
愛(魔女)「あれ?元気ないじゃん?どーしたの?よかったら相談乗るよ?」
栞子「実は今日は舞踏会があるのですが……私だけドレスがなくて、行けなかったんです……」
愛(魔女)「……そうだったんだ……だったらアタシがシンデレラのためにドレスを用意してあげるよ!」
栞子(シンデレラ)「えっ!?本当ですか!?」
愛(魔女)「うん!この魔女さんに任せてよ!まあ上手な魔法でね!魔女だけに!」
栞子(シンデレラ)「………」 愛(魔女)「じゃあ行くよ!それっ!」ポワワワン
璃奈(ナレーション)「魔女の魔法の力で、シンデレラの体は光に包まれ、美しい翡翠色のドレスを身にまとい、足には美しいガラスの靴がはまっていたのです。」
栞子(シンデレラ)「わぁっ!凄いです!」
愛(魔女)「どう?魔女さんのセンスは?似合うでしょ?」
栞子(シンデレラ)「はい!これで舞踏会に行くことができます!ありがとうございます!」
愛(魔女)「いいっていいって!あ!そうだ!その魔法は12時になると解けちゃうから注意してね!」
栞子(シンデレラ)「はい!……あ、そういえば移動手段がありません……馬車はお母さま達が乗って行ってしまいましたし……」チラッ
愛(魔女)「だったら舞踏会の会場までテレポートさせてあげるよ!」
栞子(シンデレラ)「あれ?かぼちゃの馬車じゃないんですか?」
愛(魔女)「え?それもできるけど、どうせならテレポートの方が時間も掛からないし、こっちのが良くない?」
栞子(シンデレラ)「それもそうですね、テレポートでお願いします」
愛(魔女)「じゃあ行くよ!それっ!」ポワワワン ・・・・・・
璃奈(ナレーション)「魔女の魔法の力でシンデレラは舞踏会の会場に着きました。」
栞子(シンデレラ)「……これで私も舞踏会に参加できますね!」
ランジュ(王子)「……そこの美しいお姫様!」ダッ
栞子(シンデレラ)「えっ!?あ、あなたは……!」
ランジュ(王子)「あなたこそ、この王子のパートナーに相応しい!」
栞子(シンデレラ)「え……本当ですか?」
ランジュ(王子)「さあ!この私と踊りましょう!絶対に後悔はさせないからね!」キリッ
栞子(シンデレラ)「……はいっ!喜んでっ!」
璃奈(ナレーション)「こうしてシンデレラは王子と踊り始めました。」
璃奈(ナレーション)「しかし、幸せな一時は一瞬で過ぎ去り、12時の鐘が聞こえてきました。」
ゴーン ゴーン
栞子(シンデレラ)「……12時の鐘!?ごめんなさい!私、もう帰らないと!」ダッ
ランジュ(王子)「あっ!待ってくれ……!」
ポロッ
璃奈(ナレーション)「シンデレラはガラスの靴を落としたことにも気付かず、全力で走り去っていきました」 ・・・・・・
璃奈(ナレーション)「それから数日後、シンデレラは普通の日常に戻っていました……しかしそんなある日……」
ピンポーン
かすみ(継母)「あら?お客様かしら?」
エマ(姉2)「あ、私が出るよ~!は~い!」
ガチャ
ランジュ(王子)「ニーハオ!」
エマ(姉2)「あ、あなたは王子様!?」
かすみ(継母)「あっらぁ~!王子様ぁ!このような所によくいらっしゃいましたわぁ~」キャピキャピ
ランジュ(王子)「実は舞踏会の日に一緒に踊った、このガラスの靴を履いていた美しい女性を探すために、町中をまわっているんだ!」キリッ
果林(姉1)「なるほど?つまりガラスの靴にぴったり合う女性が王子様の運命の人ってわけね?ふふっ、それは、きっと男たちの視線を釘付けにしたこの私……」
ランジュ(王子)「ううん、違うけど」
果林(姉1)「え?……で、でもそのガラスの靴がぴったりだったら私ってことに……」
ランジュ(王子)「いや、履かなくても、しっかりと覚えてるから無問題ラ!私が惚れた女を間違えるとでも?」
果林(姉1)「あ……そ、そうよね……?ごめんなさい……」 かすみ(継母)「じゃ、じゃあこっちの二人は……」
エマ(姉2)「私も違うよ?ずっと料理に夢中で王子様とは踊ってないから……」
彼方(姉3)「彼方ちゃんも違うかな……彼方ちゃん、会場着いてからもずっとすやぴしてたから……」
かすみ(継母)「あ、そう……じゃ、じゃあ~!もしかして王子様の運命の相手って、この私だったり~……」キャピッ
ランジュ(王子)「……」
かすみ(継母)「違いますよね……はい……」
ランジュ(王子)「この家にはもう他に女性はいないの?」
かすみ(継母)「え、ええ……もうこれで全員でしてよ……」
エマ(姉2)「あっ!待って!シンデレラちゃんがいるよ~!」
かすみ(継母)「ちょっ!……あの子は舞踏会に参加してないんだからあり得ないでしょ!?」
彼方(姉3)「ううん、さっき友達の魔女ちゃんが、シンデレラちゃんのことならドレス着せて会場へ送ってあげたって言ってたから、来てたと思うよ!」
エマ(姉2)「そっか~!シンデレラちゃんも舞踏会に来られて良かったよ~!さすがは魔女ちゃんだね!」
果林(姉1)「ええっ!?まったくもう、魔女ったらいつもおせっかいなんだから……」
かすみ(継母)「って何であなたたちみんな魔女と友達なのよ!?」 ランジュ(王子)「是非、そのシンデレラにも会わせてくれ!」キリッ
かすみ(継母)「で、でもでもシンデレラは、ぶっさぁ~いくだし~?あり得ない!あり得ないわぁ!」
栞子(シンデレラ)「あの~……呼びましたか?」
かすみ(継母)「げっ……!シンデレラ……!」
ランジュ(王子)「あっ!!あなたは!!」
栞子(シンデレラ)「……お、王子様!?」
ランジュ(王子)「っ……!!」ダッ
栞子(えっ!?)
ランジュ(王子)「会いたかった!!」ガバッ
ギュッ
栞子「なっ……!?///」
かすみ・果林「「ええ~っ!?」」
エマ・彼方「「おお~……!!」」 栞子「ちょ、ちょっとランジュっ……抱き着くなんて練習でもやってないですよ……///」ヒソヒソ
ランジュ「でも、この方がアタシらしい、でしょ?」ヒソヒソ
栞子「も、もう……このまま続けますよ……///」ヒソヒソ
ランジュ(王子)「一目見た時からわかった!あなたがあの時の美しい女性!シンデレラだね!」
栞子(シンデレラ)「は、はいっ……!///」
かすみ(継母)「でっ、でもでも!ガラスの靴がその子に合うかどうか……」
ランジュ(王子)「え?そんなの合うに決まってるじゃない?この子が落とした物なんだから」
果林(姉1)「じゃあ何で持ってきたのよ……」
ランジュ(王子)「もちろん、返すためだよ!はい、シンデレラ、会場に忘れてたよ」スッ
栞子「は、はい!確かに私の靴です!ありがとうございます、王子様!」 ランジュ(王子)「それとシンデレラ……もう一つ君に伝えたいことがあるんだ!」
栞子(シンデレラ)「はい!」
ランジュ(王子)「私は……君に一目惚れした!私と結婚してくれ!」キリッ
エマ(姉2)・彼方(姉3)「「おお~!!」」
栞子(シンデレラ)「えっ……えっと……その、お断りします」
ランジュ(王子)「……ってええっ!?」
果林(姉1)「って断るの!?」
かすみ(継母)「アンタそこは受けるとこでしょーが!!」
栞子(シンデレラ)「ええっと……まだ一度一緒に踊っただけですし、ちゃんとお付き合いしてからじゃないと……」
エマ(姉2)「うん!それもそうだね!」
彼方(姉3)「シンデレラちゃんはしっかりしてるね~」
ランジュ(王子)「これは失礼した……では改めて……好きだシンデレラ!私と付き合ってくれ!」キリッ
栞子「ええ!喜んで!」
パチパチパチ
エマ(姉2)「おめでとう~!シンデレラちゃん!」
彼方(姉3)「良かったね~シンデレラちゃん」
果林(姉1)「ふふっ、幸せにね、シンデレラ」
かすみ(継母)「ってちょっと!あんたたち何祝福してるのよ!むっきぃ~!!」
璃奈(ナレーション)「こうしてシンデレラと王子様は、やがて結婚し、幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし」
パチパチパチ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ・・・・・・
演劇祭終了後、打ち上げ会場
演劇部部長「しずく、スクールアイドル同好会の演劇、とても個性的で面白かったよ」
しずく「ふふっ、お褒めに預かり光栄です」
かすみ「うう……それは褒められてるんでしょうか……みんな台本を好き勝手に変えすぎだよ~」
愛「ま、愛さん達らしくていいじゃん?」
ワイワイガヤガヤ
栞子「全く、信じられません!急にアドリブで抱き着くなんて……!」
ランジュ「それは何度も謝ったじゃないのよ……」
ミア「でも、栞子も満更でもない表情だったよね?」
栞子「っ……そんなことありません」
ミア「そうだ、音楽科の知り合いに撮っておいてもらってたんだ、観る?」
ランジュ「えっ!?本当!?観る観る!!」
栞子「え…っ!!や、やめてください!!絶対に見ないでください!!///」
栞子(全く、ランジュには困らされてばかりですね)
栞子(ですが、あなたのおかげでまた一つ、私の夢が叶いました)
栞子(ありがとうございます、これからもたくさん私を振り回してくださいね、王子様)
おしまい これ、虹ヶ咲ラジオであぐひなが言ってた配役よな
良い 良かった
ニジガクssは、こういうので良いんだよ
乙乙乙 読んでいただいた方、コメントいただいた方、本当にありがとうございました!
>>24
>>49
仰る通り、RADIOアニガサキ第64回を聴いたのがきっかけでした。
響 - HiBiKi Radio Station - | TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』RADIO アニガサキ!
https://hibiki-radio.jp/description/anigasaki/detail
※明日(2022/8/12)には第65回に更新されちゃってるかも…… 前回のラジオもそうだけど、公録の時の「栞子覚えてる!?」も思い出したわ
やっぱり虹の幕間はりなりーのナレーションじゃないとね >>54
仰る通り、公録もきっかけになりました!
ナレーションもDDファンミの幕間がりなりーだったのを思い出しましたね! >>52
更新はまだのはず
明日は幼馴染ラジオ本編だけ更新 >>57
それがそれなんだよ
隔週になったけど、明日で更新されるはず ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています