かのん「恋ちゃんって……基本的に女たらしだよね」恋「はい?」
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***
後輩ちゃん「恋先輩、恋先輩!」
ピョコッ
恋「わっ!?」
後輩ちゃん「恋先輩ってすっごくカッコいいですよね!」
恋「えっ?」
後輩ちゃん「私、恋先輩に憧れてこの学校の音楽科に入ったんです!恋先輩みたいになりたくって!」
恋「そ、そうなんですか。ありがとうございます……」
恋(ぅぅぅぅ……//////)
後輩ちゃん「それと私、この学校の生徒会にも興味があって!」
恋「ふぇぇ!!?ほ、本当ですか!?」
後輩ちゃん「はいっ!だから恋先輩!この学校のこと、私に色々教えて下さい!」
恋「わかりました。では……とりあえず一緒にいろいろ見て回ってみる、というのはどうでしょうか?」
後輩ちゃん「わーい!ありがとうございます、恋先輩!」
恋(せ、先輩……////)ドキドキ
後輩ちゃん「えへへ、恋先輩だーい好きっ!」ムギュッ
恋「も、もーっ。くっついていては転んでしまいますよ」
後輩ちゃん「えへへへへ〜♪」
かのん「……」
かのん(ふーん……) かのん「……恋ちゃん」
恋「はい」
かのん「恋ちゃんって……女たらしだよね」
恋「はい?」
恋(女たらし?)
かのん「後輩にちやほやされただけで気分良くなっちゃってさ」
恋「なっ!?////べ、別に気分良くなってなど……」
かのん「鼻の下伸びきってるけど?」
恋「ふぇぇぇ!!?」
恋(ぅ、ぅぅぅぅ……/////)モジモジ
かのん「……」
恋「うぅぅぅ、さっきのは、そのっ……////」
かのん「その、なに?ご満悦レズスマイル浮かべてごめんなさいって意味?」
恋「ご、ご満悦になどなっていませんーっ!!/////」 かのん「……」
恋「かっ、かのんさん……もしかして怒ってますか?」
かのん「えっ?」
恋「言葉の節々に棘があるように感じられるのですが……」
かのん「……」
恋「はぅぅぅぅ……」
かのん「……別に、怒ってないもん」
恋「ほ、本当ですかっ
かのん「怒ってないって言ってんじゃん!」
恋「ふぇぇぇぇ!!?/////」 かのん「それともなあに?恋ちゃんの心の中には私に怒られるようなやましいことが何かあるわけ?」
恋「うぅぅ、それはっ……」
恋(ぅぅぅ……/////)
かのん「……」
恋(ぅぅぅぅぅ……////)
かのん「……」
グリグリッ
恋「ふぇっ!?」
かのん「……」グリグリグリグリ
恋「え、えっと、かのんさん。足、踏んでますっ……」
かのん「うん」
恋「えっ!?えぇぇぇ〜……?/////」
かのん「……」
恋(はわわわわわ……!!?//////)
かのん「……」ムスーッ 恋「はぅ……」
ショボーン
恋(かのんさん……絶対怒ってましたっ)
恋(もしかして、私また何かやってしまったのでしょうか……?)
恋「……」
恋(ひょっとして……私だけ後輩にチヤホヤされているのが羨ましい、とか?) 〜次の日〜
かのん「……」
後輩ちゃん「かのん先輩、かのん先輩!」
かのん「げっ!?」
後輩ちゃん「?」
かのん(やばっ、げっ!?とか言っちゃった……)
かのん「あ、いやっ、なに……?」
後輩ちゃん「あれ?もしかして私、かのん先輩に警戒されてます?」
かのん「だ、だって、まさか私が話しかけられると思ってなくって……」
後輩ちゃん「やだなぁー。かのん先輩と話してみたいって女の子、知り合いにたっくさんいますよ?」
かのん「そ、そうなんだ。あはは……」
後輩ちゃん「はいっ!」
かのん「それで……」
後輩ちゃん「あのですね、今日はかのん先輩の凄さについてお話したくて!」
かのん「え゛っ!?」 後輩ちゃん「かのん先輩ってとってもすっごーい人なんですよね!」
かのん「あ、ありがと……」
後輩ちゃん「音楽科の子たちと比べても抜群に歌が上手とか!」
かのん「それほどでも〜……あるかな?」
後輩ちゃん「それに校内で一番カワイイんですよね、確か!」
かのん「えっ!?ほ、ほんとに!?」
後輩ちゃん「はいっ!私さっきそう聞きましたので!」
かのん「聞いた……誰から?」
後輩ちゃん「恋先輩から!」
かのん「えっ!?」
かのん(恋ちゃん!!?)
恋「!?」
かのん「……」
かのん(ふーん……)
恋(はぇぇぇ!?) かのん「……恋ちゃん?」
恋「ひぃぃ!?」
かのん「恋ちゃんってさ……後輩の子とよく話すの?」
恋「ふぇぇぇ!!?は、話はしますが……」
かのん「……」
恋「しますけど……あ!でもかのんさんのお話もよくしますよ!かのんさんのお話も!」
かのん「えっ?」
恋「かのんさんが凄いのですー、とか!かのんさんってすっごく尊敬できるのですー、とか!」
かのん「それって私のこと利用して後輩ちゃんと仲良くなろうとしてたってこと?」
恋「へっ!?ふぇぇぇぇ!!?//////」 かのん「違うの?」
恋「ぅぅぅ、違わ、ないっ、ですがっ……」
恋(ぅぅぅぅ……////)
かのん「違わないんだ。ふーん」
恋「えっ!?あ、えっと、さっきのは後輩さんと仲良くなろうとしてるって部分に対して『違わない』という意味で…」
かのん「……」グリグリ
恋「ふぇっ!?」
かのん「……」グリグリグリグリ
恋「ふぇぇぇ!!?かのんさん!!お、怒らないで下さい〜っ!!/////」 ***
恋「はぁぁぁぁ……」
恋(どうして、どうしていつもいつも私はかのんさんを怒らせてしまうのでしょうか……)
恋(私は、ただかのんさんも後輩ちゃんさんと仲良くなれるよう、仲を取り持ってあげたかっただけなのに……)
恋(うぅぅぅぅ……)
恋「……」
恋(ひょっとして、かのんさん……わ、私のことが嫌いなのでしょうか?)
恋「……」
恋(私が、世間での評価から乖離して、不必要に後輩の子から持ち上げられているから……)
かのん『恋ちゃんって最近イキってばっかだよね!ポンコツ生徒会長のくせにさぁ!』
恋「ぅぅぅぅ……」ショボーン 〜またまた次の日〜
かのん「……」
後輩ちゃん「かのん先輩、かのん先輩!」
かのん「わっ!?きょ、今日は何……?」
後輩ちゃん「実は……恋先輩のよからぬお話を耳にしまして」
かのん「よからぬお話……?」
後輩ちゃん「はいっ。実は恋先輩って、ポンコツ生徒会長みたいなんですよ」
かのん「えっ!?」
後輩ちゃん「就任当初は炎上しかけて、かのん先輩たちの手助けがなかったら大変なことになってたとか」
かのん「……」
後輩ちゃん「あとは勉強できる風に見せかけて実は可可先輩よりテストの点数低いだとか、千砂都先輩より運動苦手だとか……」
かのん「そんなことないもんっ!!恋ちゃんはポンコツなんかじゃないんだから!!」
後輩ちゃん「えっ!?」 かのん「全然わかってないっ!!恋ちゃんはポンコツなんかじゃないの!!ただちょこーっと不器用過ぎるだけなのっ!!」
かのん「それなのに第三者の分際でさ!!わかったような口聞いちゃってさ!!」
後輩ちゃん「は、はぁ」
かのん「だから訂正して!!恋ちゃんの悪口言っちゃったこと、今ここで訂正してっ!!」
後輩ちゃん「え、えっと……どうもすみません。です……」
かのん「はぁ……で、そのお話、誰から聞いたの?」
後輩ちゃん「えっ!?」 かのん「さっき誰かから聞いたって言ってなかった?どーせ音楽科の二年生とかでしょ?」
後輩ちゃん「あ、いえ、音楽科の先輩ではあるんですけど……」
かのん「誰?教えて。恋ちゃんの悪口言いふらしてること、文句言ってくるから」
後輩「あ、いや、実は……」チラリ
かのん「実は?」
後輩ちゃん「さっき、そこで恋先輩に、かのん先輩に言えって言われて……」チラチラ
かのん「……えっ?」
恋(!?)
かのん「……」ゴゴゴゴゴ
恋(ふ、ふぇぇぇ!!?) かのん「っ、恋ちゃ〜んっ!!」
恋「ひぃぃ!!?」
かのん「もしかして恋ちゃんが自分で言ったの!!?恋ちゃんの悪口広めてって自分からお願いしたの!!?」
恋「……」
かのん「……」
恋「ぅ、ぅぅぅ……」
かのん「おろおろするってことは図星ってことでいいんだよね!!?」
恋「ふぇっ!?はゎゎゎゎゎ……」
かのん「なんで!!?なんでそんなことしちゃうのーっ!!?」
恋「ぅぅぅ、だってっ……」
かのん「だって!!?」
恋「だって……か、かのんさんが怒るから〜っ!!/////」
かのん「えっ!?」 かのん「お、怒ってないっ
恋「怒ってましたーっ!!」
かのん「うぇぇぇ!!?/////」
恋「怒ってました怒ってました怒ってましたーっ!!絶対機嫌悪かったですっ!!私が後輩さんと仲良くし始めてからの三日間くらい、ずーっと機嫌悪かったですーっ!!////」
かのん「うっ、それはっ……」
恋「むぅ〜っ!!!」
かのん「……っ、ご、ごめんっ
恋「ごめんじゃないですーっ!!」
かのん「うぇぇぇ!!?」
恋「ちゃんと理由は話して下さいっ!!理由もわからず怒られるなんて心外ですっ!!理不尽極まりないですーっ!!////」
かのん「り、理由って……////」
恋「言って下さいっ!!かのんさんが私に怒ってた理由、ちゃんと話して下さいっ!!」プンプン
かのん「え、えぇぇ〜……?」
恋「むぅぅーっ!!」プクッ
かのん「わ、わかったよ。えっと……////」
恋「えっと!!?」
かのん「っ……し、嫉妬!!嫉妬してたのっ!!/////」
恋「えっ!?」 恋「嫉妬??」
かのん「れ、恋ちゃんが後輩ばっかと仲良くするからだもん!!あーんなに楽しそうにお話しちゃってさ!!」
かのん「鼻の下伸ばしっぱなしだし!!ご満悦レズスマイル浮かべ過ぎだし!!」
恋「は、はぁ……」
かのん「私なんて一年以上ずーっと恋ちゃんと一緒にいるのにさ!一度も優しくもされたこともないのにさ!」
かのん「それなのに後輩の子にはあーんな甘々な表情見せちゃって!私にあんな顔見せたこと一度もなくない?優しくリードしてくれたことなんて一度もなくない?」
恋「かのんさん……ひょっとして私のこと好きなんですか?」
かのん「え゛!?/////」 恋「?」
かのん「っ……す、好きっ!!好きだよ!!悪い!!?////」
恋「いえ、悪いとかそういう話ではなく……」
かのん「好きな人から好きって思われたいのは当然じゃん!!だから恋ちゃんが悪いのっ!!私に嫉妬なんてさせる恋ちゃんがぜーんぶ悪いのっ
恋「あのっ……私もかのんさんのこと、好きですけど?」
かのん「え゛!?」
恋「だからかのんさんが嫉妬などする理由はどこにもないのです。不安な気持ちにならなくたっていいのですよ?」
かのん「でもっ!!////」
恋「好きです、かのんさん。大好きです」
かのん「えっ!?あ、ありがとっ……/////」
恋「はい♪」
かのん「……/////」カァァァッ かのん(……〜〜っ/////)
かのん「あ、あのさ恋ちゃんっ!!////」
恋「はい」
かのん「っ……〜〜っ!!ど、どーして今日だけそんなカッコいいことが言えるの〜っ!!////」
恋「はい?」
かのん「だっていつもなら急におろおろし始める場面じゃーん!!////私、恋ちゃんに好きって言ったんだよ!!?////」
恋「好き?誰がですか?」
かのん「私が!!////」
恋「誰のことを?」
かのん「恋ちゃんのことを!!/////」
恋「好き……?」
かのん「そうだよーっ!!////」
恋「……」
かのん「っ……////」
恋(かのんさんが、私のことを、好き……)
恋(……)
恋「……ふぇっ!!?//////」
恋(ふぇぇぇぇぇ〜!!!?/////) 恋「ぅ、ぅぅぅぅ〜っ……////」
恋(〜〜っ……!!/////)
恋「は、破廉恥ですーっ!!!/////」
かのん「えっ!!?////」
恋「破廉恥です破廉恥です破廉恥ですーっ!!急に好きだとか言い出さないで下さいっ!!告白なんてしないで下さい〜っ!!/////」
かのん「はぁぁぁ!!?れ、恋ちゃんが言わせたくせに!!?」
かのん(『私のこと、好きなのですか?』って聞いてきたの恋ちゃんからだよーっ!!/////)
恋「突然の告白なんて破廉恥ですっ!!不意打ちなんて卑怯です〜っ!!/////」
恋「ここ、音楽科の教室の目の前なのですよ!!?TPOとか弁えて下さいーっ!!////」
かのん「れ、恋ちゃんが話振ってくるのが悪いんだし!!恋ちゃんが破廉恥な考え方してるのが悪いんだもーんっ!!/////」
恋「違います違います違います〜っ!!かのんさんが悪いのですっ!!私は何も悪くないですーっ!!/////」
かのん(なんでなんでなんで!!?なんで私が悪いことになってるのーっ!!ぜんぜん意味わかんないんだけど〜っ!!//////)
かのん「れ、恋ちゃんの女たらしーっ!!/////」
恋「かのんさんこそ破廉恥です〜っ!!/////」
かのん「む、むぅぅぅ〜っ!!/////」
恋「うぅぅぅぅ〜っ!!!/////」
後輩ちゃん「……」
後輩ちゃん(あれ、私いったい、何見せられてるんだろ……?)
この後めちゃくちゃ苦情が来た。一年生から /. ノ、i.|i 、、 ヽ
i | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ |
| i 、ヽ_ヽ、_i , / `__,;―'彡-i |
i ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' / .|
iイ | |' ;'(( ,;/ '~ ゛  ̄`;)" c ミ i.
.i i.| ' ,|| i| ._ _-i ||:i | r-、 ヽ、 / / / | _|_ ― // ̄7l l _|_
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'ノ .. i )) '--、_`7 (( , 'i ノノ ヽ
ノ Y `-- " )) ノ ""i ヽ
ノヽ、 ノノ _/ i \
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