栞子「聞いてください、ランジュ」ランジュ「ラ?」栞子「この間コンビニに寄ったら、手裏剣を投げながら入店してきた方がいたのです」
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ミア「手裏剣って日本の忍者のあれのこと?」
栞子「それのことです」
ミア「そんなの危険すぎるだろう!?ここは中国じゃないんだぞ?」
ランジュ「中国にだってそんな人いないわよ」
栞子「アメリカこそ、銃の乱射事件が騒がれているではありませんか」
ミア「そんなことはどうだっていいんだ!栞子、ランジュ!コンビニに行くよ!」
ランジュ「今かラ!?」
ミア「忍者を見たくて仕方ないんだ!」 ミア「忍者はどのコンビニにいたんだ?」
栞子「それが覚えがないのです」
ミア「バカか!?」
ランジュ「バカとは失礼じゃない」
ミア「忍者が出たコンビニを忘れた!?バカか!?」
栞子「すみません、印象が強すぎて、逆にどこで起きたことか忘れてしまったのです」
ランジュ「そういうことってあるわ、記憶が上書きされるのよね」
ミア「おいおい、まるで痴ほう症の会話じゃないかこれは!」
栞子「駅の周辺であることは覚えているのですが」
ミア「メーカー名も覚えがないのか?」 ランジュ「メーカー名?」
ミア「セブンとかローソンとか、あるだろう!そういうのが!」
栞子「メーカーと、そう言うのですか?」
ランジュ「チェーン名とか、店名とかよね」
ミア「なんだよ、ボクが間違ってるとでも言うのか!?忍者を見付けても二人には教えてあげないからな!」
栞子「怒ってしまいました」
ランジュ「メーカーって、言わないわよね?」
ミア「何なんだよそんなことばっかり忘れずにいて!」 栞子「ひとまず目についたお店から入りましょう」
ミア「ボクは忙しいんだぞ!?最初の店であることを願うばかりだよ!」
ピロリローン
ランジュ「忍者は…いなさそうね」
ミア「バカか!?」
ランジュ「バカとは何よ!?」
ミア「忍者なんだぞ!?一目で分かるようなところにいるはずがないだろ!」
栞子「ですが私は忍者が入店するところを見たのです」
ランジュ「入るときは堂々入って、店内では姿を隠すって、そんなのおかしいじゃない」
ミア「忍者だぞ!?万引きとか強盗の下見とかさあ!そういう人目につくとまずいことを企んでるに決まってるだろ!?」 栞子「一理ありますね」
ランジュ「じゃあどうやって見付けるのよ」
ミア「見てるのは分かってるんだぞ!?」
店員ビクッ
お客さんビクッ
ATMの点検してる警備員さんビクッ
栞子「恥ずかしいのでやめてください……」
ミア「恥ずかしいのは犯罪を目論んでるお前だぞ、忍者!」
栞子「……」
ランジュ「……」 ミア「この店にはいないみたいだな、次に行こう」
ピロリロリーン
栞子「まさか、これから訪れる全てのお店であれをやるのですか?」
ミア「当たり前だろ!それでなくてどうして忍者が見付かるって言うんだ!」
ランジュ「あんなことされたら余計に出てくるわけないじゃない」
ミア「まったく、忍者ってのはシャイだから困るよ!まさに日本人って感じだね!ね!?ランジュ!」
ランジュ「そ、そうかしら…」
ミア「そうだよ!まっく愛おしいやつだよ忍者ってのはさ!」
栞子「……」
ランジュ「……」 ミア「結局都内のコンビニ全店回って忍者なんていないじゃないか!」
栞子「すると見間違いだったのでしょうか」
ミア「おいおい、頼むよ!しっかりしてくれよ!」
ランジュ「あっ!二人とも!もうすぐお昼休憩終わるわよ!」
ミア「なんだって!?急いで学校に戻らないと授業に遅れてしまうぞ!」ハアッハアッ
栞子「続きはまた放課後にしましょう!」ハアッハアッ
タッタッタッタッ
シュッシュッ
栞子「……?」
ミア「どうしたんだ!?早く帰らないと!」
栞子(やはり見間違いでしょうか、今、横切ったコンビニに忍者がいたような……) 歩夢「侑ちゃーん、今日は居残り補習無かったんだね!」
しずく「ふっふっふっ」
歩夢「侑ちゃんじゃない!?」
しずく「擬態してました、侑先輩に」
歩夢「すごーい!全然見分けつかないよ!特殊メイクとか!?」
しずく「いえ、顔立ちや背丈を調整してるだけです!」
歩夢「だから本人と寸分違わなかったんだ!?」
しずく「そうなんです!」
歩夢「それじゃあ今はしずくちゃん一人?」
??「ふっふっふっ」 歩夢「この声は!」
かすみ「そうです!かすみんです!」
歩夢「えっ!?でもどこにいるの!?」
かすみ「コッペパンの中です!」
歩夢「コッペパンの中!?」
かすみ「……に、スピーカーを内蔵しました」
パカッ
しずく「え?入ってないよ?」
かすみ「でも声は聞こえますよね?」
歩夢「うん、聞こえる、でもどうやって?」
かすみ「りな子が作った超小型スピーカーです」 歩夢「すごーい!」
しずく「あっ、もしかしてこれかな…」パキッ
しずく「わっ、壊しちゃいました」
歩夢「しずくちゃん!指!血が出てる!」
しずく「えっ!?ほんとだ!えっ、でもこれ私の血じゃないですよ?」
歩夢「うそ!?」
しずく「指先も全然痛くありませんし……ティッシュで拭ったら傷も無いですよ」
歩夢「ほんとだ……」 果林「……」
エマ「果林ちゃんっ!」
果林「わわっ!?……もう、エマじゃないの」
エマ「えへへ!また迷子?」
果林「…まあそんなとこ」
エマ「安心してね、果林ちゃん」
果林「?」
エマ「果林ちゃんがどこで迷っていても、必ず私が駆けつけるからね」
果林「……いつも、どうやって私を見付けているの?」
エマ「どうやって、って?」 果林「どこにいたって、絶対に追い付いてくれるじゃない」
エマ「うん、当然だよ」
果林「自分でも、ここがどこなのか分からないのに」
エマ「うん」
果林「それとも、私は迷っているつもりでも、他の人から見たら予想のつきやすいルートを辿っているだけなのかしら?」
エマ「そんなことないんじゃないかな」
果林「だったらどうして」
エマ「……声を聞くの」
果林「声?」
エマ「自然の声…風の声、大地の声、雨の声、お日様の声」
果林「……」
エマ「果林ちゃんの声が届くの、私はここにいるよ、って」
果林「そう…私の声を、聞いてくれているのね……」 愛「ほっ!よっ!やっ!」
せつ菜「すごいです!」
彼方「わ~、これには彼方ちゃんもびっくりだよ~」
愛「こんなの朝飯前ってもんよ!」
せつ菜「次のライブで活かせそうじゃないですか!?」
愛「ライブで?」
彼方「あっ、それいいかも~」
愛「でもこんなの今時誰でも出来るっしょ」
せつ菜「それはそうかもしれませんけど」 愛「せっつー、最近イラストの練習してるでしょ」
せつ菜「なぜそれを!?」
彼方「えっへへ~」
せつ菜「あー!寝てたんじゃないんですか!?」
彼方「薄目を開けてしっかり見てたよ~、せつ菜ちゃんが頑張ってるとこ」
せつ菜「わぁああ!まだ全然上手くなくてですね…!まだ全然なんです全然!」
愛「そんな謙遜しなくてもいいじゃん!」
せつ菜「そ、それもそうですが、でもちょっと気恥ずかしいと言いますか……ああ、はい!もっと、自信持たなきゃダメですね!好きで描いてることですから!」
愛「そうそう!」
せつ菜「ですが、なぜ突然その話を?」 愛「せっつー、デッサン人形の写真を下地にイラスト描いてるじゃん?」
せつ菜「どこまで見てるんですか!?」
彼方「えへへ~」
せつ菜「まだ体のバランスとか取れないんです、もっと上手くなったら0から10まで自力で描いてみたいのですが……」
愛「ううん、愛さん、それで全然良いと思う!」
せつ菜「えっ!?ほんとですか?あの、ネットとかだと、そういうのってズルだとか叩かれがちでして…」
彼方「みんな、描かれてる途中なんて気にしないでしょ、ね?」
愛「描いてる側としては見て欲しいけどさ、やっぱり仕上がったイラストだけが相手に届く価値なところあるじゃん?」
せつ菜「私もそうです、見た目の映えだけでいいねとか押しちゃってます」 愛「今は不馴れな人でもそれなりの出来に到達させてくれる道具が溢れてる時代だからさ」
彼方「今の時代って、ワードが若くない~」
愛「あはは!まあそういうのって使わなきゃ損だし、ガンガン使ってくべきじゃん!?」
せつ菜「そ、そうですよね!ちょっと私自身、ズルしてるかなってところあったんですけど、自信湧いてきました……!」
愛「でもだからさ、ワイヤーアクションとかあんじゃん?」
せつ菜「あ~、なるほど」
彼方「それは確かに」
愛「校舎の屋上からヒーローみたいに飛び降りれてもさ、そりゃせっつーは喜んでくれたけど、それでライブに活かせるかって…別に私だけの技術じゃないんだよね」 栞子「同好会の活動も終わりましたし、また探しに行きましょう」
ミア「忍者を見たのは何時頃だったんだ?」
栞子「あの日も学校が終わってからですから、ちょうど今くらいですね」
ミア「おいおい、昼のはとんだ無駄足じゃないか!同じ時間に探す!これ鉄則だろ!?」
ランジュ「昼に比べて見付かる可能性が高まってるわけね!」
ピロリローン
ミア「と言っても、そんなすぐに見付かるとは思ってないけどね」
栞子「お腹も空きましたし、次のお店に行く途中に食べ歩きでもしますか」
ミア「今日はボクが奢るよ、好きなものを選んでくれ」
ランジュ「太っ腹ね!」
ミア「1人200円までだからな」 シュッシュッ
栞子「!?」
ミア「どうしたんだ!?」
栞子「今、忍者の音が……!」
ミア「なんだって!?」
ランジュ「入り口に向かうわよ!」
ミア「忍者!正体見破ったり!」
侑「ん?忍者?」
ランジュ「侑!?」
ミア「侑が、忍者……?いや、さすがボクが見込んだ相手だ、忍者であっても驚きはない」
侑「いや、忍者とかじゃないから」シュッシュッ 栞子「あっ!その音と動き!」
侑「これ?入り口のアルコールを手に塗り込んでるだけだけど」シュッシュッ
ミア「これが、忍者の正体……?」
ランジュ「あはは!手を擦り合わせる音と動きが手裏剣を投げる素振りに見えたってわけね!」
栞子「そうだったのですね、お恥ずかしい限りです……」
侑「栞子ちゃん、コンビニに忍者が来たと思ってたの?あはは!」
栞子「うぅ、恥ずかしいです……」
ミア「しょうもないけど理由が分かってよかったよ!侑、ボクが奢るから何か好きなもの選びなよ!」
侑「何かよく分かんないけど、ご馳走になっちゃおっかな!」
終わり 都内のコンビニ数調べたけど7000店って思ったより少ないな
この3人なら回れるか >>30
いや、昼休憩の時間だけで周れるわけねえだろw アルコールのアレで忍者ネタが思い付いたのか?
なんか不思議な感じだったわ >>10
都内のコンビニって多分万超えてるぞ
奥多摩駅のセブンも行ったのかな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています