菜々「あなたを生徒会長奉仕役員に任命します」侑「……はい?」
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副会長「生徒会長奉仕役員とは、その名のとおり生徒会長に御奉仕する役職です」
菜々「活動内容に難しいものはありません。生徒会長である私の業務をサポートしていただくのが侑さんの仕事になります」
侑「え、ちょ、ちょっと待って!私に拒否権は無いの!?突然呼ばれて聞いたこともない役職に任命されて、なにがなんだか……!」
菜々「そうですね……これに関する全権限は私にあるので……侑さんが私を説得できれば話は別ですが」 侑「うぅ…………わかった。とりあえず、どうして私を選んだのかを聞かせてほしいな」
菜々「はい。この度侑さんを生徒会長奉仕役員に任命した理由ですが、一つは最近の業務の増加と複雑化により心身の疲労が蓄積していることです」
侑「たしかに、ここ最近毎日生徒会のお仕事してるもんね」
菜々「もう一つは私と侑さんは親密な関係であり、私のことを深く知っている必要があるこの役職において、侑さんが最も適していると判断したからです」
侑「なるほど……うーん、選んでもらえたのは嬉しいけど、上手くやっていける自信は無いし、責任も持てないよ……」
菜々「その点に関しては安心してください。全ての指示は私が出しますし、侑さんは言われたとおりに動くだけで充分です」
副会長「高咲さんが生徒会の運営に直接携わることはありません。会長に御奉仕することのみがあなたの仕事であり役割なのです」
侑「で、でも……」 菜々「侑さん」
侑「はっはいっ」
菜々「侑さんはもう少し自信を持つべきです」
侑「自信……?」
菜々「そうです。千を超えるニジガクの生徒の中からたった一人しか選ばれないんですよ?それも生徒会長が必要とした状況と人材が揃っている時にのみ設置され、生徒会役員全員の賛成が得られてようやく就ける、とても名誉ある役職なんです」
侑「そ、そんなにすごいものだったんだ……」
副会長「まぁ、私は最後まで反対していましたが」
侑「あ、あはは……」 菜々「とにかく、御自身の重要性を理解していただけましたか?」
侑「うん……それでもまだ不安でいっぱいだけど……」
菜々「きっとすぐに慣れますよ。それに侑さんがいることでプラスになることはあっても、マイナスになることはありませんから、気楽にしてください」
侑「ありがとう、菜々ちゃん。……それじゃあ、これからよろしくお願いします」
菜々「こちらこそ、よろしくお願いします」 菜々「それでは早速ですが、本日の業務に移ります」
侑「ええっ!?まだ心の準備が……!」
菜々「侑さんはこちらの、私の隣に座ってください。机の余っているスペースであれば、勉強や課題などのために自由に使っていただいて結構です」
侑「は、はい!わかりました!」
菜々「では、各々取り掛かりましょう」 菜々「…………」カタカタカタカタ
副会長「…………」カタカタカタカタ
侑「…………」カリカリ
菜々「…………」ポンポン トンットンッ
副会長「…………」パチンパチン
侑「…………」カリカリ
侑「(全然集中できない……)」 菜々「ふぅ……」
菜々「侑さん」
侑「は、はい!」
菜々「ナデナデさせてください」
侑「…………はい!」
菜々「…………」カタカタカタ ナデナデナデ
侑「…………」カリカリ
副会長「…………」カリカリカリカリ 菜々「…………」トントントン ナデナデナデ
侑「…………」ウトウト
副会長「…………」サッサッ スッスッ
会計「…………」カタカタカタカタ
書記「…………」カタカタカタカタ
――――――――
――――――
――――
――
菜々「侑さん、起きてください」
侑「はいっ!申し訳ありません!!」ガバッ
菜々「……?別に怒ってなどいませんよ?それより、本日の活動はここまでですので、侑さんは帰ってしまって構いませんよ」
侑「え?……あ、はい!」 菜々「それと、普段通りの話し方で結構ですよ。私まで疲れてしまいますから」
侑「はい!じゃなくて……うん、ごめんね!えっと、それじゃあ、お疲れ様でした……?」
菜々「はい、お疲れ様でした。明日もよろしくお願いしますね」
侑「うん、また明日!」 ギィ…バタン
侑「……はぁ~~」
侑「ただ撫でられてただけだったけど、本当にこれで良かったのかな……?なんにもわかんないや……」
侑「今は考えてもしょうがないか。明日もあるみたいだけど、明日は部活に顔を出せるといいなぁ」
侑「歩夢は……ん、先に帰るって連絡が来てる。勢いで生徒会室を出てきちゃったけど、菜々ちゃんはまだ少し仕事が残ってるみたいだったし、今日は一人で帰るかぁ」 次の日
侑「ふぅ……四時間目終わり!おっひるやすみ~♪今日のお弁当は何かな~~っと♪」
ピンポンパンポーン
『生徒会長奉仕役員の高咲侑さん、生徒会長がお呼びです。至急生徒会室に来てください。繰り返します――――』
侑「エ"ッ」
ザワザワザワザワ…
ホウシヤクイン?
ナニソレヤバクナイ?
アノタカサキサンガ?
侑「いや~ははは、昨日突然任命されちゃって……ちょっと行ってくるね~……」
侑「うぅ……そりゃみんなそういう反応するよね……」 侑「失礼しまーす……」
菜々「待ってましたよ、侑さん」
侑「あの~、菜々ちゃん、ちょっと言いづらいんだけど……放送で呼び出されると、ちょっと恥ずかしいというかなんというか……」
菜々「何を言ってるんですか。全生徒に周知させることも兼ねた効率的な手段だと思うのですが」
侑「そ、そうかもしれないけどさ、周りの子たちも初めて聞いてびっくりしてたみたいだったし」
菜々「では尚更知らしめる必要がありますね。今度の全校集会で就任挨拶をしましょう」
侑「いやいや、そこまでする必要無いんじゃないかな!?さっきの放送でみんなに充分伝わったと思うよ!?」 侑「えっと、そうだ!そういえば今回は何の用事かな?まだお昼ご飯食べてないから、食べてからか食べながらのどっちかだと助かるな」
菜々「ええ。今日は一緒に昼食を食べようと思いまして。ちょうど侑さんもお弁当を持ってきているのですね。物分かりが良くて助かります」
侑「え、ああ、これはたまたまなんだけどね、あはは……」
菜々「どうぞ、こちらに掛けてください」
侑「あ、うん、失礼します……」 菜々「侑さんの昼食は何ですか?」
侑「えっと、今日は……おぉ!サンドイッチ!レア枠なんだよね、これ!あとは、部活の休憩時間に食べようと思って今は持ってきてないけど、歩夢が作りすぎちゃったからって貰ったおにぎりもあるよ」
菜々「な、なるほど……」
侑「……? 菜々ちゃんのお昼ご飯は?」
菜々「私はおにぎりです。学校がある日は大抵おにぎりですね。腹持ちが良いのと、片手で食べられるので作業や勉強をしながら食べてます」
侑「そうなんだ!ちゃんと考えてお昼ご飯を食べてるんだね!さすが生徒会長ってカンジ!」
菜々「そんな……昼食くらい何も考えず落ち着いて食べたい気持ちもありますが」
侑「たまにはそういう日も必要かもね。でも、そうやってちょっとした時間も惜しんで努力してるのも、菜々ちゃんの良いところだよ」
菜々「ありがとうございます。ではそろそろ食べましょうか」
侑「そうだね。いただきまーす」
菜々「いただきます」 菜々「……」モグモグ
侑「んー♪やっぱ空腹は最高のスパイスだねー♪」モグモグ
菜々「侑さん。はい、これ」スッ
侑「一口くれるの?ありがとう!それじゃあ遠慮なく……あむっ!……うん、美味しい!お礼に菜々ちゃんもどうぞ!」スッ
菜々「ありがとうございます。……あむっ……美味しいです」
侑「えへへ。誰かと一緒に食べると、なんでもないいつものご飯も、普段より美味しく感じるよね」
菜々「そうですね。……明日のお昼も来てもらえますか?」
侑「うん!それならシェアしやすいものを持ってくるね!」
菜々「はい。楽しみにしてますね」 侑「ごちそうさま!」
菜々「ご馳走様でした」
侑「それじゃ、わたしは――――」
菜々「あの、侑さんっ」
侑「?」
菜々「えっと……今日の放課後も仕事があるので、忘れずに来てください」
侑「うん、わかった。それじゃ、放課後ね」
菜々「はい。それではまた」
バタン
菜々「……」 放課後
侑「失礼しま~す……」
菜々「侑さん、あなたはもう生徒会役員なんですから、そんなによそよそしく入室しないでください」
侑「あはは、なんかまだ慣れなくて……」
菜々「仕方無いですね……」
侑「ところで、今度は何をするの?」
菜々「私と一緒に校内の見回りをしてもらいます」
侑「見回りかぁ。敷地が広いから、通った道を忘れちゃいそうだよ」
菜々「その心配は要りませんよ。私が全部覚えてますから」
侑「え?分担するんじゃないの?」
菜々「言いましたよね?“一緒に”見回りをしてもらうと」
侑「そうだけど――――」
菜々「ほら、早く行きますよ」
侑「わっ、ちょっと待って~」 侑「…………あの、これは……?」
菜々「しっかりと手を握っておけば、侑さんが迷子になることはないでしょう?」
侑「ここまでする必要は無いんじゃないかな!?」
菜々「侑さんは赤ちゃんみたいなところもありますからね」
侑「ひどくない!?」
ヒソヒソ…
コイビトツナギシテル…!
ドコカデミタコトアルヨウナ…
スクールアイドルノ… 侑「見回りって具体的には何をするの?」
菜々「生徒たちの活動の様子や学内施設の使用状況を見ることで、より良い学園生活を送るための施策を考えるんです」
侑「そっか、ただパトロールしてるだけじゃないんだね」
菜々「パトロールも重要ですけどね。誰かさんのように勝手に音楽室を使用するような人は取り締まらなければいけませんから」
侑「うっ……反省はしてます……」
菜々「ふふっ。次はお仕置きですからね?」ツンツン
侑「あはは……気を付けます……」
イチャイチャシテル…!
オニアイダネェ
チューシロ! 菜々「でも……あのとき侑さんが音楽室に忍び込んでいなかったら今の私たちはなかったと思うと、時々怖くなるんです。……今頃、どんな風に過ごしていたんだろうって」
侑「その気持ち、すっごくわかるよ。私もあのときせつ菜ちゃんのライブを観なかったら……菜々ちゃんに会えなかったら、こんなに楽しい毎日を送れていなかったと思う」
菜々「もしかしたら……私たちのような関係を“運命”と呼ぶのかもしれませんね」
侑「運命、か……えへへ、なんだか、ちょっとくすぐったいね」
トウトイ…
ジョウカサレル…
菜々「侑さん……」ギュッ
侑「菜々ちゃん……」
ステキーダーネー
ユウナナノタマモノダワ 菜々「……ふぅ、こんなところでしょうか」
侑「え?」
菜々「ここでのやるべきことは終えました」
侑「それってどういう……?」
菜々「校内の治安は改善されました。今までは派閥争いが絶えませんでしたが、これでいずれ1つに収束するはずです」
侑「な、何の話……?」
菜々「永遠のナギ節が訪れるのです。そしてユウナナは伝説のCP厨召喚師として歴史に名を刻むことでしょう……」
侑「(また流行りの何かに影響されてるのかな……?)」
菜々「それでは次の場所へ行きましょうか」
侑「う、うん!」
ユウナナキモチヨスギデショ!
コトバヲツツシメヨ…
イマダ!チューヲシテシマエ! 菜々「これで見回りは最後です」
侑「ふぅ。こうやってくまなく歩き回ってみると、改めてニジガクは大きいんだなって実感するよ」
菜々「そうですね。生徒数も多いですし、生徒会の仕事が多い理由も分かってもらえたのではないでしょうか」
侑「うん。菜々ちゃんの頑張りを知ることも、私の仕事のうちだよね。もっと菜々ちゃんを支えてあげられるように、私も頑張るね」
菜々「ありがとうございます。……あの、最後に寄りたい場所があるので、もう少し付き合ってください」
侑「うん、いいよ。そこって――――」 ――――――――
――――――
――――
――
菜々「着きました」
侑「ふふ。なんか、そんな気がしたんだ」
菜々「……」
侑「私たちと言えば、やっぱりここだよね」
菜々「……侑さんのピアノが聴きたくなったので」
侑「ありがとう。リクエストされると嬉しくなっちゃうよ。何が聴きたい?」
菜々「侑さんが弾きたいもの、でお願いします」
侑「承知しました。それなら……やっぱりあれかな」
菜々「隣、座りますね」
侑「どうぞ。じゃあ、始めるね」
菜々「……はい」
~~♪
~~~♪
菜々「…………」
~~~♪
~~♪
~♪ @cメ*◉ _ ◉リ なんでニジガクにゆうせつがあるんだろう
@cメ*◉ _ ◉リ 教えはどうしたの教えは >>35
ゆうせつファンはみんなアニガサキアンチになったんだってね
お前もそうなのか? ――――――――
――――――
――――
――
ギィ…
菜々「戻りました」
侑「ただいまー」
副会長「お二人ともお疲れ様です。今日は随分と時間を掛けて見回りをされたのですね」
菜々「ええ。侑さんへの説明も兼ねていつもより丁寧に回りました」
副会長「そうでしたか。……あの、会長。実は……」
菜々「何かあったのですか?」
副会長「……はい。少し前に、CP研究部の部長が、会長に話があるということで生徒会室に来ました。会長は見回り中で今はいないことを伝えると、一旦帰っていきましたが……」 ⁄/*イ`^ᗜ^リ やましい気持ちはありません!!! 菜々「……それで、用件は?」
副会長「いえ、何も聞いていません。ただ、ものすごい剣幕でやって来たので……」
菜々「……厳しいことを言われる、でしょうね」
副会長「……はい、おそらく」
侑「菜々ちゃん……」
菜々「分かりました。心の準備はできています。彼女はいつ頃来ると?」
副会長「しばらくしたらまた来ると言っていたので、そろそろかと――――」
コンコンコンコンッ!!
副会長「!!」
菜々「侑さんはあちらのソファに座っていてください」
侑「うん。……頑張ってね、菜々ちゃん」
菜々「はい。…………どうぞ、入ってください」 部長「失礼します。生徒会長いますか?」
菜々「はい。先程は不在で申し訳ありませんでした。私に話があると伺っていますが、どういった用件でしょうか?」
部長「いたいた。まったくどこをほっつき歩いてたんだか……。まぁいい。単刀直入に聞くよ。……『yunnしか勝たん』って、どういうこと?」
菜々「どういうこと、と言いますのは?」
部長「さっきさ、ウチの部員から聞いたんだよね。yuとnnが廊下でイチャイチャしてたって」
菜々「それが何か問題でも?」
部長「問題大アリだよ。ウチはあらゆるCPの可能性を追求する部活。なのに公式でyuとnnにそんなことされたら、それ以外の組み合わせはどうなる?捏造だの敗北者だの言われるのは、火を見るより明らかだろ?」
侑「(yuとかnnって何のことだろう?菜々ちゃんの頑張りを知ると言っておきながら、何もわからない自分が情けない……!)」 菜々「私はそれ自体に問題があるとは思いませんよ。彼女たちは自身の大好きを貫いたまでです。CP研究部部長のあなたなら分かるはずですよね?」
部長「言ってくれるじゃん。じゃあこれはどうなの?今日の昼休みに放送で宣伝してたよね?」
菜々「!!」
部長「生徒◯◯奉仕△△のtkskさんってさ。これについても説明してもらえるかな?」
菜々「それは校則にも明記されている、歴とした生徒会役員名です。生徒会役員全員の賛成を得ており、正規の手段で人材を選出しています」
侑「(もしかして、私のことを話してる……?)」
部長「校則だからってなに?違反してなければこんなゴリ押しが許されるって言うのかっ!?」
菜々「…………」
部長「……なんとか言えよ!」バンッ!
侑「ひっ!」 菜々「私は……」
部長「あ?」
菜々「……私は、これが悪いことだなんて思いませんよ」
部長「……ハァ!?」
菜々「ゴリ押しの……ゴリ押しの何が悪いんですか!!」バァン!!
部長「!!!」 ゆうせつ派の俺、この世に未練は無いと思ってたがこのスレで思い留まる 菜々「たしかに私は自分の立場を利用してtkskさんを任命しました。yuとnnが廊下で◯き合っていたことは事実ですし、音楽室で◯寝もしました」
部長「なっ……!そんなこと――――」
菜々「それの何が悪いんですか!!私が座っているこの椅子は、私が努力で勝ち取ったものです!!私の夢を叶えるために、使えるものを使ったっていいじゃないですか!!」
部長「くっ……そうは言ったって、仮にもあんたは生徒会長だろ!?そんな立場のやつがあんなことをしたら、どうなるか分かってやってるのかよ!?」
菜々「それくらい分かってますよ!生徒会長たる者、全生徒がより良い学園生活を送るために身を粉にして働いているんです!私だけじゃない、他の生徒会役員も、奉仕役員だって……!」
侑「菜々ちゃん……」
部長「だったら……!」 菜々「…………聞いてください。あなたはCP論争による揉め事が毎日起きていることはご存知ですよね?」
部長「そりゃあ、まぁ……」
菜々「私は、これを無くしたいんです」
部長「!?……そんなのは無茶だ!分かってるのか!?これは戦争だぞ!雑談でしてはいけない話題は政治と宗教とCP論だって、誰もが義務教育でそう教わっている!」
菜々「分かってます。それでも私は、これ以上誰かが傷付かないように、無益な争いに終止符を打ちたいんです。せめて、虹ヶ咲学園内だけでも……!」
部長「……」
菜々「誰もが自分の大好きを主張できて、他人の大好きを否定しない世界……そんな世界を作ることができれば……!」
部長「会長……」
菜々「それは私自身も例外ではないのです……私は誰の大好きも否定せずに、私の大好きを貫きたいんです……かつて侑さんに取り戻してもらったこの気持ちを……!」
侑「菜々ちゃん……!」 部長「……はぁ。まったく、酔狂な人だな」
菜々「……あなたたちも同じではありませんか?」
部長「ははは、そうかもね。……分かったよ。じゃあ見せてもらおうじゃないか。あんたの理想の世界ってやつをさ」
侑「それって……!」
部長「ああ、私の敗けだ。さっきは熱くなって失礼なことを言って悪かった」
菜々「いえ。むしろ思いの丈を直接言ってもらえて感謝しています。あなたと同じように感じた生徒がいることを再認識することができました。あなたの言葉を忘れませんよ」
部長「そいつはありがたいね。しかし驚いたな、そんなに強い想いを生徒会長サマが持ってただなんて。ウチの部に来る気はないかい?」
菜々「ありがたいお誘いですが、お気持ちだけいただいておきます。私には他にやるべきことがありますので」
部長「そうかい、残念だな。……それじゃ、私は失礼するよ。……あ、そうだ、最後に……」
菜々「?」
部長「全生徒に気持ちをぶつけるのもいいが、あんたの一番近くの人にも正直に伝える必要があるんじゃないか?」
菜々「……!!!」
侑「……?」
部長「それだけ。んじゃ」
バタン 菜々「…………」
侑「菜々ちゃん!」
副会長「会長!」
菜々「お二人とも、見守っていただいてありがとうございます」
侑「菜々ちゃん……!」
菜々「ゆ、侑さん……?」
侑「菜々ちゃん、ごめんね……!!」ダキッ
菜々「うわぁっ!?」
侑「私、菜々ちゃんと部長さんが話してる内容があまり分からなくて……菜々ちゃんの夢も何も知らなくて、これじゃ生徒会長奉仕役員は失格だよ……!」
菜々「い、いえ、それは私の方に非があって……!」
侑「そんなことないよ!……私、もっと頑張るから……!」
菜々「あっ……侑さん……」
副会長「会長。今回のお二人のお話を聞いた上で、1つ提案があります」
菜々「提案、ですか……?」 ――――――
――――
――
ザワザワザワザワ
副会長「えー、本日の全校集会は、次で最後になります。それでは、先日新たに任命されました、生徒会長奉仕役員の就任挨拶をいたします。高咲侑さん、壇上へどうぞ」
侑「はい!……うぅ、緊張するなぁ……」
タカサキサンガンバレー!
カタノチカラヌイテー
侑「あ、あー……えっと、この度、生徒会長奉仕役員に就任いたしました、音楽科2年の高咲侑です」 侑「生徒会長奉仕役員とは、この学園の生徒会長を様々な形でサポートし、生徒会長の業務をより効率化させることで、間接的に全生徒のより良い学園生活を実現していく役目です」
侑「生徒会長の中川菜々ちゃんは、とっても真面目で、努力家で、優しくて、思いやりがあって……常に学園のことを考えている、立派な人です」
侑「そんな生徒会長のことをしっかりサポートできるよう、生徒会長に負けないくらい私も頑張ります。これからどうぞよろしくお願いします!」
ワーワー
パチパチパチパチ
副会長「高咲侑さん、ありがとうございました」
侑「……ふぅ。噛まずに言えて良かった……」 副会長「それでは、生徒会長も登壇してください」
菜々「はい」
タンタンタン
菜々「普通科2年、生徒会長の中川菜々です。まずは、高咲侑さん、就任挨拶お疲れ様でした。」
侑「……」ペコリ 菜々「先程高咲さんから説明があったとおり、生徒会長奉仕役員とは、その名のとおり生徒会長をサポートする役割を担います」
菜々「つまり、私はサポートをしてもらう側です。もともと存在していた制度を活用するとはいえ、本来は一人でも行うことができる仕事をサポートしてもらいながら行うということは、私の力不足に他なりません。」
菜々「しかし、支えてもらってでもなお、この学園で成し遂げたいことがあります」
菜々「それは……この学園から、カップリング論争による争い事を無くすことです」
ザワザワザワザワ
エッ!?ドウイウコト?
ソンナコトガデキルノ?
ミトメラレナイワァ! 菜々「誰と誰の関係性が一番尊いか、ある人には誰が一番相応しいか……はたまた、自分自身は誰と結ばれたいのか……そういった考えは、誰の胸にもあることだと思います」
菜々「時には、各々の譲れない主張によって、誰かが傷付いてしまうこともあるでしょう」
菜々「しかし、誰かを意図的に傷付けたり陥れたりする必要は無いのです!」
菜々「私は、この学園の誰もが、自分の大好きを主張できて、他人の大好きを否定しない……そんな学園を作りたいと考えています」
菜々「そのためには、学園の生徒ひとりひとりが、他者を思いやり、自分自身も大切にすることが必要です」
菜々「みんなの大好きが、自分自身の大好きが尊重される虹ヶ咲学園を作るために、皆さんのご協力をお願いします……!」
パチパチパチパチ…
ワカラナクモナイカナ…
イイコトイウジャン! 侑「良かったね、菜々ちゃん……!」
副会長「会長……!」
菜々「皆さん……!ありがとうございます……!」
菜々「私は、ここにいる侑さんと、あちらの生徒会のメンバーたちと一緒に、これからも精進続けます!これからも、どうぞよろしくお願いします!!」ペコー
侑「よろしくお願いします!」ペコー
副会長「よろしくお願いします」ペコー
ワーワー!
パチパチパチパチ!!
菜々「それでは本日はどうも――――」
副会長「ちょっと待ってください!」
菜々「!?」
侑「??」 副会長「会長……あなたは、自分自身の大好きも尊重されるべきだと、そう仰いましたよね?」
菜々「は、はい……そうですが……?」
副会長「きっとこの学園には、勇気が足りず自分の大好きを主張することができない生徒も少なくないと思います」
菜々「あ、あの……」
副会長「そんなか弱き乙女たちのために!今ここで!会長自らに!大好きを貫く方法を見せていただきたいと思います!!」
菜々「ええぇぇええぇぇえ!?」
侑「うわああああ!頑張れ菜々ちゃん!!」
ウオオオオオオオ!!! 菜々「ちょちょちょ、ちょっと待ってください!!どうしてそうなるんですか!?」
副会長「なーに日和ってるんですか会長!さっきまでの威勢はどうしたんですか!?こんなんじゃ誓いは果たせませんよ!!」
菜々「ぐ、ぐぬぬ……」
侑「大丈夫だよ、菜々ちゃん!ほら、みんな応援してくれてるよ!」
ナーカーガワ!
ナーカーガワ!!
菜々「そういうことでは……ええい!もうどうにでもなれー!」
カイチョー!オンナヲミセルトキダー!
ダイタンナコクハクハオンナノコノトッケン!
菜々「静かにしてください!!分かりましたよ、今からお見せします!!」
ウオオオオオオオオオ!!!
ナカガワーー!! 菜々「ごほん!あー、あー!……えーっと、その……」
菜々「……………」
菜々「侑さん!……高咲侑さん!!」
侑「わ、わたし!?」
ウオオオオオオオオオオオ!!!!
菜々「あ、あの……私、侑さんのことが大好きです……!!!///」
侑「あわわ……///」
ウオオオオオオオオオオオ!!!! ゆうせつ至上主義者だったおれはしおせつに目覚めたことでなんとかアニガサキを肯定しているよ 菜々「あの……私と、付き合ってください!!!」
侑「あ、あ……えっ、と……菜々ちゃんありがとう、こちらこそよろしくお願いします……!!」
ウオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
オメデトーー!!
ユウナナー!
菜々「侑さん……!!ありがとうございます……!!」ダキッ
侑「な、菜々ちゃん……///」ギュッ
菜々「うぅ……ゆ、侑さん……///」 菜々「うぅ~。……みなさん!これで満足ですか!?///」
副会長「まだだ~!チューをしなさいチューを!!」
ソウダソウダーー!!
チューシロ!チューシロ!チューシロ!
菜々「ハァァァ!?そんなこと……!!///」
侑「なんでそうなるの~!?///」
菜々「くっ、こうなったら……!侑さん!生徒会長命令です!奉仕役員として、私にキスをしてください!!」
侑「えええええ!?」
副会長「ズルいぞコノヤロー!!」
ブーブーブー!!
フザケルナーー!! 菜々「ぐぬぬ……だー!もういいですよ!!」
菜々「侑さん!こっち向いてください!」
侑「は、はい!」
菜々「キ、キス……しますよ……!」
侑「う、うん……!」
菜々「準備はいいですか……?」
侑「うん……!」
菜々「目、閉じてください……」
侑「うん……」
菜々「…………」
侑「…………」
チュ…
菜々「…………///」
侑「…………///」
副会長「会長ォォォォ!!!!」
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
キャーキャーキャーキャーキャー!!!
ユウナナサイコーー!!
モットチューシロー!!
コレガダレモガシアワセニナレルセカイ…!! 菜々「うわあああ!!もう耐えられません!!帰ります!!///」ダダダダ
侑「あーー!菜々ちゃん置いていかないでーー!!///」
副会長「会長……!私はお二人を応援し続けます……!!」
部長「ふん。ゆうななも悪くはない、か……」
おしまい @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 他の同好会メンバーは死んだのかな?
@cメ*◉ _ ◉リ 健在だったら認められないよね、こんな世界 もともと生徒会長権限で侑ちゃんを性奴隷にする話だったんだけど、本文書いてくうちに健全になりました
エロを期待した人はごめんね ⁄/*イ`^ᗜ^リ👊私の大好きを貫きますよ!!!!! >>68
それはそれですっごく読みたいがとりあえず今作も面白かったです。ゆうななをありがとう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています