栞子「枕?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
部室
かすみ「ふぃ〜…」バタン
しずく「お疲れ様、かすみさん」
璃奈「お疲れ様」
かすみ「やっほーしず子、りな子」
かすみ「あれ?まだ私達しか来てないの?」
璃奈「うん」
しずく「そうだけど…」
かすみ「?どうしたのしず子?」
しずく「いつもより髪が乱れてない?」
かすみ「ああ、これ」
かすみ「来る途中でお昼寝中の彼方さんと会ってちょっとだけ一緒にお昼寝してきたの」
しずく「それで髪が乱れてるんだね」
璃奈「それは羨ましい」 しずく「ね」
璃奈「彼方さんとお昼寝すると疲れが吹き飛ぶ」
かすみ「確かにね」
かすみ「今とーっても元気だもん、今日のかすみんも超可愛いっ」
しずく「ボサボサの髪で言われても…」
璃奈「説得力がない」
かすみ「ちょっとぉ!」
璃奈「…私もここ最近彼方さんとお昼寝してないからしたくなってきた」
しずく「分かるかも」
璃奈「彼方さんの抱き枕になるやつ、したい」
しずく「彼方さんに包み込まれると安心するんだよね」
璃奈「枕、したいな…」
バタン
栞子「皆さん、こんにちは」
かすみ「あ、やっほ〜。しお子」 しずく「こんにちは」
璃奈「こんにちは、栞子ちゃん」
栞子「あれ、私達だけなんですか?」
しずく「そうみたいです」
栞子「なるほど、珍しいですね」
璃奈「上級生になると色々と忙しいのかな」
かすみ「うーん、どうなんだろ…」
璃奈「皆集まるまでもう少し時間がありそう」
しずく「うーん…さっきかすみさんが枕の話するから、私も枕したくなってきちゃった」
かすみ「えーっ、私のせいなの?」
かすみ「そんなに時間ないし、また今度時間があるときでいいんじゃないの?」
しずく「それは確かにそうだけど」
栞子(…『枕』?)
栞子(枕したくなる、とはどういう事でしょうか…) 璃奈「しずくちゃん、気持ちは分かる」
しずく「でしょ?璃奈さん」
璃奈「分かるけど、そもそも練習が始まるのだから彼方さんを起こさなきゃいけない」
かすみ「まあ、確かに」
璃奈「だから起こしてくる」
しずく「…そんな事言って、本当は璃奈さん。ちょっと彼方さんと寝てくるつもりじゃないの?」
璃奈「…」
璃奈「そんな訳ない」
しずく「その間は何!?」
栞子(…話に入っていけませんね)
栞子(枕する、というのが何か分からないのですが…彼方さんが関わるものみたいです)
栞子(彼方さんの持ってる枕のことを指すのでしたら、枕するって表現はおかしいです)
栞子(『彼方さんと一緒に寝てくるつもりじゃないの?』…)
栞子(枕…寝る…)
栞子(まさか………いや、そんな筈はありません) かすみ「りな子、抜け駆けはナシだよ」
かすみ「いくら気持ちいいからって」
しずく「そうですよ。流石の璃奈さんでも、これを見過ごす訳にはいきません」
璃奈「二人とも信じてくれないなんて、悲しい」
栞子(枕は気持ちいいことのようです)
栞子(枕…寝る…気持ちいいこと…アイドル…)
栞子(………!)
栞子(………こんな事、考えたくないのですが)
栞子(…おそらく皆さんは、枕営業の話をしている!)ピッピーン
栞子(これはいけません。スクールアイドルが枕営業をしているだなんて)
栞子(そしてそんな事が虹ヶ咲で行われていたとは遺憾です)
栞子(ここは、風紀の乱れを正すのも生徒会の義務…)
栞子「いえ、枕はやめましょう」
しずく「え?」 かすみ「さっすがしお子♪」
かすみ「ほらほら、しお子もこう言ってるんだし、しず子もりな子も喧嘩しないで」
しずく「むぅ…」
璃奈「私は最初から裏切るつもりはなかった」
しずく「本当かなぁ」ジーッ
かすみ「まあまあ、また今度ね」
栞子「いえ」
しずく「?」
栞子「私はその『枕』自体を金輪際やめるべきだと思います」
かすみ「へ?」
しずく「!?」
璃奈「………?」 かすみ「ど、どうして!?」
栞子「どうして、と言われましても…そのような事は不健全だからです」
栞子「勿論、同好会には同好会の伝統があるのは分かっています」
栞子「私のような新参者が物申すのはおこがましいのかもしれませんが、それでも私には正しいこととは思えません」
栞子「やめた方がいいと思います」
かすみ「どういうこと!?」
かすみ「不健全って…?むしろ、かすみんは元気になったんだけど」
璃奈「私も別にこれは健全だと思う…。大分珍しいとは思うけど、これも先輩と後輩のコミュニケーションの形だと思うから」
しずく(確かに、後輩が先輩の抱き枕になるなんて珍しいコミュニケーションだなぁ…)
栞子(…珍しい、ということは枕営業を同好会で行っている人は多くはないのでしょうね)
栞子(しかし、少なくとも1年生の中ではそれがコミュニケーションとして認識されている)
栞子(そして、かすみさんの話を聞く分には…この行為を通じて元気になっている、と)
栞子(本来このような行為はリスクの大きいものです。愛すべき人との行為ならともなく、枕営業などという関係に依存してしまってはいけない)
栞子(なんとかしないと…!) 栞子「そもそも、スクールアイドルがそんな事をしていいと思っているのですか?」
かすみ「し、しお子?どうしちゃったの…?」
栞子「ファンに夢を与えるスクールアイドルなんですよ…!そんな事よりもっとやるべき事があるのではないでしょうか」
栞子(憧れだった姉さん、そしてスクールアイドル…)
栞子(ファンのため、なんて言ってますが)
栞子(私自身もスクールアイドルの実情に幻滅したくありません)
璃奈「…」
しずく「それは違うよ、栞子さん」
栞子「…しずくさん」
しずく「確かに、練習に時間を使わずにこういう事してると疑問に思われるかもしれない」
しずく「けど、これこそが私達の個性であり、強みだと思ってるの」
かすみ「しず子…」
しずく「だって、いっぱい寝てる方が彼方さんらしいんじゃないかな」
しずく「ライブでもファンの皆さんとよく寝たりしてるし、この個性が彼方さんのパフォーマンスに繋がってると思うの」
栞子「…そうですか」
栞子(…彼方さんは、ファンの方にも手を出していたのでしょうか…?) 栞子(こんな…こんなのは個性じゃありません。腐敗です)
璃奈「…」
栞子「………いつからこのような事を?」
かすみ「いつって…覚えてないけど、同好会に入って割とすぐだったかなぁ」
しずく「そうそう。エマさんと彼方さんが仲良くて、そこに私達も混ぜてもらって、って感じで」
璃奈「そうだったんだ」
栞子(…エマさんもこれに加担していたのですか)
璃奈「…栞子ちゃん。栞子ちゃんの思い描いてるやり方と、私達のやり方が違うのかもしれない」
璃奈「けど、一旦落ち着いてほしい」
かすみ「そうだよ、しお子…。私、どうしてしお子が反対するのかが分からないよ…」
栞子「…っ、ごめんなさい。冷静になります」
栞子「ごめんなさい、どうしても、どうしても理解ができなくて…」
栞子(憧れの、スクールアイドル…)
璃奈「栞子ちゃん…」 かすみ「じゃあ、逆にさ」
かすみ「しお子もやってみればいいんじゃない?」
栞子「………はい?」
しずく「そうですね、一回彼方さんと一緒に寝てみたらいいじゃないですか」
しずく「きっと病み付きになりますよ♪」
栞子(私が…彼方さんと寝る…?)
栞子「だ、駄目です」
かすみ「えーっ、あんなに気持ちいいのに」
かすみ「しお子は興味無いの?」
栞子(そういうことへの興味…ですか)
栞子(…)
栞子(………彼方さんの、程よい肉付きと穏やかな雰囲気。彼方さんに包まれた時はきっと顔中に良い匂いが広がるのでしょうね)
栞子(柔らかな胸に顔を埋め、彼方さんの甘い声で囁かれたら…)
栞子(いけません、と拒む振りをしても私は抵抗できず彼方さんに紐解かれるのを待つだけ…)
栞子(…)
栞子(………私は何を考えているのでしょうか)
栞子「…興味などありません」
かすみ「む〜っ、本当かなぁ…」 栞子(…別に、そういう事に興味がない訳ではありません………)
栞子(が、それが枕営業を認める理由にはなりません)
栞子「かすみさん、考え直してください」
かすみ「何を!?」
璃奈「…」
璃奈「…しずくちゃん」
しずく「?どうしたの、璃奈さん」
璃奈「…栞子ちゃんは、何か誤解をしている気がする」
しずく「あー…うん。確かに、彼方さんとお昼寝することにあんなに抵抗を示すのはおかしいよね」
璃奈「うん」
しずく「けど、どういう風に誤解を?」
璃奈「それは…分からない。分かるのは、栞子ちゃんにとってはすごく不健全なものに見えてるってことだけ」
しずく(…) しずく「そういえば…」
しずく『一回寝てみるといいじゃないですか♪』
栞子『だ、駄目です』
しずく「確か、『寝る』って言葉に拒否反応を起こしてたような…」
璃奈「確かに」
璃奈(…)
栞子『私はその枕自体を金輪際やめるべきだと思います』
璃奈「…栞子ちゃんは、『枕』をやめるように主張してた」
璃奈「寝る………枕………良くないこと………」
しずく「…!そ、それって…」
璃奈・しずく「…枕営業のこと…!?」 しずく「し、栞子さんはもしかして」
璃奈「私達が彼方さんに枕営業をしていると思っている可能性が」
しずく「そんな訳…」
かすみ「もーっ!しお子の分からず屋!」
栞子「駄目なものは駄目です!もっと自分を大事にするべきです!」
かすみ「別に何も起きないからしお子もやってみなよ!本当は興味あるんでしょ!?」
栞子「そ、そもそも私にはまだそういうのは早いです!」
璃奈「あるね」
しずく「あったね…」
璃奈「…」
璃奈「…とりあえず説明する?」
しずく「うん…」 かすみ「もう意地でも連れてく!」
栞子「あああっ、駄目です!まだ心の準備が───」
璃奈「あの…二人ともちょっといい?」
かすみ・栞子「?」
〜説明中〜
璃奈「───という勘違いが起きてる」
栞子「」
栞子「………………………」プルプルプルプル
しずく「………」
しずく(笑ってしまいそう)
かすみ「…えーと、要約すると」
かすみ「しお子は、かすみん達が彼方先輩に枕営業をしていると勘違いしてたの?」
栞子「……………///」コクッ
しずく「ふふっ、私達そんな事はしないよ」
璃奈「皆が皆、やりたいことを自由に叶えるのがこの同好会」
璃奈「誰かを頼って身を削るなんて、ない」
かすみ「その通り!」 栞子「もう何と言えば良いか…」
栞子「本当に、申し訳ありません………っ///」
かすみ「…っ、ふふっ、………いや、かすみんは全然気にしてないよ…っ」
かすみ「でもしお子、『そもそも私にはまだそういうのは早いです』って………っ」プルプル
しずく「…ぷぷっ……」プルプル
璃奈「しおちゃんボード『あああっ、駄目です!まだ心の準備が───』」
かすみ「ふふふっ!り、りな子〜!」
栞子「うぅ、笑わないでください………///」 かすみ「しお子も何だかんだ興味があるんだーって思って」
栞子「忘れてください」
璃奈「そもそも『枕』って聞いて枕営業を想像するあたり、やっぱり栞子ちゃんはムッツr
栞子「やめてください」
しずく「2人とも、栞子さんが困ってるよ…」
かすみ「…いや〜、でも彼方さんと枕営業かぁ」
璃奈「そう言われると、なんだか意識しちゃう」
しずく「栞子さんじゃないですけど、色々妄想してしまいますね」
栞子「思い出させないでください」
かすみ(しず子もいじってるじゃん)
璃奈「…彼方さんは、抱き付くととても柔らかい」 かすみ「確かに…。あとすっごくいい匂いする」
しずく「そうそう。それに、耳元で『しずくちゃん』って呼ばれた時は脳が幸せになりますね」
栞子「確かに、あの甘い声で囁かれると幸せでしょうね。そして、そうなってしまうともう抵抗なんてできなくて………」
栞子「…」
栞子「…どうしたんですか、皆さん」
かすみ「ぷっ………いや、やっぱりしお子こういう話好きなんだなって」
璃奈「栞子ちゃんの意外な素顔」
しずく「…もっと本当の自分をさらけ出してもいいんですよ?」
栞子「〜〜〜っ!!!///」
栞子「そ、外の風に当たってきます」ガチャ
バタン
かすみ「行っちゃった」
しずく「ちょっとからかい過ぎちゃったね…後で謝ろっか」
璃奈「そうだね」
璃奈「でも早く連れ戻さないと、そろそろ練習が始まっちゃう」
かすみ「先輩達も部室に来る頃だね」 栞子「はあ〜〜〜………」
栞子(部室から逃げ出してすぐの私の目に映ったのは、大きな枕を抱えた、すっかり目の覚めた彼方さんでした)
彼方「………栞子ちゃん」
栞子「彼方さん。お疲れ様です」
栞子(………さっきの会話、もしかして聞かれて…?)
彼方「………」
栞子「………?」
彼方「……………そういうのは、本当に好きな人としかしない方がいいと思うんだ〜…」
彼方「…ね?///」
栞子(…)
栞子(…こ)
栞子(この人が一番純情なのではないでしょうか………) ᶘイ^⇁^ナ川 以上です。ありがとうございました。 >>23
黒髪メガネのチー牛には無理だ!⁄*/イ`^ᗜ^リ
まずは美容室に行こう!⁄*/イ`^ᗜ^リ 彼方ちゃん出番最後だけなのにめちゃくちゃ可愛いな
アニガサキかよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています