彼方「こんにちわ~エマちゃん」エマ「!!!」
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彼方「ん〜?」
エマ「こんにち『は』だよ!彼方ちゃん!」
彼方「こんにち?」
エマ「『は』〜……」
彼方「わ?」
エマ「『は』〜……!」
彼方「こんにちわ?」
エマ「『は』〜!!」
彼方「こんにちわ」
エマ「『は』!!」ドン!! 彼方「ちゃんと言ってるじゃ〜ん」
エマ「言ってない!私には分かるの!!」
彼方「音では言ってるよ〜」
エマ「文字では言ってないの!!」
彼方「え〜?なんのことだかさっぱりわからないよ〜」
エマ「じゃあ『こんにちは』ってもう一回いってみてよ……!」
彼方「よしこ〜い」
エマ「はいせーの!」
彼方「こんにちわ」
エマ「違うッッ!!」 エマ「彼方ちゃん!!!」
彼方「はい」
エマ「『こんにちは』はね!昔の人が話始めに『今日【こんにち】は』って言ってたのが語源なんだよ!!!」(諸説あり)
彼方「はい」
エマ「だから『は』が正解で『わ』になることは決してないの!!」
彼方「はい」
エマ「『今日わ〜』なんて今時小学生の日記帳に出てくるか出てこないかだよ!!私スイス生まれスイス育ちだから知らないけど!!」
彼方「はい」 エマ「彼方ちゃんはもっと母国語を大事にしなきゃダメだよ!」
彼方「え〜?でも言語っていうのは時代の移り変わりと共に常に変化しうるものだよ〜?」
エマ「あってるうちはあってる言葉を使ってしかるべきだよ!」
彼方「彼方ちゃん周囲の変化についていけなくなっちゃうよ〜」
エマ「じゃあもう一回!」
彼方「ばっちこ〜い!」
エマ「エビバディセイッ!!」
彼方「こんにちわ」
エマ「ジャポネーゼ!!!もっと大事にジャポネーゼ!!!」バタ--ン!! 彼方「国際色豊かな川柳だね〜」
エマ「そんなことより彼方ちゃんの日本語だよ!」スクッ
彼方「こんにちわ、こんにちわ、わ、わ……う〜ん、でもこれどうやって変えるの?」
エマ「気合いで変えて見せてよ!!」ダンダン!
彼方「え〜?」
エマ「もう『は』って!この際『は』って言っちゃっていいから!!」
彼方「それをどうやってやるのか……」
エマ「『ハンバーガァァァァ!!』の『は』だよぉぉぉぉ!!もう『こんにちハ』でいいからぁぁぁぁ!!」バンバン!
彼方「ちょ、ちょっと落ち着いて」アセ
エマ「もう続けて『こんにちハンバーガー』でもいいからぁぁぁぁ!!!」ドンドン!
彼方「わかってるから落ち着いて?ね?」アワワワ エマ「じ…じゃあどうぞ」ハア…ハア…
彼方「……こんにちは」
エマ「!」パァァァアアアア!!!
エマ「やったよ彼方ちゃぁぁぁん!!!」ギュウウ!
彼方「む…む…えまぢゃ……くるし……」ムギュギュ
エマ「あ、ごめんね……でも!これで日本語を正しく使えたよ!!」
彼方「ふー……彼方ちゃん的には発音が違うから違和感あったけどねぇ」
エマ「聞こえないし大丈夫だよ!」
彼方「そうだねぇ」 彼方「いやぁエマちゃんの日本語へのこだわりはすごいねぇ。ちょっとびっくりだよ〜」
エマ「ごめんなさい、私スイスで日本語を勉強してた時に、間違えるとハラキリって習ったから、つい熱くなっちゃって……」
彼方(ハラキリ?)
彼方「大丈夫大丈夫。でも次からはもうちょっと落ち着いて話してくれると嬉しいかな〜」
エマ「本当にごめんなさい……あ、喉乾いちゃったよね?お水飲む?」
彼方「お〜じゃあいただこう」
エマ「了解だよー」ゴソゴソ エマ「はい!ミネラルヲーター!」
彼方「ん?なんだって?」
エマ「え?だからミネラルヲーター……」
彼方「ちょっと『ミネラル』抜いてくれない?」
エマ「ヲーター」
彼方「おかしくない?」
エマ「おかしくないよ?」
彼方「いやいや、『ウォ』ーターでしょ?」
エマ「………!」ガ--ン!! 彼方「流石にそれは違和感ありありだよね〜」
エマ「……………も……………ね」
彼方「?」
エマ「彼方ちゃんも『ヲ』をハブるんだね!!」
彼方「」キ-ン
エマ「あいうえお表を全部暗記して!!カタカナまで覚えたのに!!私……日本に来て唯一『ヲ』だけ使ったことがないんだよ!!」
彼方「そ、それは『ウォ』があるから……」
エマ「一文字で済む『ヲ』に取って代わる器じゃないよ『ウォ』は!!」
彼方「……確かに」 彼方「あ、ヲタクとかどう?」
エマ「ヲタク……!」キラキラ
彼方「でも今はオタク表記が主流だからもう使われなくなってきちゃったよね」
エマ「う…うそ……じゃあ『ヲ』ちゃんはどこで活躍すればいいの……?」
彼方「う〜〜〜ん……古典とか?」
エマ「『ヲ』ちゃんは現役なのに……!」ウルウル
彼方「……あ、ヲタ芸とかだったら使うんじゃないかな、もうやる人自体居なさそうだけど」
エマ「…………」
彼方「エマちゃん、残念だけど…『ヲ』はもう……」
エマ「うぅ……じゃあむしろ『ヲタ芸』を『ウォタ芸』に変えるよ!!」バ--ン!!
彼方「な、なんだってぇ〜〜!?そ、それでは扇子から水を出すアレ(水芸)と間違えてしまうではないか〜〜!」ガガ--ン!!
エマ「そして『ヲタク』を『ウォタク』に変える!」
彼方「文字は認識できるけど理解を拒む〜〜!」
エマ「私は本気だよ!今まで『ウォ』だったものを『ヲ』に変えて、『ヲ』だったものを『ウォ』に変えてみせる!!」 彼方「エマちゃん、私たちの属するユニット名は?」
エマ「クヲーツ!」
彼方「エマちゃん、戦争を英語でなんだっけ?」
エマ「ヲー!」
彼方「エマちゃん、ロシアでよく飲まれてる度数の高いお酒ってなんだっけ?」
エマ「ヲッカ!」
彼方「エマちゃん、腕時計のこと英語でなんて言ったっけ?」
エマ「ヲッチ!」
彼方「エマちゃん、韓国の通貨ってなんだっけ?」
エマ「ヲン!」
彼方「エマちゃん、『アルセウス』の悪役って誰だっけ?」
エマ「ヲロ!」 彼方「まずい、『ヲ』がゲシュタルト崩壊してきちゃった……頭が変な感じがする……」
エマ「大丈夫!?はい、ミネラルヲーター!」
彼方「ぐわぁぁぁぁ〜〜〜!!」
エマ「ヲェットティッシュもあるからこれでお顔をヲッシュして!」
彼方「ヲェットティッシュ!?もうなんでもありじゃないかぁ〜〜!」
しずく「あ、あの……おふたりの声が外まで聞こえてくるんですけど……」ガラッ
エマ「ヲーサカシズクちゃん!」
彼方「ぎゃぁぁぁあああ〜〜〜〜!!」
しずく「ど、どういう状況……?」
・
・
・ しずく「なるほど、日本語の不思議ですね……」
彼方「しずくちゃんも演劇の台本で『こんにちわ』って書かれてたことない?」
エマ「『ウォーター』を『ヲーター』とか!」
しずく「いえ、『ヲーター』は論外として、『こんにちわ』も見たことがないですね」
しずく「演劇はやっぱり観客の方々に伝わらなくてはいけませんので、美しい日本語になるように注意を払って脚本を……」ハッ!
その時桜坂に電流走る
しずく(正しく、そして分かり易く脚本、セリフを作ることは演劇をする上で最も重要な要素の一つ)
アレ…………シズ………
しずく(でも、あえてSNS上などで使われている、所謂『美しくない日本語』を取り入れることで演技のリアリティが増すのでは?)
オ-……エテ………
しずく(そういったことに詳しいキャラクターのセリフにはスラングを取り入れたりするけど、興味のない情報も勝手に得られるこの時代に一般の方が全く崩し言葉に触れないなんて無理がある)
………ハロ…………スカ……
しずく(もちろんスラングや崩し言葉に触れたことのない方には伝わりにくくなってしまうという、演劇であってはならない欠点も存在する……)
………ネェ……キイテ…………
しずく(しかし事実それらを使う人はいるわけで、適度に入れることにより、そのキャラクターが現実にいるかのような親近感を持たせられる効果が……)
エマ「しずくちゃぁぁぁーーーん!!!」
彼方「私たちの言葉をお聞きになられていますかーー!!?」
しずく「わあ!?」ビクゥ! エマは他人の言葉使いに難癖付けるまえに
自分の言葉使いを直せ 彼方「おや、気付いた?いきなり考え込み出しちゃったからびっくりしたよ〜」
しずく「す、すみません。全く聞こえてませんでした……」
エマ「……………」プルプル
彼方「あ〜、ほらエマちゃん怒っちゃってるよ〜?しずくちゃんがお話聞いてくれないから〜」
しずく「え、エマさんが怒ってる?(ちょっと見てみたい……)」
エマ「…………ダ………」プルプル
しずく(なんだろう……シンプルに『ダメだよ無視しちゃ!』とか?)
彼方(『ダブルサンデー食べたい!』かなぁ)ショクシタイデスナァ
エマ「二重敬語【ダブルオナリフィクス】……!」キラキラ
しずく「え?」
彼方「そっちだったか〜」オシイ… エマ「言葉の中に美しさを感じたよ彼方ちゃん……!」
彼方「ん〜?まあ日本人としてね、目上の人と話す時の必須スキルだからね〜」フフ-ン
しずく「またそんな適当な……」
エマ「ということはつまり!」クルッ!
彼方「つまり!」クルッ
しずく「な、なんですか?」
エマ「しずくちゃん陛下だ!」
彼方「しずくちゃん陛下のおなーりぃー」
エマ「ハハー!」ドゲザ
しずく「ちょ、顔を上げてください///こんなところ誰かに見られたら恥ずかしいですよ///」
彼方「でもA・ZU・NAランド皇帝のしずくちゃん陛下を相手に頭が高いなど不敬であるゆえ〜」ドゲザ
エマ「イカンでござりまするゆえー!」ドゲザ
しずく「むむむ……///」 しずく「コホン、苦しゅうない、面をあげい!」
「「ハハー!」」
しずく「もそっと近こうよれい!苦しゅうないぞ!」
彼方「しずくちゃん陛下〜!」
エマ「ブレイコウー!」
しずく「ハッハッハッハ!宴じゃ宴じゃあ!」
エマ「じゃあ宴の友に……はい!メレンゲクッキー!」
しずく「あ、ありがとうございます!」
彼方「ミネラルウォーターで乾杯だ〜」
エマ「陛下!おつぎいたします!」
しずく「ハッハッハッ!愉快じゃのう!」
しずく(あれ?そういえば何をしに部室に来たんだっけ……?)
演劇部部長「しずく?」
しずく「ひゃあああ///!!ぶ、部長!?」ビクゥ 部長「忘れ物したからって練習を抜けたのに、こっちの部室で何やってるのかな?」
エマ「こんにちは!」
彼方「こん……どうも〜」
部長「こんにちは。あれ、しずくからは部活はないって聞いてたんだけど……」
彼方「彼方ちゃんはただ部室に居るだけ〜」
エマ「上に同じー」
部長「そうなんだ。じゃあしずく連れて行っちゃっていいかな?」
エマ「あぁ、しずくちゃん陛下が連れ去られて行くー!」
彼方「おいたわしや、しずくちゃん陛下……」
しずく「もう///ふたりともやめてください///!早く行きましょう部長!」グイッ
部長「忘れ物は?」
しずく「あ!す、少し待っててください!」
・
・
・ ────
──
しずく「全くもう、あのふたりは……///」スタスタ
部長「しずく」
しずく「は、はい!なんでしょう」
部長「ん〜、しずくがあんなにはしゃいでるの初めて見たな〜って思って」ニコッ
しずく「なっ///」ドキリ
しずく「なんですか部長までいきなり……///」
部長「フフッ」
しずく「私はあのふたりが陛下だなんて言い出すから、乗っかって演技をしていただけです!」
部長「……でもあれって、陛下ってより悪代官じゃなかった?」
しずく「うっ……見てたんですか」
部長「まあ嫌でも目に入っちゃうよね」クスッ
しずく「そ、そうなんですか//」
部長「…………」 部長「次やる劇は時代劇ものやろっか。もちろんしずくはさっきみたいな悪代官役で、ね?」
しずく「なんでですか!?」
部長「嫌なの?あんなに楽しそうだったから、二つ返事でやってくれると思ってたよ」クスクス
しずく「あんな演技なんて言えないものを劇で披露するなんて……」
部長「じゃあどうすればしずくはやってくれるの?悪代官の役」
しずく「……なんでそんなに拘るんですか?今日の部長は少しおかしいです」
部長「……なんでだと思う?」
しずく「知りません」プイッ
部長「あのふたりにだけ見せて私は知らない、そんな桜坂しずくがいるのが嫌だから」ボソッ
しずく「〜〜〜〜ッッ!!!」カアアアッ
部長「どう?やる気になってくれた?」ニコニコ
しずく「…………///」
・
・
・ ────
──
エマ「かーなーたちゃん?」
彼方「なーんーだね?」
エマ「私たち最初なんのお話してたっけ?」
彼方「なんだっけ?」
エマ「んー?……まあいっか」
彼方「まあいいよねぇ」
エマ「今何時だろ……わ、いつの間にかもう夕方!」
彼方「あれ、もうそんな時間か〜。じゃあそろそろ帰らなきゃだね〜」
エマ「そうだねー……あ、彼方ちゃん!アレ見て!月だよ!月が見えるよ!」
彼方「春の夕月かぁ。秋じゃなくても見えるものなんだねぇ」
エマ「綺麗だねぇ……」 このエマちゃんら抜き言葉にもキレそう。それはそうとしてとても可愛い。 エマ「…………」
彼方「…………」
エマ「ねぇ彼方ちゃん……」
彼方「……なあに?」
エマ「月が綺麗ですね」ニコッ
彼方「死んでもいいわ」
エマ「え!?死んじゃダメだよ彼方ちゃん!」
彼方「あれ?違った?」
エマ「……死んでもいいなんて、そんなに私の告白嫌だった?」グスン
彼方「あ〜……『死んでもいいわ』はね、『月が綺麗ですね』の返答として有名な言葉なんだよ〜」
エマ「あ、そうなんだ……よかったぁ。嫌すぎて死にたくなっちゃったのかと思ったよー」ホッ 彼方「でも結構有名なのに知らないなんて、さっきは日本語について色々言ってたのに意外だなぁ」ニヤッ
エマ「うぅ、お恥ずかしい……雰囲気も台無しだし……」
彼方「ふふっ、エマちゃん外国人だし仕方ないよ〜。これからもっと日本語勉強していこう?」
エマ「彼方ちゃん……うん!私もっと頑張るよ!」
彼方「目指せ東大〜!」ビシッ!
エマ「おー!」
彼方「満点取るぞ〜!」
エマ「待ってろキャンパスライフゥー!!」グッ!
彼方「……ふ、ふふふ」
エマ「ふふふ、あはははは!!」
あはははははは!! エマ「あははは……ふう……ねぇ彼方ちゃん」
彼方「あはは……なあに?」
エマ「えっと、それでお返事は……」オズオズ
彼方「え?う〜ん、彼方ちゃん的にはもう答えたんだけど……」
エマ「私わからないもん」
彼方「……じゃあ彼方ちゃんが帰ったらお電話かけるから、そこでお返事するね〜」
エマ「今じゃダメなの?」
彼方「うん」
エマ「……なんで?」
彼方「……今は顔が赤くなってる理由がわからないから……」
エマ「え……」
彼方「なんちゃって〜」ニコッ
彼方「あ、彼方ちゃんが電話するまで『死んでもいいわ』って検索しちゃダメだからね〜!」
エマ「う、うん。……バイバイ」
彼方「うん。バイバイ」
・
・
・ ────
──
エマ「………」ソワソワ ドキドキ
エマ「………」ウロウロ ハラハラ
プルルルルル!
エマ「!!」ビクッ!
エマ「」チラッ
【彼方ちゃん】
エマ「!!!!」アワワワ…!!
エマ「スゥ-…ハァ-…」ドキドキ
エマ「………!」ピッ! エマ「こ……こんばんは!!彼方ちゃん!!」
彼方「こんばんわ〜エマちゃん」
エマ「!!!」
おわり セブンイレブンの店内放送でボーノボーノうるさいからCVをちゅんるんに変えろ😠! 実際こんにち『は』のほうが正しいとされてるんだっけ? 最高でした
結局「こんにちわ」に戻っちゃうオチでクスッときてしまった てんふぇす時代を思わせるギャグSSかと思わせてのかなエマハッピーエンド…かと思ったらオチも完璧だった😊
部しずだけ蛇足だった😠😠😠😠😠 ふーん…可愛いじゃん
死んでもいいわって返し初めてしった…… オチがいいし
かなエマのやり取りもかわいかったわ乙 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています