エマ「こっちにおいで、せつ菜ちゃん」
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せつ菜「……おや、エマさん?」
エマ「あれ、せつ菜ちゃん?」
せつ菜「今日の練習は午前中で切り上げにしましたし、部室には誰もいないと思っていたのですが」
エマ「それは私もそう思ってたよー、実は部室の整理と掃除をもうちょっとしておきたいなって」 せつ菜「私もそうなんです、私たちはソロアイドルとして活動していく、そう決めたら同好会のためになんだってやりたい!と落ち着かなくなってしまって」
エマ「燃えてるねぇせつ菜ちゃん、っと早速持っているダンボールが気になるよ?」
せつ菜「他の同好会から、余っている備品を譲ってもらいかき集めていたんです、よいしょっと」
エマ「うわぁ、本当に色々……ティーセットにパソコンの備品まで、短期間でどうやって?」
せつ菜「生徒会長たるもの、校内の同好会の備品使用状況は把握しているものです!」 エマ「……これでよしっと、だいぶ片付いた気がするよ!」
せつ菜「エマさんのお掃除スキルは普段から相当に手慣れているレベルですね……私がパソコンの配線をしている間にほとんど一人で済ませてしまうなんて」
エマ「ありがとうせつ菜ちゃん、私はパソコン得意じゃないからこれで良かったと思う!こういうのを……ええと」
せつ菜「適材適所、ですかね!」 エマ「そうそう、それが言いたかったの!ことわざももっと勉強しなきゃ!」
せつ菜(……外国語で日常会話が違和感なく出来ている時点で凄い事だとおもいますが……)
エマ「そうだ!帰る前に少し休憩していかない?さっきティーセット、ちょっと使ってみたいの」
せつ菜「ええ、良いですね!」 ………………
エマ「……それでね、次の号が藤黄学院のスクールアイドルが特集されるんだって!忘れずに買わないと!」
せつ菜「藤黄は虹ヶ咲とも結構近いのもありますし、ちょっと気になりますね……この前スクールアイドルショップに行きましたが、グッズもたくさん置いてありましたよ!」
せつ菜「私たちもいつかはグッズを並べられるようになりたいですね」
エマ「そうだね!まだ同好会は再出発したばかりだけど、ゆっくり叶えていけたらいいねぇ」
せつ菜「……っ、そう、ですね」
エマ「?、どうしたの?」 せつ菜「いえ……これからはソロ活動をしていくとなると、誰が最初にお店に並ぶか競争、なんてしてみてもいいかもしれませんね!」
エマ「面白そうかも!それにしてもグッズを集める側から、出す方を目指すなんて、スイスにいた頃は想像もしてなかったなぁ」
せつ菜「エマさん……」
エマ「グッズの話もそうだけど、こうしてせつ菜ちゃんとスクールアイドル好き同士として、色んなお話が出来るのも楽しいの!」
せつ菜「ええ、こうしてお話ししていても、エマさんがスクールアイドルが大好きだってよく伝わってきます……でも私は……」 せつ菜「エマさん」
エマ「なぁに?せつ菜ちゃん」
せつ菜「エマさんは、私の事を恨んだりはしていないんですか」 エマ「せつ菜ちゃん?」
せつ菜「……今でこそ同好会は再出発出来ましたが、私は、エマさんから居場所と時間を奪ったんです」
せつ菜「スクールアイドル同好会を、衝突を作る『優木せつ菜』がいない形へリセットする。私はその目的のために動いていました」
せつ菜「ですが皆さんからすればあの時、同好会が急になくなって空白が生まれただけ。その事に私は心に余裕が持てず、気が付けなかった」
せつ菜「恨まれて、当然のはずなんです」
エマ「せつ菜ちゃん」 せつ菜「エマさんはそれこそ、スクールアイドルをやりたくてこの虹ヶ咲へやって来たんですよね?海外へ単身でやってきて、それも三年生という時間が限られた中で」
せつ菜「同好会が新しくスタートを切って、やっと気持ちを自分の外に向けられた時に、皆さんのことに思い至って……怖くなる事があるんです」
せつ菜「こんなこと言っても、慰めてくれてしまうって分かるんです。皆さん、優しいですから。でも、どうしても思い返して苦しくなってしまって……」
エマ「せつ菜ちゃん、聞いて?」
せつ菜「私はやっぱり同好会には」
エマ「聞いて」 せつ菜「……はい」
エマ「私はね、せつ菜ちゃんのそばでスクールアイドルをやりたいの」
エマ「それに、同好会が一度休止になった事をせつ菜ちゃん一人のせいになんてさせない。それはみんなもそう思ってる」
せつ菜「ですが!」
エマ「……彼方ちゃんがね、お姉さんなのにみんなを引っ張ってあげられなかったって、そう言ってたの。それは私もおんなじ気持ち」 エマ「侑ちゃんがあの日、せつ菜ちゃんを呼び出す前にね、私も含めてみんな口を揃えて言ったよ?せつ菜ちゃんがいないのは嫌だって」
エマ「せつ菜ちゃんが同好会を一度リセットしようとたのも、せつ菜ちゃんなりに私たちの事を考えたからでしょ?相談はもちろんして欲しかったけど」
せつ菜「……皆さんは、やっぱり優しすぎます」
エマ「それはせつ菜ちゃんもだよ。私たちみんなの少しずつの責任を、一人だけ悪者になって背負うつもりでいたなんて」 エマ「これからは、せつ菜ちゃんだけが背負っちゃだめ。私たちはソロ活動のスクールアイドルだけど、一つの同好会」
エマ「お互いに違う方向を向いているからこそ、違う意見や違う方法で力になれる事もあると思うの……だから、こっちにおいで、せつ菜ちゃん」
せつ菜「エマさん……?」
エマ「ほらほら……えいっ」
せつ菜「わっ……エマさん?」 エマ「辛い事があった時は、こうやって抱きしめて貰うのが一番だよ。これが今、私がせつ菜ちゃんにしてあげられる事」
せつ菜「……」
エマ「……私がスクールアイドルになりたいって思って虹ヶ咲まで来た理由は、前にも話した事があるかもしれないけど、小さい時にスクールアイドルの動画を見て憧れたから」
エマ「歩夢ちゃんや侑ちゃんが、せつ菜ちゃんのライブを見てここにやって来てくれたようにね。私が憧れたスクールアイドルって、せつ菜ちゃんみたいに人の心を動かせる姿だとも思うの」 エマ「これが最初に言った、私がせつ菜ちゃんのそばでスクールアイドルをしたい理由」
エマ「私のわがままもあるけど、出来れば明日からはいつもの元気いっぱいのせつ菜ちゃんでいて欲しいな……だからね?」
エマ「今日で、せつ菜ちゃんの苦しかった事、全部流し切っちゃおう?」
せつ菜「……っ!、エマさんっ……ごめんなさい……ごめんなさいっ……」
エマ「……よしよし、大丈夫だよ……」 せつ菜「……エマさん、もう、私は平気です」
エマ「……そう?私はもうちょっとこうしてたいなぁ。せつ菜ちゃんポカポカして暖かいし」
せつ菜「そんなに、ですか?特別体温が高い訳ではないと思いますが」
エマ「あんなに熱いパフォーマンスが出来るせつ菜ちゃんだから、きっとエネルギーがたくさん詰まってるんだよ」 せつ菜「もし私がポカポカしてるのだとしたら、今は間違いなくエマさんのお陰ですよ……エマさんから、ポカポカを分けて貰ったんです」
エマ「ほんとに?せつ菜ちゃんからそう言って貰えるのが一番嬉しいなぁ」
エマ「……せつ菜ちゃんだけじゃなくて、これから先、もっとたくさんの人をポカポカにしてあげられるようになれるかな?」 せつ菜「エマさんならきっと出来ますよ……今、ふと思ったのですが、私もエマさんもある意味似たものスクールアイドルかもしれません」
せつ菜「見ている人の心に火を灯したい、そんなスクールアイドル。火の強さが違うだけで」
エマ「火を灯す、かぁ。せつ菜ちゃんが炎そのものだとしたら私は……そうだなぁ、暖炉の焚き火、かな?」
せつ菜「ふふっ、ぴったりだと思います!」 せつ菜「……ところでエマさん、そろそろ、いい加減かなりの時間こう……ぎゅっとしている気がするのですが……」
エマ「うーん、もうちょっとだけこのまま……」
せつ菜「私って、そんなに抱き心地がいいですか?」
エマ「と言うよりもなんというか、私が明日からはいつもの元気なせつ菜ちゃんでいて欲しい、って言ったけど」 エマ「……甘えん坊みたいなせつ菜ちゃんを、今日は出来るだけ独占したいなぁ、なーんて……」
せつ菜「……/////!?」
エマ「あ、またちょっとポカポカしたね?」
せつ菜「も、もももう何言ってるんですか!?」 エマ「あっ……せつ菜ちゃあん……」
せつ菜「そんな寂しそうな顔したってもう戻りませんよ!?……エマさんがそんな風にからかってくるなんて思いませんでした」
エマ「そうかな?普段あんなにカッコいいせつ菜ちゃんだからか、なおさら可愛くって」
せつ菜「またそんな事を、なんだか別人の影が見えたような気すらしますよ……」 せつ菜「……エマさんが言ってくれれば、私はいつ抱きしめられたって良いです」
エマ「?、よく聞こえなかったからもう一回言って?」
せつ菜「なんでもないです!……気を取り直して……すーっ、はーっ……よし!」
エマ「?」
せつ菜「エマさん!!再出発した同好会、これから一緒に盛り上げて行きましょう!!!」
エマ「!……おーっ!!」 がさらじ公録でちゅんるんがともりると写真撮りたいみたいなこと送ってたの思い出した。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています