私、優木せつ菜は、吸血鬼である。

吸血鬼と言っても、ちょっと力が強いのと、傷の治りが速いくらいで、これといって特殊な能力はない。

身体を蝙蝠に変化させたり、空を飛んだり、魔法でも使えたりすれば、アニメやラノベのキャラみたいでかっこいいのだけれど。

自分が吸血鬼ってわかったのは、ちょうど三か月前くらい。同好会の練習中、外でランニングをしている時のことだった。

歩夢「いったた……」

かすみ「わっ! 歩夢先輩!? 大丈夫ですか!?」

歩夢「転んじゃったみたい……」

愛「うわー、結構すりむいちゃってるね。誰か絆創膏持ってない?」

彼方「彼方ちゃん持ってるよ〜」

愛「カナちゃんナイス! じゃあどっかで洗おっか」