栞子「しずくさんに仕返しをします」しずく(ふ〜ん……)
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
〜練習中〜
歩夢「ワン、ツー、スリー、フォー!ワン、ツー、スリー、フォー!うん、栞子ちゃんいい感じだよ!」
栞子「はいっ!!はぁ、はぁ……」
かすみ「ぐぇぇ〜、かすみんもうギブですぅ〜……ばたり」
せつ菜「そうですね。ではここら辺で少し休憩にしましょうか」
かすみ「はーい!」
ザワザワ
栞子「ふぅ……」
しずく「はい、栞子さん。ちゃんとお水も飲まなきゃだめだよ?」
栞子「あ、ありがとうござ……」
ピタッ!
栞子(……)
しずく「……?どうかしたの?」 栞子「いえ、この前の練習の時を少し思い出しまして」
しずく「この前の練習??」
栞子「はい、確か……」
しずく『栞子さん、お疲れさま。はい、お水どうぞ』
栞子『ありがとうございます』
栞子(ふぅ、しずくさんは気が利くなぁ……)
パキッ!
栞子『んくっ……ぶぶーっ!!』
栞子『ってしずくさん!!?これ、水じゃなくてスポーツドリンクですけど!!?』
しずく『ふふっ♪』
栞子『ふぇっ!?』
しずく『ドッキリ、大成功〜!』
栞子『えええええ〜っ!!?』
栞子「……って言うことがありましたよね」
しずく「うん」 栞子「いや『うん』で済まされることではないのですが」
しずく「ふふっ、懐かしいなぁ〜」
栞子「懐かしいと言ってもつい先週のことですけどね。いえ、問題の本質はそこではなく……」
しずく「?」
栞子「……今回のコレは、ちゃんとミネラルウォーターですよね?」
しずく「うん」
栞子「『うん』と言われても素直に信じられないのですが」
しずく「もーっ、栞子さんひどい。私、嘘つかない優等生だよ?」
栞子「優等生であることは否定しませんが、嘘をつくかは別問題だと思います」
しずく「むぅ……」 栞子「……で、今回のコレは本当に水ですか?」
しずく「だからそうだって言ってるもん」
栞子「……」
栞子(確かに、色は透明で水っぽい……)
栞子(……それに、少しずつ飲めば大丈夫ですよね)
栞子「では、いただきます」
しずく「はい、召し上がれ♪」
パキッ!
栞子「んくっ、んくっ……」
栞子(ほっ、良かった。今回はちゃんと水みたいです。これでいきなりびっくりさせられることも
しずく「あ、でもさっき私が口つけちゃったから私の唾液は混入しちゃってるかも」
栞子「ぶぶーっ!!!」 栞子「ななななな……!!?////」
しずく「どう、美味しい?私の唾液」
栞子「『美味しい?』ではありませんよっ!!一度空けたペットボトルを他人に渡さないで下さいっ!!まぎらわしいです!!////」
しずく「いいじゃん別に。間接キスも出来たんだし」
栞子「良くないです!!////感染症のリスクだってありますし!!
かすみ「あれ?どしたのしお子、急に騒いで」
しずく「あ、えっとね。栞子さんが私の唾液を飲んじゃったみたいで」
かすみ「は?」
栞子「はぁぁぁ!!!?//////」
かすみ「そうなの?」
栞子「飲んでませんっ!!///ちょっと口に入っただけですからっ!!!////」
かすみ「口にって……もしかしてディープキス??練習中に???」
璃奈「うわっ。栞子ちゃんってそういうことする人だったんだ。璃奈ちゃんボード『ドン引き……』」
栞子「違いますっ!!変な妄想をしないでください!!!//////」
栞子(〜〜〜っっっ!!!////)
しずく「♪」 * * *
〜練習後〜
栞子「はぁ……」
栞子(今日の練習も、いつもより一段と疲れました……)
栞子(その原因も、どれもこれも全て……)
しずく『どう、美味しい?私の唾液』
しずく『ふふっ。私の唾液を飲んで興奮しちゃうなんて、栞子さんも案外エッチなんだね♪』
栞子「……」
栞子(絶対に、絶対にしずくさんのせいです。うぅぅ……)ズーン 栞子「はぁ……」
しずく「どうしたの?栞子さん」
栞子「……しずくさん」
しずく「なあに?」
栞子「……」
栞子(『私を使って遊ぼうとするのを止めて下さい』って素直に言っても、どうせ聞いてはくれないのですよね……)
しずく「?」
栞子「……どうしてしずくさんはいつも私に構うのですか?」
しずく「えっ?どうしてって?」
栞子「いつもいつも私にちょっかいかけてくるではないですか」
しずく「う〜ん、どうして栞子さんにちょっかいをかけるのか、かぁ〜」
栞子「……」
しずく「ん〜……面白いから?」
栞子「えっ?」 しずく「だって栞子さんって、どんな反応するかわかんないから面白いんだもん」
栞子「どんな反応をするのか、わからない……」
しずく「うん。それに反応がいちいち大袈裟だからすっごく可愛いよ」
栞子(なるほど……)
栞子「……」
しずく「?」
栞子「……わかりました。ではしずくさん。私と一つ、勝負をしませんか?」
しずく「勝負?」 栞子「はい。『負けた方が勝った方の言うことを一つだけ聞く』という条件付きで」
しずく「……いいの?」
栞子「はい」
しずく「言うことを聞くって言うのは、何でも一つお願いをできるってことだよね?」
栞子「ええ。あ、でも『追加で100個のお願いを聞いて下さい』などという卑怯な手段は無しですからね」
しずく「さすがにそんなことは言わないよ〜」
しずく(言うことを聞く、かぁ……)
栞子「……」
しずく「……うん、いいよ」
栞子「本当ですか?やっぱりなし、とかは無しですからね」
しずく「はーい」
栞子「……♪」
栞子(ふふっ、罠にかかりましたね。しずくさん) しずく「それで、勝負の内容は?」
栞子「そうですね……驚いたら負け、というのはどうでしょう?」
しずく「驚いたら?」
栞子「はい。『びっくりした』と言ったり、驚いたような仕草をしたら負けです。単純でわかりやすいと思いませんか?」
しずく「なるほど……」
栞子「あと、私が一方的にゲームの内容を決めるハンデとして、先攻をしずくさんにあげますよ」
しずく「いいの?私、このゲーム結構自信あるんだけど」
栞子「そうなのですか?」
しずく「だって演劇部だよ?感情を表に出さないのにはお芝居で慣れてるもん。ほんとにこの内容で大丈夫?」
栞子「はい、全く問題ないです」
しずく「ふーん……」
栞子「……」 しずく「わかった。じゃあ私から先攻でいいんだよね、栞子さん」
栞子「はい。いつでもかかってきてもらって大丈夫ですよ」
しずく「じゃあ行くね。えっと……」
栞子「……」
しずく「ん〜、栞子さんを驚かせる方法かぁ、ん〜っと…………わっ!」
栞子「!」
しずく「どう?びっくりした?」
栞子「いえ、全く」
しずく「そっか、ダメかぁ……」シュン
栞子「……」
栞子(……そう、このゲームには必勝法があります) 栞子(それは『いつ驚かされるかがわかっていれば、驚くことはない』ということ)
栞子(いくら他人にからかわれやすい私でも、いつからかわれるのかがわかってしまえば引っかかることはない、ということです)
栞子(そして、一度このゲームを始めてしまえば、私の心は緊張状態から解かれることはない……つまり)
栞子(そうです。私は今後二度と、しずくさんに驚かされることはない、ということです)
しずく「栞子さん、栞子さん」チョンチョン
栞子「はい」
しずく「こっち向いてよ」
栞子「……嫌です」
しずく「えっ?」
栞子「振り向いた時に指で私の頬を触り『引っかかった〜!』ってやるつもりでしょう?バレバレですよ」
しずく「あっ……」
栞子「そんな単純な手には引っかかりませんよ、しずくさん」
しずく「うっ、うぅぅ………」 しずく「うぅぅ………」
栞子「……」
しずく「あーあ……じゃあ私はこのゲームには勝てないかもなぁ」
栞子「えっ?」
しずく「だって栞子さんをびっくりさせる方法なんて、全然思いつかないんだもん」
栞子「は、はぁ……」
栞子(……おかしい。しずくさんの猛攻は、この程度で終わるはずがありません)
栞子(練習中も隙があれば私をからかおうとしてくるしずくさんのことです。終わった、と見せかけて、次の大きな作戦があるはずで
しずく「どうしたの?考え事?」
栞子「えっ?あ、いや、しずくさんにしてはやけにあっさりと負けを認めるなぁと、少しびっくりしただけで
しずく「はい」
栞子「え?」
しずく「栞子さんが『びっくりした』って言ったから私の勝ちだよ」
栞子「……あっ」 しずく「えへへ、こんな簡単に行くなんて思ってなかったな〜♪」
栞子「なっ……////」
しずく「でも勝ちは勝ちだよね、栞子さん?」
栞子「うっ……ひ、卑怯ですよ!!しずくさん!!////」
しずく「何が?」
栞子「絡め手を使ってくるなんて!!いつものように純粋にからかおうとしてくると思ってたのにっ!!/////」
しずく「でも心構えをしてたのに引っかかっちゃうのは栞子さん側の問題なんじゃない?」
栞子「えぇっ!!?////」
しずく「違う?」
栞子「いやっ、違わ、ないですが……////」
しずく「そっか。じゃあ私の勝ちってことでいい?」
栞子「は、はい。うぅぅぅ………////」
しずく「えへへ、ありがとっ。それじゃあ〜、栞子さんにはどんなお願いを聞いてもらおっかなぁ〜」
栞子「〜〜っっっ!!!//////」
………
……
… 〜次の日〜
≪放送室≫
栞子「すぅ、はぁ〜……よし」
ポチッ!
【放送中】
栞子「虹ヶ咲学園のみさなん、おはようございます。生徒会長の三船栞子です」
栞子「○月×日△曜日、今日も清々しい朝になりました。みなさまの今日が良い日であるよう、生徒会一同、心より応援しています」
栞子「さて、本日の話題は……もうすぐ予定されている、虹ヶ咲学園の、しょちゅぎょ、そつ、そつぎょ……」
しずく「ふふっ♪」
栞子「なっ……////」
しずく「えへへ。大事なところで噛んじゃったね。栞子さん」
栞子「っ……///こ、こほん。卒業証書授与式、についてですが………って」
栞子「なんでしずくさんが放送室にいるのですか」
しずく「えっ?」 しずく「だって昨日約束したよね。今日はずーっと栞子さんと一緒にいるって」
栞子「それは
しずく「栞子さん、負けたらなんでも言うこと聞くって言ったよね?」
栞子「……」
しずく「ねっ?」
栞子「……一緒にいることは問題ないのですが、生徒会の仕事の邪魔はしないでいただきたいのです」
しずく「邪魔はしないよ。見てるだけだもん。それならいいでしょ?」
栞子「はぁ……」 しずく「それより栞子さん、大事なところで噛んじゃったのは大丈夫?」
栞子「すみません。朝の放送は毎回、どうしても緊張をしてしまうので……」
しずく「だったらお口のトレーニングをした方がいいんじゃない?」
栞子「くち?」
しずく「うん。演劇部でやっているのがあるんだけど……『あめんぼ赤いなあいうえお』って知ってる?」
栞子「はい。聞いたことくらいはあります」
しずく「そっか。じゃあ私の後に続いて繰り返してみて。いくよ〜」
しずく「あめんぼ赤いなあいうえお」
栞子「あめんぼ赤いなあいうえお」
しずく「可愛くキュートにかきくけこ」
栞子「可愛くキュートにかきくけこ」
しずく「しずくが好きだよさしすせそ」
栞子「しずくが好きだよさし、っ……って」
栞子「言いませんよ。そんな歯の浮くようなセリフは」
しずく「えぇ〜?もうっ、栞子さんってば酷いなぁー」 栞子「だいたい、私が噛んでしまうのは緊張から来る問題です。滑舌の問題ではありませんよ」
しずく「そっか。じゃあオンエア状態なままなのも緊張からのミスなんだね」
栞子「えっ?」
しずく「ほら、放送表示灯つけっぱだよ?」
栞子「へっ!?」
ペカーッ!!
栞子「……あっ」
【放送中】
しずく「ふふっ。二人っきりの会話、学園のみーんなに聞かれちゃったね♪」
栞子「あぁぁぁぁ〜っ!!!?/////」
こうして告白の既成事実が作られた 終わりです。お粗末様でした
しずしおが流行っているみたいなので さん付けタメ口
+
さん付け敬語
から出される絶妙なハーモニー この前もしずしお書いてた方かな?とても良いものを読ませてもらったよ。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています