しずく「栞子さん王子様と」 栞子「しずくお姫様」
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しずく「うーん…」
栞子「おはようございます」
しずく「んーー…」
栞子「しずくさん?」
しずく「あ、栞子さん おはよう」
栞子「おはようございます …何を読んでいるのですか?」
しずく「小説だよ」
栞子「小説ですか」 しずく「うん…突然だけど、栞子さんは王子様に迎えに来てほしいと思う?」
栞子「王子様??」
しずく「うん あとは運命の人とかに、さらわれたりしたいと思う?」
栞子「うーん…そうですね…王子様はともかく、もし運命の人がいるのなら、迎えに来てほしいとは思います」
しずく「え?」
栞子「え?」
しずく「真面目に答えてくれるの…?」
栞子「はい?どういうことですか?」 しずく「栞子さん…!!!」
栞子「なんですか!?」
しずく「わたしの話を聞いてくれるの!?」
栞子「聞いてますが」
しずく「わたし感動したよ…」
栞子「ええ…」
しずく「あのね、わたしの話を真面目に聞いてくれる人全然いないんだよ?」
栞子「そうなのですか?」 しずく「優しい人はね、うんうんって頷いてくれるんだけど一緒に考えてくれなくて」
栞子「なるほど」
しずく「人によっては、からかってくる人もいるんだよ?」
栞子「誰なのか大体想像はつきますね」
しずく「まさか栞子さんが真面目に聞いてくれるとは思わなかったよ…ありがとう」
栞子「いえいえ 生徒会長として、生徒の声に耳を傾けるのは当たり前のことですから」
しずく「うん!」 栞子「そういえば、小説読みながら唸ってましたけど、何かあったのですか?」
しずく「え?わたし唸ってた?」
栞子「唸ってましたよ わたしが部室に来たことにも気付いてないみたいでしたし」
しずく「そっか…」
栞子「悩み事なら聞きますよ?」
しずく「本当?」
栞子「はい しずくさんが良ければですが」
しずく「ありがとう…実はね、次の演劇の役で困ってて」
栞子「しずくさんがですか?」 しずく「うん 何かね、今回の役が今までにないような感じでね」
栞子「それでもしずくさんなら役に入り込めそうな気もしますが」
しずく「わたしそんなにすごくないからね?」
栞子「ふむ…」
しずく「それでね、その役に近い登場人物が出てくる小説を読んでたんだけど、イマイチわからなくて」
栞子「なるほど わたしに力になれそうなことはありますか?」
しずく「うーん……あ、そうだ!」
栞子「はい」
しずく「栞子さん、王子様になってみない?!」 栞子「なんでそうなったのですか!?」
しずく「なんとなくかな」
栞子「なんとなく!?」
しずく「冗談だよ ちゃんと理由もあるよ」
栞子「理由があってもやりませんけどね」
しずく「えー?」
栞子「…まあ話だけは聞きましょう」
しずく「うん あのね、役のイメージが上手く湧かないなら、1度やってみるべきだと思うの」
栞子「それを演劇部でやってるのではないのですか?」 しずく「違うの、聞いてよ栞子さん」
栞子「はい」
しずく「今度の演劇ってね、実は部活動交流会でやる演劇なの」
栞子「再来週のですね」
しずく「そうそう それで今回は、本格的にというよりも少し笑いの方向で行きたいらしくて」
しずく「役もちょっと変わったものになったし、挙句演劇部の部員同士で練習するのはダメって部長が言い出して」
栞子「意外とユニークな方なんですね」
しずく「わたしも驚いたよ 演劇馬鹿って言われるくらいの部長がそんなこと言い出すなんて」
栞子「なるほど」 しずく「だから、演劇部の部員同士で練習出来ない今、栞子さんの助けが必要なの」
栞子「それは別にわたしでなくてもいいのでは?」
しずく「…栞子さんが力になってくれるって言った癖に…」ムスッ
栞子「あっ…それは…」
しずく「それに、栞子さんかっこいいんだから王子様似合うって」
栞子「…一応わたしも女の子ですよ?」
しずく「?」 栞子「その…かっこいいと言われるのは少し複雑です…」
しずく「…」
栞子「あ、いや、かっこいいって言われるのが嫌なわけではないですよ?!ただ…」
栞子「…可愛いって言われる方が嬉しいというか…」
しずく「うわ、可愛い」
栞子「はい?」
しずく「今の発言すごいよかった もし栞子さんがヒロイン役なら、見てる人は恋に落ちちゃうよ」
しずく「もちろんわたしも」
栞子「っ…///」 しずく「…だからさ、王子様やってみない?」
栞子「話聞いてましたか?!」
しずく「お願い!わたしの力になってくれるんでしょ!?」
栞子「それとこれとは話が別です!」
しずく「一緒だよ!栞子さんが手伝ってくれれば、役作りも上手く行くから!」
栞子「し、しかし…」
しずく「お願い!」
栞子「…嫌です…」 しずく「お願い栞子さん!!」
栞子「…」
しずく「おーねーがーい!!」
栞子「…や、やりません!」
しずく「……ふん!」
栞子「!」
しずく「もういいよ!栞子さんはわたしが部活動交流会で恥かいてもいいって言うんだね!」
栞子「そ、そんなことは言ってません!」 しずく「ふん!」
栞子「し、しずくさん?」
しずく「ぷいっ」
栞子「」
しずく「…」
栞子「くっ……わ、わかりました…」
しずく「!」
栞子「やりますよ!やればいいのでしょう?!」
しずく「栞子さん…!」 栞子「わたしが手伝えばしずくさんは助かるのでしょう!?」
しずく「もちろん!」
栞子「ならもうそれでいいです… しずくさんだって私欲ではなくて演劇部の活動のためにわたしに頼んでいるのですし」
しずく「…」ギクッ
しずく「……ありがとう栞子さん!」
栞子「いえ、生徒会長としての役目です」
しずく「……じゃあさっそく着替えに行こっか」
栞子「はい?」 しずく「衣装にだよ」
栞子「はあ?!ここでちょこっとお芝居みたいなのをするだけではないのですか!?」
しずく「当たり前じゃん 演劇するのに衣装を着なくてどうするの」
栞子「確かに…」
しずく「じゃあ着替えに行こっか」
栞子「…わかりました…」
しずく「…」ニヤッ
────────── しずく「着れた?」
しずく「…」
しずく「ねえ、栞子さん?」
しずく「…」
しずく「えい!」シャッ
栞子「うわあっ!?」
しずく「お〜!!すごい似合ってるよ!」
栞子「いきなり開けないでください!」
しずく「だって全然出てこないんだもん」 栞子「心の準備ってものがあるんです!」
しずく「栞子さん永遠に心の準備してそうな勢いだったし」
栞子「くっ…」
しずく「それより、本当に似合ってるよ!」
栞子「…そうですかね」
しずく「うん!わたしの思った通りだよ!1度栞子さんに着てみてほしかったんだよね〜」
栞子「は?」
しずく「あ、やばっ…」 栞子「…ただわたしに着せたかっただけなのですか…?」ゴゴゴゴゴ
しずく「ち、違うよ!?」
栞子「役作りの手伝いとは…嘘だったのですか?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
しずく「ほ、本当に違うの!わたしは本当に役作りで悩んでて栞子さんに協力してもらってるんだよ!?」
栞子「…」
しずく「…っていうのが半分…」
栞子「…」 しずく「残りの半分は…栞子さんに王子様の衣装をずっと着せてみたかったから…いい機会だな、と……」
栞子「…はぁ」
しずく「ご、ごめん…」
栞子「いいですよ …しずくさんが喜んでくれてるのであればそれでいいです」
しずく「栞子さん…好き」
栞子「はぁ…しずくさんには敵いませんね」
しずく「ふふ♪」 しずくの砕けた感じのやり取りがしお子にも発動しててたまらん ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています