栞子「しずくさん、今日の練習終わった後空いてますか?」 しずく「え?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
しずく「どうして?」
栞子「先日、インターネットでカフェを探していたら、抹茶専門店なるものを見つけたのです」
しずく「なるほど」
栞子「それで、しずくさんと行きたいなと」
しずく「わたしなの?」
栞子「はい しずくさんには最近色々な飲食店に連れて行ってもらってますから」
栞子「そのお礼です」
しずく「別にわたしが奢ってるわけじゃないのに」 栞子「ホテルに併設されているお店ですが安眠…じゃなかった。安心してください」 栞子「良い思い出が作れてますから それに、しずくさんと遊ぶの楽しいです」
しずく「!」
栞子「空いてませんか…?」
しずく「ううん 空いてるよ 空いてなくても無理やり空けるよ」
栞子「しずくさん…」
しずく「ねえ、栞子さん」
栞子「はい」
しずく「わたし今、めちゃくちゃ嬉しい」
栞子「え?」 しずく「今までわたしが栞子さんを誘ってどこかに連れて行ってたわけじゃん」
栞子「そうですね」
しずく「でも、栞子さんから誘ってもらったことってなかったから、何だか少し寂しかったの」
栞子「…」
しずく「だからね、栞子さんにとってわたしは、遊びの誘いくらいならしてあげてもいいよって仲だって思われてたことが嬉しい」
栞子「…??」
しずく「…ふふ、わたしって変わってると思う?」
栞子「え、いや…そんなことは…」 しずく「昔からよく変わってるって周りに言われてたし、それが原因で友達も少なかったから」
栞子「そうだったのですね…」
しずく「うん だから、わたしは自分と仲良くしてくれる人がすごく大切だし、きっとその人たちに対してめんどくさくなってるんだと自分でも思う」
栞子「…」
しずく「かすみさんもわたしのことめんどくさいって思ってるんじゃないかな」クスッ
栞子「…わたしはめんどくさいくらいがちょうどいいと思いますよ」
しずく「え?」 栞子「それだけ…愛されているということを感じられますから」
しずく「…ふふ 栞子さんは優しいね」
栞子「しずくさんも優しい方ですよ」
しずく「そうかなぁ〜」
栞子「ええ」クスッ
────────── 練習後
栞子「お疲れ様でした」
しずく「お疲れ〜」
栞子「しずくさん、今日の動きよかったですね」
しずく「うん 先輩にも褒められたよ」
栞子「何か良いことでもありましたか?」
しずく「…わかってて聞いてる?」
栞子「え?」
しずく(…まあ、栞子さんはそういう人じゃないか) しずく「…栞子さんに誘われたこと」
栞子「?」
しずく「それが嬉しくてパフォーマンスにも繋がってたんじゃないかな」
栞子「そ、そんなに嬉しかったのですか?!」
しずく「うん 嬉しいし楽しみだから早く行こ」
栞子「は、はい …何だか照れますね」
しずく「わたしの方がよっぽど小っ恥ずかしいこと言ってるけどね」 ………
栞子「では、行きましょうか」
しずく「エスコートよろしくね」
栞子「任せてください」
………
しずく「そういえば、なんで抹茶専門店なの?」
栞子「わたしが茶道もしていることはご存知ですよね」
しずく「もちろん」 栞子「自分で言うのもなんですが、茶道には自信があるんです」
しずく「お〜」
栞子「良い茶葉を見極める力も、普通の方よりもあると思います」
しずく「ふむ」
栞子「これから行く抹茶専門店では、プロが厳選した様々な銘柄の茶葉をお客さんが自分で選ぶことが出来るんです」
しずく「それって普通じゃない?メニュー表見てこれください〜って」 栞子「いえ、茶葉がケースに入ってて、茶葉をよく見ることや、香りを嗅げるようになってたりするんです」
しずく「なるほど」
栞子「その日の温度や湿度によって、風味が変わったりします もちろん専門店なのでそういったことには十分注意がされていると思いますが」
栞子「それでも違いというのは出てきてしまうものです なので、そこをわたしが厳選して、しずくさんに極上の抹茶を飲んでもらいます」
しずく「それは楽しみだなぁ」
栞子「期待していてください」
しずく「うんっ 楽しみ!」ニコッ
────────── 栞子「ここです」
しずく「…思ってたよりも、普通のカフェっぽいね」
栞子「しずくさんはどんな外観を想像していたのですか?」
しずく「普通に和風な感じかな」
栞子「確かに…ここは普通のカフェですね」
しずく「ね」
栞子「とりあえず中に入りましょう」
しずく「うん」 ガチャ
しずく「…うわ、すごい抹茶のいい香り」
栞子「そうですね さすが専門店です」
しずく「あそこに茶葉があるね」
栞子「早速厳選しに行きましょう」
しずく「ふっ」
栞子「どうしたのですか?」
しずく「厳選って言い方面白いなって」
栞子「そうですか?」
しずく「ゲームでも厳選って言葉よく使うから」
栞子「そうなのですか?」 しずく「強い武器とか特性を厳選してこいよ!みたいな」
栞子「ええ…」
しずく「厳選厨って言って、厳選してないとパーティーに入れてくれない人とかもいるんだよ」
栞子「厳しい世界ですね」
しずく「理にはかなってるし、厳選してる時間も楽しいと言えば楽しいけど、やっぱりみんなでワイワイやりたいもん」
栞子「わたしはゲームは全然したことないですが、楽しい方がいいです」
しずく「ふふ、今度わたしの家でゲームしようね」
栞子「はい!」
……… 栞子「しずくさんは、抹茶の味はこうが良いと言ったものはありますか?」
しずく「甘さとか?」
栞子「はい」
しずく「そうだなぁ…わたしはやっぱり甘いのがいいかな」
栞子「甘いのですね」
しずく「うん」
栞子「しずくさんは、甘いものが好きですからね」 しずく「でもこう見えて辛党でもあるんだよ?」
栞子「そうなのですか?」
しずく「坦々麺が好物です」ピース
栞子「…まだまだわたしの知らないしずくさんがたくさんですね」
しずく「お互いにね だからもっと一緒に遊んで仲を深めようね」
栞子「はい♪」
……… >>24
ナチュラルにおうちデートに誘うしずくちゃんいいぞ 栞子「うーむ…」
しずく「どう?」
栞子「価格を考えると、この"天王山"という銘柄がおすすめですね」
しずく「天王山…なんだか天王寺みたいだね」
栞子「そう言われてみればそうですね これにしますか?」
しずく「それにする」
栞子「わかりました」 しずく「あとは茶葉を掬って持ってけばいいんだね」
栞子「はい ここからが腕の見せ所です」
しずく「うん?」
栞子「恐らく、古い茶葉と新しい茶葉が多少混ざって入ってると思うので、新鮮な茶葉だけを取り出します」
しずく「出来るの?!」
栞子「やります」
しずく「おお〜!頑張って!」
栞子「任せてください」 しずく「…」
栞子「うーん…茶葉の色が…香りが…」
しずく「…」
コソコソ
しずく「あの、すみません」
店員「どうかされましたか?」
しずく「このお店って、写真撮影とかって出来ますか?」
店員「店員や他のお客さんが写らないように配慮していただければ」
しずく「ありがとうございます」 コソコソ
栞子「ここの辺りの茶葉は中々良さそうですね」ウーン
カシャッ
栞子「!」
しずく「…」
栞子「なんで撮ったんですか?」
しずく「職人みたいだなって」 栞子「やめてください、恥ずかしいです きっと変な顔になってます」
しずく「ううん、かっこいいよ」
栞子「かっこいい!?///」
しずく「うんっ」
栞子「そ、そうですか…かっこいいですか…」モジモジ
しずく(可愛いなぁ)
……… 俺ら主婦が消費期限を厳選するのと同じ感覚やろ(適当) 栞子「こんなものでしょう」
しずく「ありがとね わたしの抹茶にそんな時間かけてもらって」
栞子「気にしないでください わたしが好きでやっていることですから」
しずく「ふふ それにしても、見た目は全然違うようには見えないなぁ」
栞子「かもしれないですね しかし、香りは結構違いますよ」
しずく「ふむ」 栞子「これが、恐らく古い茶葉です」スッ
しずく「くんくん…」
栞子「こっちが、わたしの厳選した茶葉です」スッ
しずく「くんくん……ほんとだ 全然違う」
栞子「でしょう?」
しずく「素人のわたしでもわかるくらい違う」
栞子「きっと美味しい抹茶になってくれると思いますよ」
しずく「楽しみ〜♪」
────────── 店員「お待たせ致しました」カチャ
栞子&しずく「ありがとうございます」
店員「ごゆっくり、お楽しみください」スタスタ
栞子「こっちがしずくさんのですね」
しずく「ありがとう」
栞子「…」
しずく「…」 栞子「飲まないのですか?」
しずく「あ、いや なんか作法とかあるのかなって」
栞子「ふふ、茶道じゃないのですから 外で飲む分には作法なんて細かいことは気にしませんよ」
しずく「そうなんだ」
栞子「でも、飲む前に香りを楽しむのは大切ですね」
しずく「あるじゃん、作法」
栞子「作法ではないですよ 楽しみ方の1つです」 しずく「うーむ、香りを楽しむかぁ」
栞子「はい」
しずく「…くんくん」
栞子「どうですか?」
しずく「うわ、すごい 上品な香りがする」
栞子「茶葉とはまた違うでしょう?」
しずく「全然違う 香りだけでお腹いっぱいになりそう」
栞子「ふふ、ちゃんと抹茶も楽しんでくださいね」
しずく「もちろん!…ふー、ふー…ずず…」 栞子「…」
しずく「…美味しい」
栞子「よかったです」
しずく「これすごく美味しいよ 間違いなく今まで飲んだ抹茶の中で1番」
栞子「普段も抹茶を飲んだりするんですか?」
しずく「たまにね〜 抹茶ラテとか好きだけど、でもこの抹茶には敵わないよ」
栞子「喜んでいただけて何よりです」
しずく「栞子さんが厳選してくれたおかげだね」
栞子「ふふ♪」
……… しずく「ちなみに、栞子さんはどんな抹茶を飲んでるの?」
栞子「わたしは"琵琶の白"という抹茶を飲んでいます」
しずく「どんな味なの?」
栞子「心地よいほろ苦さを感じられる、爽やかな味ですね」
しずく「ふ〜ん」
栞子「しずくさんの飲んでいる抹茶とは結構違いますね」
しずく「…わたしもそれ飲みたいな」 栞子「構いませんよ 茶葉を厳選してきますか?」
しずく「ううん 栞子さんが飲んでるのをちょっともらいたいな」
栞子「では、コップをもう1個もらってきますね」
しずく「いや、栞子さんのコップで飲むよ」
栞子「ええ?!」
しずく「あ、ごめん 汚いかな」
栞子「い、いえ…そういうわけでは」 しずく「…ふふ、間接キスを意識してる?」
栞子「し、してません!///」
しずく「なら飲ませてよ」
栞子「わ、わかりましたよ」
しずく「ふふ、栞子さんは可愛いね」
栞子「馬鹿にしないでください!///」
……… 1もあっちのスレ見てたのわかって草
こっちも追ってるから頑張れ しずく「ずず…ん、思ったより苦くなくて美味しい」
栞子「そうですね 苦味は強すぎると美味しくないので、これくらいがちょうどいい感じです」
しずく「飲みやすくていいね」
栞子「ふふ」
しずく「…あ、栞子さんのもらったから、わたしのもあげる」
栞子「いいのですか?」
しずく「もちろん」 栞子「ではいただきますね…ずず」
しずく「どう?」
栞子「甘いのは普段飲みませんが、これはこれで美味しいですね」
しずく「ね」
栞子「こうやって飲み比べみたいなことを出来るのも、専門店ならではですね」
しずく「また来ようね」
栞子「はい!」
────────── こうして教えてくれる友達が一緒だと専門店をより深く楽しめるね しずく「美味しかった〜」
栞子「しずくさん」
しずく「うん?」
栞子「このお店、デザートもあるみたいですよ」
しずく「ほんと?!」
栞子「ここに、デザートメニューがあります」 しずく「どれどれ……わたし、これ食べたい」
栞子「しずくさんならそれを頼むと思ってましたよ」
しずく「ん、桜坂検定合格だね」
栞子「なんですかそれ」クスッ
しずく「わたしもわからない」クスッ
……… 店員「お待たせ致しました 抹茶パンケーキの、抹茶アイス乗せでございます」
栞子&しずく「ありがとうございます」
しずく「美味しそ〜」
栞子「…何か思ったよりボリュームありません?」
しずく「そう言われてみれば」
栞子「メニュー表の写真だと、パンケーキは3段ですが」
しずく「5段あるね」
栞子「どうしてでしょう……ん!?」 しずく「どうかした?」
栞子「…い、いえ!なんでもないですよ!」
しずく「なんでもないわけないでしょ…それっ」スッ
栞子「あっ」
しずく「メニュー表になにか書いてあるの?」
栞子「…」
しずく「なになに…カップルには2段無料でプレゼント」
栞子「…」モジモジ しずく「…なるほど わたしたち、カップルに見えたってことだね」
栞子「…どうやらそうみたいです」
しずく「ふ〜ん」
栞子「ま、まったく わたしたちはカップルではないというのに…」
しずく「わたしは栞子さんとカップルでもいいけど」
栞子「はあ?!」
しずく「ふふ、冗談だよ」
栞子「ま、まったく」 しずく「ほら、アイス溶けちゃうし食べよっか」
栞子「そうですね」
モグモグ
しずく「美味しい…」
栞子「美味しいですね」
しずく「なにからなにまで美味しいねこのお店」
栞子「そうですね 抹茶アイスが絶品です」
しずく「パンケーキとダブルで抹茶だけど、しつこさが全然ない」
栞子「まさしくプロの味ですね」 しずく「あっという間になくなっちゃうよ」
栞子「ゆっくり噛まないと太りますよ」
しずく「栞子さんもね」
モグモグ
栞子「…」
カシャッ
しずく「…なんで撮ったの」 栞子「さっきの仕返しです」
しずく「もう」
栞子「夢中でパンケーキ食べるしずくさん、可愛いですよ」
しずく「!」
栞子「ふふ」
しずく「…中々やるね、栞子さん」
栞子「はい?」
……… 栞子「ごちそうさまでした」
しずく「ごちそうさまでした」
栞子「…ふう そろそろ会計しますか」
しずく「そうだねぇ」
スタスタ
しずく「んー」
栞子「どうかしましたか?」
しずく「茶葉、売ってるんだね」
栞子「そうみたいですね」 しずく「なにか買って行こうかなぁ」
栞子「いいんじゃないですか?」
しずく「でも、上手く煎れられるかわかんないや」
栞子「う〜ん、でも誰が煎れても美味しいと思いますよ?」
しずく「そうだけど、プロの味を知っちゃったからね〜」
栞子「それはそうですが」
しずく「…」
栞子「…」 しずく「栞子さん」
栞子「はい」
しずく「そこは、茶道が得意なわたしが家で煎れてあげますよ!って言うところだよ」
栞子「ええ?!」
しずく「だから今度うちに泊まりに来てくださいって、わたしを誘うところ」
栞子「す、すみません」
しずく「ふふ だから、今度栞子さんの家で美味しい抹茶飲ませてね」
栞子「も、もちろんです!」
しずく「ふふ♪」
────────── しずく「ふぅ〜 外寒いね〜」
栞子「ですね」
しずく「それじゃ、今日は解散にしよっか」
栞子「駅まで送りますよ」
しずく「ほんと?ありがと」エヘヘ
栞子「いえいえ」
スタスタ
しずく「栞子さん、今日はありがとう」
栞子「気にしないでください」 しずく「抹茶、すごく美味しかったよ それに、栞子さんに誘ってもらったことが嬉しかった」
栞子「わたしも、喜んでいただけて光栄です」
しずく「また誘ってね?」
栞子「はい ぜひとも誘わせていただきます」
しずく「ふふ」
スタスタ しずく「…ここまでで大丈夫」
栞子「駅までもう少しありますが」
しずく「栞子さん、ここをそっちに曲がった方が近いでしょ」
栞子「わたしは大丈夫ですよ?」
しずく「ううん ここまででいい」
栞子「しずくさんがそういうなら」
しずく「…じゃあ、また明日だね」
栞子「はい 気をつけて帰ってくださいね」
しずく「栞子さんもね」
栞子「では、失礼しますね」テクテク しずく「……栞子さん」
栞子「はい?」クルッ
しずく「わたし、栞子さんとカップルに見られるの、嫌じゃないよ」
栞子「!?」
しずく「むしろ嬉しいかも」
栞子「!!??」
しずく「ふふ、それじゃ、また明日♪」スタスタ
栞子「………」
栞子「ど、どういう意味ですか!!?」アタフタ
スタスタ
しずく(ふふ、栞子さんは可愛いなぁ♪) 少し小悪魔なしずくと翻弄される栞子
良い組み合わせだ この二人の組み合わせなんか凄い微笑ましいな
とても良かった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています