最近歩夢が調子に乗りまくってるSS多いから、懲らしめようと思う
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どのくらい眠っていたのだろう
目を覚ますと、目の前に広がっていたのは見たことも無い部屋だった 一番ダメージあるのは歩夢が俺くんと結ばれることだろうな 意識が覚醒していくと同時に、わたしが置かれているこの状況がおかしいことにも気付く
歩夢「ん……」ガサッ
体が上手く動かない
熱が出ている時のように、体が重くて体を動かすことが出来ない
歩夢「ふ…っ…ん……」
頭も持ち上がらない 歩夢「…は…っ…はあ…っ……」
目が覚めると知らない部屋
体は動かせない
それとは裏腹に、頭は冷静だ
だからこそ、焦りが生まれた
歩夢「ここ…どこ…っ!!」
重い体を必死に動かした
だけど、何も起こらない
体は床にしかぶつからないし
その音以外の物音は一切聴こえてこない 歩夢「だ、誰か…っ!!」
歩夢「助けて…!!!」
精一杯の大声を出してみたが、何かが起こるわけでもなかった
歩夢「お願い!誰か…!誰かいないの…っ?!」
何も起こらない
いよいよ頭がおかしくなってきそうだ
…その時、頭に思い浮かんだのは最愛の幼なじみだった
歩夢「ゆうちゃ…助け…」
そこまで言いかけて、わたしは口を噤んだ
カツーンカツーン
歩夢「足音……!」 歩夢「助けてください…!いつの間にかここにいて…体が動かないんです!!!」
体の内側から出せる限りの力を込めて叫んだ
カツーンカツーン
足音はここへと近付いてくる
歩夢「誰かいるんですよね!?お願いします!助けてください!!」
カツーンカツーン
歩夢「ふっ……っ!!」
全身に力を込めて、鉛のように重たい体を足音の聴こえる方に向けた
2m前方にドアがあった
どうやら足音は、このドアへと向かって来てるようだった 歩夢「助けて…!わたしはここにいます!!」
カツーンカツーン
カツッカツッ
歩夢「!」
どうやら足音は1つではなかったようだ
少なくとも3人
3人の足音がこちらへ向かっている
歩夢「…っ」
急に不安になってきた
最初は救護隊の人か誰かがわたしを探してくれているのではないかと思っていた
だが、よくよく考えてみると、その可能性は極限までに低かった
それよりも…恐らく…
誰かに拉致されて閉じ込められている
そして今、わたしを拉致した人たちがこの場所へ向かって来ている
そう考えた方が自然だった 歩夢「…い…いや……」
本心が出た
もし本当にわたしが拉致されているのだとしたら
この先無事では済まないだろう
だけど、もしかしたら救護隊の人たちかもしれない
でも…
どうしよう…どうしよう…
逃げたい
でも体は動かない
そんなわたしが部屋に閉じ込められていて
そこへ複数人が向かって来ている
歩夢「怖い…怖いよ…助けて侑ちゃん…」
この場にいるはずがないであろう、幼なじみの名前を呼んでみた
カツーン
足音がとまった ボソボソ
歩夢「っ!」
ドアの向こう側から声が聴こえてきた
どうやら、救護隊の人たちではなさそうだ
ハアハアと、汚らしい吐息が漏れているのが聴こえる
歩夢「やだ…」
やだやだやだ!
そんなわたしの思いとは裏腹に、あっさりとドアが開いた
歩夢「っ…!」ビクッ
ドアの向こうはとても眩しかった
だからわたしは思わず目をつぶった
すると、この部屋に入ってきたであろう誰かが、わたしに声をかけた
「調子はどう?」
歩夢「……………え?」
侑ちゃんだった いや、正確には侑ちゃんと…2人の男
歩夢「ゆ、侑ちゃん…?ここどこ…?その人たちは…?」
侑「…」
侑ちゃんは何も言わない
すると、隣にいた屈強な男が声を発した
「こいつで間違いないか?」
どういう意味なのかわからなかった
わたしで間違いない?
え?
それをなんで侑ちゃんに聞くの??
侑「うん 間違いない」
訳がわからない 歩夢「侑ちゃん…何を言ってるの…」
侑「気安くわたしの名前を呼ばないで」
歩夢「…え…?」
すると、屈強な男とは対象的に、ガリガリな男の方が侑ちゃんに話しかける
ハアハアと、聴こえる
恐らく、さっき聴こえた吐息はこの男のものであろう
「おいおい…ハァ…何10年も付き合い続けてきた幼なじみなんだろい?白状すぎねえかお嬢ちゃん」
侑「…」
そうだ
わたしと侑ちゃんは生まれた時からずっと一緒の幼なじみだ
でもその侑ちゃんは、知らない男の人を2人連れて、意味のわからない会話をしている
歩夢「侑ちゃん…?」
侑「この子と幼なじみなのも、今日までだから」
歩夢「」 屈強な男が喋る
「まあそうやって縁を切ってもらわねえと困るのはうちだからな」
「こいつは大事な商品になるんだから」
歩夢「」
商品?何を言ってるのこの人!
侑「うん わかってる でも最後に少しだけ、この子と2人で話をさせてほしい」
「すぐ終わらせろよ こっちも時間押してんだ」
「ハハハァ…」
侑「うん わかった」
男2人が部屋から出た
わたしは侑ちゃんと2人きりになった 歩夢「ゆ…ゆうちゃ……」
名前を呼ぼうとした瞬間、体に鈍い衝撃が走った
歩夢「があ…っ!!???」
痛い…痛い痛い痛い
肋が痛い
歩夢「ゆ、ゆう…」
ドガッ
歩夢「ぐうぅ……っ!!!!」
今度は脚
歩夢「ひぐ…っ……」ポロポロ
あまりの痛みに涙と嗚咽がとまらなくなった
侑ちゃんはそんなわたしを
ただただ冷たい目で見下ろしていた ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています