【帰り道】

愛「そうだ。ねえねえ歩夢。ニジガサキ学園の端にある小さな教会って知ってる?」

歩夢「教会? ニジガクにそんなのあったっけ?」

愛「歩夢も知らないかぁ。アタシもせっつーに聞いてね。もう使われてないから誰も入れないようになってるらしいし、知らないのも無理はないらしいよ」

歩夢「そうなんだね、教会かぁ……けど、何で使われなくなっちゃったの?」

愛「せっつー曰く、設立当時の留学生のために作られたんだってー。お祈り用かな? 近くに大きな教会できたから使われなくなったみたいだけど」

歩夢「確かに、簡単に校内に関係ない人を入れるわけにはいかないもんね。じゃあ、そこまで大きな教会ってわけではないの?」

愛「じゃないかな?」

歩夢「教会かぁ、どんな感じなんだろう。少し気になるね」

愛「そうだね。あ、これもせっつーが言ってたんだけど、なんか伝説もあるんだって。学園作った人が運命の人と結ばれたんだってさ。だから、そこで好きな人に告白をすると永遠に結ばれる……だったかな」

歩夢「へぇ、ロマンチックなお話だね」

愛「ニジガク、結構こういう伝説あるらしいよ? 最近だと、妖怪ダジャレ女ってのが出るらしくて――――――」

歩夢「それって愛ちゃんのことだよね……?」

愛「おっと、バレた。バレンタインデーだけに」

歩夢「関係ないよ……」

 そのまま愛ちゃんとしゃべりながら帰った。