西木野真姫が誰かと喋っているのを見た事がない。

そんな風に噂されたのも今は昔。なんて言い方をするとまるで100年単位の大昔の様に聞こえるけれど、なんて事はない数ヶ月前まではそう言われていたのだ。

友達はいらない。人間強度が下がるから。

数ヶ月前の私はそう思っていた。そんな私の殻を破る人物と出逢ったのは四月の音楽室だった。

「ねえ。あなたスクールアイドルに興味ない?」