【超短編】恋「甘えてもいいですか」すみれ「あのねぇ」
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すみれ「甘えてもいいかなんて、普通口に出して言わないものよ」
恋「そうなのですか?」
すみれ「そうよ。場所とかムードとか流れで自然に出来ることなんだから」
恋「では、今は甘えてもよいタイミングではないという事ですね」
すみれ「...ううん。今はいい///」
恋「ふむ...甘えるというのは難しいですね。ではお言葉に甘えて──」コテッ
すみれ「...」
恋「こうしてすみれさんに体を委ねるのも【甘える】ですよね」
すみれ「うん」
恋「ふふ...やはり、すみれさんの隣は落ち着きます」ニコッ 恋「手も繋いでよろしいですか?」
すみれ「だからいいって言っているのに」
恋「だって、すみれさんに少しでも嫌な顔をされるのが恐くて」
すみれ「嫌な顔なんてしないわよ。今は恋が私としたいこと何でも言ってちょうだい」
すみれ「手を繋ぎたいのよね」
ギュッ
恋「すみれさんの手、温かいですね」ニコッ すみれ「...ちょっとその繋ぎ方さ」
恋「世間では恋人繋ぎと呼ぶそうです」ギュッ
すみれ「分かってやってるんだ。案外ずるい人」
恋「よく小説やドラマで幸せな事が続いたときに、あぁ時間が止まればいいのに、だなんて言いますが」
恋「まさしくこの瞬間を言うのですね」
すみれ「そうね。恋も今幸せなんだ」
恋「はい、すみれさんと一緒に居るだけで幸福に満ち溢れているというのに、共に寄り添い 恋人繋ぎをしているのですから」
恋「これ以上の幸せはありません」 すみれ「...恋」
ギュッ
恋「あの、すみれさん?」
すみれ「...少しだけ目を閉じてちょうだい」
恋「こうですか?」パチッ
すみれ「うん。そのままじっとしてて」
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──────♡
すみれ「──もう開けてもいいわよ」
恋「...」
恋「私...初めて経験してしまいました」 すみれ「...どうだった?」
恋「突然の出来事でうまく言葉で表現出来ません...」
すみれ「一言でなら言い表せるでしょう?」
恋「えぇまぁ、でもこんなことを口に出して良いのでしょうか」
すみれ「遠慮しないで言ってごらんなさい」
恋「え、えっと...【物足りない】...でしょうか///」
すみれ「っ...やっぱり恋って私より何倍も魅力的だわ」
ギシッ...
恋「...すみれさんの方がずーっと魅力的ですよ」
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