かのん「可可ちゃんは駆け引き上手」
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屋上
すみれ「何よ、こんなところに呼び出して。また果し合い?」
可可「…すみれを、巫女と見込んで頼みがありマス」
すみれ「ふん、そのダジャレはもう300回くらい聞いたわ。言葉遊びはいいからさっさと本題を…」
可可「…っ!!」 すみれ「きゃっ!?ちょ、ちょっと!ダジャレで油断させといて、いきなり掴みかかるなんて卑怯――」
可可「…マス」
すみれ「えっ?」
可可「お願いしマス!頼みを聞いてクダサイ!これはすみれにしか、すみれにしか頼めないのデス!」
すみれ「く、可可…?」 翌日
かのん「い、言われたとおり着替えたけど…」
可可「うわぁ〜!可愛いデス!最高デス!とってもよく似合ってマス!」
千砂都「なるほどね、そういうことだったんだ」
すみれ「ま、貸しひとつってところよ」 可可「かのんは何を着ても可愛いデスが、これはダントツです!巫女服という非日常感もあいまって、とびっきり素敵デス〜!」
すみれ「相変わらず反応がオーバーね」
千砂都「褒め上手だよねー」
すみれ「うーん、褒め上手とは違うと思うけど」 かのん「なんか不思議な着心地だね。ゆったりしているような、引き締まるような。可可ちゃんは着ないの?」
可可「ハイ!今日は撮影専門デス!」
かのん「ん、そっかぁ…」
可可「かのん?」 すみれ「あ、えっとね。可可ちゃんが着てくれたら、きっとすごく可愛くて、一緒に写真とか撮れたのになーって」
可可「すみれ」
すみれ「はいはい、貸し2ね」
千砂都「それじゃ、撮影係交代だね!可愛い写真、たくさん撮っちゃうよ〜!」 ……………………………………
部室
可可「可可が部室に到着デスー!…おおっと」
かのん「…」
可可「かのん、集中モードでしたか」
かのん「…」 可可「隣、いいですか?」
かのん「…」
可可「返事がないのは、肯定とみなしマス」
かのん「…」 可可「…」
かのん「…」
可可「…むぅ」
かのん「…」 可可「これからテストを行いマス。かのんの集中力が、どれほどのものかを試すいい機会デス」
かのん「…」
可可「では、行きマス」
かのん「…っ」 可可「…」
かのん「…」
可可「……」
かのん「……?」
可可「じーっ」
かのん「うわあっ!?」 可可「あ、やっと向いてくれマシタ!」
かのん「く、可可ちゃん、ずっとそうやってたの?」
可可「はい、すぐそばで見つめていました。真剣なフリしてるかのんの横顔を!」
かのん「うえぇっ!?」 可可「ふっふっふ。そのリアクション、可可の見立てが正しかったようデスね」
かのん「そ、そんなことないし!なんとなく気になったと言うか、気が散ったと言うか…」
可可「かのん、早くかまって〜って顔してマシタ」
かのん「えっ」 可可「本当に集中しているときと、そうでないときの違いは分かりマス。かのんのこと、よく見てマスから」
かのん「は、恥ずかしいこと言わないでよ」
可可「この勝負、可可の勝ちデスね」
かのん「…も、もうっ、可可ちゃんがからかうから、インスピレーションが逃げちゃったじゃん」 可可「それなら、またインスピレーションが降ってくるまで、可可がそばで見つめてマス!」
かのん「ええっ、なんで!?」
可可「話しかけず、横顔を見てるだけデス。それなら邪魔にならないでしょう?」
かのん「それは…まあ、構わないけど」 可可「その代わり、帰りはクレープ屋さんに付き合ってもらいます。もちろん、かのんのおごりデス」
かのん「…あははっ、なにそれ」
可可「当然デス、我慢比べは可可の勝ちだったのデスから。どうですか?」
かのん「わかったわかった、私の負け。好きにしていいよ」 可可「ハイ!好きにしマス!」
かのん(相変わらず一直線というか、ちょっぴり頑固というか)
可可「ふっふ〜ん、クレープ、クレープ♪」
かのん(でも、いいよね、こういうのも) ……………………………………
可可「あむっ、んん〜っ♪」
かのん「ふふっ、幸せそうな顔しちゃって」
可可「そりゃそうデス!チョコバナナパフェが目の前にあったら、誰だって心がときめいちゃいマス!」
かのん「確かに、チョコソースがたっぷりで美味しそうだね」 可可「一口食べますか?」
かのん「じゃあ、私のキャラメルパフェとシェアしよっか」
可可「わあ、楽しみデス!」
かのん「それじゃ、交換ね。はい、どうぞ」 可可「ぶー、デス」
かのん「えっ?」
可可「そうじゃありません、やり方が間違ってマス」
かのん「やり方?あ、小皿かなんかに取り分けるってこと?」 可可「それも違います、ぶっぶーデス」
かのん「えー、わかんないよ。どういうこと?」
可可「あーん、デス」
かのん「えっ」 可可「あーんしてくれるなら、可可のもあげます」
かのん「ええっ!?い、いやいや、普通に交換すればいいだけの話で」
可可「可可はあーんしたいデス、あーーん!」
かのん「わ、わかった、わかったってば」 可可「交渉成立デス!では、お願いしマス」
かのん「じゃ、じゃあ…はい、あーん」
可可「あーむっ。んーっ、キャラメル味もスバラシイ美味しさ!とってもスイートデス〜!」
かのん「そ、そう、よかった」 可可「それじゃお返しに。はい、あーん」
かのん「あ、あー、んむっ」
可可「どうですか?」
かのん「お、美味しい、です」 可可「それは何より!やっぱりバナナとチョコは、この上ない最高の組み合わせデス!」
かのん「そ、そだね」
可可「ふふっ、今日もいい日デスね!」
かのん(…どうしよう。顔が熱くて、味なんてさっぱりわかんない) ……………………………………
教室
可可「かのん、逢引しましょう!」
かのん「えっ、ええええーっ!?」
ざわざわ…逢引…?かのんちゃんと可可ちゃんが…ざわざわ… かのん「く、可可ちゃん、突然何言ってくれちゃってるの!?」
可可「逢引デス!可可、かのんと逢引がしたいデス!」
ざわざわ…やっぱりあの二人…仲良いと思ってたけど…可可ちゃん積極的…ざわざわ…
かのん「いや、えっと、ええっ!?」 可可「さあさあ、かのん、今日も二人で一緒に――あたっ!」
すみれ「はぁ、やれやれ…」
かのん「すみれちゃん!」
可可「な、何するデス!」 すみれ「何してんのはこっちのセリフよ。あんたね、誤解を招くような言葉選びするんじゃないわよ。みんな驚いてるし、第一、かのんを困らせてどうするのよ」
可可「あ…」
すみれ「気持ちが昂りすぎて、あんたみたいなのを勇み足って言うのよ。正しい言い方をしなかったせいで、すれ違いやトラブルになってしまったら嫌でしょ?」 可可「う…ごめんなさい…可可、かのんと一緒に色んな所に行くのが楽しみで…」
かのん「ああ、大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけだし、みんなもきっとわかってくれてるよ」
可可「かのん…」
すみれ「ま、本人がこう言ってるのなら、私からはこれ以上とやかく言わないわ」 可可「すみれも、ごめんなさい。ありがとう」
すみれ「やめてよ、あんたが殊勝だと調子狂うじゃない」
かのん(ふふっ。すみれちゃん、なんだかんだで優しいんだよね)
すみれ「これに懲りたら、次からはちゃんと放課後デートって言いなさい」 可可「ハーイ!」
すみれ「そうそう、放課後デートって…あれ?」
ざわざわ…デートだって…やっぱり二人はそういう…かのくぅ、くぅかの、どっち?…ざわざわ…
かのん「えっ、えっ?」 可可「では、改めマシテ…こほん。かのん!放課後デートしましょう!」
かのん「えっ、ええっー!?」
終わり ここ最近たびたびクーカー上げてる人かな?
毎度乙です かのくぅが可愛くて書いてしまいました。
宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作で、一応は前日談にあたります。よろしければ併せてお願いします。
かのん「可可ちゃんの好きなもの」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1629592835/
ありがとうございました。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています