歩夢「KILL THE FIGHT」ss
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自分で2スレ目建てられないなら総合スレで代行依頼はあり
続き書きたいなら無理に終わらせずに2スレ目言ってもいいんじゃない
スレを跨ぐ長編SSなんてゴロゴロあるし作者の自由だよ 今回も甘いデートよかった
おさまらないならスレまたいでも全然いいと思います おつ
気にせず書きたいように書いて超えるようなら次スレでいいと思う 歩夢「ねえ、侑ちゃん」
歩夢「予約したお店って本当にここで合ってるの…」
電車に揺られ、お店に着いた時思わず口から出たそんな私の疑問に
侑「あはは…」
侑「まさか本当におんぶされる方が圧倒的に早いなんてね…」
なんてさっきまで悲しそうに呟いていた侑ちゃんは瞳に力を取り戻して力強く答える
侑「そうだよ。今日の為に色々お店を調べて予約したんだからね」 歩夢「…でも侑ちゃん、ここって…?」
唖然としたまま中に入った私は案内された席に座る
お店を見た時、物凄くお洒落なお店だなぁって思ったけど
中に入るとその感情は更に大きくなった
出迎えてくれた店員さんの所作一つとってもそこが平凡では無いって事がわかる
天井にはシャンデリアが煌めいて
大理石の壁は指紋ひとつ無いくらい綺麗に磨かれている
テーブルが、まるで鏡のように私の驚いた顔を写している
窓から見える星空すらいつもより輝いて見える
高級さを全面に押し出しながら、それでいて下品さを全く感じさせないのは匠の成せる技だろう 彼女の予約してくれたお店に入った私はその雰囲気に圧倒される
予約してくれるくらいだから少し高級なレストランなのかな?って思ってはいた
でも、流石にここまでとは思わないよ
ふと自分の服装を思い出して安心する
幸いドレスコードが無くって助かったけど、それでも改めて果林先輩に服を選んでもらえて助かったなって思う
普段通りの服装だとここじゃ場違いになっちゃうって、そう思っちゃうくらいの空気がここにはあるから
これって世に言う高級店ってやつなんじゃ…
さっきの指輪に貯めてたお小遣いの大部分を使っちゃったんだけど大丈夫かなぁ… そんな私の不安を感じ取ったのか、侑ちゃんはあっけらかんとこう言う
侑「私が払うから心配いらないよ?」
歩夢「は?」
侑「払うよ?歩夢の分も」
歩夢「…え?」
侑「安心してよ。歩夢との初デートの為に小さい頃からずっと貯めてたんだもん」
侑「今日は私が奢るよ!」
歩夢「…えぇっ!?」
歩夢「ダメだよっ!そんなの!」 それでも侑ちゃんは眼を輝かせて引いてくれない
侑「良いの良いのっ!」
侑「これでまた私の夢が一つ叶うんだもん」
侑「むしろ、今日ここで使わせて」
侑「今日くらい私に格好つけさせてよ」
歩夢「でも…」
きっと映画のチケットとは比べ物にならない位しちゃうと思うし、さっきみたいにこの場で返す方法が見つからない
いくら恋人でもそんなに甘えちゃう訳にはいかないよ
でも、ここまで言ってくれる侑ちゃんの想いは大切にしたいし
何より私はこの眼をした侑ちゃんを止められた事がない
うぅ…どうしよぅ
侑「ふふふ、やっぱり歩夢は気にしちゃうよね」
侑「心配いらないよ。それは長年のシミュレーションで当然想定済みだから」
歩夢「想定って…」 侑「ねえ、歩夢」
侑「このお礼にさ」
侑「歩夢の手料理を私に毎日食べさせてよ」
侑ちゃんの提案
でも、それは私にとってはメリットしかないもので…
歩夢「そんなんじゃ」
侑「そんなんじゃないよ!」
侑「さっきも言ったけどね、私にとって歩夢の手料理はどんな物にも勝るご褒美なんだ」
歩夢「侑ちゃん…」
侑「毎日歩夢がご飯を作ってくれるって思うだけでも私は頑張れるよ」
侑「大袈裟に思うかもしれないけどそれは私にとって人生を支えてくれる大切なこと」
侑「それが私にとって何よりも嬉しいお礼になるんだ」
侑「もちろん歩夢が忙しかったり用事がある日は休みでも良いし」
侑「毎日が大変なら週に1回でも嬉しいからさ」 侑「それに、こうして約束しておけば歩夢は絶対に私と離れられないでしょ?」
侑「歩夢は約束を破らない良い子だからね」クスッ
歩夢「…侑ちゃんのイジワル」
歩夢「そんな約束しなくっても私は絶対に侑ちゃんから離れないもん…」
少し頬を膨らませながら抗議する
今日のデートを通してそれでも私の気持ちを疑ってるなら少し怒っちゃうよ?
ぷんぷんだよ?
侑「知ってるよ。そんなこと」
歩夢「あうっ」
侑ちゃんに頬っぺたを突っつかれてプシュ〜って空気が抜ける 侑「でも、それでも保健をかけたくなっちゃうんだよ」
侑「だって私にとって歩夢はそれくらい…」
侑「ううん。それよりもず〜っと大切な幼馴染で、恋人なんだから」
私の頬を撫でながらニコリとまるで小悪魔みたいに微笑む侑ちゃん
歩夢「むぅ〜〜っ///」
その笑顔と歯の浮くような言葉に私は恥ずかしくって真っ赤になっちゃう
侑「決まりだね」
侑ちゃんは心から嬉しそうにそう言う
まるで最初からこれを約束する事が目的だったみたいに
悪魔は契約を絶対に守らせるっていうけど、この小悪魔さんはどうなんだろうね?
私の心を掴んで離さない彼女との約束
一つ言えるのは私の毎日の楽しみも増えたって事かな?
嬉しくって頭がポワポワする そんなタイミングでウェイターさんが飲み物の注文を受けに来てくれた
フワフワして働かない頭のまま慌てて注文をする
でも、ホストである侑ちゃんに恥じないように表面上だけでも堂々としないとねっ!
襟を正して、姿勢良く
あたかもこういったお店に慣れているかのように
しずくちゃんから教わった演技の基礎は成り切る事
今の私はこういう場所に慣れた大人の女性
歩夢「これをいただけますか?」
目に付いたオレンジのジュースを指差す
オレンジジュースは大人っぽくないって?
良いでしょ、こういうのは雰囲気だよ!
…値段が怖いから注文はこの一回だけにしようかな うぅっ…侑ちゃんニヤニヤしながらこっちを見てるよ…
侑「私は紅茶をお願いします」
ウェイターさんが下がった後
侑「えへへ〜大人な歩夢も可愛いよ」
歩夢「言わないでぇ…」
色々な意味で私の意図を察していそうな侑ちゃんに茶化される
侑「後、その気持ちは嬉しいけどね歩夢」
侑「今日はコース料理を選んでるから観念してよ?」
察しの良い幼馴染は事前に私の逃げ道を塞いでくれていた 考えを読まれていた事の照れ隠しとばかりに私は存外早くウエイターさんが持って来てくれた飲みものをコクコクと飲み込む
焦っているせいで味なんてよくわからないけど
オレンジの風味のある冷たい液体が喉を通り抜けるのがとても心地いい
思わず一息に飲み干しちゃった
侑「そうそう。そうこなくっちゃ」
侑「すいません、これをおかわり」
間を持たすためだけに飲んだつもりだったのに、グラスが空くと侑ちゃんが追加で注文してくれて… そうしてるとなんだかだんだん気分が良くなってきちゃった
さっきまで頼むのは少しにしようかなって思っていた気持ちはどこかに行っちゃったみたい
心が蕩けそうなのはきっと最愛の彼女が近くにいるから
やがて料理もやってきて…
美味しい料理を食べながら好きな人と語り合う夢みたいに幸せな時間
フワフワして嬉しくって楽しくって
何杯のんだんだろう…
もうわからにゃい
でも、なんだか気分が良いからもっと飲むぞ〜
あっそうだっ、こんなに美味しいんだから侑ちゃんにも飲んでもらおう
きっと喜んでくれるよね〜? 幼い日からずっとずっと今日の為に計画を立てていた
その為の軍資金はずっと貯めてきた
お年玉は毎年貯金してたし、歩夢との外出以外では極力出費を抑えた
もしも歩夢と付き合えなかったら私はこれをどうするつもりだったんだろうね?
そんなあり得ない仮定なんて考えたくも無いけどその場合、私は例え無一文になったとしてもそれに手をつけないで人生を終えていたんじゃないかって思う
最高で最後の…いや、違うな
最後まで続く許されなかった恋の証として記憶と一緒に封印していただろう
自分でも少し重いって思うような想いを込めているのが今日のデート
この日の為にずっと前から計画を立てていたんだ
レストランの予約と映画のチケットを取るのに時間がかかって、付き合ってから初デートまでは遅れちゃってたけどね 歩夢「えへ〜っ」
今目の前で歩夢は凄くニコニコしながら飲み物を飲んでいる
かわいいなあ、歩夢は
そう思って綻びそうになる口元を引き締める
それが今日何度目かはもうわからない
歩夢の前ではかっこいい私でいたいから
もう何度もボロを出しちゃってるけどそれはそれ
だって私が一日中とけた顔のままじゃ歩夢が心配しちゃうもんね
でも、なんだか…
歩夢「えへへ〜侑ちゃんもこれ飲む〜?」
侑「歩夢?」
…さっきから歩夢の様子がおかしいような… デートに浮かれてるだけ?
きっとそれもあると思う。でも、それだけで今歩夢がこんな子供の時みたいな表情を浮かべるのはちょっと違和感
だってさっき観覧車で昔を振り返っていた時ですらこんな表情にはなっていなかったもんね
そんな私の思考をかき消すのは思考の中心人物その人
歩夢「飲んでよぉ〜」
歩夢「ほんとうに美味しいんだからっ」
侑「飲むよ!飲むからそんな顔しないで」
瞳を潤ませた歩夢からグラスを受け取る
それはとてもよく冷えていた
そのオレンジジュースに口をつける
侑「!?」
でも冷たい筈のそれは何故か焼けるように熱くって… これはキスの熱?
でも、付き合うようになってから何度もキスをして
なんなら幼い頃から事あるごとに間接キスを仕込んできた私にとって、それは嬉しくはあっても少しだけ物足りない筈
じゃあ何故こんなに熱く感じるのか
ふと、幼い日の記憶が蘇る
クリスマスに歩夢と一緒に両親に隠れてシャンパンを舐めて顔を顰めた記憶
ああ、そうか
原因は凄く単純だった
侑「歩夢!?これお酒だよ!」
歩夢が頼んでいたのは…
メニュー表を見直すと歩夢が最初に指差していたのは…これかな?
カンパリオレンジ? レストランがお酒提供するくらいには大人っぽく見えてたのか 幸運にもコース料理は既に食べ終わっていたので歩夢を支えながら会計を済ませて店を出る
エレベーターを下り一歩外に踏み出すと暖かな室内とは一転して寒さが襲ってくる
歩夢「うぅ、侑ちゃん」
その空気が冷たいのか歩夢は私に強くしがみつく
その歩夢の体温が心地良い
高級な料理の感想?
ドキドキして味なんて分からなかったけど、ニコニコする歩夢が可愛かったよ このスレッドは1000を超えました。
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