かのん「可可ちゃんな日々」
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かのん「可可ちゃん、ナポリタンが好きなの?」
可可「ハイ!どことなく懐かしさを感じる、素朴で奥深いあの味わい!ふとした時に無性に食べたくなってしまうのデス!」
かのん「あははっ、グルメなコメントだね」
可可「ああ、大好物のことを話していたら、なんだか食べたくなって来ました!」
かのん(ナポリタン、かぁ)
その夜――
かのん「えっと、ここでケチャップを入れて…」
ありあ「ねえねえ、お姉ちゃんが料理してるよ」
ママ(夜食…じゃなさそうね) ――――――――
次の日
可可「わぁぁ…!」
かのん「お待たせ、できたよ、ナポリタン!」
可可「かのんさんのナポリタン…!とっても美味しそうデス!」
かのん「作ったの久しぶりだから、あまり期待しないでね」 可可「いただきまーす!スパゲティをフォークでクルクルと巻いて」
かのん「…」
可可「あむっ、んんっ!」
かのん「ど、どう?」 可可「これは…絶品デス!」
かのん「ほ、本当?」
可可「ハイ!すごく美味しくて、可可が大好きな味です!」
かのん「わ、よかったぁ…!」 可可「玉ねぎの甘さとウインナーの旨味、そしてトマトケチャップが作り出すまろやかなハーモニー。家庭的でありながら本格的、まさに王道中の王道、ナポリタン中のナポリタン!」
かのん「嬉しいけど言いすぎだって、そんなに褒めても何も出ないよ」
可可「心のままを伝えてるだけデス。ああ、幸せの味〜♪」
かのん「ふふっ、美味しく食べてもらえてよかったよ」 可可「ほら、かのんさんも見てばかりでなく、一緒に食べまショウ!」
かのん「んー、私は可可ちゃんが食べ終わってからでいいかなって」
可可「なぜデスか?」
かのん「結構楽しいんだ、可可ちゃんの喜ぶ顔見てるの」
可可「それは食べながらでも出来ると思いマス。なにより、可可はかのんさんと一緒に食事をしたいんです」 かのん「そこまで言ってくれるなら、食べないわけにはいかないね」
可可「そうこなくては!ではでは、せーので揃って『いただきます』デス!」
かのん「はいはい」
可可「はい、は一回デス。せーの」
かのくぅ「「いただきまーす」」 ……………………………………
学校、放課後――
かのん「うわ、結構降ってきた。さっきまで晴れてたんだから、もう少し頑張ってくれてもよかったのに」
かのん「見た感じ、止みそうにないなぁ。こんな状況で頼りになるのが、困ったときの置き傘だよね」
可可「…」
かのん「あれ、可可ちゃん?」 可可「あっ、かのんさん!」
かのん「どうしたの?行きたいところがあるって言ってたから、もうとっくに帰ってると思ってたよ」
可可「あはは、そうするつもりだったのデスが」
かのん「んー?ああ、もしかして、傘ないの?」 可可「はい、雨の予報とは聞いていたのですが、うっかり…」
かのん「そっか。よければ、一緒に帰る?」
可可「ですが、かのんさんも傘は一本しか…あっ」
かのん「まあ、二人だとちょっと狭くなっちゃうけどね」 可可「かのんさんの傘に、入れてもらえるんデスか?」
かのん「しばらく止みそうにないし、雨に打たせるわけにもいかないしね。その代わり、私が傘を忘れたときはよろしくね」
可可「ありがとうございます、かのんさん!」
かのん「いいっていいって。ところでさ、可可ちゃんの行ってみたいところって、この近くなの?」
可可「徒歩で15分くらいの距離にあるお店なのデスが、雨降ってるのでまたにします」 かのん「せっかくだから付き合うよ」
可可「そんな、そこまでしていただくわけには」
かのん「遠慮は無しだよ。可可ちゃんの行きたいお店、私も興味あるし」
可可「かのんさん…!」 かのん「さ、行こ!」
可可「ハイ!」
かのん「わわっ、さすがにくっつきすぎだって」
可可「かのんさんと一緒、とっても嬉しいデスから!」 かのん「ふふっ。それで、これから向かうお店はどんなところなの?」
可可「お気に入りのコスプレ専門店デス!」
かのん「へえ、コスプレの…えっ」
可可「前々からかのんさんを誘って行きたいと思っていたので、付き合ってもらえて嬉しいデス!」 かのん「いや、あの、えっ」
可可「二人で心ゆくまで楽しみまショウ!沢山の衣装が私たちを待っていマス!」
かのん「えっ、ええーっ!?」
この後めっちゃ着せ替えられた。写真も撮った。 ……………………………………
かのん「仕上げに粉末パセリを振りかければ…へいお待ち、たこ焼き一丁!」
可可「わあ、とっても美味しそうデス!」
かのん「丸いものマスター・ちぃちゃんの直伝だからね。味も見た目も太鼓判だよ!」
可可「タイコバン?大判焼きみたいなものデスか?」 かのん「違くて、お墨付きって意味だよ」
可可「お墨付き?ソースじゃなくて墨を使うんデス?」
かのん「いやいや、だからそうじゃなくって」
可可「ああ、たこ焼きと見せかけて、実は中身はチョコバナナだったとか!」 かのん「可可ちゃん」
可可「ハイ?」
かのん「わざとやってるでしょ」
可可「バレましたか♪」 かのん「このたこ焼きは没収します」
可可「わわ、そんなのダメです!わかりました、もう言いませんから意地悪しないでクダサイ〜!」
かのん「意地悪なんて人聞きが悪い、先にいたずらしたのは可可ちゃんでしょ」
可可「すみません。かのんさんが可愛くてつい」 かのん「か、可愛いは禁止っ」
可可「うふふっ」
かのん「も、もうっ」
かのん(でも、チョコバナナ焼きかぁ。たこ焼き器を使ったスイーツってあるもんね、試してみようかな) ……………………………………
かのん「ねぇ、可可ちゃん」
可可「なんですか、かのん」
かのん「らしくないことしちゃうけど、笑わないでね」
可可「んー?」 かのん「ぎゅっ」
可可「はわっ!?」
かのん「ぎゅーっ」
可可「はわわわっ、か、かのん!?」 かのん「お礼」
可可「ふぇ?」
かのん「ライブ前、また歌えなくなっていた私を抱きしめてくれたお礼、まだしてなかったなって」
可可「あ…」 歌えない自分に落ち込んで、真っ直ぐ前を向くことができなかった私だけど、可可ちゃんと一緒なら、近付いて行けそうな気がするんだ。
諦めかけた夢に、そして新しい夢へと。
かのん「ありがとう、可可ちゃん」
終わり かのくぅが可愛くて書いてしまいました。
宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作で、一応は前日談にあたります。よろしければ併せてお願いします。
かのん「可可ちゃん日和」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1628589964/
ありがとうございました。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています